第5章 年〜年

NTT:鵜浦博夫・澤田純体制のIOWN構想とNTT Ltd.の設立

中期経営戦略「新たなステージを目指して」からNTT Ltd.の発足まで

2012年〜グローバル・クラウドの基軸化とEPS60%成長の目標

クラウドへの移行を競争の転機と読む

2012年6月に社長となった鵜浦博夫氏は、情報通信の競争が大きな移行期に差しかかったという認識を就任の時点で抱いていた。処理の機能は端末と網の間を往復した末にクラウドへ集まり、サービスの組み合わせを利用者が選ぶ時代になる、という見立てである。そのうえで鵜浦氏は、『「選ばれ続けること」が競争力の本質になっていくのだと考えています』と語った。この認識を計画にしたのが2012年11月8日の中期経営戦略「新たなステージを目指して」で、グローバル・クラウドサービスを基軸に置いた。土台は、2010年10月に買収した南アフリカのDimension Dataと、同年12月に買収した米Keaneの顧客基盤と運用体制であった。拠点は72か国に及び、顧客となるグローバル企業は1万社を超えていた。

  • 日本電信電話 アニュアルレポート 2013「社長インタビュー」(代表取締役社長 鵜浦博夫、2013年8月)
    • [1]鵜浦社長は2012年6月の就任時から、情報通信市場の競争が大きな移行期にあると認識
    • [2]情報処理機能の集中と分散がクラウドへ行き着き、利用者がサービスの組み合わせを選ぶ時代になるとの見方
    • [3]選ばれ続けることが競争力の本質になるとの社長の認識
    • [5]2010年10月に南アフリカのDimension Data、同年12月に米国のKeaneを買収し戦略基盤を強化
    • [6]72か国に拠点、1万社超のグローバル企業を顧客基盤に持つ
  • 日本電信電話 中期経営戦略「新たなステージを目指して」説明資料(2012年11月8日)
    • [4]2012年11月8日 中期経営戦略「新たなステージを目指して」で「グローバル・クラウドサービス」を事業の基軸に
EPSを最重要の尺度に据える

財務の尺度には1株当たり当期純利益(EPS)を選び、2016年3月期までに2012年3月期比で60%以上伸ばすことを最重要の目標とした。鵜浦氏はROEへの注目を承知のうえで株主との対話からEPSを選び、利益の推移と自己株式取得を組み合わせて数字を決めたと説明した。海外売上高は2017年3月期に200億ドル、法人売上高に占める海外の比率は50%以上を目指した。期限を事業ごとに3〜5年と分けたのは、クラウドを仕込みの段階とみて、成果を計画期間の後半に見込んだためである。グローバルR&D委員会を新設し、北米の研究拠点を広げる方針も示した。2013年4月にはシリコンバレーにNTT Innovation Institute(NTT I3)を設けた。

  • 日本電信電話 アニュアルレポート 2013「株主・投資家の皆様へ」「社長インタビュー」(代表取締役社長 鵜浦博夫、2013年8月)
    • [7]中期財務目標としてEPSを2016年3月期までに2012年3月期比60%以上成長させ、最重要指標に位置づけ
  • 日本電信電話 アニュアルレポート 2013「社長インタビュー」(代表取締役社長 鵜浦博夫、2013年8月)
    • [8]ROEへの注目を認識しつつ、株主との対話からEPSを目標化し、利益と自己株式取得のシナリオから60%を設定
    • [10]財務目標の期間を事業のタイムスパンに応じて3〜5年で設定、クラウドは仕込みの時期で成果は計画期間の後半
  • 日本電信電話 IRプレゼンテーション(2016年1月)「これまでの取組み(2) 財務目標(2012年11月発表)」
    • [9]2017年3月期までに海外売上高200億ドル、法人売上高海外比率50%以上
  • 日本電信電話 中期経営戦略「新たなステージを目指して」説明資料(2012年11月8日)
    • [11]グローバルR&D委員会を創設し、北米R&D拠点を大幅に拡大・強化
  • 日本電信電話 研究開発説明資料「NTT研究所の概要」(2014年3月)
    • [12]2013年4月 米国シリコンバレーにNTT Innovation Institute, Inc.(NTT I3)を設立
自前主義を改めて網のコストを削る

