第3章 年〜年

ベイカレント:東京証券取引所マザーズ上場と持株会社体制への移行

稼働率70%台への急落と阿部義之の就任、1,000億円計画の3年での到達

2016年〜ファンドの売出が占めた上場と、稼働率70%台への急落による萩平和巳の辞任

公開株の大半を売出に充てる

2016年9月2日、ベイカレント・コンサルティングは東証マザーズに株式を上場した。新しく発行した株式は5万株にとどまり、既存株主による売出1,168万400株が公開の大半を占めた。上場前の株主構成を見ると、Sunrise Capital系の3ファンドが計43.13%、EHRS L.P.が10.75%を握っていた。主幹事は野村證券が務め、ファンドが上場時に持分の一部を売る予定も開示されていた。半年後の2017年2月末、Sunrise Capital系の持分は計5%強まで下がった。反対に創業者の江口新氏は買い増しを続け、2018年2月末には10.06%を持つ筆頭株主へ戻った。この上場は、会社が資金を得る場というより、2014年に資本を組み替えたファンドが持分を手放す場として設計されたとみられる。

  • ベイカレント 有価証券報告書【沿革】
    • [1]2016年9月に東京証券取引所マザーズ市場へ株式を上場した
  • 株式会社ベイカレント・コンサルティング 新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)
    • [2]上場時の公募は5万株で、売出は1,168万400株、オーバーアロットメントは175万9,500株であった
    • [3]上場前の株主構成はSunrise Capital系3ファンドが計43.13%、EHRS L.P.が10.75%であった
    • [4]主幹事は野村證券で、ファンドが上場時に保有株式の一部を売却することが記載されていた
  • ベイカレント・コンサルティング 有価証券報告書(2017年2月期)【大株主の状況】
    • [5]2017年2月末のSunrise Capital系ファンドの保有比率は計5%強であった
  • ベイカレント・コンサルティング 有価証券報告書(2018年2月期)【大株主の状況】
    • [6]江口新氏は保有株式を77万株から155万株へ増やし、2018年2月末に保有比率10.06%の筆頭株主となった
継続案件を選別して単価を上げる

上場日に公表した成長可能性の説明資料は、案件の高付加価値化を成長の柱に据えていた。萩平和巳社長はこの路線を進めるため、10月から営業部門を含む社内体制を組み替え、自ら指揮を執った。継続取引で安定した収益を生んでいた案件の受注を制限し、受注価格も引き上げた。しかし契約を終えたコンサルタントを埋めるだけの高単価案件は集まらず、90%超を保ってきた稼働率は70%台へ落ちた。顧客は突然の申し入れに困惑し、社員からも施策を疑う声が出たことを、会社は翌月の株主向け文書で認めた。12月9日に2017年2月期の業績予想が引き下げられ、萩平氏は業績悪化の責任を取って社長と取締役を辞した。人員を抱えたまま単価だけを先に動かした手順が、人月事業の土台である稼働率を崩したのだろう。

  • ベイカレント・コンサルティング 適時開示「代表取締役の異動に関するお知らせ」(2016年12月9日)
    • [7]2016年9月2日に公表した成長可能性に関する説明資料は、高付加価値化を成長戦略としていた
    • [12]2016年12月9日に通期業績予想を下方修正し、萩平和巳氏が業績悪化の責任を取って代表取締役社長及び取締役を辞任した
  • ベイカレント・コンサルティング 適時開示「2016年12月9日付公表の2017年2月期の通期業績予想の修正及び代表取締役の異動の経緯並びに今後の事業推進方針について」(2017年1月16日)
    • [8]上場後の2016年10月から営業部門を含む内部体制を変更し、萩平和巳氏が直接指揮を執った
    • [9]継続的取引で安定的収益を維持していた案件の受注を制限し、受注価格を引き上げて高単価化を進めた
    • [10]待機となるコンサルタント数に見合う案件数を確保できず、安定的に90%超だった稼働率が70%台の水準となった
    • [11]突然の申し入れに顧客が困惑し、社員からも施策に対する疑問の声が上がり始めた
稼働率の回復を優先する

