第5章 年〜年

ソフトバンクグループ:ビジョン・ファンドの始動と4.5兆円の資産売却

930億ドルのファンド組成からWeWorkの評価損、4.5兆円の資金化とアーム売却契約へ

2017年〜930億ドルのビジョン・ファンド組成とソフトバンク上場による2兆円の回収

2017年5月20日、ソフトバンクグループはソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)の初回クロージングを終えた。集めた出資コミットメントは930億ドル超(10.4兆円)で、うち自社の拠出は280億ドル(3.1兆円)にとどまった。残りはサウジアラビアの公共投資ファンド(PIF)、アブダビのムバダラ開発公社、アップルなどが約束した。2016年の1年間に世界のベンチャー・キャピタルが調達した総額は640億ドルで、SVFは単独でその額を上回った。翌年、孫正義会長兼社長は設立の理由を『従来式の一歩一歩手順を踏んでいくようなやり方では、とても間に合わない』と語った。外部資金を主軸に据えたのは、自己資本だけでは届かない投資の規模と速度を確保するためだったとみられる。

  • ソフトバンクグループ プレスリリース「ソフトバンク・ビジョン・ファンド、初回クロージングを完了」(2017年5月20日)
    • [1]2017年5月 ソフトバンク・ビジョン・ファンドの初回クロージングを完了
  • ソフトバンクグループ アニュアルレポート 2017「社長メッセージ」
    • [2]出資コミットメント930億ドル超(10.4兆円)、うちソフトバンクグループ分280億ドル(3.1兆円)(2017年5月20日現在)
    • [3]リミテッド・パートナーはPIF、ムバダラ開発公社、アップル、フォックスコン、クアルコム、シャープなど
    • [4]2016年の1年間に世界のベンチャー・キャピタルが調達した資金総額は640億ドル(約7兆円)
  • ソフトバンクグループ 2019年3月期 第1四半期 決算説明会(2018年8月6日)
    • [5]AI革命に対し、社内の馴染みのある分野だけを手順を踏んで進めるやり方では間に合わないためSVFを作ったとの説明

孫氏はSVFを投資会社への転身とは位置づけず、出資先の持株比率を20%から40%程度に抑えて多数の企業と結ぶ群戦略の手段とした。2017年6月には、スプリント、SVF、アームの各責任者3名を取締役に迎えた。PIFで投資を統括するヤシル・アルルマヤン氏も社外取締役に加わった。ファンドの発表直後、市場にはベンチャー企業の評価額が高くなりすぎ、投資額も大きすぎるとの見方があった。過去18年間に44%前後あった投資のIRRを大きく下回るという予想である。2018年11月の説明会で孫氏は、SVFを加えたことで利益の加速が始まったと反論した。投資家の懸念と経営者の自負は、この時点で正面から食い違っていた。

  • ソフトバンクグループ 2019年3月期 第1四半期 決算説明会(2018年8月6日)
    • [6]SVFは単なる投資会社への転換ではなく、出資先の持株比率を20%から40%程度とする群戦略の方法論との説明
  • ソフトバンクグループ アニュアルレポート 2017「社長メッセージ」
    • [7]2017年6月 マルセロ・クラウレ、ラジーブ・ミスラ、サイモン・シガースの3名が取締役に就任
    • [8]PIFで投資を統括するヤシル・アルルマヤンが社外取締役に就任
  • ソフトバンクグループ 2019年3月期 第2四半期 決算説明会(2018年11月5日)
    • [9]SVF発表時、ベンチャー企業の価値が高くなりすぎ、投資金額も大きすぎるとの見方があった
    • [10]過去18年間のソフトバンクの投資のIRRは44%程度で、これを大きく下回るとの予想があった
    • [11]SVFを事業に加えたことで「SoftBank 2.0」にふさわしい利益の加速が始まったとの説明

2018年12月、国内通信子会社のソフトバンクが東京証券取引所市場第一部に上場した。ソフトバンクグループが得た調達資金は2.0兆円で、成長投資7,000億円、負債返済7,000億円、自社株買い6,000億円に振り分けた。公開価格は1株1,500円であったが、上場後の株価はこれを下回って推移した。2019年2月の説明会では、子会社の株主を犠牲にして親会社の自社株買いの資金を作ったのではないかとの質問が出た。孫氏は、価格は証券会社や子会社の経営陣と協議して決めたと答えた。そのうえで、純利益約4,000億円に対しフリー・キャッシュ・フローが5,000億円を超えるとして、配当性向85%の持続性を説いた。通信事業が生む現金を投資の原資へ回す資本の流れが、ここで形を持ったといえる。

