ソニー:ソニー・コンピュータエンタテインメント設立とカンパニー制
1993年〜カンパニー制の導入と、映画部門の営業権2,652億円の一時償却
1993年3月期、ソニーの連結売上高は前期比1.6%増の3兆9,929億円だった。一方で営業利益は29.6%減の1,265億円、当期純利益は69.8%減の363億円に減少した。円高による売上の減少は約1,540億円に及び、国内のAV機器市場は4年続けて縮んでいた。1994年3月期は売上高が6.5%減の3兆7,337億円、営業利益が21.2%減の997億円となった。円高による売上の減少は、この期に約5,010億円まで膨らんだ。ソニーは1994年4月、事業部門を社内の会社に見立てて運営するカンパニー制を敷いた。その前年11月には、ソニー・ミュージックエンタテインメントとの合弁でソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)を設立していた。
- ソニー『アニュアルレポート 1993』
- [1]1993年3月期 連結売上高3兆9,929億円(前期比1.6%増)
- [2]1993年3月期 連結営業利益1,265億円(29.6%減)・当期純利益363億円(69.8%減)
- [3]円高で約1,540億円の売上減少、日本のAV機器市場は4年にわたりマイナス成長
- ソニー『アニュアルレポート 1994』
- [4]1994年3月期 連結売上高3兆7,337億円(6.5%減)・営業利益997億円(21.2%減)
- [5]1994年3月期 円高の影響で連結売上高が約5,010億円減少したと試算
- [6]1994年4月からカンパニー制を導入
- [8]1993年11月 ソニーとソニー・ミュージックエンタテインメントが合弁でソニー・コンピュータエンタテインメントを設立
- Decide 1996年13巻12号
- [7]カンパニー制は各事業部門を独立した会社のように運営する仕組み
1995年3月期の第2四半期、ソニーは映画部門の営業権2,652億円を一度に償却した。1994年9月末時点で映画部門の将来の営業キャッシュ・フローを割り引いた額が投資簿価に届かず、回収できないと判断したためである。作品の中止や訴訟の和解などで生じた一時費用約500億円も重なった。この期の当期純損失は2,933億円に達した。二つの特殊要因を除けば、営業利益は前期比44%増の約1,436億円だった。国内の売上は、1994年12月に発売した32ビットのゲーム機プレイステーションが押し上げていた。機器の稼ぎで中身を買う手法は、この償却で最初の大きな代償を払ったとみられる。
- 証券アナリストジャーナル 1995年33巻6号(常務取締役 佐野角夫氏の講演要旨)
- [9]1995年3月期 第2四半期に映画部門の営業権2,652億円を一時償却
- [12]1995年3月期 当期純損失2,933億5,600万円
- [13]一時償却と一時的な費用を除く営業利益は前年度比44%増の1,435億6,600万円
- [14]1994年12月発売の32ビットゲーム機プレイステーションが国内売上の増加に寄与
- ソニー『アニュアルレポート 1997』
- [10]1994年9月30日現在の映画部門の累積営業キャッシュ・フローの割引現在価値では投資簿価を回収できないと判断
- [11]映画部門のプロジェクト中止・訴訟や契約紛争の和解などに伴う一時的な費用約500億円
1995年4月1日、常務を1年務めただけの出井伸之氏が、14人を飛び越えて社長に就任した。大賀典雄氏は会長としてCEOにとどまり、出井氏がCOOとして実務を担った。引き継いだ課題は二つあり、一つは1兆4,000億円に膨らんだ有利子負債、もう一つはDVDの規格争いでの孤立だった。出井氏は同年7月、伊庭保副社長をCFOに、森尾稔副社長をCTOに任じた。1996年2月には3,000億円の転換社債を出し、全額を借入金の返済に充てた。1996年4月には8つのカンパニーを10に組み直し、商品開発と営業の機能の多くを本社へ戻した。1996年3月期の連結営業利益は2,353億円、当期純利益は543億円と黒字化した。
