SFPホールディングスの吸収合併(2026年・クリエイト・レストランツHDの決断)

更新:
論点 子会社を残すか持株会社ごと合併するか
クリエイト・レストランツHD:業績の推移
売上高(億円)営業利益率(%)
上場子会社の買収ではなく合併による持株会社2社の一本化

何をなぜ決めたか:上場子会社の買収ではなく合併による持株会社2社の一本化

概要

2026年4月14日、クリエイト・レストランツ・ホールディングスとSFPホールディングスの取締役会は、クリエイト・レストランツ・ホールディングスを存続会社とする吸収合併を決議し、同日に合併契約を結んだ。SFPホールディングス株1株に対し3.2株を割り当て、29,976,438株を新たに発行する。存続会社側は株主総会を経ない簡易合併で、SFPホールディングスは5月21日の定時株主総会で承認を得て6月29日に上場廃止となり、7月1日に合併の効力が生じた。

背景

クリエイト・レストランツ・ホールディングスは2013年4月にSFPダイニングの株式74.6%を取得して子会社にし、同社は2014年12月に東証二部へ上場、2017年6月に持株会社へ移ってSFPホールディングスと名を変えた。2020年以降はシェアードサービス、購買企画、店舗設計施工企画の合弁会社3社を両社で設けた。2024年2月期にはSFPホールディングスの自己株式の公開買付けに応じて株式の一部を5,940百万円で売り、所有持分は63.73%から58.96%へ下がっていた。

内容

合併の目的には、持株会社機能の統合による本社機能の集約と上場維持コストの削減、SFP側の人財の活用、物件情報や仕入れの共有を挙げた。公開買付けや株式交換で完全子会社にすると持株会社が2つ残り、コストの効率化も意思決定の速さも得られないとして、合併を選んだ。合併比率の算定は、クリエイト側がプルータス・コンサルティング、SFP側がJapan Blue M&Aアドバイザリーに依頼し、SFP側は独立した特別委員会の答申を受けた。

含意

SFPホールディングスの連結売上高は2026年2月期に31,119百万円まで伸びたが、営業利益は前期の2,186百万円から1,706百万円へ減った。決算説明会では、SFPカテゴリーのキャッシュ・フローマージン率が10%を下回ったと説明している。合併後、同カテゴリーは「居酒屋(旧SFP)カテゴリー」と改め、2027年2月期第1四半期は増収減益だった。2026年2月期の非支配持分への当期利益540百万円のうち538百万円がSFPグループの分で、合併後はこれが親会社の所有者に帰属する。

いつ何が起きたか 11件
当時の取締役 11名

当時の取締役(2025年5月株主総会決議)

考察:現金で減らし、株で取り込む
考察

考察:現金で減らし、株で取り込む

この合併は、子会社を買い増す話ではなく、持株会社を2つ抱える構造そのものを畳む決断だったと読める。2024年2月期には自己株式の公開買付けに応じて5,940百万円を受け取り持分を下げていたが、今回は現金を出さず、新株29,976,438株で残る41%を取り込んだ。完全子会社化では持株会社が2つ残るという理由で合併を選んだ点に、狙いが資本の比率より本社の数にあったことが表れているのだろう。非支配持分に流れていた538百万円の利益も、合併後は親会社の所有者に帰属する。

もっとも、取り込んだのはグループで最も苦しいカテゴリーでもある。SFPホールディングスの営業利益は2026年2月期に1,706百万円へ減り、合併比率の算定に使った財務予測は2028年2月期に価格改定で30%以上の増益を見込むが、シナジーは見積もれないとして織り込んでいない。合併後最初の四半期も磯丸水産を中心に既存店が前年を割って減益で、意思決定の速さが居酒屋事業の立て直しに結びつくかが問われていると思われる。

Yutaka Sugiura, 2026年10月
数字で見る 2表

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図と表

クリエイト・レストランツHD:SFPホールディングスの売上高と営業利益

売上高(百万円)営業利益率(%)

売上高は31,119百万円まで伸びたが、営業利益は2026年2月期に1,706百万円へ減った

クリエイト・レストランツHD:SFPホールディングスの売上高と営業利益
(百万円) 売上高営業利益 備考
2022年2月期 10,404− 売上高はSFPカテゴリーの販売高。営業利益は臨時報告書の3期に入らない
2023年2月期 22,913− 売上高はSFPカテゴリーの販売高
2024年2月期 29,0792,026
2025年2月期 30,3892,186
2026年2月期 31,1191,706 増収減益。売上高はSFPカテゴリーの販売高と一致
出所:クリエイト・レストランツ・ホールディングス 臨時報告書(2026年4月14日提出)「本合併の相手会社についての事項」最近3年間の連結業績 / クリエイト・レストランツ・ホールディングス 有価証券報告書 第25期〜第29期(販売実績のカテゴリー別)
出所:クリエイト・レストランツ・ホールディングス 臨時報告書(2026年4月14日提出)「本合併の相手会社についての事項」最近3年間の連結業績 / クリエイト・レストランツ・ホールディングス 有価証券報告書 第25期〜第29期(販売実績のカテゴリー別)

クリエイト・レストランツHD:当期利益の帰属

親会社の所有者(百万円)非支配持分(百万円)

2026年2月期の非支配持分540百万円のうち538百万円がSFPグループの分

クリエイト・レストランツHD:当期利益の帰属
(百万円) 親会社の所有者非支配持分うちSFPグループ 備考
2022年2月期 5,919740704 SFPグループの値は第26期有報の前期欄。持分割合36.3%
2023年2月期 3,385493477 SFPグループの非支配持分の持分割合36.3%
2024年2月期 5,041567564 自己株TOBに応じ持分を63.73%から58.96%へ下げた。非支配持分の割合41.0%
2025年2月期 5,590637635 SFPグループの非支配持分の持分割合41.1%
2026年2月期 4,677540538 非支配持分の大半がSFPグループ。持分割合41.1%
出所:クリエイト・レストランツ・ホールディングス 有価証券報告書 第25期〜第29期(連結損益計算書、重要な非支配持分を認識している連結子会社の要約財務情報等)
出所:クリエイト・レストランツ・ホールディングス 有価証券報告書 第25期〜第29期(連結損益計算書、重要な非支配持分を認識している連結子会社の要約財務情報等)
当時の取締役 11名

当時の取締役(2025年5月株主総会決議)

参考文献

参考文献

参考

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