ソフトバンクグループ:スプリント・アームの買収とソフトバンクグループへの改称
2012年〜イー・アクセスの1.7GHz帯とスプリント216億米ドルの取得
2012年2月、ソフトバンクは2016年度に連結営業利益1兆円を上げるという目標を掲げた。直前の2011年度は営業利益6,752億円で、売上高・営業利益・当期純利益のすべてが過去最高を更新していた。代表取締役社長の孫正義氏は、こうした成長の源泉を、先に高い目標を置いてそこから打つ手を割り出す経営にあると位置づけた。目標の裏づけは財務の立て直しにあり、2008年度末に1.9兆円あった純有利子負債は2011年度末に5,472億円まで減り、3年で半減させるという公約を大きく超えた。同じ3年間のフリー・キャッシュ・フローは累計1.3兆円で、1兆円の目標を上回っていた。ボーダフォン日本法人の買収で負った借入の返済にめどが付いたことが、次の大型投資へ踏み出す余地を生んだと推察される。
- ソフトバンク アニュアルレポート2012「社長メッセージ」
- [1]2012年2月に「2016年度に連結営業利益1兆円」の目標を掲げた
- [2]2011年度 営業利益6,752億円。売上高・営業利益・当期純利益いずれも過去最高
- [3]成長力の源泉は時代を先読みし高い目標から逆算して戦略を打つ「逆算の経営」にあるとの社長の説明
- [4]純有利子負債 2008年度末1.9兆円→2011年度末5,472億円(71.8%減)
- ソフトバンク 決算説明会資料(2012年4月26日)
- [5]純有利子負債の半減目標(2011年度末)を大幅に超過
- [6]フリー・キャッシュ・フロー 2009〜2011年度の累計1.3兆円(3年累計1兆円の目標を超過)
2012年度、ソフトバンクはイー・アクセスとスプリントの買収を相次いで決めた。イー・アクセスはデータ通信に強く1.7GHz帯の周波数を持ち、ネットワーク分野を中心に総額約3,600億円のシナジーを見込んだ。スプリントとは2012年10月15日に合併契約を結んだ。孫氏は米国を選んだ理由として、経済規模が世界一で携帯市場の規模と伸びが大きいこと、スマートフォンとLTEの普及で日本と条件が近いことを挙げた。手続きの途中で米DISHが対抗提案を出すと、ソフトバンクは2013年4月の説明会で、シナジーを織り込んだ1株当たり価値は自社案の7.65ドルに対しDISH案が6.31ドルにとどまると反論した。2013年6月11日には投資総額を約201億米ドルから約216億米ドルへ引き上げることで合意した。
- ソフトバンク アニュアルレポート2013「社長インタビュー」
- [7]2012年度にイー・アクセスとSprint Nextel Corporationの買収を決断
- [8]イー・アクセスはデータ通信に強みを持ち1.7GHz帯を保有。シナジー総額約3,600億円、最も期待するのはネットワーク分野
- [10]米国を選んだ理由は世界一の経済大国で市場規模と成長力が大きく、スマートフォン・LTEの普及で日本市場と共通性があるため
- ソフトバンク 有価証券報告書 第33期(2013年3月期)【経営上の重要な契約等】
- [9]2012年10月15日 スプリントとの合併契約を締結
- [12]2013年6月11日 投資総額を約201億米ドルから約216億米ドルへ増額する変更に合意
- ソフトバンク 説明会資料「Sprint買収について」(2013年4月30日)
- [11]シナジー後の1株当たり価値 ソフトバンク案7.65ドル、DISH提案6.31ドル(+21%)とする会社試算
2013年7月10日、ソフトバンクはスプリントの支配を獲得し、完全希薄化ベースで株式の約78%を持つ親会社となった。取得原価は2兆1,886億円で、そのうち現金が1兆8,751億円を占めた。買収に伴い、IFRSで見た純有利子負債は2012年度末の2兆2,578億円から2013年度末の7兆593億円へ膨らんだ。格付け各社は買収の発表を受け、格下げの方向で見直しに入っていた。それでも孫氏は『転落の一途を辿っていたボーダフォン日本法人を買収したときよりも、今回のほうが成功の自信があります。』と語り、端末と通信機器の共同調達などで2014年度から2017年度まで年平均20億米ドルのコスト削減を見込んだ。日本で成功した再建の手順を、競争相手の違う市場へ持ち込めるという前提に立った買収であった。
- ソフトバンク 有価証券報告書 第34期(2014年3月期)連結財務諸表注記【企業結合】
