第2章 年〜年

ベイカレント:江口新の退任とバイロン・HDによる旧ベイカレント買収

2014年の経常赤字による210億円のMBO

2007年〜増勢の停止による年商表示の取り下げと、直近1期の売上高への差し替え

人員も文面も据え置く

2007年5月に742名だった従業員は、9か月後の2008年2月現在で762名にとどまり、増えたのは20名であった。2009年2月に採取された会社概要も、従業員欄に2008年2月現在の762名をそのまま掲げていた。事業内容欄の文言も、経営とITに関するコンサルティング、システムインテグレーション及びアウトソーシングという並びから動かなかった。資本金1億円・決算期2月・主要取引銀行三菱東京UFJ銀行という会社の輪郭も同じままであった。代表挨拶の本文も、商号変更を決意として語る2007年の文面が2010年10月の採取版まで一字も改まらずに載り続けた。社名を上流へ掛け替えた会社は、掲げる中身も見せる数字も数年のあいだ据え置いた。

  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2007年5月時点)
    • [1]2007年5月20日時点の会社概要は従業員を742名(2007年5月現在)と記していた
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2008年7月時点)
    • [2]2008年7月14日時点の会社概要は従業員を762名(2008年2月現在)と記していた
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2009年2月時点)
    • [3]2009年2月25日時点の会社概要も従業員を762名(2008年2月現在)と記していた
    • [4]2009年2月25日時点の会社概要の事業内容欄は、経営とITに関するコンサルティング、システムインテグレーション及びアウトソーシングと記していた
    • [5]2009年2月25日時点の会社概要は資本金1億円、決算期2月、主要取引銀行を三菱東京UFJ銀行と記していた
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「代表挨拶」(2010年10月時点)
    • [6]2010年10月25日時点の代表挨拶の本文は、2007年1月6日時点の文面と同一であった
沿革から年商を消す

2007年時点の沿革は、1998年の藤沢での創業から2006年の新宿NSビル5階への拡張までを、移転先と年商の対で並べた年表であった。1999年の初台移転に年商4億円、2002年の新宿NSビルへの移転に17億円、2006年のフロア拡大に55億円が添えられた。同じ形式は2008年6月の採取版まで残った。ところが2010年3月に採取された沿革からは年商の記載がすべて消え、同年10月には併載されていた売上グラフの画像も外れた。年ごとに増える数字を移転の記録へ組み込む見せ方は、増加が止まれば逆に働く。

  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「沿革」(2007年5月時点)
    • [7]2007年時点の沿革は1998年の藤沢での創業から2007年の商号変更までを年表の形で並べていた
    • [8]沿革の年表には1999年初台移転に年商4億、2002年新宿NSビル移転に年商17億、2006年新宿NSビル5Fへのフロア拡大に年商55億が併記されていた
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「沿革」(2008年6月時点)
    • [9]2008年6月13日時点の沿革も各年に年商を併記した年表のままであった
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「沿革」(2010年3月時点)
    • [10]2010年3月9日時点の沿革の年表からは各年の年商の記載が失われた
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「沿革」(2010年10月時点)
    • [11]2010年10月25日時点の沿革からは併載されていた売上グラフの画像が外れた
会社概要に売上高と役員を掲げ直す

2010年10月に採取された会社概要には、それまで無かった売上高欄が加わり、8,900,662千円(2009年度実績)と記された。同じ改訂で役員欄も新設され、代表取締役の江口新氏のもとに執行役員5名の氏名が並んだ。従業員は2010年2月現在で960名に達していた。もっとも、リーマン・ショック後にはコンサルティングの需要が減り、ベイカレントの売上は2011年2月期にかけて成長が低迷した。翌2011年11月の会社概要が掲げた2010年度実績は9,751,264千円で、1年間の増加は8億5,000万円ほどにとどまった。年ごとの伸びを示す年表を下ろし、直近1期の売上高と経営陣の名を掲げる形へ、会社の自己紹介は入れ替わった。