  • ソフトバンクグループ 有価証券報告書(2025年3月期)【沿革】
    • [12]2018年12月 ソフトバンク株式会社が東京証券取引所市場第一部に上場
  • ソフトバンクグループ 2019年3月期 第3四半期 決算説明会資料(2019年2月6日)
    • [13]SBKK上場の調達資金2.0兆円の使途は投資予定資金7,000億円・負債返済7,000億円・自社株買付6,000億円
  • ソフトバンクグループ 2019年3月期 第3四半期 決算説明会 質疑応答(2019年2月6日)
    • [14]ソフトバンク株式会社の公開価格は1,500円で、公開後は公開価格を下回って推移
    • [15]子会社株主の犠牲の上に親会社の自社株買い資金を得たのではないかとの質問
    • [16]公開価格は証券会社・ソフトバンク経営陣と十分に話し合って決めたとの回答
    • [17]子会社の純利益約4,000億円に対しフリー・キャッシュ・フローは5,000億円超、配当性向85%
参考文献[1]-[17]
  • ソフトバンクグループ プレスリリース「ソフトバンク・ビジョン・ファンド、初回クロージングを完了」(2017年5月20日)
    • [1]2017年5月 ソフトバンク・ビジョン・ファンドの初回クロージングを完了
  • ソフトバンクグループ アニュアルレポート 2017「社長メッセージ」
    • [2]出資コミットメント930億ドル超(10.4兆円)、うちソフトバンクグループ分280億ドル(3.1兆円)(2017年5月20日現在)
    • [3]リミテッド・パートナーはPIF、ムバダラ開発公社、アップル、フォックスコン、クアルコム、シャープなど
    • [4]2016年の1年間に世界のベンチャー・キャピタルが調達した資金総額は640億ドル(約7兆円)
    • [7]2017年6月 マルセロ・クラウレ、ラジーブ・ミスラ、サイモン・シガースの3名が取締役に就任
    • [8]PIFで投資を統括するヤシル・アルルマヤンが社外取締役に就任
  • ソフトバンクグループ 2019年3月期 第1四半期 決算説明会(2018年8月6日)
    • [5]AI革命に対し、社内の馴染みのある分野だけを手順を踏んで進めるやり方では間に合わないためSVFを作ったとの説明
    • [6]SVFは単なる投資会社への転換ではなく、出資先の持株比率を20%から40%程度とする群戦略の方法論との説明
  • ソフトバンクグループ 2019年3月期 第2四半期 決算説明会(2018年11月5日)
    • [9]SVF発表時、ベンチャー企業の価値が高くなりすぎ、投資金額も大きすぎるとの見方があった
    • [10]過去18年間のソフトバンクの投資のIRRは44%程度で、これを大きく下回るとの予想があった
    • [11]SVFを事業に加えたことで「SoftBank 2.0」にふさわしい利益の加速が始まったとの説明
  • ソフトバンクグループ 有価証券報告書(2025年3月期)【沿革】
    • [12]2018年12月 ソフトバンク株式会社が東京証券取引所市場第一部に上場
  • ソフトバンクグループ 2019年3月期 第3四半期 決算説明会資料(2019年2月6日)
    • [13]SBKK上場の調達資金2.0兆円の使途は投資予定資金7,000億円・負債返済7,000億円・自社株買付6,000億円
  • ソフトバンクグループ 2019年3月期 第3四半期 決算説明会 質疑応答(2019年2月6日)
    • [14]ソフトバンク株式会社の公開価格は1,500円で、公開後は公開価格を下回って推移
    • [15]子会社株主の犠牲の上に親会社の自社株買い資金を得たのではないかとの質問
    • [16]公開価格は証券会社・ソフトバンク経営陣と十分に話し合って決めたとの回答
    • [17]子会社の純利益約4,000億円に対しフリー・キャッシュ・フローは5,000億円超、配当性向85%

2019年〜WeWorkの評価損47億ドルと2020年3月期の営業損失1.4兆円

2019年11月6日の決算説明会は、7〜9月期の大幅な赤字の説明から始まった。前年上期に黒字をけん引したSVFが逆回転し、前年の営業利益と同じ規模の営業赤字を計上した。最大の要因はWeWorkで、SVFから30億ドル、本体から追加で45億ドルを投じていた。本体はこの四半期に47億ドルの評価損を営業外損失として計上した。孫氏は冒頭で、投資戦略はすべて失敗だとする報道にも正しい面があると認めた。そのうえで『これは私自身の投資判断がいろんな意味でまずかったと大いに反省しています』と述べた。赤字の額より先に自らの判断の誤りを認めることで、投資家の信認をつなぎとめる狙いがあったのだろう。

