この構造改革で目を引くのは、削減の対象が店舗・人員・事業の三つに同時に及んだ点である。33店の閉鎖から始まった整理は最終的に159店の統廃合となり、希望退職には募集の1.5倍にあたる609人が応じ、リーバイス事業は11年で幕を閉じた。創業以来初の希望退職に募集を200人上回る応募があった事実をどう読むかは、公表された資料だけでは決められない。会社側の説明も応募理由には及んでおらず、ここでは数字が残ったという以上のことは言いにくい。
数字の上では、この改革は目的を果たしただろう。2022年3月期に黒字に転じ、2025年3月期の営業利益は126億円まで回復した。ただ、売上高は2018年3月期の2548億円に対して2026年3月期は1890億円で、コロナ前の水準には戻っていない。固定費を落として利益の出る体に作り替えた一方、成長の芯をどこに置くかという問いは残る。創業一族以外からの社長を初めて選んだ2025年の判断も、その延長線上にあるとみられる。