中部電力の直近の動向と展望
中部電力の直近の業績・経営課題・市場ポジションと、今後の展望をまとめたページです。
セグメント構成や中期的な論点を、現経営陣の発信と有価証券報告書の記述をもとに整理しています。
直近の動向と展望
経営ビジョン二千五百億円と事業ポートフォリオの選別
中部電力は中期経営計画の経常利益目標を2000億円以上とし、FY23とFY24で2年連続の目標達成を果たした。経営ビジョンではさらに2030年度に経常利益2500億円という水準を掲げている。ただしFY24の経常利益2764億円には期ずれ効果が含まれており、2026年度以降はJERAとの電力購入契約の条件変更という不確定要素も控えている。ROEは約6%で、資本市場の期待水準である8%にはまだ届いておらず、自己資本比率を「30%台半ばから後半」に狭めて自己株取得の検討を公表したが、実施のコミットには至っていない。林は「再エネ開発、浮体式風力を軸に」(日本経済新聞 2025/1/1)と語り、再エネと不動産を成長の柱に据える一方で、「成長のために思い切った選択と集中をやる年。スクラップをやり、新陳代謝を良くしたい」(日本経済新聞 2026/1/2)と事業整理の方針も打ち出している。
- 決算説明会 FY23
- 決算説明会 FY24
- 日経ビジネス 2020/8/6
- 日本経済新聞 2025/1/1
- 日本経済新聞 2026/1/2
JERAとの関係性の見直しと電力事業の未来像
JERAとの関係は中部電力の経営の根幹に関わる論点である。JERA設立から10年の歳月が経過し、電力購入契約の条件変更が2026年度に控えている。中部電力はJERAとの関係について、非常に強いバリューチェーンでつながっているとしつつも、内外無差別的な卸売の実現によって関係性が変化していることも認めている。常に選択肢を持って検討しているという林社長の発言は、JERAの株式保有比率や取引条件の見直しを排除していないことを示唆している。パワーグリッド事業は物価・労務費の上昇によるコスト圧力が増しており、レベニューキャップ制度下でのインフレ対応が経営課題となっている。九電力体制の「中堅」だった中部電力は、火力をJERAに移管し、不動産と再エネを取り込んで、電力専業からの脱皮を目指す途上にある。
- 決算説明会 FY23
- 決算説明会 FY24
- 日経ビジネス 2020/8/6
- 日本経済新聞 2025/1/1
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