- [13]2013年7月10日 スプリントの支配を獲得。取得した持分比率は完全希薄化ベースで約78%
- [14]取得原価2兆1,886億円(現金1兆8,751億円と転換社債の転換分3,135億円)
- ソフトバンク アニュアルレポート2014「主要財務データ」
- [15]純有利子負債(IFRS) 2012年度末2兆2,578億円→2013年度末7兆593億円
- ソフトバンク アニュアルレポート2013「主要財務データ」
- [16]信用格付けはスプリント買収発表を受け各社が格下げ方向で見直し中(2013年6月末)
- ソフトバンク アニュアルレポート2013「社長インタビュー」
- [17]端末・通信機器の調達のスケールメリットとノウハウ共有で2014〜2017年度に平均年間20億米ドルのコスト削減を見込む
参考文献[1]-[17]
- ソフトバンク アニュアルレポート2012「社長メッセージ」
- [1]2012年2月に「2016年度に連結営業利益1兆円」の目標を掲げた
- [2]2011年度 営業利益6,752億円。売上高・営業利益・当期純利益いずれも過去最高
- [3]成長力の源泉は時代を先読みし高い目標から逆算して戦略を打つ「逆算の経営」にあるとの社長の説明
- [4]純有利子負債 2008年度末1.9兆円→2011年度末5,472億円(71.8%減)
- ソフトバンク 決算説明会資料(2012年4月26日)
- [5]純有利子負債の半減目標(2011年度末)を大幅に超過
- [6]フリー・キャッシュ・フロー 2009〜2011年度の累計1.3兆円(3年累計1兆円の目標を超過)
- ソフトバンク アニュアルレポート2013「社長インタビュー」
- [7]2012年度にイー・アクセスとSprint Nextel Corporationの買収を決断
- [8]イー・アクセスはデータ通信に強みを持ち1.7GHz帯を保有。シナジー総額約3,600億円、最も期待するのはネットワーク分野
- [10]米国を選んだ理由は世界一の経済大国で市場規模と成長力が大きく、スマートフォン・LTEの普及で日本市場と共通性があるため
- [17]端末・通信機器の調達のスケールメリットとノウハウ共有で2014〜2017年度に平均年間20億米ドルのコスト削減を見込む
- ソフトバンク 有価証券報告書 第33期(2013年3月期)【経営上の重要な契約等】
- [9]2012年10月15日 スプリントとの合併契約を締結
- [12]2013年6月11日 投資総額を約201億米ドルから約216億米ドルへ増額する変更に合意
- ソフトバンク 説明会資料「Sprint買収について」(2013年4月30日)
- [11]シナジー後の1株当たり価値 ソフトバンク案7.65ドル、DISH提案6.31ドル(+21%)とする会社試算
- ソフトバンク 有価証券報告書 第34期(2014年3月期)連結財務諸表注記【企業結合】
- [13]2013年7月10日 スプリントの支配を獲得。取得した持分比率は完全希薄化ベースで約78%
- [14]取得原価2兆1,886億円(現金1兆8,751億円と転換社債の転換分3,135億円)
- ソフトバンク アニュアルレポート2014「主要財務データ」
- [15]純有利子負債(IFRS) 2012年度末2兆2,578億円→2013年度末7兆593億円
- ソフトバンク アニュアルレポート2013「主要財務データ」
- [16]信用格付けはスプリント買収発表を受け各社が格下げ方向で見直し中(2013年6月末)
2013年〜ガンホー・スーパーセルの子会社化とアリババのニューヨーク上場
スプリントの取得と同じ2013年度に、ソフトバンクはガンホー・オンライン・エンターテイメントとフィンランドのスーパーセルを相次いで子会社化し、サービスの柱としてモバイルゲームを強めた。2013年のiOSとGoogle Playを合わせた売上順位では、ガンホーの「パズル&ドラゴンズ」が1位、スーパーセルの「Clash of Clans」と「Hay Day」が3位と4位を占め、会社別でも両社が1位と2位に並んだ。ガンホーはそれまで持分法適用関連会社で、孫氏は子会社化に伴う既存持分の再測定で約1,500億円の利益が出ると説明していた。2013年度の決算では、ガンホーとウィルコムの子会社化による一時益2,539億円を計上した。ゲームへの出資は、事業の育成と同時に持分の評価替えで利益を押し上げる効果も持った。
