第5章 年〜年

トヨタ自動車の奥田碩体制のダイハツ子会社化と海外生産の倍増

国内の頭打ちを海外生産能力の先行拡大で突破した規模の経営

売上高
連結 1996/03期 10兆7,187億円 → 2008/03期 26兆2,892億円 (CAGR +7.8%)
転機
年 ダイハツ工業の子会社化年 CCC21年 海外生産の国内生産超え

1996年〜奥田碩社長の2005年ビジョンと、プリウス発売・ダイハツ工業の子会社化

1996年1月、社長の奥田碩氏は長期ビジョン「トヨタ2005年ビジョン」を全社に発表した。副社長時代に経営企画部へ策定させたもので、2005年に連結売上高15兆円、経常利益率11〜12%を置いた。1997年3月期の実績は連結売上高12.2兆円、経常利益率5.8%で、ビジョンは規模の拡大を前提に組まれていた。奥田碩氏は世界シェアで先を行くGMとフォードについて、『世界シェアで先を行く米GM(ゼネラル・モーターズ)やフォードに追いつきたくないかと言われれば、やはり追いつきたい』と明かしていた。1997年8月の役員合宿では、世界シェア15%に達したと仮定して何が必要かを役員に討議させた。5年後の2010年グローバルビジョンが掲げる15%は、この時点ですでに経営陣の議題に上っていたことになる。

  • 『トヨタ自動車75年史 第3部第3章第3節』「第2項 「第2の創業」に向けて」(トヨタ自動車, 2012年)
    • [1]1996年1月に奥田碩社長(1995年8月就任)がトヨタ2005年ビジョンを全社に発表した
  • 日経ビジネス 1998年1月5日号(日経BP社)
    • [2]2005年ビジョンは副社長時代の奥田氏が経営企画部に策定させたもの。2005年に連結売上高15兆円(1997年3月期12.2兆円)、経常利益率11〜12%(同5.8%)を目標とした。1997年8月の三ヶ日研修所の役員合宿で、世界シェア15%になると仮定して何が必要かを討議させた
    • [3]2005年ビジョンは副社長時代の奥田氏が経営企画部に策定させたもの。2005年に連結売上高15兆円(1997年3月期12.2兆円)、経常利益率11〜12%(同5.8%)を目標とした。1997年8月の三ヶ日研修所の役員合宿で、世界シェア15%になると仮定して何が必要かを討議させた
    • [4]2005年ビジョンは副社長時代の奥田氏が経営企画部に策定させたもの。2005年に連結売上高15兆円(1997年3月期12.2兆円)、経常利益率11〜12%(同5.8%)を目標とした。1997年8月の三ヶ日研修所の役員合宿で、世界シェア15%になると仮定して何が必要かを討議させた
    • [5]2005年ビジョンは副社長時代の奥田氏が経営企画部に策定させたもの。2005年に連結売上高15兆円(1997年3月期12.2兆円)、経常利益率11〜12%(同5.8%)を目標とした。1997年8月の三ヶ日研修所の役員合宿で、世界シェア15%になると仮定して何が必要かを討議させた

奥田碩氏は社長に就任した直後、グループの求心力を保つねらいでダイハツ工業の経営権取得をまとめた。国内では登録車シェア40%の目標を掲げ、1996年には常務以上19人のうち2人だけを留任させる人事で経営陣を入れ替えた。それでも軽自動車を除く国内販売シェアは1997年1〜11月の累計で39.3%にとどまり、2年続けて40%を割った。1998年8月28日、トヨタはダイハツ工業との提携関係の強化を発表し、同年9月にダイハツ工業を子会社とした。登録車の販売シェアが伸びないなか、軽自動車を持つダイハツ工業を資本でグループ内に固め、国内の台数の基盤を別の経路で確保したとみられる。

  • 日経ビジネス 1998年1月5日号(日経BP社)
    • [6]奥田氏は社長就任直後、グループの求心力を維持するため資本の論理でダイハツ工業の経営権取得をまとめた。国内シェア40%の目標を掲げ、1996年に常務以上19人中留任2人の人事を断行。軽自動車を除く国内販売シェアは1997年1〜11月累計で39.3%、2年連続の40%割れが確実となった
    • [7]奥田氏は社長就任直後、グループの求心力を維持するため資本の論理でダイハツ工業の経営権取得をまとめた。国内シェア40%の目標を掲げ、1996年に常務以上19人中留任2人の人事を断行。軽自動車を除く国内販売シェアは1997年1〜11月累計で39.3%、2年連続の40%割れが確実となった
    • [8]奥田氏は社長就任直後、グループの求心力を維持するため資本の論理でダイハツ工業の経営権取得をまとめた。国内シェア40%の目標を掲げ、1996年に常務以上19人中留任2人の人事を断行。軽自動車を除く国内販売シェアは1997年1〜11月累計で39.3%、2年連続の40%割れが確実となった
  • 『トヨタ自動車75年史 総合年表(1991年〜2000年)』(トヨタ自動車, 2012年)
    • [9]1998年8月28日にダイハツ工業との提携関係の強化を発表し、同年9月にダイハツ工業を子会社化した

1997年12月、トヨタは電気モーターとガソリンエンジンを駆動力とするハイブリッド車「プリウス」を発売した。社内には品質やコスト低減の見通しを案じる慎重論があり、奥田碩氏ら経営陣が技術陣を引っ張って発売に至った。奥田碩氏は、ハイブリッド車や燃料電池車の開発が自動車産業の命運を握り、拡大を続けるには社会との調和が要ると考えていた。在任中には中国5社・米国2社を含む海外生産事業体10社を新設した。海外生産は1995年の152万2,653台から1999年の177万7,126台へ増えた。1999年6月に副社長の張富士夫氏が社長に就任し、持ち株会社構想と国内シェア40%、海外の生産拠点の稼働を安定させる課題を引き継いだ。

