東京エレクトロン:Applied Materials統合の破談と太陽光パネル装置からの撤退
2013年〜Applied Materialsとの対等統合の合意と、特別損失477億円の太陽光撤退
2013年3月期の連結売上高は4,973億円で、前期の6,330億円から約2割減少した。営業利益は125億円、当期純利益は61億円にとどまった。竹中博司社長は2013年2月の説明会で、工場の操業度の低下による固定費負担率の上昇を下方修正の理由に挙げた。同じ説明会で、竹中博司社長は前期比160億円の固定費削減を打ち出した。2013年3月期の研究開発費は732億円で、業績の谷でも高い水準を維持した。2013年4月、会長の東哲郎氏が社長を兼ねる最高経営責任者(CEO)に就任した。固定費の削減と先端開発の継続を両立させるため、執行の責任を東哲郎会長に集約したとみられる。
- 東京エレクトロン 有価証券報告書 第50期(2013年3月期)
- [1]2013年3月期の連結売上高は497,299百万円、2012年3月期は633,091百万円
- [2]2013年3月期の連結営業利益は12,548百万円、当期純利益は6,076百万円
- 東京エレクトロン 決算説明会「2013年3月期業績予想修正と収益向上に向けた施策」代表取締役社長 竹中博司(2013年2月5日)
- [3]2013年3月期業績予想の下方修正の主な理由は、工場操業度の想定以下への低下と、原価に対する固定費負担率の上昇
- [4]業績予想修正に関連し、固定費を前期比160億円削減する(買収2社の固定費・のれんを含めた上での削減幅)
- 東京エレクトロン アニュアルレポート2013「CEOインタビュー」
- [5]2013年3月期の研究開発費は732億円で、高位を維持した
- 東京エレクトロン アニュアルレポート2014「CEOインタビュー」
- [6]2013年4月、会長の東哲郎が代表取締役会長兼社長・最高経営責任者(CEO)に就任した
2013年9月24日、東京エレクトロンは米Applied Materialsと対等な経営統合の契約を締結した。両社がオランダに設立する統合持株会社の完全子会社となり、東京エレクトロン株1株に持株会社株3.25株を割り当てる条件だった。東哲郎会長兼社長は、半導体とディスプレイの製造装置で「グローバル・イノベーター」となることを統合の目的に掲げた。2014年4月の説明会では、相互に補完する両社の技術と製品で顧客の高度な課題を解決することを目的に挙げた。東哲郎氏は2014年の年報で、『次の50年の経営基盤強化のため、アプライドマテリアルズとの経営統合という大きな決断をいたしました。』と述べた。微細化の難度が上がるなか、単独で先端の開発負担を担い続けることへの危機感が決断を後押ししたのだろう。
- 東京エレクトロン 有価証券報告書 第51期(2014年3月期)【経営上の重要な契約等】
- [7]2013年9月24日、Applied Materials, Inc.と対等な経営統合について合意し、経営統合契約を締結した
- [8]両社はオランダに設立する統合持株会社の完全子会社となり、当社株式1株に対し統合持株会社株式3.25株を割り当てる
- 東京エレクトロン アニュアルレポート2014「CEOインタビュー」
- [9]2013年9月、半導体およびディスプレイ製造装置業界における「グローバル・イノベーター」となることを目指し、経営統合を発表した
- [11]東哲郎会長兼社長が、次の50年の経営基盤強化のため経営統合を決断したと説明した
- 東京エレクトロン 決算説明会「2015年3月期 事業戦略および上期業績予想」代表取締役会長兼社長 東哲郎(2014年4月28日)
- [10]統合の目的は、相互に補完し合う両社の最先端技術と製品で、顧客の直面する高次元の課題にソリューションを提供すること
東京エレクトロンは2014年3月末で、太陽光パネル製造装置(PVE)事業の開発・製造・販売を停止した。参入を説明した2013年の年報は、『大きな挑戦ですが、当社が長年培った半導体製造装置技術の強みを活かせる分野と考えます。』としていた。2013年10〜12月期のPVE受注額は14億円にとどまった。同じ四半期に計上した特別損失457億円のうち、326億円はPVE事業ののれんと固定資産の全額減損だった。2014年3月期の特別損失は合計477億円に達し、当期純損失194億円を計上した。同じ期に、テクノロジーセンターつくばの閉鎖と東京エレクトロンデバイス株式の一部売却も決めた。統合を控え、装置の中核から外れた赤字事業と拠点を先に整理したと思われる。
