NTT πシステムからFTTHへ移行 各家庭へ光を直結する固定網への切り替えを選んだ基盤投資
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何をなぜ決めたか
- 概要
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2000年末から2001年にかけて、NTT東日本・西日本が、一芯の光ファイバーを複数の家庭で共有する共用型のπシステムを止め、各家庭へ光ファイバーを直接引くFTTHへ固定網の整備方針を切り替えた経営判断。ADSLやusenのFTTHに押されるなか、光基盤への巨額投資を選び直した。
- 背景
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1999年末に電話加入者線が新規参入者へ開放されると、ISDNより速く安いxDSL事業者が相次いで現れ、usenは各家庭へ光を直結するFTTHを掲げた。携帯とIP化でNTT東西の固定電話事業が悪化するなか、1997年度導入のπシステムはブロードバンドに対応できず、家庭向けの光化はほとんど進んでいなかった。
- 内容
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ブロードバンドに対応できないπシステムの新規工事を2000年夏に中止し、各家庭に一〜二芯の光を直接引くFTTHの試験提供を年末に始めた。アクセス系の光ファイバーを敷設し直したうえで、光アクセスサービス(後のBフレッツ)の全国展開へ進み、固定網の整備を共用型から家庭直結型へ切り替えた。
- 含意
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共用型で低コスト化を狙った過去の光化方針が競争と技術の変化で覆り、NTT東西は家庭直結光への引き直しという巨額投資を抱えた。短期はADSLに押されたが、この投資が後にNTT東西を国内FTTHの支配的な担い手へ導き、次世代ネットワークやIOWN構想の土台にもなった。
いつ何が起きたか 6件
筆者の見解
効率を優先した光化と、引き直しの投資
この判断の中心にあるのは、低コストで光を配ろうとした一度目の設計が、競争と技術の変化で覆されたという事実である。工事費が敷設費の大半を占めるなかで芯数を惜しんだπシステムは、光ファイバーの材料費低下と毎秒一〇〇メガビット級の需要の到来によって役目を失った。NTT東西は、共用型の光を家庭直結の光へ引き直すという二度目の投資を負った。効率を優先した技術選択が、外部の競争者と規制の双方から押し戻された点に、インフラ企業が長期の技術を読み違える重さがうかがえる。
短期には、家庭直結の光はADSLとソフトバンクの攻勢に押され、普及は目標に遠く及ばなかった。しかし各家庭まで光を引き切る基盤は、その後のNTT東西を国内FTTHの支配的な担い手へと導き、後年の次世代ネットワークやIOWN構想が乗る土台にもなった。低コストを狙った最初の光化と、引き直しに踏み切った二度目の投資――固定通信の基盤をどの技術で作るかという問いは、料金と規制をめぐる長い攻防のなかで、時間をかけて決着へ向かったと推察される。
Yutaka Sugiura, 2026年7月
業績の推移
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参考文献
- 日本電信電話 有価証券報告書(2002年3月期)