第3章 年〜年

DeNA:業績不振による岡村信悟の社長就任とポケポケ

2021年〜岡村信悟社長の就任と、IRIAMとアルムの買収

ディー・エヌ・エー(DeNA)は2021年4月1日付で、取締役兼COOの岡村信悟氏を代表取締役社長兼CEOとした。2月9日の取締役会で決めた異動で、2011年6月から社長を務めた守安功氏は社長を退任して取締役となった。直前の2020年3月期は減損損失51,165百万円を計上し、2005年の上場後で初めての最終赤字となっていた。就任後初の決算説明会で、岡村信悟社長への質問に対する回答は『永久ベンチャーとして挑戦する心を忘れずに、楽しみながら世の中をもっとよくしていきたいと考えています』というものだった。同じ場で会社側は、ゲーム・ライブストリーミング・スポーツ・ヘルスケアの4事業で、M&Aも選択肢に成長の手段を探る方針を示した。減損で縮んだゲーム事業に代わる収益源を、4事業の拡張で探る体制だったとみられる。

  • ディー・エヌ・エー 適時開示「代表取締役の異動に関するお知らせ」(2021年2月9日)
    • [1]2021年2月9日取締役会で代表取締役の異動を決議。4月1日付で岡村信悟(取締役兼COO)が代表取締役社長兼CEO、守安功(2011年6月〜社長)は取締役へ
    • [2]2021年2月9日取締役会で代表取締役の異動を決議。4月1日付で岡村信悟(取締役兼COO)が代表取締役社長兼CEO、守安功(2011年6月〜社長)は取締役へ
  • ディー・エヌ・エー 有価証券報告書(2020年3月期・連結)
    • [3]2020年3月期 減損損失51,165百万円、当期損失49,166百万円。上場来初の通期最終赤字
  • DeNA 2021年3月期 決算説明会 質疑応答
    • [4]A14 岡村新社長への質問に永久ベンチャーとして挑戦する旨を回答。A6・A8 4事業それぞれで成長手段を検討、M&Aはその選択肢のひとつ
    • [5]A14 岡村新社長への質問に永久ベンチャーとして挑戦する旨を回答。A6・A8 4事業それぞれで成長手段を検討、M&Aはその選択肢のひとつ

ディー・エヌ・エーは2021年8月、キャラクターのライブ配信アプリ「IRIAM」を運営する株式会社IRIAMを子会社化した。子会社化の目的は、ライブストリーミング事業の成長にあった。その3か月前の決算説明会で会社側は、ライブ配信には未開拓の分野があり、研究と投資を進める用意があるとしていた。2022年の統合報告書は、2次元キャラクターの配信を日本の強みが活きる新ジャンルと位置づけた。2022年3月期のライブストリーミング事業の売上収益は347億円で、全社の26.5%を占めた。2022年5月の説明会では、国内の「Pococha」と海外版、IRIAMの三つに配分を見ながら成長投資を続ける方針を示した。

  • DeNA 統合報告書 2024(2024年3月期)
    • [6](株)IRIAMを2021年8月に子会社化。ライブストリーミング事業の成長のため
    • [7](株)IRIAMを2021年8月に子会社化。ライブストリーミング事業の成長のため
  • DeNA 2021年3月期 決算説明会 質疑応答
    • [8]A4 ライブストリーミングにはまだ可能性のある分野があり研究中、投資の可能性。A8 新たなジャンルに取り組みたい
  • DeNA 統合報告書 2022(2022年3月期)
    • [9]IRIAMなど2次元キャラクターのライブ配信を日本の強みが活きる新ジャンルとして展開。2022年3月期ライブストリーミング事業 売上収益347億円・構成比26.5%
    • [10]IRIAMなど2次元キャラクターのライブ配信を日本の強みが活きる新ジャンルとして展開。2022年3月期ライブストリーミング事業 売上収益347億円・構成比26.5%
  • DeNA 2022年3月期 決算説明会 質疑応答
    • [11]A10 国内Pococha・グローバル版・IRIAMのバランスを見ながら成長投資