- Decide 1996年13巻12号
- [15]1995年4月1日 出井伸之氏がソニー社長に就任、常務歴1年で14人抜き
- [16]大賀典雄会長がCEO、出井伸之社長がCOO
- [17]出井社長就任時の課題は有利子負債1兆4,000億円の財務体質とDVD規格統一問題での孤立
- [18]1995年7月1日 伊庭保副社長をCFO、森尾稔副社長をCTOに任命
- [19]1996年2月下旬 無担保転換社債3,000億円を発行し全額を借入金返済に充当
- [20]1996年4月1日付でカンパニー制を見直し、8カンパニーを10カンパニーに再編、商品開発・営業機能の多くを本社に集約
- ソニー『アニュアルレポート 1997』
- [21]1996年3月期 連結営業利益2,353億円・当期純利益543億円
参考文献[1]-[21]
- ソニー『アニュアルレポート 1993』
- [1]1993年3月期 連結売上高3兆9,929億円(前期比1.6%増)
- [2]1993年3月期 連結営業利益1,265億円(29.6%減)・当期純利益363億円(69.8%減)
- [3]円高で約1,540億円の売上減少、日本のAV機器市場は4年にわたりマイナス成長
- ソニー『アニュアルレポート 1994』
- [4]1994年3月期 連結売上高3兆7,337億円(6.5%減)・営業利益997億円(21.2%減)
- [5]1994年3月期 円高の影響で連結売上高が約5,010億円減少したと試算
- [6]1994年4月からカンパニー制を導入
- [8]1993年11月 ソニーとソニー・ミュージックエンタテインメントが合弁でソニー・コンピュータエンタテインメントを設立
- Decide 1996年13巻12号
- [7]カンパニー制は各事業部門を独立した会社のように運営する仕組み
- [15]1995年4月1日 出井伸之氏がソニー社長に就任、常務歴1年で14人抜き
- [16]大賀典雄会長がCEO、出井伸之社長がCOO
- [17]出井社長就任時の課題は有利子負債1兆4,000億円の財務体質とDVD規格統一問題での孤立
- [18]1995年7月1日 伊庭保副社長をCFO、森尾稔副社長をCTOに任命
- [19]1996年2月下旬 無担保転換社債3,000億円を発行し全額を借入金返済に充当
- [20]1996年4月1日付でカンパニー制を見直し、8カンパニーを10カンパニーに再編、商品開発・営業機能の多くを本社に集約
- 証券アナリストジャーナル 1995年33巻6号(常務取締役 佐野角夫氏の講演要旨)
- [9]1995年3月期 第2四半期に映画部門の営業権2,652億円を一時償却
- [12]1995年3月期 当期純損失2,933億5,600万円
- [13]一時償却と一時的な費用を除く営業利益は前年度比44%増の1,435億6,600万円
- [14]1994年12月発売の32ビットゲーム機プレイステーションが国内売上の増加に寄与
- ソニー『アニュアルレポート 1997』
- [10]1994年9月30日現在の映画部門の累積営業キャッシュ・フローの割引現在価値では投資簿価を回収できないと判断
- [11]映画部門のプロジェクト中止・訴訟や契約紛争の和解などに伴う一時的な費用約500億円
- [21]1996年3月期 連結営業利益2,353億円・当期純利益543億円
1997年〜プレイステーションの累計3,000万台と、取締役38人を10人に削減した機構改革
1997年3月期、ソニーの連結売上高は前期比23.3%増の5兆6,631億円に達した。営業利益も3,703億円となり、ともに過去最高を記録した。前期と同じ為替であれば売上高は約5,200億円少なかった計算で、円安が伸びの一部を支えた。1998年3月期には売上高6兆7,555億円、営業利益5,202億円、当期純利益2,221億円と最高を更新した。連結ROEも11%から14%へ上がった。牽引役の一つが、1994年12月に参入したゲーム事業だった。ゲーム機の累計生産出荷台数は3年余りで3,000万台を超え、1998年3月期の連結売上高の約10%、営業利益の約22%を占めた。映画の償却で失った利益を埋めたのは、買った中身より自ら起こした機器の規格だった。
