LINE:LINEへの改称とニューヨーク・東京同時上場
スタンプショップ・公式アカウント・DAU70.8%・LINE広告31.6%
2012年〜スタンプショップ944種・公式アカウント・世界4,000万人
2012年1月、NHN Japanはライブドアのメディア事業を吸収分割で承継し、3社の経営統合を終えた。LINEの登録者数は同年3月27日に国内1,000万人・世界2,500万人を超えた。その1か月後の4月26日、会社は人気キャラクターのスタンプを買える「スタンプショップ」を世界同時に開いた。第一弾の品揃えは19セット・944種類で、これがLINEにとって初の課金モデルとなった。有料スタンプは1パッケージ200円で売られ、最初から入っている無料スタンプとは別の棚に並んだ。文字で書きにくい感情を送る部品に値段を付け、無料の連絡手段の上へ最初の売上を載せた設計であった。
- LINE株式会社 第17期有価証券報告書(2016年12月期)【沿革】
- [1]2012年1月に株式会社ライブドアのメディア事業を吸収分割により承継し、3社の経営統合を完了
- NHN Japan株式会社 プレスリリース「LINE、登録者数が国内1,000万人・世界2,500万人を突破」(2012年3月27日)
- [2]2012年3月27日に登録者数が国内1,000万人・世界2,500万人を突破
- NHN Japan株式会社 プレスリリース「LINE、「スタンプショップ」を世界同時公開」(2012年4月26日)
- [3]2012年4月26日に人気キャラクターのスタンプを購入できる「スタンプショップ」を世界同時公開
- [4]第一弾として全19セット・総計944種類のスタンプを提供開始。「スタンプショップ」はLINE初の課金モデル
- LINE株式会社 広告事業部「LINE 2014年1-3月 媒体資料」(2013年)
- [5]スタンプはデフォルトで登録される無料スタンプ、1パッケージ200円で販売する有料販売スタンプ、広告費で無料提供するスポンサードスタンプに分かれる
同年6月18日には企業向けの「LINE公式アカウント」を始め、第一弾に日本コカ・コーラ、ローソン、ゼンショー、日本テレビ放送網が加わった。この機能は、企業のアカウントを友だちに加えた利用者へ、メッセージを直接届けるものであった。会社はTwitterやFacebookのようなタイムライン型の配信と対比し、プッシュで通知が届くため高い閲覧率が見込めると説明した。同じ発表では、企業のキャラクターを使ったスポンサードスタンプとの組み合わせも打ち出している。翌年の媒体資料は、企業と友だちになった利用者がクーポンの利用やキャンペーンへの参加に動いたと調査で示した。企業に売ったのは紙面や画面の枠ではなく、世界4,000万人・国内1,800万人の友だち一覧に並ぶ権利だったとみられる。
- NHN Japan株式会社 プレスリリース「LINE公式アカウント」を提供開始(2012年6月18日)
- [6]2012年6月18日に企業向け「LINE公式アカウント」を提供開始。第一弾として日本コカ・コーラ、ローソン、ゼンショー(すき家)、日本テレビ放送網が参加
- [7]「LINE公式アカウント」は当該アカウントを友だち追加したユーザーにメッセージを直接配信できる機能
- [8]TwitterやFacebookなどタイムラインによるフロー型の情報配信と異なり、プッシュ型で直接通知されるため高い閲覧率を期待できると説明
- NHN Japan株式会社 プレスリリース「Introduction of 'LINE Official Accounts' for Businesses Enterprises」(2012年6月18日)
- [9]自社のブランド・キャラクターを活かしたオリジナルの「スポンサードスタンプ」との組み合わせを提示。対象は世界4,000万人・国内1,800万人のスマートフォンユーザー
- NHN Japan株式会社 広告事業部「LINE 2013年4-6月 媒体資料」(2013年)
- [10]公式アカウントと友だちになった後の行動変化として、当該企業への理解の深まりに加え、クーポン利用やキャンペーン参加など実際に人を動かす効果が実証されたと記載(マクロミル社インターネット調査、2013年1月実施)
公開1周年を前にした7月3日、NHN Japanは本格事業化に向けたプラットフォーム戦略を発表する場を渋谷ヒカリエに設けた。同じ日にKDDIとの業務提携と、プラットフォームサービス「LINE Channel」を発表している。登録者数は公開から約1年7か月の2013年1月18日に世界1億人・国内4,100万人を超えた。電話番号を登録の鍵とするため、やり取りの相手は家族・友だち・恋人など親密な間柄が多く、1日1回以上使う人の比率は50.5%に上った。通知を開かせる力が強いのは、つながる相手が近い人に限られるからであり、連絡網の濃さそのものが企業へ売る商品の品質を決めた。
- NHN Japan株式会社 プレスリリース「本格事業化に向けたプラットフォーム戦略および新サービスを発表」(2012年6月14日)
- [11]2012年7月3日に渋谷ヒカリエで「Hello, Friends in Tokyo 2012」を開催し、LINEの本格事業化に向けたプラットフォーム戦略と新サービスを発表すると告知
- LINE株式会社 公式サイト プレスリリース一覧(2012年)
- [12]2012年7月3日にKDDIとの業務提携と、プラットフォームサービス「LINE Channel」を発表
- NHN Japan株式会社 広告事業部「LINE 2013年4-6月 媒体資料」(2013年)
- [13]2013年1月18日時点で世界1億人・国内4,100万人を突破