ディー・エヌ・エーは2022年5月、医療ICTベンチャーの株式会社アルムを子会社化する基本契約を結んだ。アルムの医療関係者間コミュニケーションアプリ「Join」は、国内外の約1,100の医療機関に導入されていた。ヘルスケア事業は、社会課題領域の収益基盤を厚くする手段としてM&Aを戦略上の選択肢に置いていた。保険者データを持つ株式会社データホライゾンも2022年8月に子会社化し、保険者データベースは1,500万人超となった。アルムとデータホライゾンは、2023年3月期の途中からグループに加わった。2023年5月の説明会で会社側は、ヘルスケア・メディカル事業で2025年3月期に売上200億円・利益50億円をめざすとした。

  • DeNA 統合報告書 2022(2022年3月期)
    • [12]2022年5月 医療ICTベンチャー(株)アルムの子会社化の基本契約書締結。Joinは国内約470・国内外計約1,100医療機関で導入。社会課題領域の収益基盤強化にM&Aを戦略オプションと位置づけ。データホライゾンは2022年8月子会社化。提携と合わせ保険者データベース1,500万人超(2022年4月末)
    • [13]2022年5月 医療ICTベンチャー(株)アルムの子会社化の基本契約書締結。Joinは国内約470・国内外計約1,100医療機関で導入。社会課題領域の収益基盤強化にM&Aを戦略オプションと位置づけ。データホライゾンは2022年8月子会社化。提携と合わせ保険者データベース1,500万人超(2022年4月末)
    • [14]2022年5月 医療ICTベンチャー(株)アルムの子会社化の基本契約書締結。Joinは国内約470・国内外計約1,100医療機関で導入。社会課題領域の収益基盤強化にM&Aを戦略オプションと位置づけ。データホライゾンは2022年8月子会社化。提携と合わせ保険者データベース1,500万人超(2022年4月末)
    • [15]2022年5月 医療ICTベンチャー(株)アルムの子会社化の基本契約書締結。Joinは国内約470・国内外計約1,100医療機関で導入。社会課題領域の収益基盤強化にM&Aを戦略オプションと位置づけ。データホライゾンは2022年8月子会社化。提携と合わせ保険者データベース1,500万人超(2022年4月末)
  • DeNA 2024年3月期 第1四半期 決算説明会 質疑応答
    • [16]A3 前年度のM&Aでアルムとデータホライゾンが期の途中からグループ入り
  • DeNA 2023年3月期 決算説明会 質疑応答
    • [17]A7 2023年3月期にM&Aを含め事業ポートフォリオ強化が進捗。2025年3月期にヘルスケア・メディカル事業全体で売上200億円・利益50億円を目指す
参考文献[1]-[17]
  • ディー・エヌ・エー 適時開示「代表取締役の異動に関するお知らせ」(2021年2月9日)
    • [1]2021年2月9日取締役会で代表取締役の異動を決議。4月1日付で岡村信悟(取締役兼COO)が代表取締役社長兼CEO、守安功(2011年6月〜社長)は取締役へ
    • [2]2021年2月9日取締役会で代表取締役の異動を決議。4月1日付で岡村信悟(取締役兼COO)が代表取締役社長兼CEO、守安功(2011年6月〜社長)は取締役へ
  • ディー・エヌ・エー 有価証券報告書(2020年3月期・連結)
    • [3]2020年3月期 減損損失51,165百万円、当期損失49,166百万円。上場来初の通期最終赤字
