楽天グループ:従量課金制への移行と証券・カード・球団への多角化
月商連動課金からDLJ証券買収による三領域統合へ
2002年〜不動産型からフランチャイズ型への料金転換
2002年2月、楽天は1997年以来の固定5万円制を改め、月商100万円を超える店舗にシステム利用料を上乗せする従量課金へ移ると発表した。場所を固定料金で貸す不動産型から、出店者の売上に連動して収益を得るフランチャイズ型へ営業を切り替える転換であり、三木谷浩史氏自身が2002年7月から営業本部長を兼務して自ら営業を指揮した。制度変更には特命チームによる約1年のシミュレーションが先立っており、三木谷浩史氏は『創業当時から、固定料金制はいずれ改める必要があると思っていた。仮に出店者数が半分になってもやり通す覚悟だった』と当時の判断を語っている。営業部門は新規開拓から出店済み店舗のコンサルティングへ組み替えられ、電子商取引コンサルタント1人が150社前後を担当し、社員約290人のうち約60人がこの業務を担った。料金体系を組み替えた2002年12月期の連結売上高は98億円、経常利益は22億円だった。
- 日経ビジネス(2003年2月10日)
- [1]2002年2月21日 新料金体系を発表(月商100万円超にシステム利用料を上乗せ)
- [2]場所貸しの不動産型から売上連動のフランチャイズ型への営業転換
- [3]三木谷浩史氏 2002年7月から営業本部長を兼務
- [4]料金制度変更をシミュレーションする特命チームを設置し約1年検討
- [5]電子商取引コンサルタント1人当たり担当150社前後・社員約290人のうち約60人が従事
- 楽天グループ 有価証券報告書 第6期(2002年12月期)【主要な経営指標等の推移】
- [6]2002年12月期 連結売上高98億円・経常利益22億円
新料金の適用は2002年4月、初課金は5月で、その5月は退店数が出店数を58件上回ったものの、6月以降は純増が続いた。消費不況が続くなかでも楽天市場の取引総額は2001年の523億円から2002年に約4割増の750億円へ伸び、東京・銀座の百貨店に匹敵する規模へ達した。出店数も2003年1月に6150店まで増えている。2003年12月期の連結売上高は181億円、経常利益は44億円と前期からほぼ倍増した。料金体系の変更は、出店の流れを止めなかった。
- 日経ビジネス(2003年2月10日)
- [7]新料金の適用は2002年4月・初課金は同年5月
- [8]2002年5月は退店が出店を58件上回り、以降は純増が継続
- [9]楽天市場の取引総額 2001年523億円→2002年750億円(約4割増)
- [10]2002年の取引総額は東京・銀座の百貨店に匹敵する規模(消費不況下での伸び)
- [11]2003年1月23日時点の楽天市場出店数 6150店
- 楽天グループ 有価証券報告書 第7期(2003年12月期)【主要な経営指標等の推移】
- [12]2003年12月期 連結売上高181億円・経常利益44億円
2002年11月、楽天は『楽天スーパーポイント』の提供を始めた。三木谷浩史氏は航空会社のマイレージを引き合いに、ネット上ならそれ以上の仕掛けが組めるとみて、全日本空輸のマイレージやクレジットカード会社のポイント制度との交換を進めた。グループの複数のサービスを使うと獲得数が2倍3倍に増える設計を用意し、証券口座を開設してもポイントがたまるようにした。狙いは、買い集めた事業の間で利用者を相互に行き来させ、相乗効果を生むことにあった。当時の楽天は2200万人の利用者を抱えており、三木谷浩史氏はこの顧客の記録を生かした事業が大きく伸びるとみていた。ポイントは会員の識別子を事業の間で共通にする仕掛けであり、のちに経済圏と呼ばれる構造の原型がここで据えられた。
- 楽天グループ 有価証券報告書 第29期(2025年12月期)【沿革】
- [13]2002年11月 『楽天スーパーポイント(現楽天ポイント)』のサービスを開始
- 日経ビジネス(2003年12月22日)
- [14]三木谷浩史氏「航空会社はマイレージで成功しているが、ネットだとそれ以上にいろいろな仕掛けができる」
- [15]全日本空輸のマイレージサービスやクレジットカード会社のポイントプログラムと提携
- [16]楽天グループの複数サービスを使うとポイント獲得数が2倍・3倍に増える仕組みを用意
- [17]DLJ(現楽天証券)で口座を開設するとポイントがたまるサービスを開始予定
- [18]ポイントで買収した複数のサービス間で相互にユーザーを行き来させ、相乗効果を生み出す狙い