後任の社長には、取締役としてコンサルティング&IT事業本部を率いていた阿部義之氏が、社外取締役を含む全会一致で選ばれた。1989年に野村総合研究所へ入社し、複数のIT企業を経てきた人物である。阿部氏は既存の顧客を回って新体制を説明し、稼働率の回復を何より先に置いた。2017年1月の株主向け文書では、急で危うさを伴う成長計画はとらず、足元の収益を守りつつ着実に伸ばす方針を示した。MBOで積んだのれんについても、外部の専門機関の支援を受けて減損テストを行い、減損は生じていないと説明した。2017年2月期は売上高172億円に対し、営業利益は23億円へ減った。単価を上げる前に人を案件へ就かせるという順序の組み替えが、以後の増収の起点になった。

  • ベイカレント・コンサルティング 適時開示「代表取締役の異動に関するお知らせ」(2016年12月9日)
    • [13]取締役兼コンサルティング&IT事業本部長の阿部義之氏が、社外取締役を含む全会一致で新任代表取締役社長に選任された
    • [14]阿部義之氏は1989年4月に野村総合研究所へ入社し、エックスエヌ、ユニバーサルシステムエンジニアリングを経た
  • ベイカレント・コンサルティング 適時開示「2016年12月9日付公表の2017年2月期の通期業績予想の修正及び代表取締役の異動の経緯並びに今後の事業推進方針について」(2017年1月16日)
    • [15]阿部義之氏は就任後、収益の安定化を優先し、既存顧客を中心に新体制の説明に回って稼働率の回復を図った
    • [16]急激でリスクのある成長計画ではなく、足下の収益維持を大切にしつつ着実に成長する方針を示した
    • [17]第3四半期決算にあたり外部専門機関の支援の下でのれんの減損テストを実施し、減損は発生していないと結論した
  • ベイカレント・コンサルティング 有価証券報告書(2017年2月期・IFRS)
    • [18]2017年2月期(IFRS)の売上高は172億円、営業利益は23億円であった
参考文献[1]-[18]
  • ベイカレント 有価証券報告書【沿革】
    • [1]2016年9月に東京証券取引所マザーズ市場へ株式を上場した
  • 株式会社ベイカレント・コンサルティング 新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)
    • [2]上場時の公募は5万株で、売出は1,168万400株、オーバーアロットメントは175万9,500株であった
    • [3]上場前の株主構成はSunrise Capital系3ファンドが計43.13%、EHRS L.P.が10.75%であった
    • [4]主幹事は野村證券で、ファンドが上場時に保有株式の一部を売却することが記載されていた
  • ベイカレント・コンサルティング 有価証券報告書(2017年2月期)【大株主の状況】
    • [5]2017年2月末のSunrise Capital系ファンドの保有比率は計5%強であった
  • ベイカレント・コンサルティング 有価証券報告書(2018年2月期)【大株主の状況】
    • [6]江口新氏は保有株式を77万株から155万株へ増やし、2018年2月末に保有比率10.06%の筆頭株主となった
  • ベイカレント・コンサルティング 適時開示「代表取締役の異動に関するお知らせ」(2016年12月9日)
    • [7]2016年9月2日に公表した成長可能性に関する説明資料は、高付加価値化を成長戦略としていた
    • [12]2016年12月9日に通期業績予想を下方修正し、萩平和巳氏が業績悪化の責任を取って代表取締役社長及び取締役を辞任した
    • [13]取締役兼コンサルティング&IT事業本部長の阿部義之氏が、社外取締役を含む全会一致で新任代表取締役社長に選任された
    • [14]阿部義之氏は1989年4月に野村総合研究所へ入社し、エックスエヌ、ユニバーサルシステムエンジニアリングを経た
  • ベイカレント・コンサルティング 適時開示「2016年12月9日付公表の2017年2月期の通期業績予想の修正及び代表取締役の異動の経緯並びに今後の事業推進方針について」(2017年1月16日)
    • [8]上場後の2016年10月から営業部門を含む内部体制を変更し、萩平和巳氏が直接指揮を執った
    • [9]継続的取引で安定的収益を維持していた案件の受注を制限し、受注価格を引き上げて高単価化を進めた
    • [10]待機となるコンサルタント数に見合う案件数を確保できず、安定的に90%超だった稼働率が70%台の水準となった
    • [11]突然の申し入れに顧客が困惑し、社員からも施策に対する疑問の声が上がり始めた
    • [15]阿部義之氏は就任後、収益の安定化を優先し、既存顧客を中心に新体制の説明に回って稼働率の回復を図った
    • [16]急激でリスクのある成長計画ではなく、足下の収益維持を大切にしつつ着実に成長する方針を示した
    • [17]第3四半期決算にあたり外部専門機関の支援の下でのれんの減損テストを実施し、減損は発生していないと結論した
  • ベイカレント・コンサルティング 有価証券報告書(2017年2月期・IFRS)
    • [18]2017年2月期(IFRS)の売上高は172億円、営業利益は23億円であった