  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2010年10月時点)
    • [12]2010年10月25日時点の会社概要は売上高を8,900,662千円(2009年度実績)と記していた
    • [13]2010年10月25日時点の会社概要に役員欄が新設され、代表取締役江口新のもとに執行役員5名が並んだ
    • [14]2010年10月25日時点の会社概要は従業員を960名(10年2月現在)と記していた
  • 株式会社ベイカレント・コンサルティング 新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)
    • [15]リーマンショック後にコンサルティング需要が減少し、2011年2月期にかけて売上の成長が低迷した
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2011年11月時点)
    • [16]2011年11月1日時点の会社概要は売上高を9,751,264千円(2010年度実績)と記していた
参考文献[1]-[16]
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2007年5月時点)
    • [1]2007年5月20日時点の会社概要は従業員を742名(2007年5月現在)と記していた
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2008年7月時点)
    • [2]2008年7月14日時点の会社概要は従業員を762名(2008年2月現在)と記していた
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2009年2月時点)
    • [3]2009年2月25日時点の会社概要も従業員を762名(2008年2月現在)と記していた
    • [4]2009年2月25日時点の会社概要の事業内容欄は、経営とITに関するコンサルティング、システムインテグレーション及びアウトソーシングと記していた
    • [5]2009年2月25日時点の会社概要は資本金1億円、決算期2月、主要取引銀行を三菱東京UFJ銀行と記していた
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「代表挨拶」(2010年10月時点)
    • [6]2010年10月25日時点の代表挨拶の本文は、2007年1月6日時点の文面と同一であった
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「沿革」(2007年5月時点)
    • [7]2007年時点の沿革は1998年の藤沢での創業から2007年の商号変更までを年表の形で並べていた
    • [8]沿革の年表には1999年初台移転に年商4億、2002年新宿NSビル移転に年商17億、2006年新宿NSビル5Fへのフロア拡大に年商55億が併記されていた
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「沿革」(2008年6月時点)
    • [9]2008年6月13日時点の沿革も各年に年商を併記した年表のままであった
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「沿革」(2010年3月時点)
    • [10]2010年3月9日時点の沿革の年表からは各年の年商の記載が失われた
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「沿革」(2010年10月時点)
    • [11]2010年10月25日時点の沿革からは併載されていた売上グラフの画像が外れた
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2010年10月時点)
    • [12]2010年10月25日時点の会社概要は売上高を8,900,662千円(2009年度実績)と記していた
    • [13]2010年10月25日時点の会社概要に役員欄が新設され、代表取締役江口新のもとに執行役員5名が並んだ
    • [14]2010年10月25日時点の会社概要は従業員を960名(10年2月現在)と記していた
  • 株式会社ベイカレント・コンサルティング 新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)
    • [15]リーマンショック後にコンサルティング需要が減少し、2011年2月期にかけて売上の成長が低迷した
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2011年11月時点)
    • [16]2011年11月1日時点の会社概要は売上高を9,751,264千円(2010年度実績)と記していた

2011年〜下流の語を落とした自己説明の書き換えと、マッキンゼー出身の萩平和巳の登用

アウトソーシングの一節を落とす

2011年8月に採取された代表挨拶から、2007年以来載り続けてきた一節が落ちた。ITシステムの構築・運用・保守などのアウトソーシング領域まで一貫して担えるという記述が消えた。残ったのは、戦略の立案からトータルでサービスを提供できるという書き方であった。会社概要の事業内容欄も同年11月に、経営とITに関するコンサルティングから経営・業務とITに関するコンサルティングへ改まった。2012年4月には、システム導入の語がSIの2文字へ置き換わった。上流の工程を前へ出し、下流の工程を語の上で後退させる書き換えが、1年のうちに複数の頁で起きた。

  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「代表挨拶」(2011年8月時点)
    • [17]2011年8月26日時点の代表挨拶の本文は、2007年1月以来同一であった文面から一節が減っていた
    • [18]2011年8月26日時点の代表挨拶からは、ITシステムの構築・運用・保守などのアウトソーシング領域までという記述が失われた
    • [19]2011年8月26日時点の代表挨拶は競争優位の説明を、問題解決に向けた戦略の立案からトータルでプロフェッショナルなサービスを提供できることとしていた
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2011年11月時点)
    • [20]2011年11月1日時点の会社概要の事業内容欄は、経営・業務とITに関するコンサルティング、システム導入およびアウトソーシングと記していた
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2012年4月時点)
    • [21]2012年4月29日時点の会社概要の事業内容欄は、経営・業務とITに関するコンサルティング、SIおよびアウトソーシングと記していた
沿革の頁を海外拠点へ差し替える