- [19]2003年12月時点の楽天の利用者 2200万人
- [20]膨大な顧客データベースを生かした事業は大きく成長していくという三木谷浩史氏の見通し
参考文献[1]-[20]
- 日経ビジネス(2003年2月10日)
- [1]2002年2月21日 新料金体系を発表(月商100万円超にシステム利用料を上乗せ)
- [2]場所貸しの不動産型から売上連動のフランチャイズ型への営業転換
- [3]三木谷浩史氏 2002年7月から営業本部長を兼務
- [4]料金制度変更をシミュレーションする特命チームを設置し約1年検討
- [5]電子商取引コンサルタント1人当たり担当150社前後・社員約290人のうち約60人が従事
- [7]新料金の適用は2002年4月・初課金は同年5月
- [8]2002年5月は退店が出店を58件上回り、以降は純増が継続
- [9]楽天市場の取引総額 2001年523億円→2002年750億円(約4割増)
- [10]2002年の取引総額は東京・銀座の百貨店に匹敵する規模(消費不況下での伸び)
- [11]2003年1月23日時点の楽天市場出店数 6150店
- 楽天グループ 有価証券報告書 第6期(2002年12月期)【主要な経営指標等の推移】
- [6]2002年12月期 連結売上高98億円・経常利益22億円
- 楽天グループ 有価証券報告書 第7期(2003年12月期)【主要な経営指標等の推移】
- [12]2003年12月期 連結売上高181億円・経常利益44億円
- 楽天グループ 有価証券報告書 第29期(2025年12月期)【沿革】
- [13]2002年11月 『楽天スーパーポイント(現楽天ポイント)』のサービスを開始
- 日経ビジネス(2003年12月22日)
- [14]三木谷浩史氏「航空会社はマイレージで成功しているが、ネットだとそれ以上にいろいろな仕掛けができる」
- [15]全日本空輸のマイレージサービスやクレジットカード会社のポイントプログラムと提携
- [16]楽天グループの複数サービスを使うとポイント獲得数が2倍・3倍に増える仕組みを用意
- [17]DLJ(現楽天証券)で口座を開設するとポイントがたまるサービスを開始予定
- [18]ポイントで買収した複数のサービス間で相互にユーザーを行き来させ、相乗効果を生み出す狙い
- [19]2003年12月時点の楽天の利用者 2200万人
- [20]膨大な顧客データベースを生かした事業は大きく成長していくという三木谷浩史氏の見通し
2003年〜経常利益1000億円の逆算と旅の窓口・DLJ証券の買収
この年に買収が続いた理由は、2003年12月に三木谷浩史氏が掲げた目標にある。5年後に経常利益1000億円を出すという目標である。一流企業を名乗るならその程度の規模が要るというのが同氏の以前からの考えだった。経常利益が1000億円を上回る日本の上場企業は当時30社ほどにすぎず、楽天の2003年1〜9月期の連結経常利益は27億7700万円と、目標とは桁が2つ違っていた。『私は、常に物事を逆算して考えるようにしている。どこでどれだけ稼げばよいか、既に明確になっている。経常利益1000億円は絶対に達成できる』と語った三木谷浩史氏は、全事業を前年比2倍のペースで3年から4年伸ばし続けることを目標とした。200億円から300億円の経常利益なら買収せずとも届くが、1000億円となると新たな収益源を複数加えなければならない、と同氏は判断していた。
- 日経ビジネス(2003年12月22日)
- [21]2003年12月 三木谷浩史氏「5年後には達成したい」(経常利益1000億円)
- [22]三木谷浩史氏「本当の一流企業の仲間入りをするには、それくらいの規模は必要だと、ずっと心の中で思っていた」
- [23]日本の株式上場企業で経常利益1000億円を超える会社は30社程度
- [24]2003年1〜9月期 楽天の連結経常利益 27億7,700万円
- [25]すべての事業で前年対比2倍の成長を今後3〜4年続けることを目標
- 日経ビジネス(2004年3月22日)
- [26]三木谷浩史氏 中長期目標に経常利益1000億円(金融業界を除く日本のトップ30社相当)
新規株式公開を控え、公開すれば時価総額1000億円程度と見込まれていたマイトリップ・ネットに三木谷浩史氏は以前から狙いを定め、現金で買い取る交渉をまとめた。楽天は2003年9月、宿泊予約サイト「旅の窓口」の運営会社である同社を子会社とし、11月には売りにたまたま出ていたディーエルジェイディレクト・エスエフジー証券も傘下に取り込んだ。買収額はどちらも300億円超で、12月9日の公募増資で集めた466億円がその資金となった。三木谷浩史氏は『金融分野なら絶対に勝てるという自信がある。ショッピング事業から始めて、それはそれですごいビジネス基盤になったが、今まではどうやって金融分野に進出したらよいか、ずっと考えていた』と述べ、12月1日には社内にパーソナルファイナンス事業準備室を設けて高額商品の割賦販売の検討に入っている。