2017年〜フューチャー2社による165,000千円の提訴と、320億〜350億円計画の上振れ

競合の従業員名簿をめぐり訴えられる

2017年8月3日、フューチャーとフューチャーアーキテクトの2社が、ベイカレントと元従業員を不正競争防止法などに基づいて訴えた。差止めと損害賠償を求め、請求額は合計165,000千円であった。刑事では2019年3月、東京地裁が元従業員に懲役1年・執行猶予3年と罰金50万円を言い渡した。判決は、ベイカレントの採用担当が引き抜き用の人材リストを頼み、元従業員が原告の全従業員名簿を不正に持ち出したと認めた。罪に問われたのは元従業員だけで、ベイカレントは刑事の被告になっていない。民事は2026年2月期末もなお続き、会社は請求が認められるとは考えず、引当金を積まなかった。中途採用で頭数を積む成長の仕方が、競合の人材をどこまで取りに行けるかという線引きの問題を抱えた。

  • ベイカレント・コンサルティング 有価証券報告書(2018年2月期)【偶発債務】
    • [19]フューチャー株式会社及びフューチャーアーキテクト株式会社が、2017年8月3日付でベイカレントと元従業員に対し不正競争防止法等に基づく民事訴訟を提起した
    • [20]訴訟の内容は差止め等及び損害賠償請求で、請求金額は合計165,000千円であった
  • フューチャー株式会社「刑事裁判の判決に関するお知らせ」(2019年3月26日)
    • [21]2019年3月、東京地方裁判所が元従業員に懲役1年(執行猶予3年)・罰金50万円の有罪判決を言い渡した
    • [22]刑事判決は、ベイカレントの採用担当が引き抜き目的で人材リストの作成を依頼し、元従業員がフューチャーの全従業員名簿を不正に領得したと認定した
    • [23]刑事裁判の被告は元従業員であり、ベイカレントは被告となっていない
  • ベイカレント 有価証券報告書(2026年2月期)【偶発債務】
    • [24]2026年2月期末時点でも訴訟は係属し、会社は請求が認められるとは考えておらず、引当金を計上していない
3か年計画のEBITDA目標を倍で超える

会社は2019年2月期からの3年間を、先々の拡大に備えて基盤を固める期間と位置づけた。最終年度の目標は、売上320億〜350億円とEBITDA約70億円に置かれた。この間の2018年12月には、上場先を東証一部へ移した。最終年度の2021年2月期、売上収益は429億円、EBITDAは139億円となり、EBITDAは目標の約2倍に達した。経営戦略やDXに関わる付加価値の高い案件が増え、営業利益率は3年で20%から32%へ上がった。株式時価総額は約500億円から約5,000億円へ、年間配当は1株40円から170円へ増えた。上場直後に急いで挫折した単価の引き上げは、稼働率を保ったまま3年をかけて果たされたといえる。