2011年10月、沿革を載せていた頁がグローバルコンサルティングNWへ差し替えられた。世界地図の上に、2011年8月24日時点の拠点が示された。同年11月の組織図には、代表取締役の下に欧州拠点・米国拠点・アジア拠点(準備中)・中国拠点(準備中)の4行が置かれた。トップページ左の導線も、前年10月の沿革(history)から海外拠点(Global Network)へ入れ替わった。従業員はこの間に、2010年2月の960名から2011年2月の888名、2012年2月の856名へと2年で104名減った。藤沢での創業から移転を重ねた来歴を見せる頁は、こうして公式サイトから外れた。

  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「沿革」(2011年10月2日採取・グローバルコンサルティングNWへ差し替え)
    • [22]2011年10月2日時点で沿革のURLはグローバルコンサルティングNWへ差し替わっていた
    • [23]グローバルコンサルティングNWの頁には2011年8月24日時点の拠点を示す世界地図が掲げられた
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「組織図」(2011年11月時点)
    • [24]2011年11月10日時点の組織図には代表取締役の下に欧州拠点・米国拠点・アジア拠点(準備中)・中国拠点(準備中)の4行が置かれた
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト トップページ(2011年12月時点)
    • [25]2010年10月26日時点のトップページの導線は沿革(history)であったが、2011年12月6日時点では海外拠点(Global Network)へ替わった
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2012年4月時点)
    • [26]従業員は960名(2010年2月現在)、888名(2011年2月現在)、856名(2012年2月現在)と推移した
マッキンゼー出身者に社長を譲る

萩平和巳氏の名が会社概要に現れるのは、2011年11月の採取版が最初である。前年10月の役員欄と比べると、執行役員5名のうち長谷川洋司氏と三浦大地氏の名が消え、萩平氏の名が加わっていた。萩平氏は京都大学で情報工学を修め、三菱商事のIT部門で戦略IT事業会社の立ち上げに携わった。マッキンゼー・アンド・カンパニーでBTO部門の日本共同代表を務めたのち、2011年5月に入社した。2012年3月、創業者の江口新氏が社長を退き、萩平氏が代表取締役社長に就いた。直前の2012年2月期は、売上高101億円に対して経常利益が4億8,000万円で、売上高経常利益率は5%に満たなかった。商号変更前の2006年2月期の売上高37億7,800万円から6年で2.7倍に伸びた規模に、利益率は伴っていなかった。