  • DeNA 2021年3月期 決算説明会 質疑応答
    • [4]A14 岡村新社長への質問に永久ベンチャーとして挑戦する旨を回答。A6・A8 4事業それぞれで成長手段を検討、M&Aはその選択肢のひとつ
    • [5]A14 岡村新社長への質問に永久ベンチャーとして挑戦する旨を回答。A6・A8 4事業それぞれで成長手段を検討、M&Aはその選択肢のひとつ
    • [8]A4 ライブストリーミングにはまだ可能性のある分野があり研究中、投資の可能性。A8 新たなジャンルに取り組みたい
  • DeNA 統合報告書 2024(2024年3月期)
    • [6](株)IRIAMを2021年8月に子会社化。ライブストリーミング事業の成長のため
    • [7](株)IRIAMを2021年8月に子会社化。ライブストリーミング事業の成長のため
  • DeNA 統合報告書 2022(2022年3月期)
    • [9]IRIAMなど2次元キャラクターのライブ配信を日本の強みが活きる新ジャンルとして展開。2022年3月期ライブストリーミング事業 売上収益347億円・構成比26.5%
    • [10]IRIAMなど2次元キャラクターのライブ配信を日本の強みが活きる新ジャンルとして展開。2022年3月期ライブストリーミング事業 売上収益347億円・構成比26.5%
    • [12]2022年5月 医療ICTベンチャー(株)アルムの子会社化の基本契約書締結。Joinは国内約470・国内外計約1,100医療機関で導入。社会課題領域の収益基盤強化にM&Aを戦略オプションと位置づけ。データホライゾンは2022年8月子会社化。提携と合わせ保険者データベース1,500万人超(2022年4月末)
    • [13]2022年5月 医療ICTベンチャー(株)アルムの子会社化の基本契約書締結。Joinは国内約470・国内外計約1,100医療機関で導入。社会課題領域の収益基盤強化にM&Aを戦略オプションと位置づけ。データホライゾンは2022年8月子会社化。提携と合わせ保険者データベース1,500万人超(2022年4月末)
    • [14]2022年5月 医療ICTベンチャー(株)アルムの子会社化の基本契約書締結。Joinは国内約470・国内外計約1,100医療機関で導入。社会課題領域の収益基盤強化にM&Aを戦略オプションと位置づけ。データホライゾンは2022年8月子会社化。提携と合わせ保険者データベース1,500万人超(2022年4月末)
    • [15]2022年5月 医療ICTベンチャー(株)アルムの子会社化の基本契約書締結。Joinは国内約470・国内外計約1,100医療機関で導入。社会課題領域の収益基盤強化にM&Aを戦略オプションと位置づけ。データホライゾンは2022年8月子会社化。提携と合わせ保険者データベース1,500万人超(2022年4月末)
  • DeNA 2022年3月期 決算説明会 質疑応答
    • [11]A10 国内Pococha・グローバル版・IRIAMのバランスを見ながら成長投資
  • DeNA 2024年3月期 第1四半期 決算説明会 質疑応答
    • [16]A3 前年度のM&Aでアルムとデータホライゾンが期の途中からグループ入り
  • DeNA 2023年3月期 決算説明会 質疑応答
    • [17]A7 2023年3月期にM&Aを含め事業ポートフォリオ強化が進捗。2025年3月期にヘルスケア・メディカル事業全体で売上200億円・利益50億円を目指す

