山田進太郎氏はウノウの設立・売却を経て、プロダクトの質こそが勝敗を分けるという確信を持っていた。GoogleもFacebookも先発ではなかったという認識のもと、既存のPC型オークション市場をスマホで再定義するアプローチを選択した。創業時からVCの資金で「自分の財布と会社の財布を…
メルカリがヤフオクと決定的に異なるのは、オークション方式を採用せず即決価格を基本とした点にある。価格が決まっている方が購入の意思決定が速く、出品者にとっても値付けの心理的負担が軽い。この設計により出品から購入までの回転速度が上がり、取引の「日常化」が実現した。完成度よりも実利用か…
2014年時点でスタートアップがテレビCMを打つことは異例であり、オンライン完結型サービスにマス広告は不要という見方が主流だった。しかし小泉文明氏は入社直後から資金調達・CM制作・仙台CSオフィス立ち上げを同時並行で進め、わずか3ヶ月で実行に移した。この判断の核心は、フリマアプリ…
83.5億円の調達は競合が本格参入する前に規模で圧倒するための先行投資であり、市場そのものを固定化する狙いがあった。実際、FY2015-FY2017の広告宣伝費率は55〜97%と異常に高く、売上の大半を広告に再投資する構造が常態化していた。この投資モデルはネットワーク効果による独…
マイクロサービス化で注目すべきは、システムの分割にとどまらず組織構造まで相似形に切り直そうとした点にある。CTOの若狭氏が述懐するように、サービスの切り方が正解かわからない段階で組織も同時に切り直した結果、ソフトウェアは修正できても組織の再編には数週間〜数ヶ月を要するという非対称…
メルカリShopsの狙いは、CtoC基盤の集客力を活かして事業者を取り込み、取引総額を拡張することにあった。あえて別会社とすることで既存事業のKPIから切り離し、意思決定速度を確保する設計だった。しかし出店数20万店を超えても、加盟店管理やCSのコスト負担が重く、取引拡大が収益改…
メルカリの不正問題で注目すべきは、2022年上半期だけで不正決済の補償額が32億円に達した規模感である。情報漏洩1.7万件、不正決済の補償32億円という数字は、マイクロサービス移行の過渡期にシステムの攻撃面が拡大していたことを示唆する。成長フェーズでは利便性を優先し、セキュリティ…
FY2018に103億円、FY2021に78億円と累計181億円の減損を計上した事実は、日本で成功したCtoCモデルの米国展開がいかに困難かを物語っている。米国にはeBay・Facebook Marketplaceなど既存の中古取引文化が根付いており、メルカリの強みであるスマホ完…