  • 日経ビジネス 1998年1月5日号(日経BP社)
    • [10]1997年12月にハイブリッド車プリウスを発売。社内には品質上の心配やコストダウンのめどへの慎重意見があったが、奥田氏らトップが技術陣を引っ張り発売にこぎ着けた。奥田氏はハイブリッド車や燃料電池車の開発が自動車産業の命運を握ると考え、拡大主義には社会との調和が必要とみていた
    • [11]1997年12月にハイブリッド車プリウスを発売。社内には品質上の心配やコストダウンのめどへの慎重意見があったが、奥田氏らトップが技術陣を引っ張り発売にこぎ着けた。奥田氏はハイブリッド車や燃料電池車の開発が自動車産業の命運を握ると考え、拡大主義には社会との調和が必要とみていた
    • [12]1997年12月にハイブリッド車プリウスを発売。社内には品質上の心配やコストダウンのめどへの慎重意見があったが、奥田氏らトップが技術陣を引っ張り発売にこぎ着けた。奥田氏はハイブリッド車や燃料電池車の開発が自動車産業の命運を握ると考え、拡大主義には社会との調和が必要とみていた
  • 『トヨタ自動車75年史 資料編 海外生産事業体の変遷』(トヨタ自動車, 2012年)
    • [13]奥田氏の社長在任中(1995〜1999年)に海外生産事業体を10社新設(中国5社、米国2社、ベトナム・インド・フランス各1社)
  • 『トヨタ自動車75年史 資料編 海外生産台数の推移』(トヨタ自動車, 2012年)
    • [14]海外生産台数は1995年1,522,653台、1999年1,777,126台
  • 日経ビジネス 1999年8月30日号(日経BP社)
    • [15]1999年6月に張富士夫副社長が社長に就任。持ち株会社構想、軽自動車を含む国内シェア40%、欧米の生産拠点を核とした海外戦略が奥田会長から申し送られた課題とされた
参考文献[1]-[15]
  • 『トヨタ自動車75年史 第3部第3章第3節』「第2項 「第2の創業」に向けて」(トヨタ自動車, 2012年)
    • [1]1996年1月に奥田碩社長(1995年8月就任)がトヨタ2005年ビジョンを全社に発表した
  • 日経ビジネス 1998年1月5日号(日経BP社)
    • [2]2005年ビジョンは副社長時代の奥田氏が経営企画部に策定させたもの。2005年に連結売上高15兆円(1997年3月期12.2兆円)、経常利益率11〜12%(同5.8%)を目標とした。1997年8月の三ヶ日研修所の役員合宿で、世界シェア15%になると仮定して何が必要かを討議させた
    • [3]2005年ビジョンは副社長時代の奥田氏が経営企画部に策定させたもの。2005年に連結売上高15兆円(1997年3月期12.2兆円)、経常利益率11〜12%(同5.8%)を目標とした。1997年8月の三ヶ日研修所の役員合宿で、世界シェア15%になると仮定して何が必要かを討議させた
    • [4]2005年ビジョンは副社長時代の奥田氏が経営企画部に策定させたもの。2005年に連結売上高15兆円(1997年3月期12.2兆円)、経常利益率11〜12%(同5.8%)を目標とした。1997年8月の三ヶ日研修所の役員合宿で、世界シェア15%になると仮定して何が必要かを討議させた
    • [5]2005年ビジョンは副社長時代の奥田氏が経営企画部に策定させたもの。2005年に連結売上高15兆円(1997年3月期12.2兆円)、経常利益率11〜12%(同5.8%)を目標とした。1997年8月の三ヶ日研修所の役員合宿で、世界シェア15%になると仮定して何が必要かを討議させた
    • [6]奥田氏は社長就任直後、グループの求心力を維持するため資本の論理でダイハツ工業の経営権取得をまとめた。国内シェア40%の目標を掲げ、1996年に常務以上19人中留任2人の人事を断行。軽自動車を除く国内販売シェアは1997年1〜11月累計で39.3%、2年連続の40%割れが確実となった
    • [7]奥田氏は社長就任直後、グループの求心力を維持するため資本の論理でダイハツ工業の経営権取得をまとめた。国内シェア40%の目標を掲げ、1996年に常務以上19人中留任2人の人事を断行。軽自動車を除く国内販売シェアは1997年1〜11月累計で39.3%、2年連続の40%割れが確実となった
    • [8]奥田氏は社長就任直後、グループの求心力を維持するため資本の論理でダイハツ工業の経営権取得をまとめた。国内シェア40%の目標を掲げ、1996年に常務以上19人中留任2人の人事を断行。軽自動車を除く国内販売シェアは1997年1〜11月累計で39.3%、2年連続の40%割れが確実となった
    • [10]1997年12月にハイブリッド車プリウスを発売。社内には品質上の心配やコストダウンのめどへの慎重意見があったが、奥田氏らトップが技術陣を引っ張り発売にこぎ着けた。奥田氏はハイブリッド車や燃料電池車の開発が自動車産業の命運を握ると考え、拡大主義には社会との調和が必要とみていた
    • [11]1997年12月にハイブリッド車プリウスを発売。社内には品質上の心配やコストダウンのめどへの慎重意見があったが、奥田氏らトップが技術陣を引っ張り発売にこぎ着けた。奥田氏はハイブリッド車や燃料電池車の開発が自動車産業の命運を握ると考え、拡大主義には社会との調和が必要とみていた
    • [12]1997年12月にハイブリッド車プリウスを発売。社内には品質上の心配やコストダウンのめどへの慎重意見があったが、奥田氏らトップが技術陣を引っ張り発売にこぎ着けた。奥田氏はハイブリッド車や燃料電池車の開発が自動車産業の命運を握ると考え、拡大主義には社会との調和が必要とみていた
  • 『トヨタ自動車75年史 総合年表(1991年〜2000年)』(トヨタ自動車, 2012年)
    • [9]1998年8月28日にダイハツ工業との提携関係の強化を発表し、同年9月にダイハツ工業を子会社化した
  • 『トヨタ自動車75年史 資料編 海外生産事業体の変遷』(トヨタ自動車, 2012年)
    • [13]奥田氏の社長在任中(1995〜1999年)に海外生産事業体を10社新設(中国5社、米国2社、ベトナム・インド・フランス各1社)
  • 『トヨタ自動車75年史 資料編 海外生産台数の推移』(トヨタ自動車, 2012年)
    • [14]海外生産台数は1995年1,522,653台、1999年1,777,126台
  • 日経ビジネス 1999年8月30日号(日経BP社)
    • [15]1999年6月に張富士夫副社長が社長に就任。持ち株会社構想、軽自動車を含む国内シェア40%、欧米の生産拠点を核とした海外戦略が奥田会長から申し送られた課題とされた