2023年〜ゲームの減損で陥った最終赤字と、ポケモンと組んだ「ポケポケ」

2024年3月期のディー・エヌ・エーは、減損損失を計288億円計上し、最終損失287億円となった。最終赤字は2020年3月期以来4期ぶりで、減損はゲーム事業が12,597百万円、ライブストリーミング事業が9,346百万円だった。ヘルスケア・メディカル事業も、2025年3月期に売上200億円・利益50億円とした目標の達成を今後3か年に先送りした。岡村信悟社長は統合報告書で、ソフトウェア等の資産やのれん等を減損の対象に挙げ、『事業ポートフォリオ改革を進めて早期に収益性を回復し、DeNAを成長軌道に乗せることが、経営者としてまずは私が達成しなければならない喫緊の課題です』とした。2024年5月の説明会では、2027年3月期のNon-GAAP営業利益150億円を約束とし、ゲームの大型ヒットは上振れ要因として外した。ライブストリーミングの減損は、2021年に取得したIRIAMののれんが中心だったと推察される。

  • DeNA 統合報告書 2024(2024年3月期)
    • [18]2024年3月期 売上収益1,367億円・営業損失283億円・最終損失287億円。ソフトウェア等の資産やのれん等の減損損失計288億円
    • [21]2024年3月期 売上収益1,367億円・営業損失283億円・最終損失287億円。ソフトウェア等の資産やのれん等の減損損失計288億円
  • ディー・エヌ・エー 有価証券報告書(2024年3月期・連結)
    • [19]親会社帰属当期損失28,682百万円(2021〜2023年3月期は黒字)。減損損失28,764百万円、うちゲーム事業12,597百万円・ライブストリーミング事業9,346百万円
  • DeNA 2024年3月期 決算説明会 質疑応答
    • [20]A1 2027年3月期Non-GAAP営業利益150億円をコミットメント。新規ゲームの大きなヒットはアップサイドの位置づけ。A2 ヘルスケア・メディカルの目標(2025年3月期売上200億円・利益50億円)は今後3か年での達成を目指す
    • [22]A1 2027年3月期Non-GAAP営業利益150億円をコミットメント。新規ゲームの大きなヒットはアップサイドの位置づけ。A2 ヘルスケア・メディカルの目標(2025年3月期売上200億円・利益50億円)は今後3か年での達成を目指す

ディー・エヌ・エーは2024年10月30日、新しいゲームアプリを150の国と地域で配信した。正式名は「Pokémon Trading Card Game Pocket」で、略称をポケポケとした。ポケモンカードを集めて遊ぶアプリで、株式会社ポケモン、株式会社クリーチャーズと共同開発した。累計ダウンロード数は2025年2月に1億を超え、同期のゲーム事業は売上収益781億円(前期比45%増)、セグメント利益386億円となった。ディー・エヌ・エーは、2社との提携に自社の大規模サービスのインフラ運用力を組み合わせた点を成果の源に挙げた。2025年5月の説明会で会社側は、業績見通しを出せない理由を『我々も経験のない規模のタイトルですし』と説明し、初速の反動を見込んだ。

