塩化ビニル樹脂の市場規模の推移 | 1985〜2024年
市場規模がどう推移したか?
拡大期(1985〜1997年)生産量は12年で7割近く増えた。1985年の155.0万トンから1997年の262.6万トンへ伸び、これが最大だった。販売額は1991年の3,410億円が最大だった。
縮小期(1998〜2012年)生産量は15年かけて山の半分近くまで減った。2000年に241.0万トン、2010年に174.9万トン、2012年には133.2万トンで底をつけ、山から5割減った。販売額も2012年に1,844.8億円まで下がった。
横ばい期(2013年〜)生産量は140万〜160万トン台で推移し、2024年は146.4万トンだった。一方で販売額は2024年に2,615.7億円と2012年から4割増え、量が戻らないまま金額だけが戻った。
上場企業はどう意思決定したか?
各社の塩ビ事業は、技術と原料をどこから調達するかの判断から始まった。日本ゼオンは1950年に、国内資源と遊休設備を活かす製品として塩ビを選び、技術を外国からの全面導入で調達した。カネカは1967年に、カーバイド法との原価差20円/kgを取りに塩ビモノマーの原料・製法を石油化学方式へ入れ替えた。信越化学工業は1973年に米テキサスでシンテックを設立し、1976年に完全子会社化して原料を内製化する垂直統合へ進んだ。
拡大期の終わりから縮小期にかけて、国内勢は撤退と統合に動いた。東ソーは1991年、バブル期のエチレン増設の反動で10事業から撤退し、塩ビに集中して再投資した。デンカは1996年に塩ビ事業を東ソー・三井東圧化学と事業統合し、日本ゼオンは2000年に事業統合会社への移管と自社生産の打ち切りで撤退した。
生産量が底をつけた後も残った社は、コストと立地で競争優位を築いた。東ソーは他社が縮小・撤退する汎用塩ビをコストと技術で磨いて残した。信越化学は「フル生産、全量販売」を全事業へ展開し、シンテックは2024年にプラケマイン新工場の稼働で年産能力364万トンに達した。
主な企業
塩化ビニル樹脂 | 国内市場規模・販売額・生産量
| 年 | 月 | 販売額 | 単位 | 生産量 | 単位 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1985年 | 1月〜12月 | 2,540 | 億円 | 1,550 | 千トン |
| 1986年 | 1月〜12月 | 2,370 | 億円 | 1,540 | 千トン |
| 1987年 | 1月〜12月 | 2,490 | 億円 | 1,663 | 千トン |
| 1988年 | 1月〜12月 | 2,760 | 億円 | 1,838 | 千トン |
| 1989年 | 1月〜12月 | 3,000 | 億円 | 1,973 | 千トン |
| 1990年 | 1月〜12月 | 3,220 | 億円 | 2,049 | 千トン |
| 1991年 | 1月〜12月 | 3,410 | 億円 | 2,055 | 千トン |
| 1992年 | 1月〜12月 | 3,150 | 億円 | 1,983 | 千トン |
| 1993年 | 1月〜12月 | 2,840 | 億円 | 1,980 | 千トン |
| 1994年 | 1月〜12月 | 2,680 | 億円 | 2,111 | 千トン |
| 1995年 | 1月〜12月 | 2,850 | 億円 | 2,274 | 千トン |
| 1996年 | 1月〜12月 | 2,920 | 億円 | 2,511 | 千トン |
| 1997年 | 1月〜12月 | 2,970 | 億円 | 2,626 | 千トン |
| 1998年 | 1月〜12月 | 2,670 | 億円 | 2,457 | 千トン |
| 1999年 | 1月〜12月 | 2,550 | 億円 | 2,460 | 千トン |
| 2000年 | 1月〜12月 | 2,740 | 億円 | 2,410 | 千トン |
| 2001年 | 1月〜12月 | 2,510 | 億円 | 2,195 | 千トン |
| 2002年 | 1月〜12月 | 2,380 | 億円 | 2,225 | 千トン |
| 2003年 | 1月〜12月 | 2,290 | 億円 | 2,164 | 千トン |
| 2004年注1 | 1月〜12月 | 2,439.1 | 億円 | 2,153.3 | 千トン |
| 2005年 | 1月〜12月 | 2,508.7 | 億円 | 2,151.4 | 千トン |
| 2006年 | 1月〜12月 | 2,596.1 | 億円 | 2,145.9 | 千トン |
| 2007年 | 1月〜12月 | 2,756.1 | 億円 | 2,161.5 | 千トン |
| 2008年 | 1月〜12月 | 2,503.8 | 億円 | 1,797.4 | 千トン |
| 2009年 | 1月〜12月 | 1,931.2 | 億円 | 1,668.1 | 千トン |
| 2010年 | 1月〜12月 | 2,162.9 | 億円 | 1,749 | 千トン |
| 2011年 | 1月〜12月 | 2,038.8 | 億円 | 1,528.5 | 千トン |
| 2012年 | 1月〜12月 | 1,844.8 | 億円 | 1,331.9 | 千トン |
| 2013年 | 1月〜12月 | 2,137.7 | 億円 | 1,486.6 | 千トン |
| 2014年 | 1月〜12月 | 2,225.1 | 億円 | 1,476.7 | 千トン |
| 2015年 | 1月〜12月 | 2,271.7 | 億円 | 1,646.1 | 千トン |
| 2016年 | 1月〜12月 | 2,103.5 | 億円 | 1,650.9 | 千トン |
| 2017年 | 1月〜12月 | 2,298.5 | 億円 | 1,705.9 | 千トン |
| 2018年 | 1月〜12月 | 2,308.9 | 億円 | 1,690.3 | 千トン |
| 2019年 | 1月〜12月 | 2,372.1 | 億円 | 1,732.5 | 千トン |
| 2020年 | 1月〜12月 | 2,227.1 | 億円 | 1,626.5 | 千トン |
| 2021年 | 1月〜12月 | 2,500.8 | 億円 | 1,625.3 | 千トン |
| 2022年 | 1月〜12月 | 2,782.9 | 億円 | 1,544.9 | 千トン |
| 2023年 | 1月〜12月 | 2,680.5 | 億円 | 1,547.8 | 千トン |
| 2024年 | 1月〜12月 | 2,615.7 | 億円 | 1,463.9 | 千トン |
主な企業
調査中
注釈
- 注12004 年から経済産業省「生産動態統計」に切り替え(2003 年までは総務省統計局「日本の長期統計系列」表 08-09-j)。定義・範囲の違いで前後が段差になることがある
- 塩化ビニル樹脂: 塩化ビニル樹脂計=ポリマー+コポリマー+ペースト
出典
| 期間 | 統計 | 表・資料 |
|---|---|---|
| 1985〜2003 年 | 総務省統計局「日本の長期統計系列」 | 表 08-09-j「主要品目の生産量及び生産額 - 化学製品の生産量及び販売額(昭和60年~平成15年)」 |
| 2004〜2024 年 | 経済産業省「生産動態統計」 | 年報・時系列表(品目ごとの対応は注釈) |
| 考察 | 経済産業省「生産動態統計」(このページの数字)、各社の経営判断の各ページと有価証券報告書の沿革 |