自社株を対価にして企業を買い、買った会社の株価を分割によって押し上げ、その売却益を営業利益に計上する——この循環は、株価の上昇が止まらない限り回り続ける。宮内亮治氏は逮捕の11日前の取材で、利益は特別利益より経常利益のほうが良く、浮動株は少ないほど株価は上昇しやすいと、悪びれることなく語っていた。株価を作り上げること自体が、事業の実体になっていたとみられる。
ただ、装置を組んだ本人が、それを焼き畑農業と呼んでいた点は見落とせない。シングルAの格付けを取り、金利1%前半で普通社債を出せれば無茶をしなくて済む——宮内氏がそう語った直後に、循環は外から止められた。分割と益出しは、事業の利益が育つまでの時間を買う手立てとして始まったのかもしれない。買った時間の使い道が定まる前に、手段のほうが目的の位置に居座ったといえる。