  • DeNA 統合報告書 2025(2025年3月期)
    • [23](株)ポケモン・(株)クリーチャーズ・DeNAが共同開発、2024年10月30日に150の国と地域で正式サービス開始。2025年2月に全世界累計1億DL突破。2025年3月期ゲーム事業 売上収益781億円(前期比45%増)・セグメント損益386億円。パートナーシップと大規模サービスのインフラ運用力
    • [24](株)ポケモン・(株)クリーチャーズ・DeNAが共同開発、2024年10月30日に150の国と地域で正式サービス開始。2025年2月に全世界累計1億DL突破。2025年3月期ゲーム事業 売上収益781億円(前期比45%増)・セグメント損益386億円。パートナーシップと大規模サービスのインフラ運用力
    • [25](株)ポケモン・(株)クリーチャーズ・DeNAが共同開発、2024年10月30日に150の国と地域で正式サービス開始。2025年2月に全世界累計1億DL突破。2025年3月期ゲーム事業 売上収益781億円(前期比45%増)・セグメント損益386億円。パートナーシップと大規模サービスのインフラ運用力
    • [26](株)ポケモン・(株)クリーチャーズ・DeNAが共同開発、2024年10月30日に150の国と地域で正式サービス開始。2025年2月に全世界累計1億DL突破。2025年3月期ゲーム事業 売上収益781億円(前期比45%増)・セグメント損益386億円。パートナーシップと大規模サービスのインフラ運用力
    • [27](株)ポケモン・(株)クリーチャーズ・DeNAが共同開発、2024年10月30日に150の国と地域で正式サービス開始。2025年2月に全世界累計1億DL突破。2025年3月期ゲーム事業 売上収益781億円(前期比45%増)・セグメント損益386億円。パートナーシップと大規模サービスのインフラ運用力
  • DeNA 2025年3月期 決算説明会 質疑応答
    • [28]A3 リリースから間もなく初速からの反動も想定、経験のない規模のタイトルで合理的な予想に時間が必要
参考文献[18]-[28]
  • DeNA 統合報告書 2024(2024年3月期)
    • [18]2024年3月期 売上収益1,367億円・営業損失283億円・最終損失287億円。ソフトウェア等の資産やのれん等の減損損失計288億円
    • [21]2024年3月期 売上収益1,367億円・営業損失283億円・最終損失287億円。ソフトウェア等の資産やのれん等の減損損失計288億円
  • ディー・エヌ・エー 有価証券報告書(2024年3月期・連結)
    • [19]親会社帰属当期損失28,682百万円(2021〜2023年3月期は黒字)。減損損失28,764百万円、うちゲーム事業12,597百万円・ライブストリーミング事業9,346百万円
  • DeNA 2024年3月期 決算説明会 質疑応答
    • [20]A1 2027年3月期Non-GAAP営業利益150億円をコミットメント。新規ゲームの大きなヒットはアップサイドの位置づけ。A2 ヘルスケア・メディカルの目標(2025年3月期売上200億円・利益50億円)は今後3か年での達成を目指す
    • [22]A1 2027年3月期Non-GAAP営業利益150億円をコミットメント。新規ゲームの大きなヒットはアップサイドの位置づけ。A2 ヘルスケア・メディカルの目標(2025年3月期売上200億円・利益50億円)は今後3か年での達成を目指す
  • DeNA 統合報告書 2025(2025年3月期)
    • [23](株)ポケモン・(株)クリーチャーズ・DeNAが共同開発、2024年10月30日に150の国と地域で正式サービス開始。2025年2月に全世界累計1億DL突破。2025年3月期ゲーム事業 売上収益781億円(前期比45%増)・セグメント損益386億円。パートナーシップと大規模サービスのインフラ運用力
    • [24](株)ポケモン・(株)クリーチャーズ・DeNAが共同開発、2024年10月30日に150の国と地域で正式サービス開始。2025年2月に全世界累計1億DL突破。2025年3月期ゲーム事業 売上収益781億円(前期比45%増)・セグメント損益386億円。パートナーシップと大規模サービスのインフラ運用力
    • [25](株)ポケモン・(株)クリーチャーズ・DeNAが共同開発、2024年10月30日に150の国と地域で正式サービス開始。2025年2月に全世界累計1億DL突破。2025年3月期ゲーム事業 売上収益781億円(前期比45%増)・セグメント損益386億円。パートナーシップと大規模サービスのインフラ運用力
    • [26](株)ポケモン・(株)クリーチャーズ・DeNAが共同開発、2024年10月30日に150の国と地域で正式サービス開始。2025年2月に全世界累計1億DL突破。2025年3月期ゲーム事業 売上収益781億円(前期比45%増)・セグメント損益386億円。パートナーシップと大規模サービスのインフラ運用力
    • [27](株)ポケモン・(株)クリーチャーズ・DeNAが共同開発、2024年10月30日に150の国と地域で正式サービス開始。2025年2月に全世界累計1億DL突破。2025年3月期ゲーム事業 売上収益781億円(前期比45%増)・セグメント損益386億円。パートナーシップと大規模サービスのインフラ運用力
  • DeNA 2025年3月期 決算説明会 質疑応答
    • [28]A3 リリースから間もなく初速からの反動も想定、経験のない規模のタイトルで合理的な予想に時間が必要

2025年〜ポケポケで戻った黒字と、南場智子氏の15年ぶりの社長復帰

2025年3月期のディー・エヌ・エーは、ポケポケの貢献で営業利益28,973百万円、当期利益24,193百万円を計上し、黒字を回復した。ディー・エヌ・エーは同期のROEを11%と示してPBRの1倍割れも解消し、1株当たり配当金を前期の20円から65円に増やした。会社側は特別配当を含む配当性向を30%とし、以後の還元は成長投資との釣り合いを見て柔軟に決める方針を示した。資金の配分では、AIを使う取り組みで戦略を速め、継続して成長する事業群を形づくる方針も示した。2025年11月の説明会では、資本市場の要請を受け、ROE目標を段階的に引き上げながらバランスシートの管理を強める方針を加えた。ポケポケの利益を還元と開示に振り向け、資本市場の評価を立て直そうとしたのだろう。