2000年〜CCC21と2010年グローバルビジョン、世界シェア15%の目標

2000年7月、トヨタは主要部品の原価を30%下げて世界最安値を狙うCCC21に着手した。対象は総部品調達額の90%以上を占める主要170品目で、部品メーカーと調達・設計・生産技術の各部門が品目ごとの目標に取り組んだ。2003年3月期のコスト削減効果は2,900億円に上った。同じ期の連結販売台数は過去最高の611万台で、うち389万台が海外での販売だった。2003年7月、社長の張富士夫氏は国内市場のデフレによる停滞と、需要のコンパクト車への移行を挙げた。そのうえで、台数やシェアの拡大が収益につながる従来の方程式はもう成り立たないと認めた。対策として、各地域の現地生産能力を引き続き引き上げる方針を示した。

  • 『トヨタ自動車75年史 第3部第4章第7節』「第2項 原価低減と品質確保」(トヨタ自動車, 2012年)
    • [16]2000年7月にCCC21に着手。車の品質と価格目標から部品の機能・品質・コストを技術、生産技術・生産、調達、仕入先の4者で見直し、主要品目で30%の低減と世界最安値を目指した
  • トヨタ自動車 アニュアルレポート2003「社長インタビュー」
    • [17]CCC21は総部品調達額の90%以上を占める主要170品目で世界ナンバーワンの価格競争力を目標とし、計画通り達成の目処をつけた。2003年3月期は原価低減で2,900億円のコスト削減効果、連結販売台数は過去最高の611万台でうち海外389万台。国内はデフレで市場が停滞しコンパクト車へ需要がシフトし、台数やシェアの拡大が収益につながる従来の方程式が成り立たない。現地生産能力を引き続き引き上げる
    • [18]CCC21は総部品調達額の90%以上を占める主要170品目で世界ナンバーワンの価格競争力を目標とし、計画通り達成の目処をつけた。2003年3月期は原価低減で2,900億円のコスト削減効果、連結販売台数は過去最高の611万台でうち海外389万台。国内はデフレで市場が停滞しコンパクト車へ需要がシフトし、台数やシェアの拡大が収益につながる従来の方程式が成り立たない。現地生産能力を引き続き引き上げる
    • [19]CCC21は総部品調達額の90%以上を占める主要170品目で世界ナンバーワンの価格競争力を目標とし、計画通り達成の目処をつけた。2003年3月期は原価低減で2,900億円のコスト削減効果、連結販売台数は過去最高の611万台でうち海外389万台。国内はデフレで市場が停滞しコンパクト車へ需要がシフトし、台数やシェアの拡大が収益につながる従来の方程式が成り立たない。現地生産能力を引き続き引き上げる
    • [20]CCC21は総部品調達額の90%以上を占める主要170品目で世界ナンバーワンの価格競争力を目標とし、計画通り達成の目処をつけた。2003年3月期は原価低減で2,900億円のコスト削減効果、連結販売台数は過去最高の611万台でうち海外389万台。国内はデフレで市場が停滞しコンパクト車へ需要がシフトし、台数やシェアの拡大が収益につながる従来の方程式が成り立たない。現地生産能力を引き続き引き上げる
    • [21]CCC21は総部品調達額の90%以上を占める主要170品目で世界ナンバーワンの価格競争力を目標とし、計画通り達成の目処をつけた。2003年3月期は原価低減で2,900億円のコスト削減効果、連結販売台数は過去最高の611万台でうち海外389万台。国内はデフレで市場が停滞しコンパクト車へ需要がシフトし、台数やシェアの拡大が収益につながる従来の方程式が成り立たない。現地生産能力を引き続き引き上げる
    • [22]CCC21は総部品調達額の90%以上を占める主要170品目で世界ナンバーワンの価格競争力を目標とし、計画通り達成の目処をつけた。2003年3月期は原価低減で2,900億円のコスト削減効果、連結販売台数は過去最高の611万台でうち海外389万台。国内はデフレで市場が停滞しコンパクト車へ需要がシフトし、台数やシェアの拡大が収益につながる従来の方程式が成り立たない。現地生産能力を引き続き引き上げる

2002年4月、トヨタは「2010年グローバルビジョン」を発表し、2010年代の早い時期に世界シェア15%を獲得する目標を掲げた。張富士夫氏はこの数字をトヨタグループ共通の目標と位置づけ、『市場予測に基づき厳密に積み上げたものではありませんが、次の大きな夢として取り組みたいと考えています』と説明した。会長の奥田碩氏は2003年7月、中国やインド、中・東欧、ロシアを、これから本格的なモータリゼーションを迎える膨大な潜在市場とみなした。2003年6月末には経営の意思決定を担う取締役会を絞り込み、業務執行を担う非取締役の常務役員を新設した。国内の台数が利益を生まなくなった以上、成長の場は新興国を含む海外の需要に求めるほかなく、15%はその移動を急がせる目標だったと考えられる。