国内の通信網に対しては、投資と業務の効率化を求めた。鵜浦氏は、光ファイバやLTEの網を世界に先がけて築いた一方で、設備投資の額が世界の通信事業者の中でも高かったことを認めている。網を一貫して自社で組む伝統も、利用者が基盤ごと乗り換え設備が早く古びる時代には見直すべきだと考えた。鵜浦氏は『自前主義に固執し、陳腐化が早い分野まで自ら手掛ける意義は乏しくなるというのが私の考えです』と述べ、必要なら設備もサービスも借りればよいとした。数値の目標は、固定と移動のアクセス系コストを2015年3月期までに2012年3月期比で4,000億円以上減らすことであった。設備投資の対売上高比率も15%へ下げるとした。削減は初年度の2013年3月期に1,250億円に達した。目標はのちに6,000億円以上へ積み増され、実績は6,500億円の削減となった。

  • 日本電信電話 アニュアルレポート 2013「社長インタビュー」(代表取締役社長 鵜浦博夫、2013年8月)
    • [13]国内ネットワークサービスで投資と業務の効率化を進める方針
    • [14]光ファイバやLTEの網を世界に先駆けて構築したが、設備投資額は世界の通信キャリアの中でも高かったと社長が認める
    • [15]利用者がインフラを含めて乗り換え、設備の陳腐化も速まるとして自前主義を見直す
    • [16]必要であれば設備・サービスを借りて使えばよいとする方針
    • [17]固定/移動アクセス系コストを2015年3月期までに2012年3月期比4,000億円以上削減
    • [19]2013年3月期のアクセス系コスト削減実績は2012年3月期比1,250億円
  • 日本電信電話 IRプレゼンテーション(2016年1月)「これまでの取組み(2) 財務目標(2012年11月発表)」
    • [18]2016年3月期までにCapex to Sales(設備投資の対売上高比率)15%
  • 日本電信電話 IRプレゼンテーション(2016年1月)「これまでの取組み(2)」
    • [20]アクセス系コスト削減目標6,000億円以上(2015年3月期)に対し6,500億円削減で達成
参考文献[1]-[20]
  • 日本電信電話 アニュアルレポート 2013「社長インタビュー」(代表取締役社長 鵜浦博夫、2013年8月)
    • [1]鵜浦社長は2012年6月の就任時から、情報通信市場の競争が大きな移行期にあると認識
    • [2]情報処理機能の集中と分散がクラウドへ行き着き、利用者がサービスの組み合わせを選ぶ時代になるとの見方
    • [3]選ばれ続けることが競争力の本質になるとの社長の認識
    • [5]2010年10月に南アフリカのDimension Data、同年12月に米国のKeaneを買収し戦略基盤を強化
    • [6]72か国に拠点、1万社超のグローバル企業を顧客基盤に持つ
    • [8]ROEへの注目を認識しつつ、株主との対話からEPSを目標化し、利益と自己株式取得のシナリオから60%を設定
    • [10]財務目標の期間を事業のタイムスパンに応じて3〜5年で設定、クラウドは仕込みの時期で成果は計画期間の後半
    • [13]国内ネットワークサービスで投資と業務の効率化を進める方針
    • [14]光ファイバやLTEの網を世界に先駆けて構築したが、設備投資額は世界の通信キャリアの中でも高かったと社長が認める
    • [15]利用者がインフラを含めて乗り換え、設備の陳腐化も速まるとして自前主義を見直す
    • [16]必要であれば設備・サービスを借りて使えばよいとする方針
    • [17]固定/移動アクセス系コストを2015年3月期までに2012年3月期比4,000億円以上削減
    • [19]2013年3月期のアクセス系コスト削減実績は2012年3月期比1,250億円
  • 日本電信電話 中期経営戦略「新たなステージを目指して」説明資料(2012年11月8日)
    • [4]2012年11月8日 中期経営戦略「新たなステージを目指して」で「グローバル・クラウドサービス」を事業の基軸に
    • [11]グローバルR&D委員会を創設し、北米R&D拠点を大幅に拡大・強化
  • 日本電信電話 アニュアルレポート 2013「株主・投資家の皆様へ」「社長インタビュー」(代表取締役社長 鵜浦博夫、2013年8月)
    • [7]中期財務目標としてEPSを2016年3月期までに2012年3月期比60%以上成長させ、最重要指標に位置づけ
  • 日本電信電話 IRプレゼンテーション(2016年1月)「これまでの取組み(2) 財務目標(2012年11月発表)」
    • [9]2017年3月期までに海外売上高200億ドル、法人売上高海外比率50%以上
    • [18]2016年3月期までにCapex to Sales(設備投資の対売上高比率)15%
  • 日本電信電話 研究開発説明資料「NTT研究所の概要」(2014年3月)
    • [12]2013年4月 米国シリコンバレーにNTT Innovation Institute, Inc.(NTT I3)を設立
  • 日本電信電話 IRプレゼンテーション(2016年1月)「これまでの取組み(2)」
    • [20]アクセス系コスト削減目標6,000億円以上(2015年3月期)に対し6,500億円削減で達成

