人と組織
日本企業の経営体制は、長期雇用と年功処遇を前提に組まれてきた。経営者は社内の序列から選ばれ、社員は配置転換によって会社の内側で動かされた。組織の単位をどう割るかも、損益の責任を誰に負わせるかという社内の問題として扱われた。
1949年の大量整理の混乱以後、産業の転換期には人員を社外へ出さない配置転換が探られ、雇用の維持が問われた。1970年代には石油危機と低成長のもとで事業部制が広がり、組織形態の変更が前に出た。1990年代には事業本部の廃止や社内カンパニー制の導入が相次ぎ、同じころ人員削減にリストラという名が付いた。2000年代半ばからは経営人材の流動化が語られ、2010年代にはプロ経営者の招聘が平時の人事へ移った。
いま問われているのは、社内の序列と配置に頼らずに人と組織を決める基準である。外部から経営者を招くなら、何ができる人物を何のために招くのかを先に言語化しなければならない。希望退職は業績が悪化していなくても使える調整手段になり、組織の区分には資本効率の目標が結び付けられている。
論点と年代
プロ経営者の招聘
クシュタール買収下の社長交代買収提案と構造改革のさなかに、社外取締役を執行の頂点へ据える選択塚越大介氏が取締役就任取締役定員の拡大と、創業者の後任を見据えた経営体制の整備近藤康正氏が社長就任入社1年4か月の中央化学前社長への交代と、指名報酬委員会主導の後継選定トヨタ出身トップと指名審議の社外化親会社から4人の社長を迎えた会社での後継選びの仕組みの見直し米山有沙氏が社長就任社長職の7年ぶりの創業家復帰と、代表権を会長に残した継承ジョンマーク・ギルソン氏が社長就任化学素材を海外で率いた経営者の招聘と報酬制度の構築氏家俊明氏が社長就任創業家以外から初めてトップを迎え入れる方式での経営の引き継ぎハルメクHDを譲渡買収した医療・シニア・農業事業の連続譲渡と、製造事業への集約
プロ経営者による再建
京セラから会長を招聘不適切な会計処理を受けた取締役会の刷新鴻海精密工業傘下での再建経営体制の入れ替えと、構造改革による自己資本の立て直し会社更生法による再建株式の消却と債務削減、京セラ創業者の下での部門別採算への転換
15件を見る雇用の維持
営業インセンティブ全廃押し売りの芽を断つ商慣行の見直しと創業者の社長復帰米フォートレスへの売却百貨店の切り離しとコンビニ事業への経営資源の集中早期退職に伴う退職特別加算金定年延長と合併で増加した人員の、割増金の支給を伴う退職による削減リーバイス事業撤退コロナ禍での159店の統廃合と、創業以来初の希望退職杉江俊彦氏が社長昇格大西洋社長の退任を受けた社内からの後任のトップ選出2度の希望退職と新経営計画Sanyo Innovation Plan 2017 の始動と、2年で修正に追い込まれた定量計画「電通労働環境改革本部」の発足と社長交代書類送検を受けた長時間労働の撲滅と2年間の働き方の見直し社外チャレンジワーク導入複業を届出制で認めることによる、会社に閉じない自律的な人材への転換
雇用維持と固定費削減
早期退職に伴う退職特別加算金定年延長と合併で増加した人員の、割増金の支給を伴う退職による削減リーバイス事業撤退コロナ禍での159店の統廃合と、創業以来初の希望退職横浜など4店を閉鎖不採算店の整理と早期退職、新設合併による連結欠損金の一掃
18件を見る組織形態の変更
E-Plan2025策定対面市場別5カンパニー制への移行と、成長事業・基盤事業の区分相次ぐ不祥事とガバナンス強化策中国子会社の不正など相次ぐ不祥事と事業本部制への移行開発本部制への移行とモバイル重視看板クリエイターの離脱と、モバイル収益重視への経営資源の再配分SAPS経営会議の導入「脱・指示待ち」を掲げ、第2の創業と位置づけた組織改革創生21計画と事業ドメイン制への移行商品別の事業部経営から、14事業ドメイン別の経営への転換経営再建計画「S-21計画」の策定事業部制からカンパニー制への移行と、原動機・エンジニアリングへの集中不正手形取引と社内カンパニー制の導入最大100億円の回収不能懸念を機に進めた、撤退基準の統一と営業組織の集約組織改革と上場布石3つの構造変化に直面した営業局の組み替えと、株式公開・海外展開への備え
組織形態の変更の23件を見る