  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2011年11月時点)
    • [27]2011年11月1日時点の会社概要の役員欄に執行役員として萩平和巳の名が記された
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2010年10月時点)
    • [28]2010年10月25日時点の執行役員は阿部義之・朝日竜樹・長谷川洋司・南部光良・三浦大地の5名であった
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「代表挨拶」(2012年6月時点)
    • [29]萩平和巳氏は京都大学にて情報工学を修了し、三菱商事のIT部門で戦略IT事業会社の立ち上げに携わった
    • [30]萩平和巳氏はマッキンゼー&カンパニーBTO日本共同代表を経て2011年にベイカレント・コンサルティングへ入社した
  • 株式会社ベイカレント・コンサルティング 新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)
    • [31]2012年3月に創業者の江口新氏が社長を退任し、萩平和巳氏が社長に就任した
    • [32]2012年2月期の売上高は101億円、経常利益は4億8,000万円で、売上高経常利益率は5%に満たなかった
  • ベイカレント・コンサルティング 求人情報(@type 掲載、2007年1月)
    • [33]2006年2月期の売上高は37億7,800万円であった
参考文献[17]-[33]
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「代表挨拶」(2011年8月時点)
    • [17]2011年8月26日時点の代表挨拶の本文は、2007年1月以来同一であった文面から一節が減っていた
    • [18]2011年8月26日時点の代表挨拶からは、ITシステムの構築・運用・保守などのアウトソーシング領域までという記述が失われた
    • [19]2011年8月26日時点の代表挨拶は競争優位の説明を、問題解決に向けた戦略の立案からトータルでプロフェッショナルなサービスを提供できることとしていた
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2011年11月時点)
    • [20]2011年11月1日時点の会社概要の事業内容欄は、経営・業務とITに関するコンサルティング、システム導入およびアウトソーシングと記していた
    • [27]2011年11月1日時点の会社概要の役員欄に執行役員として萩平和巳の名が記された
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2012年4月時点)
    • [21]2012年4月29日時点の会社概要の事業内容欄は、経営・業務とITに関するコンサルティング、SIおよびアウトソーシングと記していた
    • [26]従業員は960名(2010年2月現在)、888名(2011年2月現在)、856名(2012年2月現在)と推移した
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「沿革」(2011年10月2日採取・グローバルコンサルティングNWへ差し替え)
    • [22]2011年10月2日時点で沿革のURLはグローバルコンサルティングNWへ差し替わっていた
    • [23]グローバルコンサルティングNWの頁には2011年8月24日時点の拠点を示す世界地図が掲げられた
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「組織図」(2011年11月時点)
    • [24]2011年11月10日時点の組織図には代表取締役の下に欧州拠点・米国拠点・アジア拠点(準備中)・中国拠点(準備中)の4行が置かれた
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト トップページ(2011年12月時点)
    • [25]2010年10月26日時点のトップページの導線は沿革(history)であったが、2011年12月6日時点では海外拠点(Global Network)へ替わった
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2010年10月時点)
    • [28]2010年10月25日時点の執行役員は阿部義之・朝日竜樹・長谷川洋司・南部光良・三浦大地の5名であった
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「代表挨拶」(2012年6月時点)
    • [29]萩平和巳氏は京都大学にて情報工学を修了し、三菱商事のIT部門で戦略IT事業会社の立ち上げに携わった
    • [30]萩平和巳氏はマッキンゼー&カンパニーBTO日本共同代表を経て2011年にベイカレント・コンサルティングへ入社した
  • 株式会社ベイカレント・コンサルティング 新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)
    • [31]2012年3月に創業者の江口新氏が社長を退任し、萩平和巳氏が社長に就任した
    • [32]2012年2月期の売上高は101億円、経常利益は4億8,000万円で、売上高経常利益率は5%に満たなかった
  • ベイカレント・コンサルティング 求人情報(@type 掲載、2007年1月)
    • [33]2006年2月期の売上高は37億7,800万円であった

2012年〜執行役員の総入れ替えでも残らない利益と、買収価格210億円による資本の組み替え

世界初の志を日本初へ書き改める

日本の代表的な企業が海外で成功を収めることへの貢献をうたい、『世界初の日系グローバルトップファームとなって、日本企業の世界での成功を支援したい』と掲げたのは、2012年6月に採取された代表挨拶である。その文面は、江口氏の3段落から萩平氏の長文へと全面的に改められていた。業界ごとの縦割り組織はなくすとした。シンガポール大学や北京大学と組んだ海外研修を、経営層が先頭に立って進めることも並べた。しかし同じ一節は、同年11月の採取版で日本初のグローバルトップファームへと改められている。提携先の大学名も、世界トップ校という表現へ置き換わった。11月の組織図からは、前年に置かれた4つの海外拠点の行が消えている。海外へ広げると掲げた志の射程は、半年のあいだに一段縮んだ。

  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「代表挨拶」(2012年6月時点)
    • [34]2012年6月25日時点の代表挨拶は、世界初の日系グローバルトップファームとなって日本企業の世界での成功を支援したいと掲げていた
    • [35]2012年6月25日時点の代表挨拶は代表取締役萩平和巳の名で全面的に書き改められ、日本の危機と機会からベイカレントの人財集団までの5節構成となった
    • [36]2012年6月25日時点の代表挨拶は、業界別の縦割り組織を廃すること、経営層が率先して全社員対象の英語研修やシンガポール大学・北京大学との提携による海外ビジネススクール研修を進めることを挙げていた
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「代表挨拶」(2012年11月時点)
    • [37]2012年11月5日時点の代表挨拶では、同じ一節が日本初のグローバルトップファームへと書き改められた
    • [38]2012年11月5日時点の代表挨拶では研修の記述からシンガポール大学・北京大学の名が消え、世界トップ校との提携という表現に替わった
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「組織図」(2012年11月時点)
    • [39]2012年11月3日時点の組織図には欧州拠点・米国拠点・アジア拠点・中国拠点の行が無い
執行役員を入れ替えても赤字を出す