- 東京エレクトロン 決算説明会「2015年3月期 事業戦略および上期業績予想」代表取締役会長兼社長 東哲郎(2014年4月28日)
- [12]PVE事業から撤退し、2014年3月末をもって開発・製造・販売活動を停止した。納入済み装置のサポート業務のみ継続する
- [17]事業再編と拠点最適化として、テクノロジーセンターつくばを閉鎖し、東京エレクトロンデバイス株式の一部売却を発表した
- 東京エレクトロン アニュアルレポート2013「CEOインタビュー」
- [13]太陽光パネル製造装置市場への参入は大きな挑戦だが、半導体製造装置技術の強みを活かせる分野と考えた
- 東京エレクトロン 決算説明会「事業計画の見直しと2014年3月期の業績予想について」代表取締役会長兼社長 東哲郎(2014年1月30日)
- [14]2013年10-12月期のPVE受注額は14億円
- [15]第3四半期に特別損失457億円を計上。内訳はPVE事業ののれんおよび固定資産の全額減損326億円、TEL NEXX事業の減損50億円、拠点再編の減損80億円
- 東京エレクトロン 有価証券報告書 第51期(2014年3月期)
- [16]2014年3月期の特別損失合計は47,769百万円、当期純損失は19,408百万円
参考文献[1]-[17]
- 東京エレクトロン 有価証券報告書 第50期(2013年3月期)
- [1]2013年3月期の連結売上高は497,299百万円、2012年3月期は633,091百万円
- [2]2013年3月期の連結営業利益は12,548百万円、当期純利益は6,076百万円
- 東京エレクトロン 決算説明会「2013年3月期業績予想修正と収益向上に向けた施策」代表取締役社長 竹中博司(2013年2月5日)
- [3]2013年3月期業績予想の下方修正の主な理由は、工場操業度の想定以下への低下と、原価に対する固定費負担率の上昇
- [4]業績予想修正に関連し、固定費を前期比160億円削減する(買収2社の固定費・のれんを含めた上での削減幅)
- 東京エレクトロン アニュアルレポート2013「CEOインタビュー」
- [5]2013年3月期の研究開発費は732億円で、高位を維持した
- [13]太陽光パネル製造装置市場への参入は大きな挑戦だが、半導体製造装置技術の強みを活かせる分野と考えた
- 東京エレクトロン アニュアルレポート2014「CEOインタビュー」
- [6]2013年4月、会長の東哲郎が代表取締役会長兼社長・最高経営責任者(CEO)に就任した
- [9]2013年9月、半導体およびディスプレイ製造装置業界における「グローバル・イノベーター」となることを目指し、経営統合を発表した
- [11]東哲郎会長兼社長が、次の50年の経営基盤強化のため経営統合を決断したと説明した
- 東京エレクトロン 有価証券報告書 第51期(2014年3月期)【経営上の重要な契約等】
- [7]2013年9月24日、Applied Materials, Inc.と対等な経営統合について合意し、経営統合契約を締結した
- [8]両社はオランダに設立する統合持株会社の完全子会社となり、当社株式1株に対し統合持株会社株式3.25株を割り当てる
- 東京エレクトロン 決算説明会「2015年3月期 事業戦略および上期業績予想」代表取締役会長兼社長 東哲郎(2014年4月28日)
- [10]統合の目的は、相互に補完し合う両社の最先端技術と製品で、顧客の直面する高次元の課題にソリューションを提供すること
- [12]PVE事業から撤退し、2014年3月末をもって開発・製造・販売活動を停止した。納入済み装置のサポート業務のみ継続する
- [17]事業再編と拠点最適化として、テクノロジーセンターつくばを閉鎖し、東京エレクトロンデバイス株式の一部売却を発表した
- 東京エレクトロン 決算説明会「事業計画の見直しと2014年3月期の業績予想について」代表取締役会長兼社長 東哲郎(2014年1月30日)
- [14]2013年10-12月期のPVE受注額は14億円
- [15]第3四半期に特別損失457億円を計上。内訳はPVE事業ののれんおよび固定資産の全額減損326億円、TEL NEXX事業の減損50億円、拠点再編の減損80億円
