四日市4号系列の決断は、公害裁判の舞台となった地域に、会社が新たな発電設備を置き直すための選択だったのだろう。霞埋立地には石油関連企業を拒む市議会の条件があり、県条例も燃料設備の新増設を認めていなかった。条件が解かれた後に会社が申し入れたのは、ガス燃料と高効率のコンバインドサイクルという、この地域で説明のつく設備であった。市議会が解除に付けた条件が地区の熱源をクリーンエネルギーへ転換させる指導であったことも、技術の選択と立地の条件が一体であった構図を裏づけている。
もっとも、ガスへの転換は一つの発電所の話では終わらなかった。燃料基地は905億円の投資と60件近い協定・契約・覚書の締結を要し、既設1〜3号機のLNG転換と川越火力への燃料供給までを抱える設備となった。発電所ごとに燃料を確保する方式から、基地を軸に複数の発電所を集約する方式への移行を、この決断が先取りしていただろう。