- ソフトバンク アニュアルレポート2014「モバイルゲーム戦略」
- [18]2013年度にガンホーとスーパーセルを相次いで子会社化。総合的なエコシステムの構成要素のなかで特に重要なモバイルゲームを強化するため
- [19]2013年のiOSとGoogle Playの売上ランキングでパズル&ドラゴンズ1位、Clash of Clans 3位、Hay Day 4位。会社別でガンホー1位・スーパーセル2位(App Annie調べ)
- ソフトバンク アニュアルレポート2013「社長インタビュー」
- [20]持分法適用関連会社だったガンホーの連結子会社化に伴う既存持分の再測定で約1,500億円を利益計上する見通し
- ソフトバンク アニュアルレポート2014「主要財務データ」
- [21]2013年度 ガンホー、ウィルコムの子会社化に伴う一時益2,539億円を計上
2012年3月期末の時点で、ソフトバンクはAlibaba Group Holding Limitedの議決権の31.9%を持ち、持分法適用関連会社としていた。孫氏は、ライフサイクルの短いサービスの分野で成功する少数の企業を早く見つけて育てる役割を投資に与え、傘下のTaobao Marketplaceの取扱高が1兆元に達して米国のアマゾンやイーベイを上回った点を挙げていた。2014年9月、アリババはニューヨーク証券取引所に上場した。2014年度の親会社の所有者に帰属する当期純利益は前年度比28.5%増の6,684億円となり、翌2015年度の減益について会社は、前年度にアリババ上場の一時益があったためと説明した。通信の外で持つ株式の値動きが、連結の損益を大きく動かす構図がここで表に出た。
- ソフトバンク アニュアルレポート2012「社長メッセージ」
- [22]Alibaba Group Holding Limited 議決権所有割合31.9%、主な持分法適用関連会社
- ソフトバンク アニュアルレポート2013「社長インタビュー」
- [23]コンテンツ・サービスの世界はライフサイクルが早く成功するのはわずか。ポートフォリオを組み替えながら原石をいち早く発掘し育てるとの社長の説明
- [24]Taobao Marketplaceの取扱高は1兆元に達し米国のアマゾンやイーベイを大きく上回る
- ソフトバンクグループ 有価証券報告書(2025年3月期)【沿革】
- [25]2014年9月 アリババがニューヨーク証券取引所に上場
- ソフトバンクグループ アニュアルレポート2015「社長メッセージ」
- [26]2014年度 親会社の所有者に帰属する当期純利益6,684億円(前年度比28.5%増)
- ソフトバンクグループ アニュアルレポート2016「社長メッセージ」
- [27]2015年度の純利益4,742億円(29.1%減)は前年度にアリババ上場に伴う一時益を計上していたため
スプリントの連結で2013年度の売上高は前年度比108.2%増の6兆6,667億円となったが、営業利益率は25.0%から16.3%へ下がり、会社はその主な要因をスプリントの子会社化に求めた。立て直しに向け、ソフトバンクは2014年8月、携帯端末流通のブライトスターを創業したマルセロ・クラウレ氏をスプリントのPresident and CEOに任命した。クラウレ氏は乗り換え客の料金を半額にする施策と経費の削減を進め、2015年度の営業費用を前年度より13億米ドル減らした。スプリントは2015年度に過去9年で初めて営業黒字を計上し、ポストペイド携帯電話の純増も3年ぶりに達成した。黒字化まで支配の獲得から2年半以上を要し、買収時の自信との隔たりは小さくなかった。
- ソフトバンク アニュアルレポート2014「主要財務データ」
- [28]2013年度 売上高6兆6,667億円(前年度比108.2%増)。営業利益率25.0%→16.3%、主にスプリントの子会社化の影響
- ソフトバンクグループ アニュアルレポート2015「社長メッセージ」
- [29]2014年8月 ブライトスター創業者マルセロ・クラウレをスプリントの新しいPresident and CEOに任命
- ソフトバンクグループ アニュアルレポート2016「スプリント事業戦略」
- [30]乗り換え顧客の月額料金を他社の半分にする「Cut Your Bill in Half」等の施策。2015年度にサービス原価と販売費及び一般管理費を13億米ドル削減