  • ディー・エヌ・エー 有価証券報告書(2025年3月期・連結)
    • [29]2025年3月期 売上収益163,997百万円・営業利益28,973百万円・親会社帰属当期利益24,193百万円
  • DeNA 統合報告書 2025(2025年3月期)
    • [30]2025年3月期 ROE11%・PBR1倍割れ解消。1株当たり配当金 2024年3月期20円→2025年3月期65円。業績見通しの開示を2026年3月期より再開
  • DeNA 2025年3月期 決算説明会 質疑応答
    • [31]A2 配当予想は特別配当込みで配当性向30%。株主還元は企業価値向上と資本市場との信頼関係構築の重要テーマ、成長投資とのバランスで柔軟に検討。A6 AIの取り組み等で戦略を加速し、構造的・継続的に成長する事業群を形成するため経営資源を配分
    • [32]A2 配当予想は特別配当込みで配当性向30%。株主還元は企業価値向上と資本市場との信頼関係構築の重要テーマ、成長投資とのバランスで柔軟に検討。A6 AIの取り組み等で戦略を加速し、構造的・継続的に成長する事業群を形成するため経営資源を配分
  • DeNA 2026年3月期 第2四半期 決算説明会 質疑応答
    • [33]A9 資本市場の声・要請を踏まえ、従来のコミットメントに加えROE目標を段階的に引き上げ、バランスシートマネジメントを強化

ディー・エヌ・エーは2025年2月に「AIオールイン」を宣言し、半分の人員で事業を拡大して浮いた人員を新規事業へ移す計画を立てた。岡村信悟社長は2025年の統合報告書で、ゲーム事業の変動に過度に依存しない事業群をめざし、その中核にAIを置いた。2025年11月の説明会で会社側は、ゲームについて『ボラティリティは可能な限り軽減しながら、確実に収益をあげ、ヒットはアップサイドとして取り込んでいけたらと考えています』とし、試験配信で開発費を抑える手法を採った。新規事業の企画はすでに20程度あり、成果はこれまでと異なる時間軸で出ると見込んだ。ポケポケの反動で、2026年3月期の売上収益は147,700百万円、営業利益は18,694百万円に減った。2026年5月の説明会で南場智子会長は、一部の工程で人の関与を10%まで減らした一方、新規事業の収益貢献は来年以降になるとした。

  • DeNA 統合報告書 2026(2026年3月期)
    • [34]2025年2月「AIオールイン」宣言。AIで効率を追求し半分の人員でこれまで以上に発展、出てきた人員を新規事業へシフトする計画
  • DeNA 統合報告書 2025(2025年3月期)
    • [35]岡村CEOメッセージ:ゲーム事業の高いボラティリティに過度に依存せず各事業が構造的な強さを持つ姿を目指す。中核はAIをレバレッジした取り組み
  • DeNA 2026年3月期 第2四半期 決算説明会 質疑応答
    • [36]A4 ボラティリティを軽減しヒットはアップサイド、ソフトローンチでコストをコントロール。A6 新規事業の企画は20程度。A10 これまでと異なる時間軸で成果
    • [37]A4 ボラティリティを軽減しヒットはアップサイド、ソフトローンチでコストをコントロール。A6 新規事業の企画は20程度。A10 これまでと異なる時間軸で成果
  • ディー・エヌ・エー 有価証券報告書(2026年3月期・連結)
    • [38]2026年3月期 売上収益147,700百万円・営業利益18,694百万円(2025年3月期163,997百万円・28,973百万円)
  • DeNA 2026年3月期 決算説明会 質疑応答
    • [39]A3(回答:南場)一部工程で人による関与を10%まで削減。新規事業の収益貢献はすぐにではなく来年以降、中長期

2026年5月12日、ディー・エヌ・エーの取締役会は南場智子会長を代表取締役社長兼CEOとする人事を内定した。南場智子氏は6月27日付で15年ぶりに社長へ戻り、岡村信悟氏は代表取締役会長として政府や業界団体などとの渉外を受け持った。岡村信悟会長は交代の理由に、経営の速度を上げ、組織と事業モデルの変革を急ぐ必要を挙げた。就任のきっかけを問われた南場智子氏は、『組織の自律性も高まり、変化をしていくのであれば今だというところまで機が熟したと判断しました』と答えた。新体制は事業構造強化、M&A、新規事業、目的収益の多様化、組織改革の5つを重点に掲げ、組織改革は3年を目安にやり切るとした。2026年時点で南場智子氏は、AIで生じた余力を新規事業へ移す人材の移動が思ったほど進んでいないと認めている。

