この接続で起きたのは、送金の経路が増加したことではなく、ゆうちょの口座が他の金融機関から見て「振り込める口座」になったことだったのだろう。郵便為替と郵便振替の系譜に立つ独自の仕組みは、郵便局の窓口の数がそのまま強みになる閉じた世界で、他行と接続しなければ手数料を外へ払う必要もなかった。その優位を守る選択肢もあり得たはずだが、選ばれたのは共通の決済網に乗ることだった。被仕向の口数が仕向の3.3倍という偏りは、その帰結をよく表しているように見える。給与や年金が他行から流れ込む受入口座として使われる口座は、閉じた網の中では成立しない。
もっとも、独自の送金手段を捨てたわけではない点は見落とせない。普通為替・定額小為替・通常払込み・電信振替は今もユニバーサルサービスの対象として残り、二つの仕組みを併存させたまま運ばれている。受入為替手数料が1,017億円へ伸びて役務取引等収益の半分を占める一方、その事務を担う郵便局網へは送金等だけで1,219億円を払う構図でもある。決済で稼ぐ額と、決済を全国で成り立たせるために払う額が同じ桁で並ぶ状態をどう均していくかは、なお開かれた問いとして残っているのではないか。