上場企業の経営論点>事業モデル転換
事業のデジタル化
日本企業のデジタル化は、売り方を変える前に、現場の判断を機械へ委ねる投資として始まった。セコムは1962年の創業から巡回警備をオンライン監視へ置き換え、DCMホールディングスは1983年にIBMシステム38と物流センターを組み合わせた。セリアは1997年に全店へリアルタイムPOSを導入し、数字で品揃えを決めている。ワークマンは2014年にデータ経営へ移り、勘に頼った発注を捨てた。東日本旅客鉄道のSuicaは改札の処理を駅の外の決済へ広げた。みずほフィナンシャルグループはMINORIへ4,000億円台半ばと35万人月を投じ、江崎グリコは342億円の基幹システム移行で7カ月の出荷停止を招いた。日立製作所が2021年に1兆円規模でGlobalLogicを買収したように、自社の業務を機械へ委ねる支出は、他社の転換を請け負う事業へ変わっている。
財務諸表のどこを見るか
無形固定資産のソフトウェアと、その前段にあるソフトウェア仮勘定の残高を並べる。仮勘定は開発中の投資額そのもので、稼働の年に本勘定へ振り替わるため、いつ何を作っていたかが残高の動きに出る。次に償却年数と償却方法を注記で確かめる。5年で償却する会社と10年の会社では、同じ投資でも損益の見え方が違う。稼働後は特別損失のソフトウェア除却損・減損損失を見て、作り直しがあったかを判じる。設備投資額の内訳と、事業等のリスクのシステム障害に関する記載も併せて読む。
2020年代
南場智子の社長復帰 創業者による15年ぶりの経営復帰と、AIを軸にした事業モデルの変革 デジタルHDへの公開買付け 買付けの成立による対象会社の子会社化と、傘下への取り込み 米Fictiv買収で加工事業獲得 北米のオンライン加工事業の獲得と、meviyとの統合 基幹システムの全面移行 342億円を投じた入れ替えが招いた、7カ月に及ぶチルド商品の出荷停止 岡三オンライン証券の設立 ネット専業・16年後の岡三証券への吸収合併 業務スーパーに直営店併設 FC専業からの脱却と、店頭実験の装置を手にする出店戦略の転換 ジェイ・エー・エー子会社化 完全子会社化と併せて踏み切ったHAA神戸会場の減損188億円の計上 米GlobalLogicの買収 デジタルエンジニアリングの内製力を9,222億円で外から買う BluStellar戦略へ転換 ハード売り切りからの脱却と、再成長に向けた事業モデルの組み替え Uvance戦略で事業転換 事業モデルの再定義と、DX企業への立ち位置の置き換え コロナ禍で不採算店舗整理 赤字転落を受けた店舗網の絞り込みと、EC基盤の刷新
2010年代
AI・RPA事業「コボット」展開 求人広告一本だった事業への、採用後の業務までを担う領域の拡張 MINORIへ全面刷新 4000億円台半ば・35万人月を投じた新勘定系システムへの全面刷新 DACの完全子会社化 D.A.コンソーシアムホールディングスの公開買付けによる完全子会社化 「奉行クラウド」投入 完全SaaS型への移行による、買い切り型から継続収益型への収益構造の入れ替え みずほ銀行とAPI連携 国内初のメガバンクとの接続と、北国銀行への会計データの開放 「データ経営」への転換 土屋哲雄の参画と、あわせて掲げた「しない経営」への転換 Hulu日本事業の承継 事業承継による定額動画配信への参入 英イージスの買収 約4,000億円を投じた、日本の広告会社で過去最大の海外M&A 米Indeedを買収 米国企業の取り込みによる海外への足がかり
2000年代
全国銀行データ通信システム接続 郵便局網の中で完結していた送金に、銀行間の決済網を重ねた選択 KDDI傘下入りへの株主変遷 デジタルガレージ・CCC・電通と移り変わった資本の受け皿の変遷 大塚裕司氏へ社長交代 創業者・大塚實から長男への世代交代と、データで判断する営業への移行 坂根正弘の「ダントツ経営」 新体制が進めた経営構造改革とV字回復 Suica導入で決済拡張 交通ICから電子マネー・生活決済へ広げた事業領域の拡張 Yahoo!BBでADSL参入 自前の通信インフラ事業への参入と、それが招いた経営の危機 JASDAQ上場のEC先駆モデル インターネット受注に絞った法人向け販売モデルの確立 米Graingerと合弁設立 住友商事との共同出資で立ち上げた住商グレンジャーの設立 新ERP開発へ全面転換 インターネット対応製品への新規開発資源の全面振替と、2005年3月期235億円の計画 セブンドリーム・ドットコム設立 店舗網を電子商取引の受け渡し拠点へ転用する事業の立ち上げ πシステムからFTTHへ移行 各家庭へ光を直結する固定網への切り替えを選んだ基盤投資