  • トヨタ自動車 アニュアルレポート2003「社長インタビュー」
    • [23]2010年グローバルビジョンでトヨタグループ共通の目標として2010年代の早い時期にグローバル・シェア15%を掲げた。市場予測から厳密に積み上げた数字ではないとした。2003年6月末から取締役会をスリム化し、業務執行を担当する常務役員(非取締役)を新設
    • [24]2010年グローバルビジョンでトヨタグループ共通の目標として2010年代の早い時期にグローバル・シェア15%を掲げた。市場予測から厳密に積み上げた数字ではないとした。2003年6月末から取締役会をスリム化し、業務執行を担当する常務役員(非取締役)を新設
    • [26]2010年グローバルビジョンでトヨタグループ共通の目標として2010年代の早い時期にグローバル・シェア15%を掲げた。市場予測から厳密に積み上げた数字ではないとした。2003年6月末から取締役会をスリム化し、業務執行を担当する常務役員(非取締役)を新設
  • トヨタ自動車 アニュアルレポート2003「会長メッセージ」
    • [25]中国をはじめインドや中・東欧、ロシアなどはこれから本格的なモータリゼーションの時代を迎える膨大な潜在市場

2001〜06年には、フランス・中国・チェコ・米国で車両工場が相次いで稼働した。年産20万台規模の工場を毎年2〜3カ所ずつ新設する速さだった。2004年3月期には第一汽車との協業で中国事業を本格的に始め、カナダでは海外で初めてレクサスの生産に入った。海外生産台数は2000年の195万6,574台から、2005年には367万2,371台へ増えた。5年間の増加は171万台余りで、1985年の30万8,125台から2000年までの15年間に積み上げた台数を上回った。世界シェア15%という目標は、市場予測の積み上げではなく、工場を先に建てる速度によって実体を与えられていったと推察される。

  • 『トヨタ自動車75年史 第3部第5章第1節』「第1項 ハイペースの成長」(トヨタ自動車, 2012年)
    • [27]2001〜06年にフランス、中国、チェコ、米国などで車両工場が新たに稼働。年産能力20万台規模の工場を毎年2〜3カ所新設するペースだった
    • [28]2001〜06年にフランス、中国、チェコ、米国などで車両工場が新たに稼働。年産能力20万台規模の工場を毎年2〜3カ所新設するペースだった
  • トヨタ自動車 第100期 事業報告書「株主の皆様へ」(2004年6月)
    • [29]第100期(2004年3月期)に第一汽車との協業で中国事業を本格始動し、カナダで海外初のレクサスブランド車の生産を開始した
  • 『トヨタ自動車75年史 資料編 海外生産台数の推移』(トヨタ自動車, 2012年)
    • [30]海外生産台数は1985年308,125台、2000年1,956,574台、2005年3,672,371台
    • [31]海外生産台数は1985年308,125台、2000年1,956,574台、2005年3,672,371台
参考文献[16]-[31]
  • 『トヨタ自動車75年史 第3部第4章第7節』「第2項 原価低減と品質確保」(トヨタ自動車, 2012年)
    • [16]2000年7月にCCC21に着手。車の品質と価格目標から部品の機能・品質・コストを技術、生産技術・生産、調達、仕入先の4者で見直し、主要品目で30%の低減と世界最安値を目指した
  • トヨタ自動車 アニュアルレポート2003「社長インタビュー」
    • [17]CCC21は総部品調達額の90%以上を占める主要170品目で世界ナンバーワンの価格競争力を目標とし、計画通り達成の目処をつけた。2003年3月期は原価低減で2,900億円のコスト削減効果、連結販売台数は過去最高の611万台でうち海外389万台。国内はデフレで市場が停滞しコンパクト車へ需要がシフトし、台数やシェアの拡大が収益につながる従来の方程式が成り立たない。現地生産能力を引き続き引き上げる
    • [18]CCC21は総部品調達額の90%以上を占める主要170品目で世界ナンバーワンの価格競争力を目標とし、計画通り達成の目処をつけた。2003年3月期は原価低減で2,900億円のコスト削減効果、連結販売台数は過去最高の611万台でうち海外389万台。国内はデフレで市場が停滞しコンパクト車へ需要がシフトし、台数やシェアの拡大が収益につながる従来の方程式が成り立たない。現地生産能力を引き続き引き上げる
    • [19]CCC21は総部品調達額の90%以上を占める主要170品目で世界ナンバーワンの価格競争力を目標とし、計画通り達成の目処をつけた。2003年3月期は原価低減で2,900億円のコスト削減効果、連結販売台数は過去最高の611万台でうち海外389万台。国内はデフレで市場が停滞しコンパクト車へ需要がシフトし、台数やシェアの拡大が収益につながる従来の方程式が成り立たない。現地生産能力を引き続き引き上げる
    • [20]CCC21は総部品調達額の90%以上を占める主要170品目で世界ナンバーワンの価格競争力を目標とし、計画通り達成の目処をつけた。2003年3月期は原価低減で2,900億円のコスト削減効果、連結販売台数は過去最高の611万台でうち海外389万台。国内はデフレで市場が停滞しコンパクト車へ需要がシフトし、台数やシェアの拡大が収益につながる従来の方程式が成り立たない。現地生産能力を引き続き引き上げる
    • [21]CCC21は総部品調達額の90%以上を占める主要170品目で世界ナンバーワンの価格競争力を目標とし、計画通り達成の目処をつけた。2003年3月期は原価低減で2,900億円のコスト削減効果、連結販売台数は過去最高の611万台でうち海外389万台。国内はデフレで市場が停滞しコンパクト車へ需要がシフトし、台数やシェアの拡大が収益につながる従来の方程式が成り立たない。現地生産能力を引き続き引き上げる
    • [22]CCC21は総部品調達額の90%以上を占める主要170品目で世界ナンバーワンの価格競争力を目標とし、計画通り達成の目処をつけた。2003年3月期は原価低減で2,900億円のコスト削減効果、連結販売台数は過去最高の611万台でうち海外389万台。国内はデフレで市場が停滞しコンパクト車へ需要がシフトし、台数やシェアの拡大が収益につながる従来の方程式が成り立たない。現地生産能力を引き続き引き上げる
    • [23]2010年グローバルビジョンでトヨタグループ共通の目標として2010年代の早い時期にグローバル・シェア15%を掲げた。市場予測から厳密に積み上げた数字ではないとした。2003年6月末から取締役会をスリム化し、業務執行を担当する常務役員(非取締役)を新設
    • [24]2010年グローバルビジョンでトヨタグループ共通の目標として2010年代の早い時期にグローバル・シェア15%を掲げた。市場予測から厳密に積み上げた数字ではないとした。2003年6月末から取締役会をスリム化し、業務執行を担当する常務役員(非取締役)を新設
    • [26]2010年グローバルビジョンでトヨタグループ共通の目標として2010年代の早い時期にグローバル・シェア15%を掲げた。市場予測から厳密に積み上げた数字ではないとした。2003年6月末から取締役会をスリム化し、業務執行を担当する常務役員(非取締役)を新設
  • トヨタ自動車 アニュアルレポート2003「会長メッセージ」
    • [25]中国をはじめインドや中・東欧、ロシアなどはこれから本格的なモータリゼーションの時代を迎える膨大な潜在市場
  • 『トヨタ自動車75年史 第3部第5章第1節』「第1項 ハイペースの成長」(トヨタ自動車, 2012年)
    • [27]2001〜06年にフランス、中国、チェコ、米国などで車両工場が新たに稼働。年産能力20万台規模の工場を毎年2〜3カ所新設するペースだった
    • [28]2001〜06年にフランス、中国、チェコ、米国などで車両工場が新たに稼働。年産能力20万台規模の工場を毎年2〜3カ所新設するペースだった
  • トヨタ自動車 第100期 事業報告書「株主の皆様へ」(2004年6月)
    • [29]第100期(2004年3月期)に第一汽車との協業で中国事業を本格始動し、カナダで海外初のレクサスブランド車の生産を開始した
  • 『トヨタ自動車75年史 資料編 海外生産台数の推移』(トヨタ自動車, 2012年)
    • [30]海外生産台数は1985年308,125台、2000年1,956,574台、2005年3,672,371台
    • [31]海外生産台数は1985年308,125台、2000年1,956,574台、2005年3,672,371台