  • ソフトバンクグループ 2020年3月期 第2四半期 決算説明会(2019年11月6日)
    • [18]四半期決算としては創業以来とみられる大赤字との冒頭説明
    • [19]SVFが前年の営業利益と同等額の営業赤字を計上
    • [20]WeWorkへSVFから30億ドル、SBGから追加45億ドルを投資
    • [21]WeWorkに関し47億ドルの評価損をSBGの営業外損失として計上
    • [22]投資戦略はすべて失敗との報道について、ある面では正しいとの認識
    • [23]WeWork問題について自身の投資判断の誤りを認め反省を表明

質疑では、創業者を見て投資先を選ぶはずの孫氏が、なぜWeWork創業者のアダム・ニューマン氏を見誤ったのかが問われた。孫氏は長所の価値を高く見過ぎたと認め、『マイナス部分の多くについては目をつぶってしまった』と答えた。反省点として挙げたのは評価額の高さとガバナンスの2つである。前者には、新たな財務支援で本体の株式取得価格をおよそ4分の1に下げて対処した。後者では、1株10票の議決権が上場後に20票へ増える仕組みを、取締役1枠しか持たないまま止められなかった。支援後は取締役10枠のうち5枠をソフトバンクグループとSVFが押さえ、ニューマン氏の権利を剥奪した。SVFのIRRが40%超から20%前後へ半減したことも、孫氏はこの場で認めた。

  • ソフトバンクグループ 2020年3月期 第2四半期 決算発表 質疑応答(2019年11月6日)
    • [24]創業者を見て投資するという方針に対し、アダム・ニューマンを見誤ったのかとの質問
    • [25]長所の価値を高く見過ぎ、マイナス部分に目をつぶったとの回答
    • [26]反省点は価値を高く見過ぎたこととガバナンス問題の2点
    • [27]財務パッケージでSBGの株式調達価格を約4分の1に下げた
    • [28]1対10の投票権が上場後1対20に増えることを取締役会が認め、1名枠のSBGは食い止められなかった
    • [29]財務パッケージで取締役10名のうち5名をSBGとSVFが押さえ、ニューマンの権利を剥奪
    • [30]SVFのIRRは40%超から20%前後へ半減

2020年5月18日に公表した2020年3月期決算で、連結の営業損失は1,364,633百万円となった。主因は、SVFなどのファンドが抱える投資の未実現評価損失1.9兆円であった。親会社の所有者に帰属する当期損失は961,576百万円である。2019年10月に始動した2号ファンド(SVF2)には、予定していた外部の出資者が集まらなかった。2020年2月時点で孫氏は、本体の自己資金で投資を続けていると説明した。5月の質疑では、投資先88社のうち15社ほどは倒産し、別の15社ほどが価値の9割を生むとの見通しを示した。他人資本をてこにする設計は、評価損が重なった局面で出資者の側から揺らいだといえる。