- ソニー『アニュアルレポート 1997』
- [22]1997年3月期 連結売上高5兆6,631億円(23.3%増)、過去最高
- [23]1997年3月期 連結営業利益3,703億円、過去最高
- [24]為替が前年度と同水準なら1997年3月期の売上高は約5,200億円少なかったと試算
- ソニー『アニュアルレポート 1998』
- [25]1998年3月期 連結売上高6兆7,555億円・営業利益5,202億円・当期純利益2,221億円、2年連続で史上最高
- [26]連結ROE 1997年3月期11%→1998年3月期14%
- [27]1994年12月にゲームビジネスへ参入
- [28]ゲーム機の全世界累計生産出荷台数が3年余りで3,000万台を突破、1998年3月期の連結売上高の約10%・連結営業利益の約22%
1997年6月、ソニーは38人いた取締役を10人に減らし、執行役員制を導入した。グループの方針を決めて業務の執行を監督する取締役と、業務を執り行う執行役員を分け、意思決定を速めることを狙った。議案は1週間前に全取締役へ届け、2人の社外取締役にも社内会議と同じ情報を渡すと定めた。株価に連動する報酬は、取締役と執行役員のほか、関係会社を含む国内外の上級幹部にも広げた。1998年1月にはエレクトロニクスのカンパニーを再び10に組み直し、デジタル衛星放送やネットワーク関連を担うカンパニーを新設した。改革から1年のうちに、執行役員制を取り入れた企業は日興証券や東芝を含めて100社を上回った。
- 日経ビジネス 1998年7月20日号
- [29]1997年6月 取締役を38人から10人に削減し執行役員制を導入
- [31]取締役会の議案を1週間前に全取締役へ連絡、経営業務室が2人の社外取締役にも社内会議と同じ情報を提供
- [34]ソニーの改革から1年で執行役員制を導入した企業は日興証券・東芝などを含め100社超
- ソニー『アニュアルレポート 1998』
- [30]取締役(経営方針決定・業務執行の監督)と執行役員(業務執行の責任者)を分離し、意思決定の迅速化を企図
- [32]株価連動型インセンティブプランを取締役・執行役員と関連会社を含む国内外の上級幹部に導入
- [33]1998年1月 エレクトロニクス分野のカンパニーを再編し10カンパニー体制、デジタルネットワークソリューションカンパニーを新設
1999年3月期、連結売上高は6兆7,946億円と横ばいだったが、営業利益は34.9%減の3,386億円に減少した。ソニーは同年4月、エレクトロニクスを三つのネットワークカンパニーに集約し、SCEもその横に並ぶ事業ユニットの一つに位置づけた。2000年1月には株式交換で、上場子会社だった3社を完全子会社とした。ソニー・ミュージックエンタテインメント、ソニーケミカル、ソニー・プレシジョン・テクノロジーの3社である。2003年3月末までに70の製造事業所を55程度に集め、グループの人員を約10%減らす目標も置いた。各事業の評価には、税引後営業利益から資本コストを差し引いた経済価値の尺度を1999年度から使い始めた。
- ソニー『アニュアルレポート 1999』
- [35]1999年3月期 連結売上高6兆7,946億円(0.6%増)・営業利益3,386億円(34.9%減)
- [36]1999年4月 エレクトロニクスをホームネットワーク/パーソナルITネットワーク/コアテクノロジー&ネットワークの3カンパニーに統合し、SCEを事業ユニットの1つに位置づけ
- [38]完全子会社化の対象はソニー・ミュージックエンタテインメント、ソニーケミカル、ソニー・プレシジョン・テクノロジー(いずれも上場子会社)
- [39]製造事業所を70カ所から2003年3月末までに55カ所程度へ、グループ在籍者を自然減含め10%程度削減