  • ディー・エヌ・エー 適時開示「役員人事に関するお知らせ」(2026年5月12日)
    • [40]2026年5月12日取締役会で南場智子(代表取締役会長)の代表取締役社長兼CEO就任、岡村信悟の代表取締役会長就任を内定
  • DeNA 統合報告書 2026(2026年3月期)
    • [41]2026年6月27日付で南場智子が15年ぶりに代表取締役社長兼CEO、岡村信悟は代表取締役会長として政府・自治体・業界団体等との渉外。経営のスピードを上げ組織運営・事業モデルの変革を早急に進めるため。新規事業への人材シフトは思ったほど進んでいない
    • [42]2026年6月27日付で南場智子が15年ぶりに代表取締役社長兼CEO、岡村信悟は代表取締役会長として政府・自治体・業界団体等との渉外。経営のスピードを上げ組織運営・事業モデルの変革を早急に進めるため。新規事業への人材シフトは思ったほど進んでいない
    • [45]2026年6月27日付で南場智子が15年ぶりに代表取締役社長兼CEO、岡村信悟は代表取締役会長として政府・自治体・業界団体等との渉外。経営のスピードを上げ組織運営・事業モデルの変革を早急に進めるため。新規事業への人材シフトは思ったほど進んでいない
  • DeNA 2026年3月期 決算説明会 質疑応答
    • [43]A4(回答:南場)機が熟したと判断、創業者が執行をリード。A7・A10 組織改革は3年を目安にやりきる。A13 重点は事業構造強化・M&A・新規事業・目的収益の多様化・組織改革の5つ
    • [44]A4(回答:南場)機が熟したと判断、創業者が執行をリード。A7・A10 組織改革は3年を目安にやりきる。A13 重点は事業構造強化・M&A・新規事業・目的収益の多様化・組織改革の5つ
参考文献[29]-[45]
  • ディー・エヌ・エー 有価証券報告書(2025年3月期・連結)
    • [29]2025年3月期 売上収益163,997百万円・営業利益28,973百万円・親会社帰属当期利益24,193百万円
  • DeNA 統合報告書 2025(2025年3月期)
    • [30]2025年3月期 ROE11%・PBR1倍割れ解消。1株当たり配当金 2024年3月期20円→2025年3月期65円。業績見通しの開示を2026年3月期より再開
    • [35]岡村CEOメッセージ:ゲーム事業の高いボラティリティに過度に依存せず各事業が構造的な強さを持つ姿を目指す。中核はAIをレバレッジした取り組み
  • DeNA 2025年3月期 決算説明会 質疑応答
    • [31]A2 配当予想は特別配当込みで配当性向30%。株主還元は企業価値向上と資本市場との信頼関係構築の重要テーマ、成長投資とのバランスで柔軟に検討。A6 AIの取り組み等で戦略を加速し、構造的・継続的に成長する事業群を形成するため経営資源を配分
    • [32]A2 配当予想は特別配当込みで配当性向30%。株主還元は企業価値向上と資本市場との信頼関係構築の重要テーマ、成長投資とのバランスで柔軟に検討。A6 AIの取り組み等で戦略を加速し、構造的・継続的に成長する事業群を形成するため経営資源を配分
  • DeNA 2026年3月期 第2四半期 決算説明会 質疑応答
    • [33]A9 資本市場の声・要請を踏まえ、従来のコミットメントに加えROE目標を段階的に引き上げ、バランスシートマネジメントを強化
    • [36]A4 ボラティリティを軽減しヒットはアップサイド、ソフトローンチでコストをコントロール。A6 新規事業の企画は20程度。A10 これまでと異なる時間軸で成果
    • [37]A4 ボラティリティを軽減しヒットはアップサイド、ソフトローンチでコストをコントロール。A6 新規事業の企画は20程度。A10 これまでと異なる時間軸で成果
  • DeNA 統合報告書 2026(2026年3月期)
    • [34]2025年2月「AIオールイン」宣言。AIで効率を追求し半分の人員でこれまで以上に発展、出てきた人員を新規事業へシフトする計画
    • [41]2026年6月27日付で南場智子が15年ぶりに代表取締役社長兼CEO、岡村信悟は代表取締役会長として政府・自治体・業界団体等との渉外。経営のスピードを上げ組織運営・事業モデルの変革を早急に進めるため。新規事業への人材シフトは思ったほど進んでいない
    • [42]2026年6月27日付で南場智子が15年ぶりに代表取締役社長兼CEO、岡村信悟は代表取締役会長として政府・自治体・業界団体等との渉外。経営のスピードを上げ組織運営・事業モデルの変革を早急に進めるため。新規事業への人材シフトは思ったほど進んでいない
    • [45]2026年6月27日付で南場智子が15年ぶりに代表取締役社長兼CEO、岡村信悟は代表取締役会長として政府・自治体・業界団体等との渉外。経営のスピードを上げ組織運営・事業モデルの変革を早急に進めるため。新規事業への人材シフトは思ったほど進んでいない
  • ディー・エヌ・エー 有価証券報告書(2026年3月期・連結)
    • [38]2026年3月期 売上収益147,700百万円・営業利益18,694百万円(2025年3月期163,997百万円・28,973百万円)
  • DeNA 2026年3月期 決算説明会 質疑応答
    • [39]A3(回答:南場)一部工程で人による関与を10%まで削減。新規事業の収益貢献はすぐにではなく来年以降、中長期
    • [43]A4(回答:南場)機が熟したと判断、創業者が執行をリード。A7・A10 組織改革は3年を目安にやりきる。A13 重点は事業構造強化・M&A・新規事業・目的収益の多様化・組織改革の5つ
    • [44]A4(回答:南場)機が熟したと判断、創業者が執行をリード。A7・A10 組織改革は3年を目安にやりきる。A13 重点は事業構造強化・M&A・新規事業・目的収益の多様化・組織改革の5つ
  • ディー・エヌ・エー 適時開示「役員人事に関するお知らせ」(2026年5月12日)
    • [40]2026年5月12日取締役会で南場智子(代表取締役会長)の代表取締役社長兼CEO就任、岡村信悟の代表取締役会長就任を内定