2014年〜光コラボレーションモデルの卸とEPS350円への目標の再設定

光回線を自ら販売する形をやめる

鵜浦氏が社長就任のころから考えてきたのが、NTT東日本とNTT西日本の光回線を他社へ卸す構想であった。LTEの普及で移動中も大容量の通信が使えるなか、東西が直販で占有率を争うだけでは付加価値を足す余地が限られると判断した。2014年のアニュアルレポートで鵜浦氏は、『The era in which telecommunications operators could take the lead role and provide all services by themselves has already come to an end.』(訳:通信事業者が主役となり、あらゆるサービスを自ら提供できた時代は、すでに終わった)と述べた。2014年5月公表の光コラボレーションモデルは、中核網を含む光アクセスを全国で卸す世界初の仕組みとされた。提供は2015年2月に始まり、東西の事業はB2CからB2B2Cの形へ移った。2020年の五輪開催地に東京が選ばれたことも、公表を後押しした。

  • NTT Annual Report 2014「Interview with the President」(鵜浦博夫)
    • [21]光コラボレーションモデルは社長就任時から考えてきた構想
    • [22]LTEの普及で、東西が直接提供し通信業界内でシェアを争うだけでは付加価値創出に限界があると判断
    • [23]通信事業者が主役として全サービスを自ら提供する時代は終わったとの社長の認識
    • [24]2014年5月に光コラボレーションモデルを公表、コア網を含む光アクセスを全国規模で卸す世界初のモデル
    • [26]2020年東京五輪・パラリンピックの開催決定がモデル公表の追加の動機
  • 日本電信電話 アニュアルレポート 2018「トップメッセージ」(代表取締役社長 澤田純、2018年9月)
    • [25]2015年2月 世界初の本格的な光アクセスのサービス卸「光コラボレーションモデル」を開始
卸の回線が直販を追い越す

卸は、通信設備を持たない他業種の会社が自社の名で通信付きの商品を売る入口になった。東西合算のコラボ光は2015年度の469万契約から2018年度見込みの1,312万契約へ増え、自社販売のフレッツ光802万契約を上回った。ただし光回線の契約の総数は同じ期間に1,926万から2,113万へ伸びたにとどまった。2018年度の見込みでも、コラボ光の開通345万のうち125万はフレッツ光からの転用であった。会社は光コラボをドコモの新料金とともに、協業で競う新しい段階の第一歩と位置づけた。2016年1月には、五輪と地方創生を機に、自らは触媒に回って他社とサービスを生むB2B2Xモデルへ移る方針を掲げた。卸は販路を広げたが、回線の総数を押し上げる力は限られていたとみられる。