2005年〜渡辺捷昭社長の「成長」と「効率」の両立、単体の海外生産が国内生産を上回った2007年

2005年6月23日、副社長として4年間調達部門を率いてきた渡辺捷昭氏が社長に就任した。直前の2005年3月期には、タイやアルゼンチンなど世界7カ国でIMVシリーズの生産が始まり、中国では広州汽車と車両の生産・販売会社を設けた。同期の連結の世界総販売台数は過去最高の740万8千台に達した。渡辺捷昭氏は経営課題を「成長」と「効率」の持続的な両立に置き、『効率を犠牲にした成長も、反対に成長を犠牲にした効率も目指すつもりはありません』と表明した。供給力については需要のある地域で生産する方針を基本に据え、海外生産を当時の約2倍の500万台規模まで拡大する計画を示した。北米・タイ・中国・ロシアでは、新工場の稼働や建設が控えていた。

  • トヨタ自動車 アニュアルレポート2005「社長メッセージ」
    • [32]2005年6月23日の定時株主総会後の取締役会で社長に就任。副社長の4年間は主に調達部門の責任者。経営課題は「成長」と「効率」の持続的な両立。「需要のあるところで生産」を基本方針に、将来的に海外生産を現状の約2倍の500万台規模まで拡大する計画。北米、タイ、中国、ロシアで新工場の稼働・建設を控える
    • [35]2005年6月23日の定時株主総会後の取締役会で社長に就任。副社長の4年間は主に調達部門の責任者。経営課題は「成長」と「効率」の持続的な両立。「需要のあるところで生産」を基本方針に、将来的に海外生産を現状の約2倍の500万台規模まで拡大する計画。北米、タイ、中国、ロシアで新工場の稼働・建設を控える
    • [36]2005年6月23日の定時株主総会後の取締役会で社長に就任。副社長の4年間は主に調達部門の責任者。経営課題は「成長」と「効率」の持続的な両立。「需要のあるところで生産」を基本方針に、将来的に海外生産を現状の約2倍の500万台規模まで拡大する計画。北米、タイ、中国、ロシアで新工場の稼働・建設を控える
    • [37]2005年6月23日の定時株主総会後の取締役会で社長に就任。副社長の4年間は主に調達部門の責任者。経営課題は「成長」と「効率」の持続的な両立。「需要のあるところで生産」を基本方針に、将来的に海外生産を現状の約2倍の500万台規模まで拡大する計画。北米、タイ、中国、ロシアで新工場の稼働・建設を控える
  • トヨタ自動車 第101期 事業報告書「株主の皆様へ」(2005年6月)
    • [33]第101期(2005年3月期)にタイ、アルゼンチンなど世界7カ国でIMVシリーズの生産を開始、広州汽車と車両の生産・販売を行う新会社を設立。連結の世界総販売台数は過去最高の740万8千台
    • [34]第101期(2005年3月期)にタイ、アルゼンチンなど世界7カ国でIMVシリーズの生産を開始、広州汽車と車両の生産・販売を行う新会社を設立。連結の世界総販売台数は過去最高の740万8千台