- 東京エレクトロン 有価証券報告書 第51期(2014年3月期)
- [16]2014年3月期の特別損失合計は47,769百万円、当期純損失は19,408百万円
2014年〜承認の得られなかった統合の解約と、1,200億円の自己株式取得
契約の締結から1年7か月後の2015年4月27日、東京エレクトロンの取締役会はApplied Materialsとの統合契約の解約を決議した。統合は、日本と米国その他の国の競争法に基づく当局の承認を条件としていた。2014年2月には、対米外国投資委員会から国家安全保障上の問題はないとの通知を得ていた。東哲郎社長は2015年6月の年報で、『最終的に競争法関連当局の承認が得られず、断念せざるを得ないという無念な結果となりました。』と株主に報告した。2015年5月13日には、TELジャパン合同会社との株式交換公告を取り消す公告を出した。統合の成否は、装置大手2社の合流を競争当局がどう評価するかに最後まで左右されたと推察される。
- 東京エレクトロン 有価証券報告書 第52期(2015年3月期)【経営上の重要な契約等】【重要な後発事象】
- [18]2015年4月27日(米国時間4月26日)、取締役会で経営統合契約の解約とTELジャパン合同会社との三角株式交換の中止を決議した
- 東京エレクトロン 有価証券報告書 第51期(2014年3月期)【経営上の重要な契約等】
- [19]統合の条件は、両社の株主総会の承認と、日本・米国その他の国における適用ある競争法に基づく関係当局の承認等
- 東京エレクトロン ニュースリリース「東京エレクトロン株式会社とApplied Materials, Inc.の経営統合に関する対米外国投資委員会の承認取得」(2014年2月25日)
- [20]2014年2月、対米外国投資委員会(CFIUS)が国家安全保障上の問題はないと通知した
- 東京エレクトロン アニュアルレポート2015「CEOメッセージ」
- [21]経営統合は最終的に競争法関連当局の承認が得られず断念したと、東哲郎社長が株主に報告した
- 東京エレクトロン 取消公告(2015年5月13日)
- [22]2015年5月13日、2014年11月28日掲載のTELジャパン合同会社との株式交換に関する株式交換公告を取り消した
解約と同じ2015年4月27日、取締役会は上限1,540万株・1,200億円の自己株式取得を決議した。統合の計画では、新会社が完了後12か月以内に30億米ドル相当の自社株買いを予定していた。2015年3月期は連結売上高6,131億円、営業利益881億円で、統合に係る費用85億29百万円を全社費用に含んでいた。東哲郎社長は2015年の年報で、新中期経営計画の策定と資本政策の見直しを進めると示した。2016年3月期には1,540万株の取得と消却を終え、発行済株式総数の8.53%に当たった。統合後の新会社に託していた株主還元を、単独の枠組みで置き換えたと考えられる。
- 東京エレクトロン 有価証券報告書 第52期(2015年3月期)【重要な後発事象】
- [23]2015年4月27日の取締役会で、上限1,540万株・1,200億円の自己株式取得を決議した(取得期間2015年5月14日〜2016年5月13日、市場買付)
- 東京エレクトロン アニュアルレポート2014「CEOインタビュー」
- [24]新会社は統合完了後12カ月以内に30億米ドル相当の自社株買いを行う予定だった
- 東京エレクトロン 有価証券報告書 第52期(2015年3月期)【セグメント情報等】
- [25]2015年3月期の連結売上高は613,124百万円、営業利益は88,113百万円。経営統合に係る費用8,529百万円を全社費用に含む
- 東京エレクトロン アニュアルレポート2015「CEOメッセージ」
- [26]新中期経営計画の策定と資本政策の見直しを行い、株主還元策の検討を進めている
- 東京エレクトロン アニュアルレポート2016「CEOインタビュー」
- [27]2016年3月期に自己株式1,540万株(発行済株式総数の8.53%)の取得および消却を実施した