2021年〜2026年の業績

決算期 区分 売上高 営業利益純利益 主な投資
億円 YoY 億円 億円 利益率
2021年03月期 連結 1,369 n/a 225 256 18.7% n/a
2022年03月期 連結 1,308 ▲4.5% 115 305 23.3% n/a
2023年03月期 連結 1,349 +3.1% 42 88 6.5% n/a
2024年03月期 連結 1,367 +1.3% ▲283 ▲286 ▲20.9% n/a
2025年03月期 連結 1,639 +19.9% 290 241 14.7% n/a
2026年03月期 連結 1,477 ▲9.9% 187 190 12.9% n/a

出所:有価証券報告書

出典・参考

18件
出典・参考
  • ディー・エヌ・エー 有価証券報告書(2020年3月期・連結)
  • DeNA 2021年3月期 決算説明会 質疑応答
  • DeNA 統合報告書 2022(2022年3月期)
  • DeNA 2022年3月期 決算説明会 質疑応答
  • DeNA 2023年3月期 決算説明会 質疑応答
  • DeNA 統合報告書 2024(2024年3月期)
  • DeNA 2024年3月期 第1四半期 決算説明会 質疑応答
  • ディー・エヌ・エー 有価証券報告書(2024年3月期・連結)
  • DeNA 2024年3月期 決算説明会 質疑応答
  • DeNA 統合報告書 2025(2025年3月期)
  • DeNA 2025年3月期 決算説明会 質疑応答
  • ディー・エヌ・エー 有価証券報告書(2025年3月期・連結)
  • DeNA 2026年3月期 第2四半期 決算説明会 質疑応答
  • DeNA 統合報告書 2026(2026年3月期)
  • ディー・エヌ・エー 有価証券報告書(2026年3月期・連結)
  • DeNA 2026年3月期 決算説明会 質疑応答
  • ディー・エヌ・エー 適時開示「代表取締役の異動に関するお知らせ」(2021年2月9日)
  • ディー・エヌ・エー 適時開示「役員人事に関するお知らせ」(2026年5月12日)

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