- 日経ビジネス(2003年12月22日)
- [27]マイトリップ・ネットはIPOを予定しており公開すれば時価総額1000億円程度になったとみられたが、キャッシュで買う交渉をして好条件でまとめた
- [30]DLJについては「たまたま売りに出た案件で、非常にラッキーだった」
- [31]マイトリップ・ネット、DLJディレクトSFG証券はいずれも300億円を超える大型買収
- [32]2003年12月9日 公募増資で466億円を調達し、マイトリップとDLJの買収資金に充当
- [33]2003年12月1日 楽天内にパーソナルファイナンス事業準備室を設置。主に高額商品の割賦販売などを手がける予定
- 楽天グループ 有価証券報告書 第29期(2025年12月期)【沿革】
- [28]2003年9月 宿泊予約サイトを運営するマイトリップ・ネット㈱を子会社化
- [29]2003年11月 ディーエルジェイディレクト・エスエフジー証券㈱(現楽天証券㈱)を子会社化
2003年に三木谷浩史氏が買った宿泊予約も証券取引も、商品の仕入れも在庫も配送も伴わない事業だった。三木谷浩史氏は在庫を持たないノータッチモデルを選好し、物流を抱える事業を避けた。短期間に600億円強を投じた連続買収でショッピング・旅行・金融の三領域が揃い、買収の絵柄の大きな部分が埋まった。総取扱高は2003年10〜12月期に422億円へ伸び、前年同期比で76%増えた。2004年12月期の連結売上高は455億円と前期の2.5倍に達した。物流を持たない事業に限って買うことで、楽天は運営へ深く入らずに規模を積み増せた。
- 日経ビジネス(2004年3月22日)
- [34]旅行・証券は物流を伴わない事業
- [35]三木谷浩史氏「在庫を持たない『ノータッチモデル』が好きですね」。物流・在庫を伴わない事業を集める選好
- [36]旅の窓口・DLJ証券の連続買収 投資規模600億円強
- [37]三木谷浩史氏 金融・旅行への進出で買収のパズルの大きな部分が埋まったと発言
- [38]ショッピングモール等の総取扱高 2003年10〜12月期422億円(前年同期比76%増)
- 楽天グループ 有価証券報告書 第8期(2004年12月期)【主要な経営指標等の推移】
- [39]2004年12月期 連結売上高455億円(2003年12月期181億円)
参考文献[21]-[39]
- 日経ビジネス(2003年12月22日)
- [21]2003年12月 三木谷浩史氏「5年後には達成したい」(経常利益1000億円)
- [22]三木谷浩史氏「本当の一流企業の仲間入りをするには、それくらいの規模は必要だと、ずっと心の中で思っていた」
- [23]日本の株式上場企業で経常利益1000億円を超える会社は30社程度
- [24]2003年1〜9月期 楽天の連結経常利益 27億7,700万円
- [25]すべての事業で前年対比2倍の成長を今後3〜4年続けることを目標
- [27]マイトリップ・ネットはIPOを予定しており公開すれば時価総額1000億円程度になったとみられたが、キャッシュで買う交渉をして好条件でまとめた
- [30]DLJについては「たまたま売りに出た案件で、非常にラッキーだった」
- [31]マイトリップ・ネット、DLJディレクトSFG証券はいずれも300億円を超える大型買収
- [32]2003年12月9日 公募増資で466億円を調達し、マイトリップとDLJの買収資金に充当
- [33]2003年12月1日 楽天内にパーソナルファイナンス事業準備室を設置。主に高額商品の割賦販売などを手がける予定
- 日経ビジネス(2004年3月22日)
- [26]三木谷浩史氏 中長期目標に経常利益1000億円(金融業界を除く日本のトップ30社相当)
- [34]旅行・証券は物流を伴わない事業
- [35]三木谷浩史氏「在庫を持たない『ノータッチモデル』が好きですね」。物流・在庫を伴わない事業を集める選好
- [36]旅の窓口・DLJ証券の連続買収 投資規模600億円強
- [37]三木谷浩史氏 金融・旅行への進出で買収のパズルの大きな部分が埋まったと発言
- [38]ショッピングモール等の総取扱高 2003年10〜12月期422億円(前年同期比76%増)