- [40]税引後営業利益から負債・株主資本コストを差し引く業績評価尺度(EVA)を1999年度から導入
- ソニー『アニュアルレポート 2001』
- [37]2000年1月5日 ソニー・ミュージックエンタテインメント、ソニーケミカル、ソニー・プレシジョン・テクノロジーの3社を株式交換で完全子会社化
参考文献[22]-[40]
- ソニー『アニュアルレポート 1997』
- [22]1997年3月期 連結売上高5兆6,631億円(23.3%増)、過去最高
- [23]1997年3月期 連結営業利益3,703億円、過去最高
- [24]為替が前年度と同水準なら1997年3月期の売上高は約5,200億円少なかったと試算
- ソニー『アニュアルレポート 1998』
- [25]1998年3月期 連結売上高6兆7,555億円・営業利益5,202億円・当期純利益2,221億円、2年連続で史上最高
- [26]連結ROE 1997年3月期11%→1998年3月期14%
- [27]1994年12月にゲームビジネスへ参入
- [28]ゲーム機の全世界累計生産出荷台数が3年余りで3,000万台を突破、1998年3月期の連結売上高の約10%・連結営業利益の約22%
- [30]取締役(経営方針決定・業務執行の監督)と執行役員(業務執行の責任者)を分離し、意思決定の迅速化を企図
- [32]株価連動型インセンティブプランを取締役・執行役員と関連会社を含む国内外の上級幹部に導入
- [33]1998年1月 エレクトロニクス分野のカンパニーを再編し10カンパニー体制、デジタルネットワークソリューションカンパニーを新設
- 日経ビジネス 1998年7月20日号
- [29]1997年6月 取締役を38人から10人に削減し執行役員制を導入
- [31]取締役会の議案を1週間前に全取締役へ連絡、経営業務室が2人の社外取締役にも社内会議と同じ情報を提供
- [34]ソニーの改革から1年で執行役員制を導入した企業は日興証券・東芝などを含め100社超
- ソニー『アニュアルレポート 1999』
- [35]1999年3月期 連結売上高6兆7,946億円(0.6%増)・営業利益3,386億円(34.9%減)
- [36]1999年4月 エレクトロニクスをホームネットワーク/パーソナルITネットワーク/コアテクノロジー&ネットワークの3カンパニーに統合し、SCEを事業ユニットの1つに位置づけ
- [38]完全子会社化の対象はソニー・ミュージックエンタテインメント、ソニーケミカル、ソニー・プレシジョン・テクノロジー(いずれも上場子会社)
- [39]製造事業所を70カ所から2003年3月末までに55カ所程度へ、グループ在籍者を自然減含め10%程度削減
- [40]税引後営業利益から負債・株主資本コストを差し引く業績評価尺度(EVA)を1999年度から導入
- ソニー『アニュアルレポート 2001』
- [37]2000年1月5日 ソニー・ミュージックエンタテインメント、ソニーケミカル、ソニー・プレシジョン・テクノロジーの3社を株式交換で完全子会社化
2000年〜エリクソン・サムスン電子・BMGとの合弁と、3,000億円の第二次構造改革
2000年4月、ソニーは出井伸之氏を会長兼CEO、安藤国威氏を社長兼COOとする体制で、ブロードバンドの時代へ向けた改革の第2段階に入った。自社ですべてを抱える垂直統合と、強い相手と補い合う提携を組み合わせる方針を掲げた。2001年10月には、スウェーデンのエリクソンと携帯電話端末の合弁会社を設けた。上場子会社のアイワは資金繰りに行き詰まり、ソニーは2001年夏に253億円の増資を引き受けて出資比率を61.4%まで上げていた。2002年2月に完全子会社化を決め、同年12月に吸収合併した。出井氏は、別ブランド同士を競わせる方針に最後までこだわったことを反省した。
- ソニー『アニュアルレポート 2001』
- [41]2000年4月より出井CEO・安藤COO・CFOによる新マネジメント・チームで企業改革の第2段階を開始
- [42]垂直統合の戦略と、強力なパートナーとの提携による水平分業の戦略を組み合わせる方針