  • ベイカレント・コンサルティング「中期経営計画(2022.2月期~2026.2月期)」(2021年4月26日)
    • [25]前回計画(2019年2月期〜2021年2月期)は将来の持続的な事業拡大に向けた基盤固めの3年間と位置づけられた
    • [26]前回計画の目標は売上320億〜350億円、EBITDA約70億円であった
    • [28]2021年2月期の売上収益は429億円、EBITDAは139億円であった
    • [29]経営戦略やDX等に関する付加価値の高いプロジェクトが増え、営業利益率は3年間で20%から32%へ向上した
    • [30]3年間で株式時価総額は約500億円から約5,000億円へ、年間配当金は40円から170円へ増えた
  • ベイカレント 有価証券報告書【沿革】
    • [27]2018年12月に東京証券取引所市場第一部へ市場変更した
参考文献[19]-[30]
  • ベイカレント・コンサルティング 有価証券報告書(2018年2月期)【偶発債務】
    • [19]フューチャー株式会社及びフューチャーアーキテクト株式会社が、2017年8月3日付でベイカレントと元従業員に対し不正競争防止法等に基づく民事訴訟を提起した
    • [20]訴訟の内容は差止め等及び損害賠償請求で、請求金額は合計165,000千円であった
    • [21]2019年3月、東京地方裁判所が元従業員に懲役1年(執行猶予3年)・罰金50万円の有罪判決を言い渡した
    • [22]刑事判決は、ベイカレントの採用担当が引き抜き目的で人材リストの作成を依頼し、元従業員がフューチャーの全従業員名簿を不正に領得したと認定した
    • [23]刑事裁判の被告は元従業員であり、ベイカレントは被告となっていない
  • ベイカレント 有価証券報告書(2026年2月期)【偶発債務】
    • [24]2026年2月期末時点でも訴訟は係属し、会社は請求が認められるとは考えておらず、引当金を計上していない
  • ベイカレント・コンサルティング「中期経営計画(2022.2月期~2026.2月期)」(2021年4月26日)
    • [25]前回計画(2019年2月期〜2021年2月期)は将来の持続的な事業拡大に向けた基盤固めの3年間と位置づけられた
    • [26]前回計画の目標は売上320億〜350億円、EBITDA約70億円であった
    • [28]2021年2月期の売上収益は429億円、EBITDAは139億円であった
    • [29]経営戦略やDX等に関する付加価値の高いプロジェクトが増え、営業利益率は3年間で20%から32%へ向上した
    • [30]3年間で株式時価総額は約500億円から約5,000億円へ、年間配当金は40円から170円へ増えた
  • ベイカレント 有価証券報告書【沿革】
    • [27]2018年12月に東京証券取引所市場第一部へ市場変更した

2021年〜1,000億円計画の3年での到達と、持株会社ベイカレントへの移行

5年の目標を3年でほぼ満たす

2021年4月、会社は2026年2月期を最終年度とする5か年の中期経営計画を公表した。年率20%を目安に伸ばし、最終年度に売上1,000億円とEBITDA300億円超を得る目標を置いた。取り組みには、高付加価値化の推進と並んで社員4,000名体制の構築が挙がった。採用は計画を上回り、期末のコンサルタント数は2021年2月期の1,941名から2024年2月期の3,837名へ倍増した。2024年2月期の売上は93,909百万円、EBITDAは35,312百万円となった。会社はこれをもって、5年で計画した業績目標を3年でおおむね達成したと総括した。人員を倍にしながらEBITDAマージンは37.6%を保っており、増員が利益率を削らない運営が定着したとみられる。

  • ベイカレント・コンサルティング「中期経営計画(2022.2月期~2026.2月期)」(2021年4月26日)
    • [31]2021年4月26日に中期経営計画(2022年2月期〜2026年2月期)を公表した
    • [32]売上・利益ともに年率20%を目安に成長し、2026年2月期に売上1,000億円、EBITDA300億円超を目標とした
    • [33]5年間の主な取り組みとして高付加価値化の更なる推進、社員4,000名体制の構築などを掲げた
  • ベイカレント・コンサルティング「決算補足説明・中期経営計画」(2024年4月12日)
    • [34]採用が計画線を上回り、期末コンサルタント数は2021年2月期の1,941名から2024年2月期の3,837名へ増えた
    • [35]2024年2月期の売上は93,909百万円、EBITDAは35,312百万円(EBITDAマージン37.6%)であった
    • [36]5年で計画していた業績目標を3年で概ね達成したとして、新たな5か年計画を策定した
実装の子会社を切り出す