- [31]2015年度に過去9年で初めて営業利益の黒字化、ポストペイド携帯電話契約の純増を過去3年で初めて達成
参考文献[18]-[31]
- ソフトバンク アニュアルレポート2014「モバイルゲーム戦略」
- [18]2013年度にガンホーとスーパーセルを相次いで子会社化。総合的なエコシステムの構成要素のなかで特に重要なモバイルゲームを強化するため
- [19]2013年のiOSとGoogle Playの売上ランキングでパズル&ドラゴンズ1位、Clash of Clans 3位、Hay Day 4位。会社別でガンホー1位・スーパーセル2位(App Annie調べ)
- ソフトバンク アニュアルレポート2013「社長インタビュー」
- [20]持分法適用関連会社だったガンホーの連結子会社化に伴う既存持分の再測定で約1,500億円を利益計上する見通し
- [23]コンテンツ・サービスの世界はライフサイクルが早く成功するのはわずか。ポートフォリオを組み替えながら原石をいち早く発掘し育てるとの社長の説明
- [24]Taobao Marketplaceの取扱高は1兆元に達し米国のアマゾンやイーベイを大きく上回る
- ソフトバンク アニュアルレポート2014「主要財務データ」
- [21]2013年度 ガンホー、ウィルコムの子会社化に伴う一時益2,539億円を計上
- [28]2013年度 売上高6兆6,667億円(前年度比108.2%増)。営業利益率25.0%→16.3%、主にスプリントの子会社化の影響
- ソフトバンク アニュアルレポート2012「社長メッセージ」
- [22]Alibaba Group Holding Limited 議決権所有割合31.9%、主な持分法適用関連会社
- ソフトバンクグループ 有価証券報告書(2025年3月期)【沿革】
- [25]2014年9月 アリババがニューヨーク証券取引所に上場
- ソフトバンクグループ アニュアルレポート2015「社長メッセージ」
- [26]2014年度 親会社の所有者に帰属する当期純利益6,684億円(前年度比28.5%増)
- [29]2014年8月 ブライトスター創業者マルセロ・クラウレをスプリントの新しいPresident and CEOに任命
- ソフトバンクグループ アニュアルレポート2016「社長メッセージ」
- [27]2015年度の純利益4,742億円(29.1%減)は前年度にアリババ上場に伴う一時益を計上していたため
- ソフトバンクグループ アニュアルレポート2016「スプリント事業戦略」
- [30]乗り換え顧客の月額料金を他社の半分にする「Cut Your Bill in Half」等の施策。2015年度にサービス原価と販売費及び一般管理費を13億米ドル削減
- [31]2015年度に過去9年で初めて営業利益の黒字化、ポストペイド携帯電話契約の純増を過去3年で初めて達成
2014年〜ニケシュ・アローラの招聘と退任、ソフトバンクグループへの改称と3.3兆円のアーム買収
2014年9月、孫氏はGoogleで最高事業責任者を務めたニケシュ・アローラ氏をソフトバンクに迎え、のちに代表取締役副社長に据えた。孫氏は招いた理由を、テクノロジー企業に共通する問題として『多くのテクノロジー企業には共通の問題点があります。それは、テクノロジーやビジネスモデルの陳腐化、創業者への過度な依存などにより、30年周期で事業の衰退局面に直面するという問題点です。』と述べ、既存事業の変革に加えて起業家を支える仕組みが要るとした。アローラ氏も自らの役割を『私の最終目標は、当社の数百年先の未来のために、孫さんの天賦の才を“瓶詰め”にする方法を探ることです。』と説明した。2015年7月には商号をソフトバンクグループ株式会社へ改め、純粋持株会社としての位置づけを明確にした。創業者の勘に頼らない投資の仕組みを外から招いた経営者に作らせ、社名もそれに合わせたのである。
- ソフトバンクグループ アニュアルレポート2015「社長メッセージ」
- [32]2014年9月からニケシュ・アローラが参画。Google Inc.で最高事業責任者として経営を取り仕切った経験を持ち、新しく代表取締役副社長に就任
- [33]多くのテクノロジー企業は陳腐化と創業者への過度な依存で30年周期の衰退局面に直面するため、既存事業の変革と起業家を支援する包括的な仕組みが必要との社長の説明