2007年、トヨタ単体の海外生産は初めて国内生産を上回った。同年末の海外生産拠点は27カ国・地域の53事業体を数えた。2007年3月期の連結営業利益は2兆2,386億円を計上した。2008年3月期の連結車両販売台数は891万4千台に達した。渡辺捷昭氏は同期の業績について、地域別の収益の配分が大変バランスの良いものになったと評価した。その要因には、アジア・中南米・オセアニア・アフリカなど資源国・新興国での収益の拡大を挙げた。中国を中心に持分法投資損益も大きく伸び、渡辺捷昭氏はフルラインの商品構成で世界の全地域の機会を獲得する成長シナリオの成果と位置づけた。

  • 『トヨタ自動車75年史 第3部第5章第1節』「第1項 ハイペースの成長」(トヨタ自動車, 2012年)
    • [38]2007年に単体の海外生産が国内生産を初めて上回り、2007年末の海外生産拠点は27カ国・地域の53事業体
    • [39]2007年に単体の海外生産が国内生産を初めて上回り、2007年末の海外生産拠点は27カ国・地域の53事業体
  • トヨタ自動車 有価証券報告書 第103期(2007年3月期)【連結損益計算書】
    • [40]2007年3月期の連結営業利益は2,238,683百万円(米国基準)
  • トヨタ自動車 有価証券報告書 第104期(2008年3月期)【生産、受注及び販売の状況】
    • [41]2008年3月期の連結車両販売台数は891万4千台
  • トヨタ自動車 アニュアルレポート2008「社長インタビュー」
    • [42]2008年3月期の地域別の収益バランスはアジア、中南米、オセアニア、アフリカなど資源国・新興国の収益拡大で大変バランスの良いものに。持分法投資損益も中国を中心に大幅に伸びた。「フルラインの商品構成により世界全地域でチャンスを獲得する」成長シナリオの成果
    • [43]2008年3月期の地域別の収益バランスはアジア、中南米、オセアニア、アフリカなど資源国・新興国の収益拡大で大変バランスの良いものに。持分法投資損益も中国を中心に大幅に伸びた。「フルラインの商品構成により世界全地域でチャンスを獲得する」成長シナリオの成果
    • [44]2008年3月期の地域別の収益バランスはアジア、中南米、オセアニア、アフリカなど資源国・新興国の収益拡大で大変バランスの良いものに。持分法投資損益も中国を中心に大幅に伸びた。「フルラインの商品構成により世界全地域でチャンスを獲得する」成長シナリオの成果

2004年半ばから、原油や鋼材、貴金属の価格が上がった。原価改善の効果は2002〜03年度の年3,000億円規模から、2006年度には1,000億円まで縮んだ。2008年3月期は原材料の値上がりを吸収したうえで1,200億円の原価改善を確保し、設計から部品をシステム単位で見直すVI活動を進めた。北米市場は同期の下半期に、原油高とサブプライムローン問題による金融不安で縮小に転じた。最大の収益源だった北米は第4四半期に営業赤字となり、所在地別営業利益に占める比率は57%から36%へ下がった。2009年3月期の見通しは営業利益29.5%減の1兆6,000億円で、その後の金融危機で3度にわたり引き下げた。先に積んだ海外の生産能力は、需要が縮めば固定費の重荷に転じる性質を抱えていたのだろう。