河合利樹氏は1986年に東京エレクトロンへ入社した生え抜きで、2010年10月に執行役員に就任した。2012年4月からは、SPS事業ユニットのゼネラルマネージャーを務めた。2015年6月、河合利樹氏は代表取締役副社長兼COOに就任した。7か月後の2016年1月には、代表取締役社長兼CEOに就任した。中期経営計画は実行体制として、新CEOによる執行体制と、若い世代のマネジメントへの起用を掲げた。河合利樹社長は2016年の年報で、株主還元、従業員とその家族の生活の向上、業界と社会への寄与の3つを経営トップとしての目標に掲げた。統合の破談を機に、事業ユニットを率いた世代へ執行を移したのかもしれない。
- 東京エレクトロン 有価証券報告書 第58期(2021年3月期)【役員の状況】
- [28]河合利樹は1986年4月に東京エレクトロンに入社、2010年10月に執行役員
- [29]河合利樹は2012年4月にSPS BUGM
- [30]河合利樹は2015年6月に代表取締役副社長兼COO(最高執行責任者)
- [31]河合利樹は2016年1月に代表取締役社長兼CEO
- 東京エレクトロン アニュアルレポート2016「中期経営計画(2016年3月期~2020年3月期)」
- [32]中期経営計画の実行体制に、新CEOによる強力な執行体制、グローバルなコーポレートシニアスタッフの設置、幅広い知見・若い世代のマネジメント起用を掲げた
- 東京エレクトロン アニュアルレポート2016「CEOインタビュー」
- [33]河合CEOが経営トップとして成し遂げたいことは、株主への還元、社員とその家族を豊かにすること、産業界と社会への貢献
参考文献[18]-[33]
- 東京エレクトロン 有価証券報告書 第52期(2015年3月期)【経営上の重要な契約等】【重要な後発事象】
- [18]2015年4月27日(米国時間4月26日)、取締役会で経営統合契約の解約とTELジャパン合同会社との三角株式交換の中止を決議した
- 東京エレクトロン 有価証券報告書 第51期(2014年3月期)【経営上の重要な契約等】
- [19]統合の条件は、両社の株主総会の承認と、日本・米国その他の国における適用ある競争法に基づく関係当局の承認等
- 東京エレクトロン ニュースリリース「東京エレクトロン株式会社とApplied Materials, Inc.の経営統合に関する対米外国投資委員会の承認取得」(2014年2月25日)
- [20]2014年2月、対米外国投資委員会(CFIUS)が国家安全保障上の問題はないと通知した
- 東京エレクトロン アニュアルレポート2015「CEOメッセージ」
- [21]経営統合は最終的に競争法関連当局の承認が得られず断念したと、東哲郎社長が株主に報告した
- [26]新中期経営計画の策定と資本政策の見直しを行い、株主還元策の検討を進めている
- 東京エレクトロン 取消公告(2015年5月13日)
- [22]2015年5月13日、2014年11月28日掲載のTELジャパン合同会社との株式交換に関する株式交換公告を取り消した
- 東京エレクトロン 有価証券報告書 第52期(2015年3月期)【重要な後発事象】
- [23]2015年4月27日の取締役会で、上限1,540万株・1,200億円の自己株式取得を決議した(取得期間2015年5月14日〜2016年5月13日、市場買付)
- 東京エレクトロン アニュアルレポート2014「CEOインタビュー」
- [24]新会社は統合完了後12カ月以内に30億米ドル相当の自社株買いを行う予定だった
- 東京エレクトロン 有価証券報告書 第52期(2015年3月期)【セグメント情報等】
- [25]2015年3月期の連結売上高は613,124百万円、営業利益は88,113百万円。経営統合に係る費用8,529百万円を全社費用に含む
- 東京エレクトロン アニュアルレポート2016「CEOインタビュー」
- [27]2016年3月期に自己株式1,540万株(発行済株式総数の8.53%)の取得および消却を実施した
- [33]河合CEOが経営トップとして成し遂げたいことは、株主への還元、社員とその家族を豊かにすること、産業界と社会への貢献
- 東京エレクトロン 有価証券報告書 第58期(2021年3月期)【役員の状況】
- [28]河合利樹は1986年4月に東京エレクトロンに入社、2010年10月に執行役員
- [29]河合利樹は2012年4月にSPS BUGM
- [30]河合利樹は2015年6月に代表取締役副社長兼COO(最高執行責任者)
- [31]河合利樹は2016年1月に代表取締役社長兼CEO
- 東京エレクトロン アニュアルレポート2016「中期経営計画(2016年3月期~2020年3月期)」