  • ソフトバンクグループ 2020年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2020年5月18日)
    • [31]2020年3月期 連結営業利益△1,364,633百万円
    • [32]SVFが期末に保有する投資の未実現評価損失(純額)1.9兆円
    • [33]2020年3月期 親会社の所有者に帰属する当期利益△961,576百万円
  • ソフトバンクグループ 有価証券報告書(2025年3月期)【沿革】
    • [34]2019年10月 ソフトバンク・ビジョン・ファンド2が活動を開始
  • ソフトバンクグループ 2020年3月期 第3四半期 決算説明会 質疑応答(2020年2月12日)
    • [35]SVF2はWeWork問題等で予定していた投資家に心配をかけ、SBG自らの資金で投資を継続しているとの説明
  • ソフトバンクグループ 2020年3月期 決算説明会 質疑応答(2020年5月18日)
    • [36]投資先88社のうち15社ほどは倒産し、15社ほどが投資価値の90%を生み出すとの見通し
参考文献[18]-[36]
  • ソフトバンクグループ 2020年3月期 第2四半期 決算説明会(2019年11月6日)
    • [18]四半期決算としては創業以来とみられる大赤字との冒頭説明
    • [19]SVFが前年の営業利益と同等額の営業赤字を計上
    • [20]WeWorkへSVFから30億ドル、SBGから追加45億ドルを投資
    • [21]WeWorkに関し47億ドルの評価損をSBGの営業外損失として計上
    • [22]投資戦略はすべて失敗との報道について、ある面では正しいとの認識
    • [23]WeWork問題について自身の投資判断の誤りを認め反省を表明
  • ソフトバンクグループ 2020年3月期 第2四半期 決算発表 質疑応答(2019年11月6日)
    • [24]創業者を見て投資するという方針に対し、アダム・ニューマンを見誤ったのかとの質問
    • [25]長所の価値を高く見過ぎ、マイナス部分に目をつぶったとの回答
    • [26]反省点は価値を高く見過ぎたこととガバナンス問題の2点
    • [27]財務パッケージでSBGの株式調達価格を約4分の1に下げた
    • [28]1対10の投票権が上場後1対20に増えることを取締役会が認め、1名枠のSBGは食い止められなかった
    • [29]財務パッケージで取締役10名のうち5名をSBGとSVFが押さえ、ニューマンの権利を剥奪
    • [30]SVFのIRRは40%超から20%前後へ半減
  • ソフトバンクグループ 2020年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2020年5月18日)
    • [31]2020年3月期 連結営業利益△1,364,633百万円
    • [32]SVFが期末に保有する投資の未実現評価損失(純額)1.9兆円
    • [33]2020年3月期 親会社の所有者に帰属する当期利益△961,576百万円
  • ソフトバンクグループ 有価証券報告書(2025年3月期)【沿革】
    • [34]2019年10月 ソフトバンク・ビジョン・ファンド2が活動を開始
  • ソフトバンクグループ 2020年3月期 第3四半期 決算説明会 質疑応答(2020年2月12日)
    • [35]SVF2はWeWork問題等で予定していた投資家に心配をかけ、SBG自らの資金で投資を継続しているとの説明
  • ソフトバンクグループ 2020年3月期 決算説明会 質疑応答(2020年5月18日)
    • [36]投資先88社のうち15社ほどは倒産し、15社ほどが投資価値の90%を生み出すとの見通し

2020年〜エリオットの要求、4.5兆円の資金化とエヌビディアへのアーム売却契約

2020年2月の質疑では、米投資ファンドのエリオット・マネジメントが求める2兆円の自社株買いと社外取締役の増員が問われた。孫氏は、エリオットの経営陣と会ったのは10日から2週間ほど前だと明かした。資金に余裕が出れば自社株買いをするという考えは自身の方針と一致するとし、6月の定時株主総会で社外役員を増やす準備も始めていると答えた。3月には新型コロナウイルスの感染拡大が世界の経済を揺さぶった。3月23日、ソフトバンクグループは保有資産から最大4.5兆円を資金化し、自社株買いと負債の削減に充てる計画を公表した。自社株買いは先行分の5,000億円を含めて2.5兆円の規模となった。

  • ソフトバンクグループ 2020年3月期 第3四半期 決算説明会 質疑応答(2020年2月12日)
    • [37]エリオットの要求は自社株買い2兆円、社外取締役の増員、SVFの情報開示の改善の3点との質問
    • [38]エリオットの経営陣と直接会ったのは10日から2週間ほど前
    • [39]資金の余裕が出たら自社株買いをするのは基本的な考えと一致し、6月の定時株主総会で社外役員を増やすべく社内で検討を始めている
  • ソフトバンクグループ 2020年3月期 決算説明会(2020年5月18日)
    • [40]厳しい世界の経済状況、コロナショックのもとでの資金化の方針
    • [42]4.5兆円を資金化し2.5兆円の自社株買いを行う方針。最初の5,000億円を実施中
  • ソフトバンクグループ プレスリリース「SoftBank Announces JPY 4.5 trillion (USD 41 billion) Program to Repurchase Shares and Reduce Debt」(2020年3月23日)
    • [41]2020年3月23日 最大4.5兆円(410億ドル)の自社株買いと負債削減のためのプログラムを発表

財務の目安とする純有利子負債と保有株式価値の比率(LTV)は、内規で平常時25%未満としているところ、5月時点で14%まで下がっていた。資金化の第一弾はアリババ株を用いた先渡契約・フロア契約・カラー契約で、これにより1.25兆円を調達し、孫氏によれば2〜3週間のうちにアリババ株価をほぼ動かさずに現金へ換えられたという。4月1日にスプリントとTモバイルの合併が完了すると、Tモバイル株やソフトバンク株の一部も売っていった。過去の危機と比べてどうかと問われた孫氏の答えは『今回は余裕で崖の下を覗いているという状況じゃないかなと思います』であった。8月11日の説明会では、1年で4.5兆円という計画に対し、4.5カ月で4.3兆円を資金化したと報告した。

