DeNAの創業期はオークション事業「ビッターズ」でヤフオクに対抗したが、ネットワーク効果の差を覆せず市場シェアの獲得には至らなかった。しかし、インターネットバブル期に実施した2度の資金調達で確保した現金と、無借金経営の維持により、事業撤退ではなく再選択が可能な財務余力を残した。バ…
DeNAのモバイル転換は、ヤフオクに対するPC向けオークションでの敗北が背景にある。既存事業の成長が頭打ちとなったことで、モバイル領域という新たな競争軸への移行が経営上の必然となった。大手が未参入のモバイル市場にいち早くリソースを集中させた判断は、後のモバゲーやソーシャルゲーム事…
KDDIとの提携は、DeNAが自社の利益率よりも携帯キャリアという流通チャネルの確保を優先した判断である。子会社を介したOEM供給モデルは利益の一部移転を伴うが、キャリアの公式メニューからの集客力を確保することで、モバイル領域での事業基盤を安定させた。コンテンツ事業者がキャリアと…
怪盗ロワイヤルのリリースは、DeNAが広告収入に依存した事業構造からアイテム課金を前提とするモバイルゲーム事業へと明確に舵を切った転換点であった。単一タイトルの商業的成果以上に、ユーザー間の競争と協力を課金動機に変換する設計思想と、外部決済に依存しない自社プラットフォーム上での収…
ngmocoの4億ドルでの買収は、DeNAが国内フィーチャーフォン向けソーシャルゲームの高収益モデルをそのまま海外に展開できないと認識し、現地企業の取り込みによって即時参入を図った意思決定であった。しかし、日本発の運営型ゲームモデルと米国のプロダクト志向型開発文化の間にはギャップ…
WelQ問題は、DeNAがスピードと実験を優先するベンチャー的意思決定様式を、医療・健康情報という公共性の高い領域にそのまま適用した結果として顕在化した。第三者委員会は「永久ベンチャー」というスローガンが事業拡大の免罪符として機能していた点を指摘しており、成長フェーズの延長線上で…
DeNAが掲げた新規事業への80億円投資は、ゲーム事業への収益依存から脱却する意思を明確にした施策であった。ライブ配信・オートモーティブ・ヘルスケアの3領域に分散投資する方針は、特定事業への集中リスクを回避する狙いがあったが、いずれの領域もゲーム事業に匹敵する収益規模には到達しな…
2021年の社長交代は、DeNAがベンチャー的な意思決定様式と成長期に膨張した組織規模を維持したまま、新たな収益軸を確立できずにいた現実を突き付けた出来事であった。ゲーム事業の成熟、海外展開の頓挫、新規事業の収益化遅延が重なり、成長を前提とした固定費構造と実態の収益水準との乖離が…