  • 『トヨタ自動車75年史 第3部第5章第1節』「第1項 ハイペースの成長」(トヨタ自動車, 2012年)
    • [45]2004年半ばから原油・鋼材・貴金属など素材価格が高騰し、原価改善効果は2002〜03年度の年3,000億円レベルから2006年度に1,000億円へ低下
    • [46]2004年半ばから原油・鋼材・貴金属など素材価格が高騰し、原価改善効果は2002〜03年度の年3,000億円レベルから2006年度に1,000億円へ低下
  • トヨタ自動車 アニュアルレポート2008「社長インタビュー」
    • [47]2008年3月期は原材料のコスト上昇分を吸収した上で1,200億円の原価改善を達成。VI(Value Innovation)活動でサプライヤーと連携しシステム単位で設計を見直す。北米は下半期から原油価格高騰やサブプライムローン問題による金融不安などで自動車市場が縮小傾向
    • [48]2008年3月期は原材料のコスト上昇分を吸収した上で1,200億円の原価改善を達成。VI(Value Innovation)活動でサプライヤーと連携しシステム単位で設計を見直す。北米は下半期から原油価格高騰やサブプライムローン問題による金融不安などで自動車市場が縮小傾向
  • 『トヨタ自動車75年史 第3部第5章第1節』「第2項 金融危機前夜」(トヨタ自動車, 2012年)
    • [49]2008年3月期は営業利益の増益率1.4%。北米は第4四半期に営業赤字となり、所在地別営業利益に占める北米の比率は57%から36%へ低下。2009年3月期の見通しは営業利益29.5%減の1兆6,000億円で、その後3回の大幅な下方修正を余儀なくされた
    • [50]2008年3月期は営業利益の増益率1.4%。北米は第4四半期に営業赤字となり、所在地別営業利益に占める北米の比率は57%から36%へ低下。2009年3月期の見通しは営業利益29.5%減の1兆6,000億円で、その後3回の大幅な下方修正を余儀なくされた
参考文献[32]-[50]
  • トヨタ自動車 アニュアルレポート2005「社長メッセージ」
    • [32]2005年6月23日の定時株主総会後の取締役会で社長に就任。副社長の4年間は主に調達部門の責任者。経営課題は「成長」と「効率」の持続的な両立。「需要のあるところで生産」を基本方針に、将来的に海外生産を現状の約2倍の500万台規模まで拡大する計画。北米、タイ、中国、ロシアで新工場の稼働・建設を控える
    • [35]2005年6月23日の定時株主総会後の取締役会で社長に就任。副社長の4年間は主に調達部門の責任者。経営課題は「成長」と「効率」の持続的な両立。「需要のあるところで生産」を基本方針に、将来的に海外生産を現状の約2倍の500万台規模まで拡大する計画。北米、タイ、中国、ロシアで新工場の稼働・建設を控える
    • [36]2005年6月23日の定時株主総会後の取締役会で社長に就任。副社長の4年間は主に調達部門の責任者。経営課題は「成長」と「効率」の持続的な両立。「需要のあるところで生産」を基本方針に、将来的に海外生産を現状の約2倍の500万台規模まで拡大する計画。北米、タイ、中国、ロシアで新工場の稼働・建設を控える
    • [37]2005年6月23日の定時株主総会後の取締役会で社長に就任。副社長の4年間は主に調達部門の責任者。経営課題は「成長」と「効率」の持続的な両立。「需要のあるところで生産」を基本方針に、将来的に海外生産を現状の約2倍の500万台規模まで拡大する計画。北米、タイ、中国、ロシアで新工場の稼働・建設を控える
  • トヨタ自動車 第101期 事業報告書「株主の皆様へ」(2005年6月)
    • [33]第101期(2005年3月期)にタイ、アルゼンチンなど世界7カ国でIMVシリーズの生産を開始、広州汽車と車両の生産・販売を行う新会社を設立。連結の世界総販売台数は過去最高の740万8千台
    • [34]第101期(2005年3月期)にタイ、アルゼンチンなど世界7カ国でIMVシリーズの生産を開始、広州汽車と車両の生産・販売を行う新会社を設立。連結の世界総販売台数は過去最高の740万8千台
  • 『トヨタ自動車75年史 第3部第5章第1節』「第1項 ハイペースの成長」(トヨタ自動車, 2012年)
    • [38]2007年に単体の海外生産が国内生産を初めて上回り、2007年末の海外生産拠点は27カ国・地域の53事業体
    • [39]2007年に単体の海外生産が国内生産を初めて上回り、2007年末の海外生産拠点は27カ国・地域の53事業体
    • [45]2004年半ばから原油・鋼材・貴金属など素材価格が高騰し、原価改善効果は2002〜03年度の年3,000億円レベルから2006年度に1,000億円へ低下
    • [46]2004年半ばから原油・鋼材・貴金属など素材価格が高騰し、原価改善効果は2002〜03年度の年3,000億円レベルから2006年度に1,000億円へ低下
  • トヨタ自動車 有価証券報告書 第103期(2007年3月期)【連結損益計算書】
    • [40]2007年3月期の連結営業利益は2,238,683百万円(米国基準)
  • トヨタ自動車 有価証券報告書 第104期(2008年3月期)【生産、受注及び販売の状況】
    • [41]2008年3月期の連結車両販売台数は891万4千台
  • トヨタ自動車 アニュアルレポート2008「社長インタビュー」
    • [42]2008年3月期の地域別の収益バランスはアジア、中南米、オセアニア、アフリカなど資源国・新興国の収益拡大で大変バランスの良いものに。持分法投資損益も中国を中心に大幅に伸びた。「フルラインの商品構成により世界全地域でチャンスを獲得する」成長シナリオの成果
    • [43]2008年3月期の地域別の収益バランスはアジア、中南米、オセアニア、アフリカなど資源国・新興国の収益拡大で大変バランスの良いものに。持分法投資損益も中国を中心に大幅に伸びた。「フルラインの商品構成により世界全地域でチャンスを獲得する」成長シナリオの成果
    • [44]2008年3月期の地域別の収益バランスはアジア、中南米、オセアニア、アフリカなど資源国・新興国の収益拡大で大変バランスの良いものに。持分法投資損益も中国を中心に大幅に伸びた。「フルラインの商品構成により世界全地域でチャンスを獲得する」成長シナリオの成果
    • [47]2008年3月期は原材料のコスト上昇分を吸収した上で1,200億円の原価改善を達成。VI(Value Innovation)活動でサプライヤーと連携しシステム単位で設計を見直す。北米は下半期から原油価格高騰やサブプライムローン問題による金融不安などで自動車市場が縮小傾向
    • [48]2008年3月期は原材料のコスト上昇分を吸収した上で1,200億円の原価改善を達成。VI(Value Innovation)活動でサプライヤーと連携しシステム単位で設計を見直す。北米は下半期から原油価格高騰やサブプライムローン問題による金融不安などで自動車市場が縮小傾向
  • 『トヨタ自動車75年史 第3部第5章第1節』「第2項 金融危機前夜」(トヨタ自動車, 2012年)
    • [49]2008年3月期は営業利益の増益率1.4%。北米は第4四半期に営業赤字となり、所在地別営業利益に占める北米の比率は57%から36%へ低下。2009年3月期の見通しは営業利益29.5%減の1兆6,000億円で、その後3回の大幅な下方修正を余儀なくされた
    • [50]2008年3月期は営業利益の増益率1.4%。北米は第4四半期に営業赤字となり、所在地別営業利益に占める北米の比率は57%から36%へ低下。2009年3月期の見通しは営業利益29.5%減の1兆6,000億円で、その後3回の大幅な下方修正を余儀なくされた