  • ソフトバンクグループ 2020年3月期 決算説明会(2020年5月18日)
    • [43]LTVは平常時25%未満・異常時35%を内規とし、前回16%から14%へ
    • [44]第1弾としてアリババ株式を活用した先渡契約・フロア契約・カラー契約で合計1.25兆円を調達
  • ソフトバンクグループ 2020年3月期 決算説明会 質疑応答(2020年5月18日)
    • [45]2〜3週間で1.25兆円を市場にほとんど影響を与えずに現金化
    • [47]過去の危機との比較についての回答
  • ソフトバンクグループ 2021年3月期 第1四半期 決算説明会(2020年8月11日)
    • [46]2020年4月1日 スプリントとTモバイルの合併が完了。Tモバイル株の売却、SBKK株の一部売却を実施
    • [48]1年間で4.5兆円の資金化計画に対し、4.5カ月で4.3兆円を資金化(進捗95%)

2020年9月14日、ソフトバンクグループは子会社アームの全株式を米エヌビディアへ売却する契約を発表した。11月の質疑で孫氏は、アーム売却を含め約10兆円の資金化にめどが立ったとし、守りと攻めを同時に進めると語った。2021年3月期の親会社の所有者に帰属する当期利益は4兆9,879億円に達し、1年前の赤字から反転した。孫氏自身も、一時益と株高が重なった利益だという見方を否定しなかった。2021年のアニュアルレポートで孫氏は、自社を情報革命の資本家と定義し直した。最重要の指標とした時価純資産(NAV)は、3月末で26兆円であった。『投資家にとって最も重要なゴールはお金を作ることですが、資本家にとって最も重要なゴールは未来を創ることです』という一文は、純利益で測られることを退ける投資持株会社の自己規定であった。

  • ソフトバンクグループ プレスリリース「当社子会社Arm Limited 全株式の売却に関するお知らせ」(2020年9月14日)
    • [49]子会社Arm Limitedの全株式をNVIDIAへ売却する契約(最大400億ドル)を発表
  • ソフトバンクグループ 2021年3月期 第2四半期 決算説明会 質疑応答(2020年11月9日)
    • [50]エヌビディアへのアーム売却を含め約10兆円の資金化の目処が立ち、十分な守りを固めながら同時に攻めにいくとの説明
  • ソフトバンクグループ 2021年3月期 決算説明会(2021年5月12日)
    • [51]2021年3月期 親会社の所有者に帰属する当期利益4.99兆円
    • [52]純利益にはスプリントの一時益、世界的な株高、大型の新規上場が含まれるとの見方への言及
  • ソフトバンクグループ アニュアルレポート 2021「トップメッセージ」
    • [53]ソフトバンクグループを「情報革命の資本家」と定義し、最も重要な指標をNAV(時価純資産)とした
    • [54]NAV 26兆円(2021年3月末現在)
参考文献[37]-[54]
  • ソフトバンクグループ 2020年3月期 第3四半期 決算説明会 質疑応答(2020年2月12日)
    • [37]エリオットの要求は自社株買い2兆円、社外取締役の増員、SVFの情報開示の改善の3点との質問
    • [38]エリオットの経営陣と直接会ったのは10日から2週間ほど前
    • [39]資金の余裕が出たら自社株買いをするのは基本的な考えと一致し、6月の定時株主総会で社外役員を増やすべく社内で検討を始めている
  • ソフトバンクグループ 2020年3月期 決算説明会(2020年5月18日)
    • [40]厳しい世界の経済状況、コロナショックのもとでの資金化の方針
    • [42]4.5兆円を資金化し2.5兆円の自社株買いを行う方針。最初の5,000億円を実施中
    • [43]LTVは平常時25%未満・異常時35%を内規とし、前回16%から14%へ
    • [44]第1弾としてアリババ株式を活用した先渡契約・フロア契約・カラー契約で合計1.25兆円を調達
  • ソフトバンクグループ プレスリリース「SoftBank Announces JPY 4.5 trillion (USD 41 billion) Program to Repurchase Shares and Reduce Debt」(2020年3月23日)
    • [41]2020年3月23日 最大4.5兆円(410億ドル)の自社株買いと負債削減のためのプログラムを発表
  • ソフトバンクグループ 2020年3月期 決算説明会 質疑応答(2020年5月18日)
    • [45]2〜3週間で1.25兆円を市場にほとんど影響を与えずに現金化
    • [47]過去の危機との比較についての回答
  • ソフトバンクグループ 2021年3月期 第1四半期 決算説明会(2020年8月11日)
    • [46]2020年4月1日 スプリントとTモバイルの合併が完了。Tモバイル株の売却、SBKK株の一部売却を実施
    • [48]1年間で4.5兆円の資金化計画に対し、4.5カ月で4.3兆円を資金化(進捗95%)
  • ソフトバンクグループ プレスリリース「当社子会社Arm Limited 全株式の売却に関するお知らせ」(2020年9月14日)
    • [49]子会社Arm Limitedの全株式をNVIDIAへ売却する契約(最大400億ドル)を発表
  • ソフトバンクグループ 2021年3月期 第2四半期 決算説明会 質疑応答(2020年11月9日)
    • [50]エヌビディアへのアーム売却を含め約10兆円の資金化の目処が立ち、十分な守りを固めながら同時に攻めにいくとの説明
  • ソフトバンクグループ 2021年3月期 決算説明会(2021年5月12日)
    • [51]2021年3月期 親会社の所有者に帰属する当期利益4.99兆円
    • [52]純利益にはスプリントの一時益、世界的な株高、大型の新規上場が含まれるとの見方への言及
  • ソフトバンクグループ アニュアルレポート 2021「トップメッセージ」
    • [53]ソフトバンクグループを「情報革命の資本家」と定義し、最も重要な指標をNAV(時価純資産)とした
    • [54]NAV 26兆円(2021年3月末現在)