- 楽天グループ 有価証券報告書 第29期(2025年12月期)【沿革】
- [28]2003年9月 宿泊予約サイトを運営するマイトリップ・ネット㈱を子会社化
- [29]2003年11月 ディーエルジェイディレクト・エスエフジー証券㈱(現楽天証券㈱)を子会社化
- 楽天グループ 有価証券報告書 第8期(2004年12月期)【主要な経営指標等の推移】
- [39]2004年12月期 連結売上高455億円(2003年12月期181億円)
2004年〜あおぞらカードと球団への投資が招いた金融化と初の赤字
2004年8月27日、楽天は株式会社あおぞらカードの株式を譲り受けることで基本合意した。モール・旅行・証券に続く決済と個人与信を外部提携に委ねず自前で持つための取得で、取得額は74億円、同年9月に子会社化した。翌月の9月24日には日本プロフェッショナル野球組織へ加盟を申請し、11月に東北楽天ゴールデンイーグルスの新規参入が承認された。球団の経営は赤字が確実とみられていたが、楽天は全国的な知名度と商標への投資と位置づけ、公募増資で得た資金を球団の設立に充てた。12月にはジャスダック証券取引所へ上場している。
- 楽天 プレスリリース(2004年8月27日)「株式会社あおぞらカードの株式譲受について基本合意」
- [40]2004年8月27日 株式会社あおぞらカードの株式譲受について基本合意
- 楽天 有価証券報告書(2004年12月期・連結)
- [41]あおぞらカードの取得額 74億円
- [45]赤字必至とされた球団経営を全国的な知名度とブランドへの投資と位置づけ、公募増資で得た資金を球団設立に充当
- 楽天グループ 有価証券報告書 第29期(2025年12月期)【沿革】
- [42]2004年9月 ㈱あおぞらカード(現楽天カード㈱)を子会社化
- [44]2004年11月 日本プロフェッショナル野球組織による「東北楽天ゴールデンイーグルス」新規参入承認
- [46]2004年12月 ㈱ジャスダック証券取引所に上場
- 楽天 プレスリリース(2004年9月24日)「日本プロフェッショナル野球組織への加盟申請について」
- [43]2004年9月24日 日本プロフェッショナル野球組織への加盟申請
2004年に入ると、楽天はネット証券のカブドットコム証券の買収を大株主へ打診した。同じ相手にはソフトバンク・インベストメントを率いる北尾吉孝氏とCSKも接近しており、少なくとも3社が交渉の席に着いた。ネット証券は株式委託手数料の引き下げ競争が激しく、消耗戦の様相を強めていた。楽天が前年11月に子会社としたディーエルジェイディレクト・エスエフジー証券は、預かり資産で業界4位の位置にあった。そこへ同年3月、マネックス証券と日興ビーンズ証券が経営統合を公表し、両社を合わせた預かり資産は1兆1000億円を上回って首位に立つ見込みとなった。規模の面での見劣りは明らかだった。売り手にも抵抗感が残っていた。その証券会社は元は三井住友銀行グループに属しており、楽天は株式の過半を握ることを求めていたからである。
- 日経ビジネス(2004年4月5日)
- [47]2004年に入り楽天がカブドットコム証券の大株主(UFJグループ・伊藤忠商事)へ買収を打診
- [48]ソフトバンク・インベストメント(北尾吉孝氏)・楽天・CSKを含め少なくとも3社がカブドットコム証券の交渉のテーブルに着いた
- [49]ネット証券は株式委託手数料の引き下げ競争が激しく、体力勝負の消耗戦に突入しつつあった
- [50]DLJディレクトSFG証券は預かり資産で業界4位(2003年12月末 3,136億円)
- [51]2004年3月 マネックス証券と日興ビーンズ証券が経営統合を発表。持株会社は預かり資産1兆1000億円超で首位に浮上
- [52]ソフトバンクと楽天は少なくとも過半の株式取得を求め、UFJ・伊藤忠双方の内部で抵抗感が強かった。楽天に売る場合は傘下のDLJがもともと三井住友銀行系である点も懸念された
連結総資産は2004年12月期の3075億円から2005年12月期に1兆6577億円へ膨らみ、同期の連結売上高は1297億円、当期純利益は194億円、従業員は3709人となった。2007年8月にはIP電話事業のフュージョン・コミュニケーションズを子会社化し、2008年9月にはイーバンク銀行の優先株式66万6000株を199億8000万円で引き受けて取締役4名を送り、翌2009年2月に議決権48.69%で連結子会社とした。しかし2008年12月期は海外のテレビ通販事業などの減損で特別損失809億円を計上し、549億円の純損失となって創業以来初の赤字に陥った。買い集めた事業は、伸びだけでなく損失も同じ連結へ持ち込んだ。