- ソニー『アニュアルレポート 2002』
- [43]2001年10月 携帯電話ビジネスでエリクソンと合弁会社を設立
- 日経ビジネス 2002年3月11日号
- [44]2001年7月・8月 ソニーがアイワの増資を引き受け253億円を支援、出資比率50.6%→61.4%
- [45]2002年2月28日 アイワの完全子会社化を発表(2002年10月1日めど)
- [47]出井会長 アイワとソニーを異なるブランドで競わせる考えを最後まで持ち続けたことを反省
- ソニー『アニュアルレポート 2003』
- [46]2002年12月 アイワ㈱を合併
2001年3月期は、ゲームがプレイステーション2の立ち上げ費用で511億円の営業損失を出し、エレクトロニクスが2,511億円を稼いだ。翌2002年3月期はエレクトロニクスが12億円の営業損失に転じ、ゲームの829億円が連結営業利益1,346億円を支えた。2003年3月期は営業利益が1,854億円まで戻したものの、エレクトロニクスは1〜3月期に大幅な営業損失を計上した。ソニーは2003年5月、2006年に向けた中期経営方針「トランスフォーメーション60」を示した。2006年度に金融を除く連結営業利益率10%を達成できる体質を築くことを目標に置いた。3年間で構造改革に約3,000億円、半導体の設備投資に約5,000億円、キーデバイスなどの開発研究に約5,000億円を投じる計画を立てた。
- ソニー『アニュアルレポート 2003』
- [48]2001年3月期 セグメント営業利益 エレクトロニクス2,511億円・ゲーム511億円の損失(PS2立ち上げ費用)
- [49]2002年3月期 セグメント営業利益 エレクトロニクス12億円の損失・ゲーム829億円
- [51]2003年3月期 連結営業利益1,854億円、エレクトロニクスは第4四半期に大幅な営業損失
- [53]2003年5月の経営方針説明会で2006年度に連結営業利益率10%(金融分野を除く)を達成できる体質を築く目標
- [54]2003年度から3年間で構造改革費用約3,000億円、半導体設備投資約5,000億円、キーデバイス等の開発研究投資約5,000億円
- ソニー『アニュアルレポート 2002』
- [50]2002年3月期 連結営業利益1,346億円(40.3%減)
- ソニー『アニュアルレポート 2004』
- [52]創立60周年の2006年に向けた中期経営方針「トランスフォーメーション60(TR60)」を策定
計画の初年度にあたる2004年3月期、ソニーは構造改革費用1,681億円を計上した。営業利益は46.7%減の989億円、当期純利益は885億円にとどまった。液晶テレビ向けのパネルは、2004年に韓国のサムスン電子と製造合弁会社S-LCDを設けて調達を固めた。出資はサムスン電子が50%と1株、ソニーが50%から1株を引いた比率とした。同年8月には音楽制作事業を独ベルテルスマン傘下のBMGと折半で統合し、ソニーBMGを発足させた。9月にはソニーを中心とする投資家グループが約49億ドルで米MGMの買収を決め、ソニーの負担は約3億ドル以下に抑えた。コロンビアを単独で買った1989年から、他社と資本を分け合って規模を取る方式へ移ったとみられる。
- ソニー『アニュアルレポート 2004』
- [55]2003年度(2004年3月期)構造改革費用1,681億円
- [56]2004年3月期 連結営業利益989億円(46.7%減)・当期純利益885億円
- [57]大型液晶テレビ向けパネルの安定供給のためサムスン電子と製造合弁会社S-LCD㈱を設立
- [58]S-LCD㈱ 資本金2兆1,000億ウォン、サムスン電子50%+1株・ソニー50%−1株
- [59]2003年12月 BMGとの音楽制作事業の合弁会社設立に合意、各50%出資
- 日経ビジネス 2004年9月27日号
- [60]2004年8月5日 音楽事業をベルテルスマン傘下のBMGと統合しソニーBMGミュージックエンタテインメント発足