  • NTT Annual Report 2014「Interview with the President」(鵜浦博夫)
    • [27]通信設備を持たない幅広い業種の事業者が、光アクセスを使った多様なサービスを自社ブランドで提供できる
  • 日本電信電話 IRプレゼンテーション(2019年4月)「固定ブロードバンドサービス FTTH契約者数」
    • [28]東西合算のコラボ光契約数は2015年度469万、2018年度見込み1,312万。同年度のフレッツ光は802万
    • [29]東西合算のFTTH契約者数は2015年度1,926万、2018年度見込み2,113万
    • [30]2018年度見込みのコラボ光開通数345万のうち転用数125万
  • 日本電信電話 IRプレゼンテーション(2016年1月)「これまでの取組み(1)」
    • [31]「ドコモ新料金」「光コラボレーションモデル」をコラボレーションによる新たな競争のステージへの第一歩と位置づけ
  • 日本電信電話 IRプレゼンテーション(2016年1月)「持続的な成長に向けて」
    • [32]「2020」「地方創生」を契機にB2B2Xモデルへの転換を加速し、自らは“触媒”役へ
最初の目標を達成して次の数値を設定する

2015年5月の中期経営戦略「新たなステージをめざして 2.0」は、最初の計画の達成を受けて財務目標を置き直したものであった。EPSは2012年3月期の183円から2016年3月期に311円となる見込みで、60%以上の目標に対して69.6%の伸びを見通した。新しい目標は2018年3月期のEPS350円以上で、連結営業利益1.4兆円を目指し、海外は売上高220億ドル・営業利益15億ドルとした。1999年から累計3兆円を超えた自己株式の取得は、EPSの分母を減らす手段であり続けた。2017年度は営業収益・営業利益・当期純利益がそろって過去最高となり、EPSとコスト削減と設備投資の効率化の目標を達成した。一方で海外売上高と海外営業利益は目標に届かなかった。国内の効率化が生んだ利益が、海外の遅れを覆っていたと思われる。