- [32]中期経営計画の実行体制に、新CEOによる強力な執行体制、グローバルなコーポレートシニアスタッフの設置、幅広い知見・若い世代のマネジメント起用を掲げた
2016年〜河合利樹社長の中期経営計画と、メモリ投資の波を越えた売上高1.4兆円
河合利樹社長は2016年、2020年3月期を最終年度とする中期経営計画を公表した。半導体前工程装置の市場規模370億ドルを前提に、売上高9,000億円、営業利益率25%、ROE20%を目標に置いた。市場が300億ドルの場合でも、営業利益率20%・ROE15%を確保できる体質を目指した。起点の2016年3月期は売上高6,639億円、営業利益率17.6%、ROE13.0%だった。開発部門は一元化し、エッチング・成膜・洗浄の3分野へ資源を重点的に配分した。河合利樹社長は『キャッシュの使い道として最優先するのは、成長のための技術開発です。』と述べた。統合による規模の拡大が見込めなくなり、市場の振れを前提に利益率の目標を二段で置いたのではないか。
- 東京エレクトロン アニュアルレポート2016「中期経営計画(2016年3月期~2020年3月期)」
- [34]中期経営計画(2016年3月期〜2020年3月期)を策定した
- [35]半導体前工程製造装置の市場規模370億ドルを前提に、2020年3月期に売上高9,000億円・営業利益率25%・ROE20%を目指す
- [36]市場規模300億ドルの場合にも、営業利益率20%・ROE15%を達成できる経営体質の構築に取り組む
- [37]2016年3月期実績は売上高6,639億円、営業利益率17.6%、ROE13.0%
- 東京エレクトロン アニュアルレポート2016「CEOインタビュー」
- [38]開発部門の一元化とリソースの再配分を実施し、エッチング・成膜・洗浄装置を重点的に強化する
- [39]キャッシュの使い道として最優先するのは成長のための技術開発
2018年3月期の連結売上高は1兆1,307億円で、1兆円を超えた。2019年3月期は売上高1兆2,782億円、営業利益3,106億円となった。河合利樹社長は2019年の年報で、装置市場が5年で300億ドル規模から600億ドル近くへ拡大したと振り返った。需要を押し上げたのは、メモリの増産と、NANDの2次元から3次元への構造転換に伴う新工場投資だった。同じ年報で、CPUの供給不足を受けたメモリメーカーの投資調整を理由に、2020年3月期の減収を見込んだ。2020年3月期の売上高は1兆1,272億円となった。2019年5月の新財務モデルは、市場規模との紐づけをやめ、営業利益率30%以上・ROE30%以上を5年以内の目標とした。
- 東京エレクトロン 有価証券報告書 第55期(2018年3月期)
- [40]2018年3月期の連結売上高は1,130,728百万円
- 東京エレクトロン 有価証券報告書 第56期(2019年3月期)
- [41]2019年3月期の連結売上高は1,278,240百万円、営業利益は310,571百万円
- 東京エレクトロン アニュアルレポート2019「CEOインタビュー」
- [42]直近5年間で、300億米ドル規模だった半導体前工程製造装置市場は600億米ドルに迫る規模にまで成長した
- [43]過去2年間、DRAM・NANDともに生産能力増強が活発で、NANDでは2Dから3Dへの転換に伴いグリーンフィールド投資も多かった
- [44]CPUの供給が追い付かずメモリメーカーが設備投資を一時調整しており、2020年3月期は前期比で減収を見込む
- [46]2019年5月の新財務モデルは、売上高2兆円のケースを追加し、営業利益率30%以上・ROE30%以上を5年以内の目標とし、WFE市場規模との紐づけを取りやめた
- 東京エレクトロン 有価証券報告書 第57期(2020年3月期)
- [45]2020年3月期の連結売上高は1,127,286百万円
2021年3月期の連結売上高は1兆3,991億円、営業利益は3,207億円だった。河合利樹社長は2019年の年報で、エッチングと成膜の開発・生産能力の増強を掲げ、『今後3年間で4,000億円の研究開発投資をおこないます。』と述べていた。2021年10月のIR Dayで、会社側はロジックのトランジスタ構造がFinからNano sheetへ移ると説明した。これに伴い、エッチングの工程数が増えるとの見通しを示した。NANDでは積層数の増加が続き、成膜とエッチングの比率が大きいままとした。DRAMが2026年ごろ3次元構造へ移れば、成膜とエッチングの工程数が増えるとも予想した。1.4兆円の売上高と工程数の増加見通しが、次の大きな目標と開発投資の前提になったと言えそうだ。