2024年4月に示した次の5か年計画は、2029年2月期に売上2,500億円を掲げた。前提はCAGR20%程度の成長で、EBITDAマージンは30〜40%を保つとした。成長策にはコアクライアントとの取引拡大と並び、DX/IT実装を担うテクノロジー子会社の立ち上げが入った。ただし計画期間中の実装支援は、DXなど実績のあるコンサル周辺の領域に限るとした。同年9月には吸収分割で持株会社体制へ移り、商号を株式会社ベイカレントへ改めた。事業はコンサルティングとテクノロジーの2つの子会社へ移り、持株会社単体の従業員は4,321名から593名になった。分社は提案と実装を別の採算で測る会社を先に用意した組み替えで、売上を伸ばす手段はなおコンサルタントの頭数であった。

  • ベイカレント・コンサルティング「決算補足説明・中期経営計画」(2024年4月12日)
    • [37]新たな中期経営計画(5か年)は、5年後の2029年2月期に売上2,500億円を目指すとした
    • [38]継続的かつ安定的な成長の計画線としてCAGR20%程度を置き、EBITDAマージンは30〜40%を維持するとした
    • [39]成長戦略としてコアクライアント数の増加と取引拡大、DX/IT実装領域の強化(テクノロジー子会社の立上げ)を掲げた
    • [40]本中計期間においては、実績のあるDXなどのコンサル周辺領域に関わるDX/IT実装支援を拡充するとした
  • ベイカレント 有価証券報告書(2026年2月期・連結・IFRS)
    • [41]2024年9月に持株会社体制に移行し、株式会社ベイカレントに商号変更した
  • ベイカレント 有価証券報告書(2025年2月期)
    • [42]持株会社体制への移行により、提出会社単体の従業員数は4,321名から593名となった
人員の伸びの鈍りを一人当たり売上で補う

2026年2月期の連結売上高は1,483億円となり、上場直後の2017年2月期の172億円から約8.6倍に増えた。EBITDAは52,125百万円で、売上とともにおおむね計画どおりに着地した。コンサルタント数は4,784名から5,590名へ16.8%増えたが、組織強化のための再配置を行った影響で伸びは例年より緩やかであった。代わりにコンサルタント一人当たり売上が計画を約4%上回り、稼働率は80%台半ばで推移した。株価は下期から下がり、AIの進化で需要が細るという投資家の懸念にも、会社は資料で答えた。2026年3月18日には最大約300億円の自社株買いを発表し、2027年2月期も一人当たり売上を約5%上げる想定を示した。成長の説明の中心は、頭数から一人当たり売上へ移りつつあった。

  • ベイカレント 有価証券報告書(2026年2月期・連結・IFRS)
    • [43]2026年2月期の連結売上高は1,483億円であった
  • ベイカレント「FY2026 通期 決算説明会資料」(2026年4月14日)
    • [44]2026年2月期のEBITDAは52,125百万円で、売上・EBITDAとも概ね計画通りに着地した
    • [45]人材再配置を実施したため、コンサルタント数は前年期末4,784名から当期末5,590名(YoY+16.8%)と例年より緩やかな伸びとなった
    • [46]コンサルタント一人当たり売上は計画を約4%上振れて着地し、通期の平均稼働率は80%台半ばであった
    • [47]2026年2月期下期以降に株価が下落し、AIによるコンサル需要や一人当たり売上の減少を懸念する投資家の声を資料で取り上げた
    • [48]2026年3月18日に最大約300億円規模の自社株買いの実施を発表し、2027年2月期もコンサルタント一人当たり売上を約5%向上させる想定とした
参考文献[31]-[48]
  • ベイカレント・コンサルティング「中期経営計画(2022.2月期~2026.2月期)」(2021年4月26日)
    • [31]2021年4月26日に中期経営計画(2022年2月期〜2026年2月期)を公表した
    • [32]売上・利益ともに年率20%を目安に成長し、2026年2月期に売上1,000億円、EBITDA300億円超を目標とした
    • [33]5年間の主な取り組みとして高付加価値化の更なる推進、社員4,000名体制の構築などを掲げた
  • ベイカレント・コンサルティング「決算補足説明・中期経営計画」(2024年4月12日)
    • [34]採用が計画線を上回り、期末コンサルタント数は2021年2月期の1,941名から2024年2月期の3,837名へ増えた
    • [35]2024年2月期の売上は93,909百万円、EBITDAは35,312百万円(EBITDAマージン37.6%)であった
    • [36]5年で計画していた業績目標を3年で概ね達成したとして、新たな5か年計画を策定した
    • [37]新たな中期経営計画(5か年)は、5年後の2029年2月期に売上2,500億円を目指すとした
    • [38]継続的かつ安定的な成長の計画線としてCAGR20%程度を置き、EBITDAマージンは30〜40%を維持するとした
    • [39]成長戦略としてコアクライアント数の増加と取引拡大、DX/IT実装領域の強化(テクノロジー子会社の立上げ)を掲げた
    • [40]本中計期間においては、実績のあるDXなどのコンサル周辺領域に関わるDX/IT実装支援を拡充するとした
  • ベイカレント 有価証券報告書(2026年2月期・連結・IFRS)
    • [41]2024年9月に持株会社体制に移行し、株式会社ベイカレントに商号変更した
    • [43]2026年2月期の連結売上高は1,483億円であった
  • ベイカレント 有価証券報告書(2025年2月期)
    • [42]持株会社体制への移行により、提出会社単体の従業員数は4,321名から593名となった
  • ベイカレント「FY2026 通期 決算説明会資料」(2026年4月14日)
    • [44]2026年2月期のEBITDAは52,125百万円で、売上・EBITDAとも概ね計画通りに着地した
    • [45]人材再配置を実施したため、コンサルタント数は前年期末4,784名から当期末5,590名(YoY+16.8%)と例年より緩やかな伸びとなった
    • [46]コンサルタント一人当たり売上は計画を約4%上振れて着地し、通期の平均稼働率は80%台半ばであった
    • [47]2026年2月期下期以降に株価が下落し、AIによるコンサル需要や一人当たり売上の減少を懸念する投資家の声を資料で取り上げた
    • [48]2026年3月18日に最大約300億円規模の自社株買いの実施を発表し、2027年2月期もコンサルタント一人当たり売上を約5%向上させる想定とした