  • 日本電信電話 アニュアルレポート 2018「トップメッセージ」(代表取締役社長 澤田純、2018年9月)/日本電信電話 IRプレゼンテーション(2016年1月)
    • [33]2015年5月公表の中期経営戦略「新たなステージをめざして 2.0」でEPS成長目標を再設定し、その他の財務目標をローリング
  • 日本電信電話 IRプレゼンテーション(2016年1月)「EPS成長」
    • [34]EPSは2012年3月期183円、2016年3月期予想311円で+69.6%、目標達成見込み(株式分割調整後)
  • 日本電信電話 IRプレゼンテーション(2016年1月)「新たな財務目標(2018/3期)」
    • [35]2018年3月期の財務目標はEPS350円以上(連結営業利益1.4兆円をめざす)、海外売上高/営業利益$22B/$1.5B
  • 日本電信電話 アニュアルレポート 2018「トップメッセージ」(代表取締役社長 澤田純、2018年9月)
    • [36]自己株式を1999年から累計3兆円以上取得
    • [37]2017年度は営業収益・営業利益・当期純利益とも過去最高、「2.0」のEPS成長・設備投資の効率化・コスト削減を達成
    • [38]海外売上高・海外営業利益の目標は未達
参考文献[21]-[38]
  • NTT Annual Report 2014「Interview with the President」(鵜浦博夫)
    • [21]光コラボレーションモデルは社長就任時から考えてきた構想
    • [22]LTEの普及で、東西が直接提供し通信業界内でシェアを争うだけでは付加価値創出に限界があると判断
    • [23]通信事業者が主役として全サービスを自ら提供する時代は終わったとの社長の認識
    • [24]2014年5月に光コラボレーションモデルを公表、コア網を含む光アクセスを全国規模で卸す世界初のモデル
    • [26]2020年東京五輪・パラリンピックの開催決定がモデル公表の追加の動機
    • [27]通信設備を持たない幅広い業種の事業者が、光アクセスを使った多様なサービスを自社ブランドで提供できる
  • 日本電信電話 アニュアルレポート 2018「トップメッセージ」(代表取締役社長 澤田純、2018年9月)
    • [25]2015年2月 世界初の本格的な光アクセスのサービス卸「光コラボレーションモデル」を開始
    • [36]自己株式を1999年から累計3兆円以上取得
    • [37]2017年度は営業収益・営業利益・当期純利益とも過去最高、「2.0」のEPS成長・設備投資の効率化・コスト削減を達成
    • [38]海外売上高・海外営業利益の目標は未達
  • 日本電信電話 IRプレゼンテーション(2019年4月)「固定ブロードバンドサービス FTTH契約者数」
    • [28]東西合算のコラボ光契約数は2015年度469万、2018年度見込み1,312万。同年度のフレッツ光は802万
    • [29]東西合算のFTTH契約者数は2015年度1,926万、2018年度見込み2,113万
    • [30]2018年度見込みのコラボ光開通数345万のうち転用数125万
  • 日本電信電話 IRプレゼンテーション(2016年1月)「これまでの取組み(1)」
    • [31]「ドコモ新料金」「光コラボレーションモデル」をコラボレーションによる新たな競争のステージへの第一歩と位置づけ
  • 日本電信電話 IRプレゼンテーション(2016年1月)「持続的な成長に向けて」
    • [32]「2020」「地方創生」を契機にB2B2Xモデルへの転換を加速し、自らは“触媒”役へ
  • 日本電信電話 アニュアルレポート 2018「トップメッセージ」(代表取締役社長 澤田純、2018年9月)/日本電信電話 IRプレゼンテーション(2016年1月)
    • [33]2015年5月公表の中期経営戦略「新たなステージをめざして 2.0」でEPS成長目標を再設定し、その他の財務目標をローリング
  • 日本電信電話 IRプレゼンテーション(2016年1月)「EPS成長」
    • [34]EPSは2012年3月期183円、2016年3月期予想311円で+69.6%、目標達成見込み(株式分割調整後)
  • 日本電信電話 IRプレゼンテーション(2016年1月)「新たな財務目標(2018/3期)」
    • [35]2018年3月期の財務目標はEPS350円以上(連結営業利益1.4兆円をめざす)、海外売上高/営業利益$22B/$1.5B

2018年〜澤田純の中間持株会社とNTT Ltd.の発足、IOWN構想

海外の現地に権限を渡す

2018年6月、鵜浦氏の後任として澤田純氏が社長に就いた。澤田氏は電電公社の技術者から出発し、NTTコミュニケーションズの経営企画部長として海外を中心に10社以上の買収に関わった。2014年に取締役となってNTTセキュリティの社長を兼ね、買収した5社のセキュリティ事業をまとめた。この会社は社員約1,500人の9割以上が15か国から来た外国人で、澤田氏は権限の配分を現地6・本社4から8対2へ改め、経営を回るようにした。ITサービスは国ごとの制度や市場に合わせる部分が大きいとみて、海外経営ではローカルに8割程度の比重を置くべきだと結論づけた。日本の品質を世界に通じるとみる発想は他国では過剰と受け取られる、というのがその経験であった。

  • 日本電信電話 有価証券報告書 第34期(2019年3月期)【役員の状況】
    • [39]2018年6月 澤田純氏が代表取締役社長に就任(前社長 鵜浦博夫氏の後任)
  • 日本電信電話 アニュアルレポート 2018「トップメッセージ」(代表取締役社長 澤田純、2018年9月)
    • [40]公社で電柱・マンホールの構造設計等に従事、2000年にNTTコミュニケーションズへ転籍し経営企画部長として海外中心に10社以上の買収に関与
    • [41]2014年にNTT取締役、NTTセキュリティ社長を兼務しサイバーセキュリティ関連会社の統合を率いる。同社は買収した5社のセキュリティ事業を抽出して設立
    • [42]NTTセキュリティは社員約1,500人中9割以上が15か国出身の外国人、権限規程をローカル6:グローバル4から8:2へ見直し
    • [43]ITサービスは国や地域に合わせた仕様調整が必要で、ローカルに8割程度の比重を置くべきとの考え
    • [44]「日本品質は世界でも通用する」という考え方は他の国や地域では過剰と受け取られる
海外事業を一つの会社にまとめる