- [61]2004年9月13日 ソニーを中心とする投資家グループがMGM買収を決定、総額約49億ドルのうちソニー負担は約3億ドル以下
参考文献[41]-[61]
- ソニー『アニュアルレポート 2001』
- [41]2000年4月より出井CEO・安藤COO・CFOによる新マネジメント・チームで企業改革の第2段階を開始
- [42]垂直統合の戦略と、強力なパートナーとの提携による水平分業の戦略を組み合わせる方針
- ソニー『アニュアルレポート 2002』
- [43]2001年10月 携帯電話ビジネスでエリクソンと合弁会社を設立
- [50]2002年3月期 連結営業利益1,346億円(40.3%減)
- 日経ビジネス 2002年3月11日号
- [44]2001年7月・8月 ソニーがアイワの増資を引き受け253億円を支援、出資比率50.6%→61.4%
- [45]2002年2月28日 アイワの完全子会社化を発表(2002年10月1日めど)
- [47]出井会長 アイワとソニーを異なるブランドで競わせる考えを最後まで持ち続けたことを反省
- ソニー『アニュアルレポート 2003』
- [46]2002年12月 アイワ㈱を合併
- [48]2001年3月期 セグメント営業利益 エレクトロニクス2,511億円・ゲーム511億円の損失(PS2立ち上げ費用)
- [49]2002年3月期 セグメント営業利益 エレクトロニクス12億円の損失・ゲーム829億円
- [51]2003年3月期 連結営業利益1,854億円、エレクトロニクスは第4四半期に大幅な営業損失
- [53]2003年5月の経営方針説明会で2006年度に連結営業利益率10%(金融分野を除く)を達成できる体質を築く目標
- [54]2003年度から3年間で構造改革費用約3,000億円、半導体設備投資約5,000億円、キーデバイス等の開発研究投資約5,000億円
- ソニー『アニュアルレポート 2004』
- [52]創立60周年の2006年に向けた中期経営方針「トランスフォーメーション60(TR60)」を策定
- [55]2003年度(2004年3月期)構造改革費用1,681億円
- [56]2004年3月期 連結営業利益989億円(46.7%減)・当期純利益885億円
- [57]大型液晶テレビ向けパネルの安定供給のためサムスン電子と製造合弁会社S-LCD㈱を設立
- [58]S-LCD㈱ 資本金2兆1,000億ウォン、サムスン電子50%+1株・ソニー50%−1株
- [59]2003年12月 BMGとの音楽制作事業の合弁会社設立に合意、各50%出資
- 日経ビジネス 2004年9月27日号
- [60]2004年8月5日 音楽事業をベルテルスマン傘下のBMGと統合しソニーBMGミュージックエンタテインメント発足
- [61]2004年9月13日 ソニーを中心とする投資家グループがMGM買収を決定、総額約49億ドルのうちソニー負担は約3億ドル以下
筆者考察
グローバルな巨額買収(米コロムビアの買収)による拡大路線は、1990年代の半ばに帳簿の上で清算を迫られた。1995年3月期、ソニーは映画部門の営業権2,652億円を一度に償却し、当期純損失は2,933億円に達した。同じ期に国内の売上を押し上げたのは、前年12月に出したばかりのゲーム機だった。そのゲーム機は3年余りで累計3,000万台を超え、1998年3月期には連結営業利益の約22%を稼いだ。2002年3月期にはエレクトロニクスが12億円の営業損失に沈むなかで、ゲームが829億円を稼ぎ出した。利益を支えたのは、買った映画会社ではなく、自ら規格を起こした機器の側だった。
2000年代の手の打ち方は、1989年の買収とは形が違う。携帯電話端末はエリクソンと、液晶パネルはサムスン電子と、音楽制作はBMGと、いずれも半分ずつの資本で合弁会社を設けた。2004年に決めたMGMの買収は総額約49億ドルに上ったが、ソニーの負担は約3億ドル以下にとどまった。コロンビアに約34億ドルを単独で投じた15年前と比べると、規模は他社の資本で取り、自らの資金は構造改革と半導体に充当する配分に変わった。その構造改革の初年度、2004年3月期の営業利益は989億円まで細った。