2025年〜北風大輔氏の半年での辞任と、防衛・サイバーセキュリティ・米国への体制づくり

後継の社長が半年で退く

2025年2月19日、取締役会は指名報酬委員会の諮問を経て、副社長執行役員の北風大輔氏を次の社長に選ぶことを決議した。北風大輔氏は2009年の入社で、2024年9月からアカウント統括本部長を務めていた。5月の定時株主総会で北風大輔氏は95.31%の賛成を得て取締役に選ばれ、阿部義之氏は代表権を持たない取締役会長へ移った。ところが半年後の11月19日、北風大輔氏は体調不良による療養を理由に社長を辞任。後任には阿部義之氏が代表取締役会長兼社長として就き、経営方針と事業戦略は据え置かれた。翌2026年5月の定時株主総会では阿部義之氏への賛成が81.80%にとどまり、前年の93.18%から11ポイント余り下がった。後継として送り出した社長が半年で退いたことで、阿部義之氏の次を担う人物の選定は振り出しに戻ったと思われる。

  • ベイカレント 適時開示「新社長の就任及び代表取締役の異動に関するお知らせ」(2025年2月19日)
    • [49]2025年2月19日の取締役会で、指名報酬委員会の諮問を経て、副社長執行役員の北風大輔氏の代表取締役社長就任を決議した
    • [50]北風大輔氏は2009年4月に旧ベイカレント・コンサルティングへ入社し、2024年9月から副社長執行役員アカウント統括本部長を務めていた
    • [52]阿部義之氏は代表取締役社長から取締役会長へ異動することとされた
  • ベイカレント 臨時報告書(2025年5月29日提出)
    • [51]2025年5月の定時株主総会で北風大輔氏が取締役に選任され、賛成割合は95.31%であった
    • [56]2025年5月の定時株主総会で阿部義之氏の取締役選任議案の賛成割合は93.18%であった
  • ベイカレント 適時開示「代表取締役の異動に関するお知らせ」(2025年11月19日)
    • [53]2025年11月19日、北風大輔氏が体調不良による病気療養を理由に代表取締役社長を辞任し、阿部義之氏が代表取締役会長兼社長に選定された
    • [54]本件による経営方針や事業戦略の変更はないとした
  • ベイカレント 臨時報告書(2026年5月29日提出)
    • [55]2026年5月27日の定時株主総会で阿部義之氏の取締役選任議案の賛成割合は81.80%であった
新しい需要へ体制を先に組む