- 東京エレクトロン 有価証券報告書 第58期(2021年3月期)
- [47]2021年3月期の連結売上高は1,399,102百万円、営業利益は320,685百万円
- 東京エレクトロン アニュアルレポート2019「CEOインタビュー」
- [48]今後3年間で4,000億円の研究開発投資をおこない、エッチング・成膜の開発・生産能力を増強する
- 東京エレクトロン 決算説明会 質疑応答(2021年10月・IR Day)
- [49]ロジックはトランジスタ構造がFinからNano sheetへ移行し、ガスケミカルエッチ工程の追加でエッチングの工程数が増える
- [50]ロジックはトランジスタ構造がFinからNano sheetへ移行し、ガスケミカルエッチ工程の追加でエッチングの工程数が増える
- [51]NANDは積層数・tier数の増加で高集積化が継続し、成膜とエッチングの工程の割合が大きい
- [52]DRAMは2026年頃に2Dから3D構造に移行する可能性があり、その場合は成膜やエッチングの工程数が増える
参考文献[34]-[52]
- 東京エレクトロン アニュアルレポート2016「中期経営計画(2016年3月期~2020年3月期)」
- [34]中期経営計画(2016年3月期〜2020年3月期)を策定した
- [35]半導体前工程製造装置の市場規模370億ドルを前提に、2020年3月期に売上高9,000億円・営業利益率25%・ROE20%を目指す
- [36]市場規模300億ドルの場合にも、営業利益率20%・ROE15%を達成できる経営体質の構築に取り組む
- [37]2016年3月期実績は売上高6,639億円、営業利益率17.6%、ROE13.0%
- 東京エレクトロン アニュアルレポート2016「CEOインタビュー」
- [38]開発部門の一元化とリソースの再配分を実施し、エッチング・成膜・洗浄装置を重点的に強化する
- [39]キャッシュの使い道として最優先するのは成長のための技術開発
- 東京エレクトロン 有価証券報告書 第55期(2018年3月期)
- [40]2018年3月期の連結売上高は1,130,728百万円
- 東京エレクトロン 有価証券報告書 第56期(2019年3月期)
- [41]2019年3月期の連結売上高は1,278,240百万円、営業利益は310,571百万円
- 東京エレクトロン アニュアルレポート2019「CEOインタビュー」
- [42]直近5年間で、300億米ドル規模だった半導体前工程製造装置市場は600億米ドルに迫る規模にまで成長した
- [43]過去2年間、DRAM・NANDともに生産能力増強が活発で、NANDでは2Dから3Dへの転換に伴いグリーンフィールド投資も多かった
- [44]CPUの供給が追い付かずメモリメーカーが設備投資を一時調整しており、2020年3月期は前期比で減収を見込む
- [46]2019年5月の新財務モデルは、売上高2兆円のケースを追加し、営業利益率30%以上・ROE30%以上を5年以内の目標とし、WFE市場規模との紐づけを取りやめた
- [48]今後3年間で4,000億円の研究開発投資をおこない、エッチング・成膜の開発・生産能力を増強する
- 東京エレクトロン 有価証券報告書 第57期(2020年3月期)
- [45]2020年3月期の連結売上高は1,127,286百万円
- 東京エレクトロン 有価証券報告書 第58期(2021年3月期)
- [47]2021年3月期の連結売上高は1,399,102百万円、営業利益は320,685百万円
- 東京エレクトロン 決算説明会 質疑応答(2021年10月・IR Day)
- [49]ロジックはトランジスタ構造がFinからNano sheetへ移行し、ガスケミカルエッチ工程の追加でエッチングの工程数が増える
- [50]ロジックはトランジスタ構造がFinからNano sheetへ移行し、ガスケミカルエッチ工程の追加でエッチングの工程数が増える
- [51]NANDは積層数・tier数の増加で高集積化が継続し、成膜とエッチングの工程の割合が大きい