- 1994年12月 ソニー・コンピュータエンタテインメントがプレイステーションを国内で発売
- 2001年10月 エリクソンと携帯電話端末の合弁会社を設立
- 2004年8月 BMGと音楽制作事業を折半で統合しソニーBMGが発足
- 棒はすべて連結の売上高および営業収入。決算期は3月期。米国会計基準。
- 棒の出所は1993年3月期がソニー『アニュアルレポート 1993』、1994年3月期が同 1994、1995・1996年3月期が同 1997、1997年3月期が同 1997、1998年3月期が同 1998、1999年3月期が同 1999、2000・2001年3月期が同 2001、2002年3月期が同 2002、2003年3月期が同 2003、2004年3月期が同 2004。後年の組替えで数字が変わる年は、表示した年版の値による。
1993年〜2004年の業績
| 決算期 | 区分 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 | 主な投資 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 億円 | YoY | 億円 | 億円 | 億円 | 利益率 | |||
| 1993年03月期 | 連結 | 39,929 | n/a | n/a | n/a | 362 | 0.9% | n/a |
| 1994年03月期 | 連結 | 37,337 | ▲6.5% | n/a | n/a | 152 | 0.4% | n/a |
| 1995年03月期 | 連結 | 39,834 | +6.7% | n/a | n/a | ▲2,933 | ▲7.4% | n/a |
| 1996年03月期 | 連結 | 45,925 | +15.3% | n/a | n/a | 542 | 1.2% | n/a |
| 1997年03月期 | 連結 | 56,582 | +23.2% | n/a | n/a | 1,394 | 2.5% | n/a |
| 1998年03月期 | 連結 | 67,610 | +19.5% | n/a | n/a | 2,220 | 3.3% | n/a |
| 1999年03月期 | 連結 | 68,041 | +0.6% | n/a | n/a | 1,790 | 2.6% | n/a |
| 2000年03月期 | 連結 | 66,866 | ▲1.7% | n/a | n/a | 1,218 | 1.8% | n/a |
| 2001年03月期 | 連結 | 73,148 | +9.4% | n/a | n/a | 167 | 0.2% | n/a |
| 2002年03月期 | 連結 | 75,782 | +3.6% | 1,346 | 928 | 153 | 0.2% | n/a |
| 2003年03月期 | 連結 | 74,736 | ▲1.4% | 1,854 | 2,476 | 1,155 | 1.5% | n/a |
| 2004年03月期 | 連結 | 74,963 | +0.3% | 989 | 1,441 | 885 | 1.2% | n/a |
出所:会社年鑑、有価証券報告書
出典・参考
14件
- ソニー『アニュアルレポート 1993』
- ソニー『アニュアルレポート 1994』
- ソニー『アニュアルレポート 1997』
- ソニー『アニュアルレポート 1998』
- ソニー『アニュアルレポート 1999』
- ソニー『アニュアルレポート 2001』
- ソニー『アニュアルレポート 2002』
- ソニー『アニュアルレポート 2003』
- ソニー『アニュアルレポート 2004』
- 証券アナリストジャーナル 1995年33巻6号(常務取締役 佐野角夫氏の講演要旨)
- Decide 1996年13巻12号
- 日経ビジネス 1998年7月20日号
- 日経ビジネス 2002年3月11日号
- 日経ビジネス 2004年9月27日号