2018年秋、日本電信電話は海外事業を統括するグローバル持株会社を傘下に設けると決めた。NTTコミュニケーションズ、Dimension Data、NTTデータなど5社をその下へ移す。傘下の社長が持株会社の取締役を兼ねる参加型の運営で、澤田氏は『権限と責任を大幅に移譲することで、グローバル市場に精通した経営者が自らの考えに基づく経営を行うことができます』と説明した。自社の利益だけを追っていた経営者に、全体の最適を追う責任を負わせる設計である。2018年11月に60人の中核要員で統合の準備組織を立ち上げ、NTTデータを除く各社の事業を海外と国内に分けて組み直した。海外を担うNTT Ltd.は2019年7月に発足した。2018年11月の中期経営戦略「Your Value Partner 2025」は、2023年度に海外売上高250億ドル、海外営業利益率7%を掲げた。2017年度の実績3.1%から倍以上への引き上げである。

  • 日本電信電話 アニュアルレポート 2018「トップメッセージ」(代表取締役社長 澤田純、2018年9月)
    • [45]2018年秋に傘下へグローバル持株会社(中間持株会社)を設立
    • [46]NTTコミュニケーションズ、Dimension Data、NTTデータ、NTTセキュリティ、NTT Innovation Institute, Inc.をグローバル持株会社の傘下へ移管
    • [47]外国人経営者を含む傘下事業会社の社長が兼務する「参加型」の事業運営で、権限と責任を大幅に移譲
    • [48]自社の利益のみを追求していた経営者も中間持株会社の取締役として全体最適を追求する責任を負う
  • 日本電信電話 IRプレゼンテーション(2019年4月)「グローバル事業の競争力強化①」/日本電信電話 アニュアルレポート 2018「トップメッセージ」(代表取締役社長 澤田純、2018年9月)
    • [49]2018年11月にIntegration Management Officeを設置し60名のコアメンバーで再編成を検討、2019年7月にグローバル事業会社と国内事業会社へ再編成の予定。NTTデータは上場とブランドを維持
  • NTT IR Presentation(2020年6月、Ver.2006)「Structural Reform of NTT Ltd.」
    • [50]NTT Ltd.は2019年7月に設立
  • 日本電信電話 IRプレゼンテーション(2019年4月)「中期目標」
    • [51]中期経営戦略「Your Value Partner 2025」の中期目標は2023年度に海外売上高250億ドル・海外営業利益率7%、EPS+50%(対2017年度)
  • 日本電信電話 IRプレゼンテーション(2019年4月)「2018年度第3四半期 連結決算の状況」
    • [52]2017年度の海外営業利益率(グローバル持株会社帰属)の年間実績は3.1%
光で処理まで担う網を構想する

研究開発について澤田氏は、日本電信電話が今も電話の設計思想しか持っていないという現実を挙げ、『世の中を変えるようなものを NTT グループが生み出してきたとは言えません』と認めた。グループの電力使用量は国内の約1%に達し、通信量が急増するなかでエネルギー効率は重い課題になっていた。2019年に打ち出したIOWN構想は、端末の処理まで光で行うオールフォトニクス・ネットワークを柱に据えた。これに仮想空間で人と物を結ぶデジタルツインコンピューティングと、資源を一元的に管理するCognitive Foundationを組み合わせた。同年4月には消費電力の小さい光変調器と光トランジスタの開発を公表しており、構想の足場となった。2019年12月の米マイクロソフトとの戦略提携にも、IOWNの実現に向けた検討が入った。