- [52]DRAMは2026年頃に2Dから3D構造に移行する可能性があり、その場合は成膜やエッチングの工程数が増える
2013年〜2021年の業績
| 決算期 | 区分 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 | 主な投資 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 億円 | YoY | 億円 | 億円 | 億円 | 利益率 | |||
| 2013年03月期 | 連結 | 4,972 | n/a | 125 | 167 | 60 | 1.2% | n/a |
| 2014年03月期 | 連結 | 6,121 | +23.1% | 322 | 355 | ▲194 | ▲3.2% | n/a |
| 2015年03月期 | 連結 | 6,131 | +0.2% | 881 | 929 | 718 | 11.7% | n/a |
| 2016年03月期 | 連結 | 6,639 | +8.3% | 1,168 | 1,194 | 778 | 11.7% | n/a |
| 2017年03月期 | 連結 | 7,997 | +20.5% | 1,557 | 1,575 | 1,152 | 14.4% | n/a |
| 2018年03月期 | 連結 | 11,307 | +41.4% | 2,812 | 2,807 | 2,043 | 18.1% | n/a |
| 2019年03月期 | 連結 | 12,782 | +13.0% | 3,106 | 3,217 | 2,482 | 19.4% | n/a |
| 2020年03月期 | 連結 | 11,272 | ▲11.8% | 2,373 | 2,450 | 1,852 | 16.4% | n/a |
| 2021年03月期 | 連結 | 13,991 | +24.1% | 3,207 | 3,221 | 2,429 | 17.4% | n/a |
出所:有価証券報告書
出典・参考
23件
- 東京エレクトロン 有価証券報告書 第50期(2013年3月期)
- 東京エレクトロン 決算説明会「2013年3月期業績予想修正と収益向上に向けた施策」代表取締役社長 竹中博司(2013年2月5日)
- 東京エレクトロン アニュアルレポート2013「CEOインタビュー」
- 東京エレクトロン アニュアルレポート2014「CEOインタビュー」
- 東京エレクトロン 有価証券報告書 第51期(2014年3月期)【経営上の重要な契約等】
- 東京エレクトロン 決算説明会「事業計画の見直しと2014年3月期の業績予想について」代表取締役会長兼社長 東哲郎(2014年1月30日)
- 東京エレクトロン 有価証券報告書 第51期(2014年3月期)
- 東京エレクトロン ニュースリリース「東京エレクトロン株式会社とApplied Materials, Inc.の経営統合に関する対米外国投資委員会の承認取得」(2014年2月25日)
- 東京エレクトロン 決算説明会「2015年3月期 事業戦略および上期業績予想」代表取締役会長兼社長 東哲郎(2014年4月28日)
- 東京エレクトロン 有価証券報告書 第52期(2015年3月期)【経営上の重要な契約等】【重要な後発事象】
- 東京エレクトロン アニュアルレポート2015「CEOメッセージ」
- 東京エレクトロン 有価証券報告書 第52期(2015年3月期)【重要な後発事象】
- 東京エレクトロン 有価証券報告書 第52期(2015年3月期)【セグメント情報等】
- 東京エレクトロン アニュアルレポート2016「CEOインタビュー」
- 東京エレクトロン アニュアルレポート2016「中期経営計画(2016年3月期~2020年3月期)」
- 東京エレクトロン 有価証券報告書 第55期(2018年3月期)
- 東京エレクトロン 有価証券報告書 第56期(2019年3月期)
- 東京エレクトロン アニュアルレポート2019「CEOインタビュー」
- 東京エレクトロン 有価証券報告書 第57期(2020年3月期)
- 東京エレクトロン 有価証券報告書 第58期(2021年3月期)【役員の状況】
- 東京エレクトロン 有価証券報告書 第58期(2021年3月期)
- 東京エレクトロン 決算説明会 質疑応答(2021年10月・IR Day)
- 東京エレクトロン 取消公告(2015年5月13日)