2010年10月の会社概要は、執行役員として阿部義之・朝日竜樹・長谷川洋司・南部光良・三浦大地の5氏を並べていた。2013年8月の同じ欄で執行役員に残るのは阿部氏だけで、ほかは小塚裕史・山際龍太・関口諭の3氏へ入れ替わった。人員は2012年2月の856名を底に、2013年2月に880名、2014年2月に920名、2015年2月に1,052名へ戻った。売上高も2013年2月期112億円、2014年2月期118億円、2015年2月期140億円と伸びた。ただし2014年2月期は経常赤字であった。増員と増収が同時に進みながら利益が残らない形は、社長の交代を挟んでも変わっていない。

  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2010年10月時点)
    • [40]2010年10月25日時点の会社概要の執行役員は阿部義之・朝日竜樹・長谷川洋司・南部光良・三浦大地の5名であった
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2013年8月時点)
    • [41]2013年8月5日時点の会社概要の執行役員は阿部義之・小塚裕史・山際龍太・関口諭の4名であった
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2015年4月時点)
    • [42]従業員は856名(2012年2月現在)、880名(2013年)、920名(2014年)、1,052名(2015年)と推移した
    • [43]売上高は112億円(2013年2月期)、118億円(2014年2月期)、140億円(2015年2月期)と推移した
  • 株式会社ベイカレント・コンサルティング 新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)
    • [44]2014年2月期は経常赤字となった
ファンドと組んで自社を買収する

2014年4月、東京都港区にバイロン・ホールディングス株式会社が設立された。Sunrise Capitalを中心とする第三者割当増資で88億4,000万円が払い込まれ、江口新氏と萩平和巳氏も出資に加わった。同年6月、バイロンは旧ベイカレント・コンサルティングの全株式を取得して完全子会社とし、買収価格210億円に対してのれん188億円を計上した。増資で賄えない取得資金は金融機関からの長期借入でまかない、2015年2月末の自己資本比率は37.7%となった。同年8月には、本社を新宿区から東京都港区へ移した。10月にはバイロンが旧ベイカレント・コンサルティングを吸収合併し、同日付で商号を株式会社ベイカレント・コンサルティングへ改めた。

  • ベイカレント 有価証券報告書【沿革】
    • [45]2014年4月にバイロン・ホールディングス株式会社を東京都港区に設立した
    • [47]2014年6月にバイロン・ホールディングスが旧ベイカレント・コンサルティングの全株式を取得し完全子会社とした
    • [51]2014年8月に本社を東京都港区へ移転した
    • [52]2014年10月にバイロン・ホールディングスが旧ベイカレント・コンサルティングを吸収合併し、同日付で株式会社ベイカレント・コンサルティングへ商号変更した
  • 株式会社ベイカレント・コンサルティング 新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)
    • [46]Sunrise Capitalを中心とする第三者割当増資で88億4,000万円を調達し、江口新氏と萩平和巳氏も出資した
    • [48]買収価格は210億円で、のれん188億円を計上した
    • [49]第三者割当増資88億4,000万円を超える取得資金は金融機関からの長期借入でまかなわれた
    • [50]2015年2月末の自己資本比率は37.7%であった
事業内容からSIとアウトソーシングを外す

2015年4月の会社概要は、本社を東京都港区虎ノ門1丁目23-1 虎ノ門ヒルズ森タワー9階、主要取引銀行を三井住友銀行と記した。前年6月時点の新宿NSビル5階・三菱東京UFJ銀行から、居所と取引銀行が同時に替わり、執行役員は8名へ増えた。同年8月の会社概要では、常勤役員の欄が代表取締役社長・取締役4名・監査役1名と執行役員4名に組み替えられた。別に非常勤の社外取締役4名と社外監査役1名が加わった。事業内容欄からはSIおよびアウトソーシングの行が落ち、経営・業務とITに関するコンサルティングだけが残った。創業から17年にわたり掲げ続けた下流の工程は、会社が自分を説明する文面から消えた。