2026年2月18日、取締役会は米国デラウェア州に全額出資の現地法人Baycurrent USA, Inc.を設けることを決めた。狙いは既存の顧客の海外案件を現地で支えることと、市場情報の収集にあった。国内では、政府の総額43兆円規模の防衛力整備を受け、防衛省や防衛関連企業から装備品の調達や組織変革の支援を頼まれるようになった。サイバーセキュリティでも、AIの高度化で危険が増し、統治の整備から運用までを通した全社的な支援の依頼が拡大。会社は前年度からサテライトオフィスの開設や専門人材の採用を進め、2027年2月期第1四半期にその先行投資をおおむね終えた。頭数で伸ばす事業の受け皿を、防衛とサイバーセキュリティという新しい需要と海外へ先回りして広げる段階に入ったと推察される。

  • ベイカレント 適時開示「海外子会社設立に関するお知らせ」(2026年2月18日)
    • [57]2026年2月18日の取締役会で、米国デラウェア州に出資比率100%の現地法人Baycurrent USA, Inc.を設立することを決議した
    • [58]設立の目的は既存クライアントの海外での支援ニーズへの機動的な対応と、将来の事業拡大を見据えた市場情報の収集・ネットワーク構築で、資本金は100万米ドルであった
  • ベイカレント「FY2027 1Q 決算FAQ」(2026年7月15日)
    • [59]政府が2023〜2027年度に総額43兆円規模の防衛力整備を進めるなか、防衛省と主要な防衛関連企業から装備品の調達・システム整備・組織変革に関する支援ニーズが増加した
    • [60]AIの高度化によるリスク増大を背景に、国内主要企業でガバナンス強化から実装・運用まで一気通貫のサイバーセキュリティ支援ニーズが拡大した
    • [61]前年度からサテライトオフィスの立上げ、外部パートナーとの協力体制の構築、専門人材の採用などを進め、2027年2月期第1四半期に先行投資は概ね完了した
参考文献[49]-[61]
  • ベイカレント 適時開示「新社長の就任及び代表取締役の異動に関するお知らせ」(2025年2月19日)
    • [49]2025年2月19日の取締役会で、指名報酬委員会の諮問を経て、副社長執行役員の北風大輔氏の代表取締役社長就任を決議した
    • [50]北風大輔氏は2009年4月に旧ベイカレント・コンサルティングへ入社し、2024年9月から副社長執行役員アカウント統括本部長を務めていた
    • [52]阿部義之氏は代表取締役社長から取締役会長へ異動することとされた
  • ベイカレント 臨時報告書(2025年5月29日提出)
    • [51]2025年5月の定時株主総会で北風大輔氏が取締役に選任され、賛成割合は95.31%であった
    • [56]2025年5月の定時株主総会で阿部義之氏の取締役選任議案の賛成割合は93.18%であった
  • ベイカレント 適時開示「代表取締役の異動に関するお知らせ」(2025年11月19日)
    • [53]2025年11月19日、北風大輔氏が体調不良による病気療養を理由に代表取締役社長を辞任し、阿部義之氏が代表取締役会長兼社長に選定された
    • [54]本件による経営方針や事業戦略の変更はないとした
  • ベイカレント 臨時報告書(2026年5月29日提出)
    • [55]2026年5月27日の定時株主総会で阿部義之氏の取締役選任議案の賛成割合は81.80%であった
  • ベイカレント 適時開示「海外子会社設立に関するお知らせ」(2026年2月18日)
    • [57]2026年2月18日の取締役会で、米国デラウェア州に出資比率100%の現地法人Baycurrent USA, Inc.を設立することを決議した
    • [58]設立の目的は既存クライアントの海外での支援ニーズへの機動的な対応と、将来の事業拡大を見据えた市場情報の収集・ネットワーク構築で、資本金は100万米ドルであった
  • ベイカレント「FY2027 1Q 決算FAQ」(2026年7月15日)
    • [59]政府が2023〜2027年度に総額43兆円規模の防衛力整備を進めるなか、防衛省と主要な防衛関連企業から装備品の調達・システム整備・組織変革に関する支援ニーズが増加した
    • [60]AIの高度化によるリスク増大を背景に、国内主要企業でガバナンス強化から実装・運用まで一気通貫のサイバーセキュリティ支援ニーズが拡大した
    • [61]前年度からサテライトオフィスの立上げ、外部パートナーとの協力体制の構築、専門人材の採用などを進め、2027年2月期第1四半期に先行投資は概ね完了した

