写真フィルムの市場規模の推移 | 1985〜2012年

市場規模がどう推移したか?

拡大期(1985〜1991年)生産量と販売額がともに伸びた。生産量は1985年の1.58億㎡から1990年の2.41億㎡へ増え、販売額は1985年の3,800億円から1991年の4,750億円へ伸びて、この年が山になった。

量の伸びと額の減少(1991〜2000年)生産量は伸び続けたが、販売額は先に減り始めた。生産量は2000年の3.35億㎡が山だった。一方で販売額は1995年に4,250億円、2000年に3,660億円へ減った。面積あたりの販売額が下がったことになる。

縮小期(2000〜2012年)生産量も販売額も減った。生産量は2005年に2.77億㎡、2010年に2.09億㎡となり、2012年は1.38億㎡と山から6割近く減った。販売額は2012年に896.7億円となり、山の2割を切った。

上場企業はどう意思決定したか?

本業の縮小を見据えて、富士フイルムは保有技術を他の事業へ移す構造改革を断行した。利益の源泉だった写真フィルムが2000年以降に構造的に消失するなかで、保有技術を成長分野へ配り直し、イメージング事業で約5,000人を削減した。2004年にはArch ChemicalsのMicroelectronic Materials部門を買収した。

縮小期の後半には、同社はヘルスケアと化粧品に経営資源を集中した。写真フィルムで培ったコア技術を転用し、スキンケア「ASTALIFT」を投入した。2008年には大正製薬と共同で富山化学を買収し、医薬へ事業を広げた。2011年にはバイオ医薬品の製造受託に参入し、稼働中の受託拠点の買収を重ねた。

もう1社は統合と撤退を選んだ。2003年にコニカミノルタが誕生し、開発・販売・生産を持株会社の下に集約した。目的は情報機器の開発力の差を埋めることだった。そのうえで2006年にカメラ事業から、2007年にフォト事業から撤退した。生産量が2000年の山から減り続けた時期と重なる。

写真フィルム | 国内市場規模・販売額・生産量

最新の年 2012年
販売額 896.7億円
生産量 137.6百万㎡
販売額(億円・左)生産量(百万㎡・右)
年月 販売額単位生産量単位
1985年1月〜12月 3,800億円158百万㎡
1986年1月〜12月 3,740億円174百万㎡
1987年1月〜12月 3,930億円190百万㎡
1988年1月〜12月 4,060億円210百万㎡
1989年1月〜12月 4,290億円225百万㎡
1990年1月〜12月 4,660億円241百万㎡
1991年1月〜12月 4,750億円259百万㎡
1992年1月〜12月 4,510億円274百万㎡
1993年1月〜12月 4,240億円270百万㎡
1994年1月〜12月 4,360億円285百万㎡
1995年1月〜12月 4,250億円299百万㎡
1996年1月〜12月 4,070億円293百万㎡
1997年1月〜12月 4,250億円296百万㎡
1998年1月〜12月 3,940億円284百万㎡
1999年1月〜12月 3,790億円316百万㎡
2000年1月〜12月 3,660億円335百万㎡
2001年1月〜12月 3,530億円325百万㎡
2002年1月〜12月 3,360億円298百万㎡
2003年1月〜12月 2,880億円290百万㎡
2004年注11月〜12月 2,568.8億円273.5百万㎡
2005年1月〜12月 2,281.3億円277.4百万㎡
2006年1月〜12月 2,110.3億円285.1百万㎡
2007年1月〜12月 2,075億円295.6百万㎡
2008年1月〜12月 1,669.1億円263.1百万㎡
2009年1月〜12月 1,218億円198.4百万㎡
2010年1月〜12月 1,128.3億円209百万㎡
2011年1月〜12月 1,001.2億円201.3百万㎡
2012年1月〜12月 896.7億円137.6百万㎡

主な企業

調査中

注釈

  • 注12004 年から経済産業省「生産動態統計」に切り替え(2003 年までは総務省統計局「日本の長期統計系列」表 08-09-j)。定義・範囲の違いで前後が段差になることがある
  • 写真フィルム: 写真フィルム合計

出典

期間統計表・資料
1985〜2003 年総務省統計局「日本の長期統計系列」表 08-09-j「主要品目の生産量及び生産額 - 化学製品の生産量及び販売額(昭和60年~平成15年)」
2004〜2012 年経済産業省「生産動態統計」年報・時系列表(品目ごとの対応は注釈)
考察経済産業省「生産動態統計」・総務省統計局「日本の長期統計系列」(このページの数字)、各社の経営判断の各ページと有価証券報告書の沿革