  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2015年4月時点)
    • [53]2015年4月20日時点の会社概要は所在地を東京都港区虎ノ門1丁目23-1 虎ノ門ヒルズ森タワー9階、主要取引銀行を三井住友銀行としていた
    • [55]2015年4月20日時点の会社概要には代表取締役社長のもとに執行役員8名が並んだ
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2014年6月時点)
    • [54]2014年6月25日時点の会社概要は所在地を東京都新宿区西新宿の新宿NSビル5F、主要取引銀行を三菱東京UFJ銀行としていた
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2015年8月時点)
    • [56]2015年8月26日時点の会社概要には常勤役員として代表取締役社長・取締役4名・監査役1名・執行役員4名が掲げられた
    • [57]2015年8月26日時点の会社概要には社外役員(非常勤)として社外取締役4名・社外監査役1名が掲げられた
    • [58]2015年8月26日時点の会社概要の事業内容欄は経営・業務とITに関するコンサルティングのみを記していた
参考文献[34]-[58]
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「代表挨拶」(2012年6月時点)
    • [34]2012年6月25日時点の代表挨拶は、世界初の日系グローバルトップファームとなって日本企業の世界での成功を支援したいと掲げていた
    • [35]2012年6月25日時点の代表挨拶は代表取締役萩平和巳の名で全面的に書き改められ、日本の危機と機会からベイカレントの人財集団までの5節構成となった
    • [36]2012年6月25日時点の代表挨拶は、業界別の縦割り組織を廃すること、経営層が率先して全社員対象の英語研修やシンガポール大学・北京大学との提携による海外ビジネススクール研修を進めることを挙げていた
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「代表挨拶」(2012年11月時点)
    • [37]2012年11月5日時点の代表挨拶では、同じ一節が日本初のグローバルトップファームへと書き改められた
    • [38]2012年11月5日時点の代表挨拶では研修の記述からシンガポール大学・北京大学の名が消え、世界トップ校との提携という表現に替わった
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「組織図」(2012年11月時点)
    • [39]2012年11月3日時点の組織図には欧州拠点・米国拠点・アジア拠点・中国拠点の行が無い
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2010年10月時点)
    • [40]2010年10月25日時点の会社概要の執行役員は阿部義之・朝日竜樹・長谷川洋司・南部光良・三浦大地の5名であった
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2013年8月時点)
    • [41]2013年8月5日時点の会社概要の執行役員は阿部義之・小塚裕史・山際龍太・関口諭の4名であった
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2015年4月時点)
    • [42]従業員は856名(2012年2月現在)、880名(2013年)、920名(2014年)、1,052名(2015年)と推移した
    • [43]売上高は112億円(2013年2月期)、118億円(2014年2月期)、140億円(2015年2月期)と推移した
    • [53]2015年4月20日時点の会社概要は所在地を東京都港区虎ノ門1丁目23-1 虎ノ門ヒルズ森タワー9階、主要取引銀行を三井住友銀行としていた
    • [55]2015年4月20日時点の会社概要には代表取締役社長のもとに執行役員8名が並んだ
  • 株式会社ベイカレント・コンサルティング 新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)
    • [44]2014年2月期は経常赤字となった
    • [46]Sunrise Capitalを中心とする第三者割当増資で88億4,000万円を調達し、江口新氏と萩平和巳氏も出資した
    • [48]買収価格は210億円で、のれん188億円を計上した
    • [49]第三者割当増資88億4,000万円を超える取得資金は金融機関からの長期借入でまかなわれた
    • [50]2015年2月末の自己資本比率は37.7%であった
  • ベイカレント 有価証券報告書【沿革】
    • [45]2014年4月にバイロン・ホールディングス株式会社を東京都港区に設立した
    • [47]2014年6月にバイロン・ホールディングスが旧ベイカレント・コンサルティングの全株式を取得し完全子会社とした
    • [51]2014年8月に本社を東京都港区へ移転した
    • [52]2014年10月にバイロン・ホールディングスが旧ベイカレント・コンサルティングを吸収合併し、同日付で株式会社ベイカレント・コンサルティングへ商号変更した
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2014年6月時点)
    • [54]2014年6月25日時点の会社概要は所在地を東京都新宿区西新宿の新宿NSビル5F、主要取引銀行を三菱東京UFJ銀行としていた
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2015年8月時点)
    • [56]2015年8月26日時点の会社概要には常勤役員として代表取締役社長・取締役4名・監査役1名・執行役員4名が掲げられた
    • [57]2015年8月26日時点の会社概要には社外役員(非常勤)として社外取締役4名・社外監査役1名が掲げられた
    • [58]2015年8月26日時点の会社概要の事業内容欄は経営・業務とITに関するコンサルティングのみを記していた