  • 日本電信電話 アニュアルレポート 2018「トップメッセージ」(代表取締役社長 澤田純、2018年9月)
    • [53]人のつながりがコミュニティ化するなかでもNTTグループは「電話」の設計思想しか有していないと社長が指摘
    • [54]NTTグループは国内の約1%の電力を使用し、トラヒック急増でエネルギー効率化が一層重要な課題に
  • NTT Sustainability Report 2019
    • [55]IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想の要素の一つは、ネットワークから端末の処理まで光技術を用いるオールフォトニクス・ネットワーク
    • [56]IOWNはオールフォトニクス・ネットワーク、デジタルツインコンピューティング、Cognitive Foundationの3要素で構成
    • [57]2019年4月に過去最小の消費電力の光変調器と、高速光信号を利得をもって別の光へ移す光トランジスタの開発を公表
  • 日本電信電話 決算説明資料「Financial Results for the Nine Months Ended December 31, 2019」(2020年2月6日)
    • [58]2019年12月10日のMicrosoftとの戦略提携にIOWN構想の実現に向けた検討を含む
参考文献[39]-[58]
  • 日本電信電話 有価証券報告書 第34期(2019年3月期)【役員の状況】
    • [39]2018年6月 澤田純氏が代表取締役社長に就任(前社長 鵜浦博夫氏の後任)
  • 日本電信電話 アニュアルレポート 2018「トップメッセージ」(代表取締役社長 澤田純、2018年9月)
    • [40]公社で電柱・マンホールの構造設計等に従事、2000年にNTTコミュニケーションズへ転籍し経営企画部長として海外中心に10社以上の買収に関与
    • [41]2014年にNTT取締役、NTTセキュリティ社長を兼務しサイバーセキュリティ関連会社の統合を率いる。同社は買収した5社のセキュリティ事業を抽出して設立
    • [42]NTTセキュリティは社員約1,500人中9割以上が15か国出身の外国人、権限規程をローカル6:グローバル4から8:2へ見直し
    • [43]ITサービスは国や地域に合わせた仕様調整が必要で、ローカルに8割程度の比重を置くべきとの考え
    • [44]「日本品質は世界でも通用する」という考え方は他の国や地域では過剰と受け取られる
    • [45]2018年秋に傘下へグローバル持株会社(中間持株会社)を設立
    • [46]NTTコミュニケーションズ、Dimension Data、NTTデータ、NTTセキュリティ、NTT Innovation Institute, Inc.をグローバル持株会社の傘下へ移管
    • [47]外国人経営者を含む傘下事業会社の社長が兼務する「参加型」の事業運営で、権限と責任を大幅に移譲
    • [48]自社の利益のみを追求していた経営者も中間持株会社の取締役として全体最適を追求する責任を負う
    • [53]人のつながりがコミュニティ化するなかでもNTTグループは「電話」の設計思想しか有していないと社長が指摘
    • [54]NTTグループは国内の約1%の電力を使用し、トラヒック急増でエネルギー効率化が一層重要な課題に
  • 日本電信電話 IRプレゼンテーション(2019年4月)「グローバル事業の競争力強化①」/日本電信電話 アニュアルレポート 2018「トップメッセージ」(代表取締役社長 澤田純、2018年9月)
    • [49]2018年11月にIntegration Management Officeを設置し60名のコアメンバーで再編成を検討、2019年7月にグローバル事業会社と国内事業会社へ再編成の予定。NTTデータは上場とブランドを維持
  • NTT IR Presentation(2020年6月、Ver.2006)「Structural Reform of NTT Ltd.」
    • [50]NTT Ltd.は2019年7月に設立
  • 日本電信電話 IRプレゼンテーション(2019年4月)「中期目標」
    • [51]中期経営戦略「Your Value Partner 2025」の中期目標は2023年度に海外売上高250億ドル・海外営業利益率7%、EPS+50%(対2017年度)
  • 日本電信電話 IRプレゼンテーション(2019年4月)「2018年度第3四半期 連結決算の状況」
    • [52]2017年度の海外営業利益率(グローバル持株会社帰属)の年間実績は3.1%
  • NTT Sustainability Report 2019
    • [55]IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想の要素の一つは、ネットワークから端末の処理まで光技術を用いるオールフォトニクス・ネットワーク
    • [56]IOWNはオールフォトニクス・ネットワーク、デジタルツインコンピューティング、Cognitive Foundationの3要素で構成
    • [57]2019年4月に過去最小の消費電力の光変調器と、高速光信号を利得をもって別の光へ移す光トランジスタの開発を公表
  • 日本電信電話 決算説明資料「Financial Results for the Nine Months Ended December 31, 2019」(2020年2月6日)
    • [58]2019年12月10日のMicrosoftとの戦略提携にIOWN構想の実現に向けた検討を含む

