存続会社は三菱樹脂であった。合併した3社も、会社分割で渡された機能材料本部の事業も、いずれも三菱化学の側から来ている。原料を親会社から買っていた加工専業が、親会社の事業を受け取る立場に転じた。三菱樹脂が統合先に選ばれたのは、グループで最も稼いでいたからではなく、加工の現場と販売の網を最も広く持っていたからなのだろう。1,901億円の会社が3,462億円の会社になったのは、稼ぐ力が増したからではなく、事業の置き場所が変わったからであった。
集約が損益に表れるまでには時間がかかった。初年度の2009年3月期は経常損失59億円・当期純損失121億円、翌期の経常利益も9億円にとどまっている。金融危機と重なった不運はあるにせよ、4社を1社に統合した効果が数字に出たのは、2012年12月に管材事業を積水化学工業へ譲渡してからであった。受け入れた事業を並べ替えるだけでなく、1952年に始めた管材から撤退するところまで進んで、2015年3月期の経常利益264億円に達している。集約は足し算から始まるが、引き算まで終えないと利益にはならないだろう。