筆者考察

人月で稼ぐ事業では、単価と稼働率は同じ天秤の両側に載っている。2016年秋、上場を果たしたばかりのベイカレントは、継続案件を絞って受注価格を引き上げ、単価の側だけを先に動かした。空いた人員を埋める高単価案件は集まらず、90%を超えていた稼働率は70%台へ沈み、社長は3か月で交代した。後任の阿部義之氏は順序を逆にし、まず人を案件へ戻した。その後の3か年計画では、EBITDAを目標の約2倍まで積み、営業利益率は20%から32%へ上がった。上場直後に失敗した高単価化は、稼働率を崩さない範囲で時間をかけて実現した。2026年2月期には人員の伸びが鈍り、成長の説明は一人当たり売上へ移っており、単価の側を再び動かす局面に入ったとみられる。

2016年〜2026年の業績

決算期 区分 売上高 営業利益純利益 主な投資
億円 YoY 億円 利益率 億円
2016年02月期 単体 158 n/a 27 17.1% 16 n/a
2017年02月期 単体 172 +8.9% 23 13.4% 12 n/a
2018年02月期 単体 204 +18.6% 33 16.2% 20 n/a
2019年02月期 単体 243 +19.1% 36 14.8% 23 n/a
2020年02月期 単体 330 +35.8% 71 21.5% 44 n/a
2021年02月期 連結 429 +30.0% 126 29.4% 100 n/a
2022年02月期 単体 576 +34.3% 206 35.8% 155 n/a
2023年02月期 連結 761 +32.1% 299 39.3% 219 n/a
2024年02月期 連結 939 +23.4% 342 36.4% 254 n/a
2025年02月期 連結 1,161 +23.6% 426 36.7% 308 n/a
2026年02月期 連結 1,483 +27.7% 509 34.3% 378 n/a

出典・参考

21件
出典・参考
  • ベイカレント・コンサルティング 有価証券報告書(2017年2月期)【大株主の状況】
  • ベイカレント・コンサルティング 有価証券報告書(2017年2月期・IFRS)
  • ベイカレント・コンサルティング 有価証券報告書(2018年2月期)【大株主の状況】
  • ベイカレント・コンサルティング 有価証券報告書(2018年2月期)【偶発債務】
  • ベイカレント 有価証券報告書(2025年2月期)
  • ベイカレント 有価証券報告書(2026年2月期)【偶発債務】
  • ベイカレント 有価証券報告書(2026年2月期・連結・IFRS)
  • ベイカレント「FY2026 通期 決算説明会資料」(2026年4月14日)
  • ベイカレント 有価証券報告書【沿革】
  • 株式会社ベイカレント・コンサルティング 新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)
  • ベイカレント・コンサルティング 適時開示「代表取締役の異動に関するお知らせ」(2016年12月9日)
  • ベイカレント・コンサルティング 適時開示「2016年12月9日付公表の2017年2月期の通期業績予想の修正及び代表取締役の異動の経緯並びに今後の事業推進方針について」(2017年1月16日)
  • フューチャー株式会社「刑事裁判の判決に関するお知らせ」(2019年3月26日)
  • ベイカレント・コンサルティング「中期経営計画(2022.2月期~2026.2月期)」(2021年4月26日)
  • ベイカレント・コンサルティング「決算補足説明・中期経営計画」(2024年4月12日)
  • ベイカレント 適時開示「新社長の就任及び代表取締役の異動に関するお知らせ」(2025年2月19日)
  • ベイカレント 臨時報告書(2025年5月29日提出)
  • ベイカレント 適時開示「代表取締役の異動に関するお知らせ」(2025年11月19日)
  • ベイカレント 臨時報告書(2026年5月29日提出)
  • ベイカレント 適時開示「海外子会社設立に関するお知らせ」(2026年2月18日)
  • ベイカレント「FY2027 1Q 決算FAQ」(2026年7月15日)

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