- [36]持ち株会社の社名を「ソフトバンクグループ(株)」とし純粋持ち株会社としての位置付けを明確にした
- ソフトバンクグループ アニュアルレポート2015「代表取締役副社長インタビュー」
- [34]孫の天賦の才を「瓶詰め」にし、孫やアローラがいなくても投資を成功させられる仕組みと文化を構築するとの本人の説明
- ソフトバンクグループ 有価証券報告書(2025年3月期)【沿革】
- [35]2015年7月 ソフトバンクグループ株式会社に商号変更
2016年6月、アローラ氏は任期満了を迎えて代表取締役副社長の職を離れた。孫氏は60歳となる2017年8月に同氏へ経営を託すつもりだったが、考えを改めた理由を『情報産業で本格的な変革が始まろうとしている今日、自身が成さなくてはいけないことがまだまだたくさん残されていることに気付かされました。』と語り、この先5年から10年は最低でも自分が経営の先頭に立つと述べた。売却の対象はアリババ株の一部、ガンホー株の大半、スーパーセル株の全量で、決定は同じ2016年度に入ってからの財務戦略の一環だった。スーパーセルとガンホーは、いずれも2013年度に子会社となって日の浅い会社だった。後継者の擁立とゲーム事業の保有という、2年前に打った二つの手がほぼ同時に巻き戻された。
- ソフトバンクグループ アニュアルレポート2016「社長メッセージ」
- [37]ニケシュ・アローラは2016年6月の任期満了に伴い代表取締役副社長を退任
- [38]60歳になる誕生日(2017年8月)にニケシュ・アローラへ経営を引き継いでもらう考えであった
- [39]少なくとも今後5年から10年は自身が引き続き当社を牽引するとの社長の表明
- [40]2016年度に入り財務戦略の一環として、アリババ株式の一部・ガンホー株式の大部分・スーパーセル株式の全ての売却を決定
- ソフトバンク アニュアルレポート2014「モバイルゲーム戦略」
- [41]2013年度にガンホーとスーパーセルを子会社化
2016年7月18日、ソフトバンクグループは英ARMホールディングスの全株式を総額約240億ポンドで買い付ける条件に合意し、9月5日に支配を獲得した。取得原価は3兆3,670億円で、スプリントの2兆1,886億円を上回った。アームの設計技術はスマートフォン用メインチップの95%以上に採用され、2016年度にはその技術を含むチップが177億個出荷された。孫氏は取得に至る思いを『このテクノロジー業界の秘宝を喉から手が出るほど欲しいと10年以上も思い続けてきましたが、ようやく2016年9月に同社を買収することができました。』と振り返った。2016年度の営業利益は1.0兆円となり、2012年に掲げた目標に年限どおり届いた。ゲーム株の売却と前後してアームを買ったことで、グループの資産の中心は通信から半導体の設計へ移ったとみられる。
- ソフトバンクグループ 有価証券報告書 第37期(2017年3月期)連結財務諸表注記【企業結合】
- [42]2016年7月18日 ARMの全株式を総額約240億ポンドで買い付ける条件に合意、2016年9月5日に支配を獲得
- [43]ARMの取得原価3兆3,670億円
- ソフトバンク 有価証券報告書 第34期(2014年3月期)連結財務諸表注記【企業結合】
- [44]スプリントの取得原価2兆1,886億円
- ソフトバンクグループ アニュアルレポート2017「社長メッセージ」
- [45]アームの技術はスマートフォン用メインチップの95%以上に採用。2016年度にアームの技術を含むチップ177億個が出荷
- [46]10年以上欲しいと思い続け、2016年9月にようやく買収できたとの社長の説明
- [47]2016年度 営業利益1.0兆円(前年度比12.9%増)
参考文献[32]-[47]
- ソフトバンクグループ アニュアルレポート2015「社長メッセージ」
- [32]2014年9月からニケシュ・アローラが参画。Google Inc.で最高事業責任者として経営を取り仕切った経験を持ち、新しく代表取締役副社長に就任
- [33]多くのテクノロジー企業は陳腐化と創業者への過度な依存で30年周期の衰退局面に直面するため、既存事業の変革と起業家を支援する包括的な仕組みが必要との社長の説明
- [36]持ち株会社の社名を「ソフトバンクグループ(株)」とし純粋持ち株会社としての位置付けを明確にした
- ソフトバンクグループ アニュアルレポート2015「代表取締役副社長インタビュー」
