グローバル
戦後の日本企業は、生産設備を国内に集約し、製品を輸出して外貨を獲得してきた。海外は製品を販売する市場であり、拠点の責任者は本社から派遣する駐在員が務めた。海外子会社の成績は円換算で本社へ報告され、親会社の単体決算には反映されなかった。したがってこの区分では、どこに拠点を置くか、置いた拠点をどう運営するか、不振の拠点をいつ閉じるかが、別々の時期に問われた。
1950年代から1980年代にかけては、関税、為替、輸出自主規制、円高と、輸出の経路を塞ぐ条件が年代ごとに現れ、海外進出と現地生産が前に出た。1980年代に海外事業が本社と拮抗する規模に達すると、グローバル経営の論点として、人事と意思決定と業績評価の仕組みが問われ始めた。2000年代に減損会計が導入され、回収の見込めない投資は売却を待たずに損失として計上されるようになった。2010年代以降、海外撤退は経営者個人の判断ではなく、会計上の事実として議題に上がっている。
いま問われているのは、拠点の数ではなく、海外を含めた一体の経営を誰が指揮するかである。2010年代には、経営者を外部から招聘する例が出た。進出と運営と撤退の判断は、同じ決算の数字の上で続けて問われるようになった。
論点と年代
海外進出と現地生産
LSGアジア太平洋の機内食15社取得グルメ杵屋との合弁を通じた機内食への参入と海外調達網の拡充Ausbuild社の51%取得QLD州の住宅会社を通じた工業化住宅の海外展開米Cross Vascular買収FDA認証済みの心房中隔穿刺システムによる米国事業の早期構築豪PointsBet買収スポーツベッティング事業者の取り込みによる海外市場への本格参入東アフリカEABLの取得英Diageoの保有株の取得によるケニア・ウガンダ・タンザニアへの参入カリフォルニア新工場投資蓄積した資金を北米即席麺の増産へ振り向ける能力投資ベトナムに現地法人設立ホーチミン市に4か国目の現地法人、社内システム開発を担当英LYSTの買収技術ライセンスの提供から、海外のEC・メディアを自ら持つ側への転換
買収による現地生産の獲得
LSGアジア太平洋の機内食15社取得グルメ杵屋との合弁を通じた機内食への参入と海外調達網の拡充Ausbuild社の51%取得QLD州の住宅会社を通じた工業化住宅の海外展開米Cross Vascular買収FDA認証済みの心房中隔穿刺システムによる米国事業の早期構築
48件を見る現地生産からの世界展開
フルグラの中国再進出越境ECと現地専用工場を軸にした中国市場の攻め直し中国平安保険との資本提携第三者割当による外資の筆頭株主化と、業務面まで含めた協業関係の構築カプロラクタムの量産化スペイン・タイでの現地生産まで拡大したナイロン原料の世界供給網の構築
20件を見る海外工場への大型投資
カリフォルニア新工場投資蓄積した資金を北米即席麺の増産へ振り向ける能力投資バングラデシュに製造子会社ANBD社を設立フィリピン2工場への生産の集中を改める、第3の国での自社工場の建設OCIと合弁でマレーシア再進出折半出資による半導体用多結晶シリコン生産の再開と、ベトナム子会社の設立
17件を見るグローバル経営
High Liner Foodsの買収スケソウダラの半製品販売から北米の冷凍水産加工・販売への川下進出米モチアイス最大手My/Mochiの買収赤字続きの米国最大手モチアイス会社の取得と米国冷菓市場への参入山東有研RS半導体材料の完全子会社化12インチウェーハ合弁の中国上場子会社への株式交換による統合Chevronのアジア6か国事業の取得国内需要の縮小を前にした東南アジア・豪州の製油所と販売網の取得阪急阪神エクスプレスの買収海上中心の国際輸送への航空フォワーダーの統合と、買収による規模の獲得TH FOODSの完全子会社化残り50%の取得による、合弁から単独経営への切り替え「VISION2030」策定売上高2,000億円・営業利益500億円を掲げる中期経営計画の始動DUNLOP商標権を取得グッドイヤーからの欧米豪の権利の買い戻しと基幹ブランドの入れ替え
買収によるグローバル経営
High Liner Foodsの買収スケソウダラの半製品販売から北米の冷凍水産加工・販売への川下進出米モチアイス最大手My/Mochiの買収赤字続きの米国最大手モチアイス会社の取得と米国冷菓市場への参入Chevronのアジア6か国事業の取得国内需要の縮小を前にした東南アジア・豪州の製油所と販売網の取得
57件を見る海外撤退
Oceano社向け債権と株式の譲渡海外取引先の債権・優先株式の売却と約45億円の保証責任の解消Steinmüller Engineeringの全持分を譲渡独ボイラ・エンジニアリング子会社の売却と約140億円の費用計上北米EVの開発中止と四輪電動化戦略の見直し北米EVモデルの開発中止と、四輪事業1兆5,778億円の損失計上ベトナムUSMの株式譲渡取得から約4か月での全株譲渡と、のれん減損6,759百万円の計上MGCの全株式譲渡保有していた米国子会社 Mary's Gone Crackers からの撤退イージス買収の巨額減損海外事業(電通インターナショナル)の巨額減損とM&A路線の転換米国縮小とメルカリ ハロ投入海外の拡大に区切りをつけ、成長の軸を国内へ戻す転換中国事業の整理中国生産子会社の持分譲渡と、在庫処分・店舗整理
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