筆者考察

1996年から2008年のトヨタは、国内で台数を積んでも利益が伸びない状況を、海外の生産能力を先に積むことで越えようとした。奥田碩氏が1996年に発表した2005年ビジョンは規模の拡大を前提とし、翌年の役員合宿では世界シェア15%が議題に上った。2000年のCCC21で主要部品の原価を下げ、2002年の2010年グローバルビジョンで15%を目標に掲げると、海外生産は2000年の約196万台から2005年の約367万台へ増えた。2003年の社長インタビューは、国内では台数とシェアの拡大が収益につながらなくなったと認めている。

2005年に社長となった渡辺捷昭氏は、成長と効率の両立を掲げ、海外生産を500万台規模へ広げる計画を示した。2007年には単体の海外生産が国内生産を上回り、2008年3月期の連結車両販売台数は891万4千台に達した。一方で素材高により原価改善の効果は2006年度に年1,000億円まで縮み、最大の収益源だった北米は2008年3月期の第4四半期に営業赤字へ転じた。需要が縮めば先に積んだ海外の能力が重荷に変わる構図が、次の赤字決算の前に表れていた。

トヨタの海外生産台数(完成車両) 1995年〜2008年(台)

1,522,653 1995 1,610,574 1997 1,777,126 1999 1,956,574 2000 3,672,371 2005 4,501,268 2007 4,418,220 2008
  • 暦年の海外生産台数(完成車両)。北米・中南米・欧州・アフリカ・アジア・中国・オセアニアの合計。
  • 1995年の152万2,653台から2005年に367万台を超え、2007年に450万台に達した。2008年は金融危機で前年を下回った。
  • 出所は『トヨタ自動車75年史 資料編 海外生産台数の推移』(トヨタ自動車, 2012年)。

1996年〜2008年の業績

決算期 区分 売上高 営業利益純利益 主な投資
億円 YoY 億円 億円 利益率
1996年03月期 連結 107,187 n/a n/a 2,569 2.4% n/a
1997年03月期 連結 122,438 +14.2% n/a 3,859 3.2% Toyota Motor Vietnamが生産を開始Toyota Argentinaのサラテ工場が操業開始
1998年03月期 連結 116,783 ▲4.6% n/a 4,543 3.9% n/a
1999年03月期 連結 127,490 +9.2% n/a 3,561 2.8% 天津豊田汽車発動機が生産を開始トヨタ自動車東北が生産を開始四川豊田汽車を設立ほか2件
2000年03月期 連結 128,795 +1.0% n/a 4,067 3.2% Toyota Kirloskar Motorが生産を開始
2001年03月期 連結 134,244 +4.2% n/a 4,712 3.5% TMMFが生産を開始
2002年03月期 連結 151,062 +12.5% n/a 6,158 4.1% アイシン精機・デンソー・住友電気工業との合弁でADVICSを設立PSAプジョー・シトロエンとチェコでの小型車共同生産に合意
2003年03月期 連結 160,542 +6.3% n/a 9,446 5.9% TMMPが生産を開始天津一汽豊田汽車が生産を開始
2004年03月期 連結 172,948 +7.7% 17,663 11,621 6.7% TMMALが生産を開始
2005年03月期 連結 185,515 +7.3% 16,722 11,713 6.3% TMMBCが生産を開始TPCAが生産を開始
2006年03月期 連結 210,369 +13.4% 18,783 13,722 6.5% TMMTXの工場が稼働
2007年03月期 連結 239,481 +13.8% 22,387 16,440 6.9% 広州トヨタがカムリの生産を開始TMTのバンポー工場がハイラックスの生産を開始(年産10万台)天津一汽トヨタの第3工場が生産を開始(20万台規模)
2008年03月期 連結 262,892 +9.8% 22,704 17,179 6.5% 高岡工場で革新生産技術のラインが稼働TMMRがカムリの生産を開始(年間2万台規模)
売上高(億円)純利益率(%)

出所:会社年鑑、有価証券報告書

出典・参考

17件
出典・参考
  • トヨタ自動車 アニュアルレポート2003「社長インタビュー」
  • トヨタ自動車 アニュアルレポート2003「会長メッセージ」
  • トヨタ自動車 アニュアルレポート2005「社長メッセージ」
  • トヨタ自動車 有価証券報告書 第103期(2007年3月期)【連結損益計算書】
  • トヨタ自動車 有価証券報告書 第104期(2008年3月期)【生産、受注及び販売の状況】
  • トヨタ自動車 アニュアルレポート2008「社長インタビュー」
  • 『トヨタ自動車75年史 総合年表(1991年〜2000年)』(トヨタ自動車, 2012年)
  • 『トヨタ自動車75年史 第3部第3章第3節』「第2項 「第2の創業」に向けて」(トヨタ自動車, 2012年)
  • 『トヨタ自動車75年史 資料編 海外生産事業体の変遷』(トヨタ自動車, 2012年)
  • 『トヨタ自動車75年史 資料編 海外生産台数の推移』(トヨタ自動車, 2012年)
  • 『トヨタ自動車75年史 第3部第4章第7節』「第2項 原価低減と品質確保」(トヨタ自動車, 2012年)
  • 『トヨタ自動車75年史 第3部第5章第1節』「第1項 ハイペースの成長」(トヨタ自動車, 2012年)
  • 『トヨタ自動車75年史 第3部第5章第1節』「第2項 金融危機前夜」(トヨタ自動車, 2012年)
  • 日経ビジネス 1998年1月5日号(日経BP社)
  • 日経ビジネス 1999年8月30日号(日経BP社)
  • トヨタ自動車 第100期 事業報告書「株主の皆様へ」(2004年6月)
  • トヨタ自動車 第101期 事業報告書「株主の皆様へ」(2005年6月)

免責事項およびポリシー