- 楽天グループ 有価証券報告書 第9期(2005年12月期)【主要な経営指標等の推移】
- [53]連結総資産 2004年12月期3075億円→2005年12月期1兆6577億円
- [54]2005年12月期 連結売上高1297億円・当期純利益194億円
- [55]2005年12月期 従業員数 3,709人
- 楽天グループ 有価証券報告書 第29期(2025年12月期)【沿革】
- [56]2007年8月 IP電話事業を運営するフュージョン・コミュニケーションズ㈱(現楽天コミュニケーションズ㈱)を子会社化
- 楽天株式会社「イーバンク銀行株式会社の第三者割当増資引受に関するお知らせ」(2008年9月4日)
- [57]2008年9月 イーバンク銀行の優先株式666,000株を総額199億8,000万円で引受・取締役4名を派遣
- 楽天株式会社「イーバンク銀行株式会社の連結子会社化について」(2009年2月10日)
- [58]2009年2月 主要株主認可を得て優先株を普通株へ転換し議決権48.69%で連結子会社化
- 楽天グループ 有価証券報告書 第12期(2008年12月期)【主要な経営指標等の推移】
- [59]2008年12月期 特別損失809億円(海外テレビショッピング事業等の減損)
- [60]2008年12月期 親会社株主に帰属する当期純損失549億円(創業以来初の赤字)
参考文献[40]-[60]
- 楽天 プレスリリース(2004年8月27日)「株式会社あおぞらカードの株式譲受について基本合意」
- [40]2004年8月27日 株式会社あおぞらカードの株式譲受について基本合意
- 楽天 有価証券報告書(2004年12月期・連結)
- [41]あおぞらカードの取得額 74億円
- [45]赤字必至とされた球団経営を全国的な知名度とブランドへの投資と位置づけ、公募増資で得た資金を球団設立に充当
- 楽天グループ 有価証券報告書 第29期(2025年12月期)【沿革】
- [42]2004年9月 ㈱あおぞらカード(現楽天カード㈱)を子会社化
- [44]2004年11月 日本プロフェッショナル野球組織による「東北楽天ゴールデンイーグルス」新規参入承認
- [46]2004年12月 ㈱ジャスダック証券取引所に上場
- [56]2007年8月 IP電話事業を運営するフュージョン・コミュニケーションズ㈱(現楽天コミュニケーションズ㈱)を子会社化
- 楽天 プレスリリース(2004年9月24日)「日本プロフェッショナル野球組織への加盟申請について」
- [43]2004年9月24日 日本プロフェッショナル野球組織への加盟申請
- 日経ビジネス(2004年4月5日)
- [47]2004年に入り楽天がカブドットコム証券の大株主(UFJグループ・伊藤忠商事)へ買収を打診
- [48]ソフトバンク・インベストメント(北尾吉孝氏)・楽天・CSKを含め少なくとも3社がカブドットコム証券の交渉のテーブルに着いた
- [49]ネット証券は株式委託手数料の引き下げ競争が激しく、体力勝負の消耗戦に突入しつつあった
- [50]DLJディレクトSFG証券は預かり資産で業界4位(2003年12月末 3,136億円)
- [51]2004年3月 マネックス証券と日興ビーンズ証券が経営統合を発表。持株会社は預かり資産1兆1000億円超で首位に浮上
- [52]ソフトバンクと楽天は少なくとも過半の株式取得を求め、UFJ・伊藤忠双方の内部で抵抗感が強かった。楽天に売る場合は傘下のDLJがもともと三井住友銀行系である点も懸念された
- 楽天グループ 有価証券報告書 第9期(2005年12月期)【主要な経営指標等の推移】
- [53]連結総資産 2004年12月期3075億円→2005年12月期1兆6577億円
- [54]2005年12月期 連結売上高1297億円・当期純利益194億円
- [55]2005年12月期 従業員数 3,709人
- 楽天株式会社「イーバンク銀行株式会社の第三者割当増資引受に関するお知らせ」(2008年9月4日)
- [57]2008年9月 イーバンク銀行の優先株式666,000株を総額199億8,000万円で引受・取締役4名を派遣
- 楽天株式会社「イーバンク銀行株式会社の連結子会社化について」(2009年2月10日)
- [58]2009年2月 主要株主認可を得て優先株を普通株へ転換し議決権48.69%で連結子会社化
