このJAA買収を、成熟した市場で高値づかみした失敗とだけ読むと、判断の芯を外す。ユー・エス・エスは20年をかけて、地方の会場を買ってはUSS方式へ作り替え、市場シェアを約2割から約4割へ広げてきた。同じ手を東京と神戸の会場に当てたのがこの買収であった。ところが、運営を自社へ揃えるほど買った会場の独自性が消え、自社の他会場との差別化が薄れて利用者が分かれた。買って広げる型が、それまでとは逆に自社会場の食い合いを生んだところに、188億円という減損の重さがあったと思われる。
もっとも、この一件は拡大の手法そのものを否定するものではない。買って作り替える型は、市場に成長余地が残り、買った会場が新しい出品と成約を呼び込めるうちは機能した。行き詰まったのは、日本の自動車流通が成熟し、全国に会場網があらかた行き渡った先であった。減損の翌期に純利益が297億円へ戻り、以後ユー・エス・エスが会場の数より処理量とオンライン化に力を移したことをあわせて見れば、この188億円は、会場を数えて増やす成長にひとつの区切りをつけた金額であったといえる。