2017年〜2021年の業績

決算期 区分 売上高 営業利益純利益 主な投資
億円 YoY 億円 億円 利益率
2017年03月期 連結 89,010 n/a 10,260 14,263 16.0% n/a
2018年03月期 連結 91,587 +2.9% 13,038 10,389 11.3% n/a
2019年03月期 連結 60,935 ▲33.5% 20,736 14,111 23.2% n/a
2020年03月期 連結 52,389 ▲14.0% ▲13,646 ▲9,615 ▲18.4% n/a
2021年03月期 連結 56,281 +7.4% 56,705 49,879 88.6% n/a

出所:有価証券報告書

出典・参考

19件
出典・参考
  • ソフトバンクグループ プレスリリース「ソフトバンク・ビジョン・ファンド、初回クロージングを完了」(2017年5月20日)
  • ソフトバンクグループ アニュアルレポート 2017「社長メッセージ」
  • ソフトバンクグループ 2019年3月期 第1四半期 決算説明会(2018年8月6日)
  • ソフトバンクグループ 2019年3月期 第2四半期 決算説明会(2018年11月5日)
  • ソフトバンクグループ 2019年3月期 第3四半期 決算説明会資料(2019年2月6日)
  • ソフトバンクグループ 2019年3月期 第3四半期 決算説明会 質疑応答(2019年2月6日)
  • ソフトバンクグループ 2020年3月期 第2四半期 決算説明会(2019年11月6日)
  • ソフトバンクグループ 2020年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2020年5月18日)
  • ソフトバンクグループ 2020年3月期 第3四半期 決算説明会 質疑応答(2020年2月12日)
  • ソフトバンクグループ 2020年3月期 決算説明会 質疑応答(2020年5月18日)
  • ソフトバンクグループ 2020年3月期 決算説明会(2020年5月18日)
  • ソフトバンクグループ プレスリリース「SoftBank Announces JPY 4.5 trillion (USD 41 billion) Program to Repurchase Shares and Reduce Debt」(2020年3月23日)
  • ソフトバンクグループ プレスリリース「当社子会社Arm Limited 全株式の売却に関するお知らせ」(2020年9月14日)
  • ソフトバンクグループ 2021年3月期 第1四半期 決算説明会(2020年8月11日)
  • ソフトバンクグループ 2021年3月期 第2四半期 決算説明会 質疑応答(2020年11月9日)
  • ソフトバンクグループ 2021年3月期 決算説明会(2021年5月12日)
  • ソフトバンクグループ アニュアルレポート 2021「トップメッセージ」
  • ソフトバンクグループ 有価証券報告書(2025年3月期)【沿革】
  • ソフトバンクグループ 2020年3月期 第2四半期 決算発表 質疑応答(2019年11月6日)

免責事項およびポリシー