アパレル事業の構造改革(2025年・グンゼの決断)2025年 | グンゼの決断
何をなぜ決めたか:主力事業の再構築と、機能ソリューション・メディカルへの中核の移行
概要
2025年5月14日、グンゼは中期経営計画「VISION 2030 stage2」を公表し、機能ソリューションとメディカルを強化・拡大する事業に、アパレルとライフクリエイトを聖域なき構造改革の対象に区分した。アパレル事業については2025年度からの2年間を構造改革期間と定め、2027年に持続的な創益事業へ再生する目標を掲げた。同年8月6日には、生産拠点・物流拠点の集約と再編、希望退職の実施を決定した。
- グンゼ 2025年3月期決算説明会 質疑応答(2025年5月14日)【中期経営計画関連】
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- グンゼ 2025年3月期決算説明会 質疑応答(2025年5月14日)【2025年度計画関連】
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- グンゼ 2026年3月期第1四半期決算説明資料(2025年8月)【アパレル事業の構造改革について】
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構造改革と同時に動かしたのは、資本配分と株主還元である。設備投資はメディカルとエンジニアリングプラスチックスを優先し、M&Aもメディカルとプラスチック資源循環の領域に集中する方針を示した。株主還元の基準はDOE2.2%以上から4.0%以上へ改め、ROEが8%以上となるまでは総還元性向100%超の還元を機動的に実施するとした。
- グンゼ 2025年3月期決算説明会 質疑応答(2025年5月14日)【2025年度計画関連】
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- グンゼ 2025年3月期決算説明資料(2025年5月14日)【株主還元】、同質疑応答【株主還元方針の変更について】
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背景
2023年3月期のアパレル事業は売上高609億8600万円に対し2億2200万円の営業損失を計上した。2024年3月期は売上高601億1400万円、営業利益14億6500万円へ改善したものの、2025年3月期は売上高607億8200万円に対して営業利益が7億5300万円と48.6%減少した。減産や円安による仕入コストの増加に加え、量販店などの実販ルートでは売り場縮小が続いた。同じ2025年3月期に機能ソリューション事業は営業利益72億500万円を計上しており、事業間の収益差は大きかった。
- グンゼ 有価証券報告書 第127期(2023年3月期)【経営成績等の状況の概要】
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- グンゼ 有価証券報告書 第128期(2024年3月期)【経営成績等の状況の概要】
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- グンゼ 有価証券報告書 第129期(2025年3月期)【経営成績等の状況の概要】
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決断前の全社の数字も、前中期経営計画「VISION 2030 stage1」の目標を下回った。最終年度の2025年3月期は、売上高1371億円(目標1400億円)、営業利益79億円(目標100億円)、ROE5.3%(目標6.32%以上)、GVA△9億円(目標は黒字化)であった。経営陣は2025年5月の説明会で、前中計で計画との乖離が大きかった事業としてアパレル事業を名指しし、抜本的な構造改革を断行すると述べた。
- グンゼ 有価証券報告書 第129期(2025年3月期)【VISION 2030 stage1の経営目標と進捗状況】
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- グンゼ 2025年3月期決算説明会 質疑応答(2025年5月14日)【中期経営計画関連】
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内容
生産は、梁瀬工場と養父アパレルを2026年3月末、東北グンゼと矢島通商を2026年12月末を目処に閉鎖し、宮津工場へ機能を集約する計画とした。物流は京都物流センターの綾部事業所を2025年12月末、福知山事業所を2026年12月末を目処に閉鎖する。レッグはすでに生産を国内1工場に集約していた。アパレルカンパニーの間接・営業部門に所属する40歳以上の従業員を対象とする希望退職には、事業従事者約2300名のうち82名が応募し、追加募集は予定しないとした。
- グンゼ 2026年3月期第1四半期決算説明資料(2025年8月)【アパレル事業の構造改革について】
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- グンゼ 2026年3月期第1四半期決算説明会 質疑応答(2025年8月20日)【アパレル事業】
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- グンゼ 2026年3月期第2四半期決算説明会 質疑応答(2025年11月5日)【アパレル事業】
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本筋の工場集約の周りでは、商品と価格、海外生産も見直した。創益カテゴリーへの集中特化として、2025〜2026年度で累計25%のSKU削減を進め、ストッキングは2025年8月、インナーとハウスは2026年2月から価格を改定した。接着・無縫製ブランドのKIREILABOは国内技術を海外へ移転し、コスト競争力を高めるとした。アパレル事業の2026年3月期の設備投資27億6200万円は、主に海外拠点の生産体制整備に充当した。
- グンゼ 2026年3月期決算説明資料(2026年5月14日)【重点事業の方向性 アパレル事業の構造改革進捗】
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- グンゼ 2026年3月期第1四半期決算説明資料(2025年8月)【アパレル事業の構造改革について】
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- グンゼ 有価証券報告書 第130期(2026年3月期)【設備投資等の概要】
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沿革:意思決定前後の出来事8件
考察:主力を縮めるという判断
考察:主力を縮めるという判断
2023年3月期に営業損失2億2200万円を計上したアパレル事業は、それでも約2300名が働く事業であった。グンゼはその事業の目標を利益の改善に定め、インナーの生産を宮津工場へ集約し、物流拠点を閉鎖し、40歳以上の間接・営業部門に希望退職を募集した。説明会で示した方向性は、縮小する国内市場でも利益を確保できる商品構成への見直しである。グンゼが2025年に選択したのは、肌着からの撤退ではなく、肌着で利益を確保できる規模への縮小であったと推察される。
ただ、縮小の先にアパレル事業が主力事業へ回復する計画は示されていない。営業損益の改善目標33億円は、機能ソリューション事業が2025年3月期に計上した営業利益72億円の半分に満たない。しかも経営資源を集中させたメディカル事業では中国の医療費抑制政策が、機能ソリューション事業のプラスチック分野では中国製の安価な化学品の流通が新たな課題となり、2026年3月期は下方修正を経て社長交代に至った。収益源の入れ替えが完了したかどうかは、改革後の業績を見なければ判断できない。
構造改革の初年度である2026年3月期に、アパレル事業は営業損失13億3400万円を計上した。非継続品の在庫評価損を含むこの数字だけでは、改革の成否を判断できない。決着の条件は二つある。一つは2026年12月を目処とする東北グンゼと福知山の終息を計画どおりに完了すること、もう一つは価格改定とSKU削減を経ても販売を維持し、営業損益33億円の改善を達成することである。これらを達成して初めて、持続的な創益事業への再生と評価できる。
会社自身の言葉2件
会社自身の言葉
| 発言者 | 引用 | 出所 |
|---|---|---|
| グンゼ | 「構造改革については、前中計で計画乖離が大きかったアパレル事業について、抜本的な構造改革を断行します。」 | 2025年3月期決算説明会 質疑応答(2025年5月14日)【中期経営計画関連】 |
| グンゼ | 「大きな方向性としては、縮小する国内市場でも創益できる商品構成への見直しや、販売チャネルシフトに対するバリューチェーン改革、さらに為替影響を受けやすい製販体制の見直しが主となります。」 | 2025年3月期決算説明会 質疑応答(2025年5月14日)【中期経営計画関連】 |