- 楽天グループ 有価証券報告書 第12期(2008年12月期)【主要な経営指標等の推移】
- [59]2008年12月期 特別損失809億円(海外テレビショッピング事業等の減損)
- [60]2008年12月期 親会社株主に帰属する当期純損失549億円(創業以来初の赤字)
筆者考察
2002年の料金改定は値上げではなく、課金の対象を替える判断だった。月5万円を場所の代金として受け取っていた楽天は、月商100万円を超える店から売上に応じて追加で受け取る方式へ移った。三木谷浩史氏がこれを不動産型からフランチャイズ型への転換と呼んだのは正確で、収入の源が店の数から店の商いの大きさへ移ったことを指している。出店者が半分になっても通すという覚悟が要ったのは、楽天の取り分が増えるからではない。楽天の収入が出店者の成績に連動する側へ移り、売れない店を放置できなくなるからである。営業部門が新規開拓から出店済みの店の指導へ組み替えられ、社員約290人のうち約60人が1人150社前後を受け持ったのは、その帰結だった。
収益が取引の量に連動しはじめると、次に効くのは取引の種類を増やすことである。2003年に買った旅の窓口とDLJディレクトSFG証券は、どちらも在庫も配送も持たない事業で、楽天が既に持っていた課金の型をそのまま当てられた。三木谷浩史氏が経常利益1000億円を逆算で置き、5年で10倍と言い切れたのは、伸ばすべき変数が会員数と取引額の2つに絞られていたからである。もっとも、証券と与信を抱えた会社は連結総資産を1年で5倍に膨らませ、2008年には海外事業の減損で549億円の純損失を出した。取引の場を広げる戦略は、他人の商いを預かる事業の損失も同じ連結へ載せることだった。
2002年〜2008年の業績
| 決算期 | 区分 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 | 主な投資 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 億円 | YoY | 億円 | 利益率 | 億円 | 億円 | |||
| 2002年12月期 | 連結 | 98 | n/a | n/a | n/a | 22 | n/a | n/a |
| 2003年12月期 | 連結 | 180 | +83.7% | n/a | n/a | 44 | n/a | n/a |
| 2004年12月期 | 連結 | 455 | +152.8% | n/a | n/a | 155 | n/a | n/a |
| 2005年12月期 | 連結 | 1,297 | +185.1% | 349 | 26.9% | 358 | 194 | 「楽天技術研究所」を東京に開設(2005/12) |
| 2006年12月期 | 連結 | 2,032 | +56.7% | 291 | 14.3% | 304 | 27 | n/a |
| 2007年12月期 | 連結 | 2,139 | +5.3% | 1 | 0.0% | 24 | 368 | n/a |
| 2008年12月期 | 連結 | 2,498 | +16.8% | 472 | 18.9% | 445 | ▲549 | n/a |
出所:有価証券報告書
出典・参考
15件
- 楽天グループ 有価証券報告書 第6期(2002年12月期)【主要な経営指標等の推移】
- 楽天グループ 有価証券報告書 第7期(2003年12月期)【主要な経営指標等の推移】
- 楽天グループ 有価証券報告書 第8期(2004年12月期)【主要な経営指標等の推移】
- 楽天 プレスリリース(2004年8月27日)「株式会社あおぞらカードの株式譲受について基本合意」
- 楽天 有価証券報告書(2004年12月期・連結)
- 楽天 プレスリリース(2004年9月24日)「日本プロフェッショナル野球組織への加盟申請について」
- 楽天グループ 有価証券報告書 第9期(2005年12月期)【主要な経営指標等の推移】
- 楽天グループ 有価証券報告書 第12期(2008年12月期)【主要な経営指標等の推移】
- 楽天グループ 有価証券報告書 第29期(2025年12月期)【沿革】
- 日経ビジネス(2003年2月10日)
- 日経ビジネス(2003年12月22日)
- 日経ビジネス(2004年3月22日)
- 日経ビジネス(2004年4月5日)
- 楽天株式会社「イーバンク銀行株式会社の第三者割当増資引受に関するお知らせ」(2008年9月4日)
- 楽天株式会社「イーバンク銀行株式会社の連結子会社化について」(2009年2月10日)