2012年〜2019年の業績

決算期 区分 売上高 営業利益純利益 主な投資
億円 YoY 億円 億円 利益率
2012年03月期 連結 105,073 n/a 12,393 4,677 4.5% n/a
2013年03月期 連結 107,007 +1.8% 11,976 5,219 4.9% n/a
2014年03月期 連結 109,251 +2.1% 12,942 5,854 5.4% n/a
2015年03月期 連結 110,953 +1.6% 10,666 5,180 4.7% n/a
2016年03月期 連結 115,409 +4.0% 13,293 7,377 6.4% n/a
2017年03月期 連結 113,910 ▲1.3% 15,278 8,001 7.0% n/a
2018年03月期 連結 117,821 +3.4% 17,556 8,978 7.6% n/a
2019年03月期 連結 118,798 +0.8% 16,938 8,545 7.2% n/a

出所:有価証券報告書

出典・参考

21件
出典・参考
  • 日本電信電話 アニュアルレポート 2013「社長インタビュー」(代表取締役社長 鵜浦博夫、2013年8月)
  • 日本電信電話 アニュアルレポート 2013「株主・投資家の皆様へ」「社長インタビュー」(代表取締役社長 鵜浦博夫、2013年8月)
  • 日本電信電話 アニュアルレポート 2018「トップメッセージ」(代表取締役社長 澤田純、2018年9月)
  • 日本電信電話 アニュアルレポート 2018「トップメッセージ」(代表取締役社長 澤田純、2018年9月)/日本電信電話 IRプレゼンテーション(2016年1月)
  • 日本電信電話 有価証券報告書 第34期(2019年3月期)【役員の状況】
  • 日本電信電話 IRプレゼンテーション(2019年4月)「グローバル事業の競争力強化①」/日本電信電話 アニュアルレポート 2018「トップメッセージ」(代表取締役社長 澤田純、2018年9月)
  • 日本電信電話 決算説明資料「Financial Results for the Nine Months Ended December 31, 2019」(2020年2月6日)
  • 日本電信電話 中期経営戦略「新たなステージを目指して」説明資料(2012年11月8日)
  • 日本電信電話 研究開発説明資料「NTT研究所の概要」(2014年3月)
  • NTT Annual Report 2014「Interview with the President」(鵜浦博夫)
  • 日本電信電話 IRプレゼンテーション(2016年1月)「これまでの取組み(2) 財務目標(2012年11月発表)」
  • 日本電信電話 IRプレゼンテーション(2016年1月)「これまでの取組み(2)」
  • 日本電信電話 IRプレゼンテーション(2016年1月)「これまでの取組み(1)」
  • 日本電信電話 IRプレゼンテーション(2016年1月)「持続的な成長に向けて」
  • 日本電信電話 IRプレゼンテーション(2016年1月)「EPS成長」
  • 日本電信電話 IRプレゼンテーション(2016年1月)「新たな財務目標(2018/3期)」
  • 日本電信電話 IRプレゼンテーション(2019年4月)「固定ブロードバンドサービス FTTH契約者数」
  • 日本電信電話 IRプレゼンテーション(2019年4月)「中期目標」
  • 日本電信電話 IRプレゼンテーション(2019年4月)「2018年度第3四半期 連結決算の状況」
  • NTT Sustainability Report 2019
  • NTT IR Presentation(2020年6月、Ver.2006)「Structural Reform of NTT Ltd.」

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