筆者考察

伸びた数字を実績として掲げてきた会社は、伸びが鈍ったときにその掲示をどうするかを先に迫られる。ベイカレントの沿革は2008年まで、移転先と年商を対にした年表だった。初台で4億円、新宿NSビルで17億円、フロアを広げて55億円と続く並びが実績に見えるのは、次の行に数字を足せるあいだだけである。据え置けば止まったことが見え、消せば過去も一緒に失われる。2010年、同社は年商の記載を年表から落とし、会社概要に直近1期の売上高89億円と執行役員5名の名を掲げ直した。翌年には藤沢から始まる沿革の頁ごと海外拠点の地図へ差し替え、トップページの導線もhistoryからGlobal Networkへ替えた。消したのは由来への関心ではなく、由来に添えてきた数字である。

会社が売られるのは行き詰まったときだとは限らない。ベイカレントの売上は2007年2月期の55億円から2015年2月期の140億円へ、8年で2.5倍になっている。細ったのは年ごとの増分のほうで、利益はそれでも残らず、2014年2月期は経常赤字だった。値の付く商売がありながら利益率が低いという状態は、買い手から見れば伸びしろである。2014年6月、第三者割当増資で88億4,000万円を調達したバイロン・ホールディングスが旧ベイカレント・コンサルティングの全株を210億円で取得し、のれん188億円を計上した。創業者の江口新氏と、2012年3月に社長を継いだ萩平和巳氏は、この増資に出資の側として加わっている。この8年で替わったのは商売の大きさではなく、それを誰が持つかである。

売上高(単体) 2007年2月期〜2015年2月期(億円)

55 07.2 89.01 10.2 97.51 11.2 105 12.2 112 13.2 118 14.2 140 15.2
  • 棒はすべて単体。連結の開示は無い。
  • 2007年2月期は公式サイト「沿革」(2007年1月保存)が2006年のフロア拡大に添えた年商55億円を決算期に読み替えた値。2010年2月期以降は公式サイト「会社概要」の各年の保存版が掲げた売上高。
  • 2008年2月期と2009年2月期の売上は分からない。

2007年〜2015年の業績

決算期 区分 売上高 営業利益 主な投資
億円 YoY 億円 利益率
2007年02月期 単体 55 n/a n/a n/a n/a
2008年02月期 単体 n/a n/a n/a n/a n/a
2009年02月期 単体 n/a n/a n/a n/a n/a
2010年02月期 単体 89 n/a n/a n/a n/a
2011年02月期 単体 97 +9.5% n/a n/a n/a
2012年02月期 単体 105 +7.7% n/a n/a n/a
2013年02月期 単体 112 +6.7% n/a n/a n/a
2014年02月期 単体 118 +5.4% n/a n/a n/a
2015年02月期 単体 140 +18.6% n/a n/a n/a

出所:公式サイト 沿革、公式サイト 会社概要

出典・参考

25件
出典・参考
  • 株式会社ベイカレント・コンサルティング 新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)
  • ベイカレント 有価証券報告書【沿革】
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2007年5月時点)
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「沿革」(2007年5月時点)
  • ベイカレント・コンサルティング 求人情報(@type 掲載、2007年1月)
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2008年7月時点)
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「沿革」(2008年6月時点)
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2009年2月時点)
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「代表挨拶」(2010年10月時点)
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「沿革」(2010年3月時点)
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「沿革」(2010年10月時点)
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2010年10月時点)
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2011年11月時点)
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「代表挨拶」(2011年8月時点)
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「沿革」(2011年10月2日採取・グローバルコンサルティングNWへ差し替え)
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「組織図」(2011年11月時点)
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト トップページ(2011年12月時点)
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2012年4月時点)
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「代表挨拶」(2012年6月時点)
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「代表挨拶」(2012年11月時点)
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「組織図」(2012年11月時点)
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2013年8月時点)
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2014年6月時点)
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2015年4月時点)
  • ベイカレント・コンサルティング ウェブサイト「会社概要」(2015年8月時点)

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