- [34]孫の天賦の才を「瓶詰め」にし、孫やアローラがいなくても投資を成功させられる仕組みと文化を構築するとの本人の説明
- ソフトバンクグループ 有価証券報告書(2025年3月期)【沿革】
- [35]2015年7月 ソフトバンクグループ株式会社に商号変更
- ソフトバンクグループ アニュアルレポート2016「社長メッセージ」
- [37]ニケシュ・アローラは2016年6月の任期満了に伴い代表取締役副社長を退任
- [38]60歳になる誕生日(2017年8月)にニケシュ・アローラへ経営を引き継いでもらう考えであった
- [39]少なくとも今後5年から10年は自身が引き続き当社を牽引するとの社長の表明
- [40]2016年度に入り財務戦略の一環として、アリババ株式の一部・ガンホー株式の大部分・スーパーセル株式の全ての売却を決定
- ソフトバンク アニュアルレポート2014「モバイルゲーム戦略」
- [41]2013年度にガンホーとスーパーセルを子会社化
- ソフトバンクグループ 有価証券報告書 第37期(2017年3月期)連結財務諸表注記【企業結合】
- [42]2016年7月18日 ARMの全株式を総額約240億ポンドで買い付ける条件に合意、2016年9月5日に支配を獲得
- [43]ARMの取得原価3兆3,670億円
- ソフトバンク 有価証券報告書 第34期(2014年3月期)連結財務諸表注記【企業結合】
- [44]スプリントの取得原価2兆1,886億円
- ソフトバンクグループ アニュアルレポート2017「社長メッセージ」
- [45]アームの技術はスマートフォン用メインチップの95%以上に採用。2016年度にアームの技術を含むチップ177億個が出荷
- [46]10年以上欲しいと思い続け、2016年9月にようやく買収できたとの社長の説明
- [47]2016年度 営業利益1.0兆円(前年度比12.9%増)
2012年〜2016年の業績
| 決算期 | 区分 | 売上高 | 営業利益 | 純利益 | 主な投資 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 億円 | YoY | 億円 | 億円 | 利益率 | |||
| 2012年03月期 | 連結 | 32,024 | n/a | 6,753 | 3,137 | 9.8% | n/a |
| 2013年03月期 | 連結 | 33,783 | +5.5% | 7,450 | 2,894 | 8.6% | n/a |
| 2014年03月期 | 連結 | 66,666 | +97.3% | 10,854 | 5,202 | 7.8% | n/a |
| 2015年03月期 | 連結 | 85,041 | +27.6% | 9,187 | 6,683 | 7.9% | n/a |
| 2016年03月期 | 連結 | 88,817 | +4.4% | 9,995 | 4,741 | 5.3% | n/a |
出所:アニュアルレポート、有価証券報告書
出典・参考
16件
- ソフトバンク アニュアルレポート2012「社長メッセージ」
- ソフトバンク 決算説明会資料(2012年4月26日)
- ソフトバンク アニュアルレポート2013「社長インタビュー」
- ソフトバンク 有価証券報告書 第33期(2013年3月期)【経営上の重要な契約等】
- ソフトバンク アニュアルレポート2013「主要財務データ」
- ソフトバンク 有価証券報告書 第34期(2014年3月期)連結財務諸表注記【企業結合】
- ソフトバンク アニュアルレポート2014「主要財務データ」
- ソフトバンク アニュアルレポート2014「モバイルゲーム戦略」
- ソフトバンクグループ アニュアルレポート2015「社長メッセージ」
- ソフトバンクグループ アニュアルレポート2015「代表取締役副社長インタビュー」
- ソフトバンクグループ アニュアルレポート2016「社長メッセージ」
- ソフトバンクグループ アニュアルレポート2016「スプリント事業戦略」
- ソフトバンクグループ 有価証券報告書 第37期(2017年3月期)連結財務諸表注記【企業結合】
- ソフトバンクグループ アニュアルレポート2017「社長メッセージ」
- ソフトバンクグループ 有価証券報告書(2025年3月期)【沿革】
- ソフトバンク 説明会資料「Sprint買収について」(2013年4月30日)