- [14]電話番号が登録キーで、コミュニケーションの相手は家族・友だち・恋人など親密な間柄が多数。DAUは50.5%(マクロミル社インターネット調査、2013年1月実施)
参考文献[1]-[14]
- LINE株式会社 第17期有価証券報告書(2016年12月期)【沿革】
- [1]2012年1月に株式会社ライブドアのメディア事業を吸収分割により承継し、3社の経営統合を完了
- [2]2012年3月27日に登録者数が国内1,000万人・世界2,500万人を突破
- [3]2012年4月26日に人気キャラクターのスタンプを購入できる「スタンプショップ」を世界同時公開
- [4]第一弾として全19セット・総計944種類のスタンプを提供開始。「スタンプショップ」はLINE初の課金モデル
- [5]スタンプはデフォルトで登録される無料スタンプ、1パッケージ200円で販売する有料販売スタンプ、広告費で無料提供するスポンサードスタンプに分かれる
- [6]2012年6月18日に企業向け「LINE公式アカウント」を提供開始。第一弾として日本コカ・コーラ、ローソン、ゼンショー(すき家)、日本テレビ放送網が参加
- [7]「LINE公式アカウント」は当該アカウントを友だち追加したユーザーにメッセージを直接配信できる機能
- [8]TwitterやFacebookなどタイムラインによるフロー型の情報配信と異なり、プッシュ型で直接通知されるため高い閲覧率を期待できると説明
- [9]自社のブランド・キャラクターを活かしたオリジナルの「スポンサードスタンプ」との組み合わせを提示。対象は世界4,000万人・国内1,800万人のスマートフォンユーザー
- [10]公式アカウントと友だちになった後の行動変化として、当該企業への理解の深まりに加え、クーポン利用やキャンペーン参加など実際に人を動かす効果が実証されたと記載(マクロミル社インターネット調査、2013年1月実施)
- [13]2013年1月18日時点で世界1億人・国内4,100万人を突破
- [14]電話番号が登録キーで、コミュニケーションの相手は家族・友だち・恋人など親密な間柄が多数。DAUは50.5%(マクロミル社インターネット調査、2013年1月実施)
- [11]2012年7月3日に渋谷ヒカリエで「Hello, Friends in Tokyo 2012」を開催し、LINEの本格事業化に向けたプラットフォーム戦略と新サービスを発表すると告知
- [12]2012年7月3日にKDDIとの業務提携と、プラットフォームサービス「LINE Channel」を発表
2013年〜LINE株式会社・ハンゲーム分離・スポンサードスタンプ2,000万円
2013年4月、NHN Japanは商号をLINE株式会社へ改め、新設分割で設けたNHN Japan株式会社へハンゲーム事業を承継させた。新会社はNHN Corporationの完全子会社となり、ゲームの祖業はグループの外へ出た。同年11月には、検索サービス「NAVER」の日本での提供終了を発表している。ウェブの資産として残したのは「NAVERまとめ」と総合ポータルのlivedoorで、ポータル広告の受け皿となった。2013年12月期の連結売上収益は396億円で、海外のマーケティング費用がかさみ、当期純損失は63億円であった。祖業と長年の投資先を同じ年に手放し、残る資源を一つのアプリとその上の広告へ寄せる判断であった。
- LINE株式会社 公式サイト 沿革(2014年6月時点)
- [15]2013年4月にゲーム事業とウェブサービス事業を分割し、NHN Japan株式会社をLINE株式会社へ商号変更
- LINE株式会社 第17期有価証券報告書(2016年12月期)【沿革】
- [16]2013年4月、新設分割によって設立したNHN Japan株式会社にハンゲーム事業を承継
- [17]NHN Corporation(現NAVER)によるNHN Japan株式会社の完全子会社化に伴いハンゲーム事業が終了
- [18]2013年11月に検索サービス「NAVER」の日本国内での提供終了を発表
- LINE株式会社 第17期有価証券報告書(2016年12月期)【事業の内容】
- [19]ポータル広告の対象としてlivedoorと「NAVERまとめ」を挙げる
- LINE株式会社 第17期有価証券報告書(2016年12月期)【主要な経営指標等の推移】
- [20]第14期(2013年12月期)の連結売上収益39,585,761千円、当期純損失6,391,132千円。損失は主に海外事業展開に係るマーケティング費用の計上による
2013年1月の調査では、利用者の男女比はほぼ半々で30代以上が過半数を占め、10代・20代の女性の多くがほぼ毎日LINEを使っていた。スポンサードスタンプは8種類1,500万円、16種類2,000万円で、スタンプショップに4週間載る商品として値付けされた。公式アカウントは4週間800万円から12週間1,500万円の初期プランで始まり、継続時の月額は有効友だち数と配信回数で決まった。有効友だち100万人へ月1回配信する場合は月250万円で、1人あたり2.5円に当たる。友だちの頭数と配信の回数を価格の基準に置いた時点で、LINEは視聴率ではなく友だち数で測られる媒体になった。
- NHN Japan株式会社 広告事業部「LINE 2013年4-6月 媒体資料」(2013年)
- [21]男女比はほぼ半々、30代以上が過半数。10代・20代女性の多くがほぼ毎日LINEを利用(マクロミル社インターネット調査、2013年1月実施)
- [22]LINEスポンサードスタンプは8種類15,000,000円、16種類20,000,000円(税別)、掲載期間4週間、掲載面はスタンプショップ
- [23]公式アカウントのエントリープランは4週間800万円・8週間1,200万円・12週間1,500万円。継続プランは有効友だち数(登録友だち数からブロックを差し引いた数)と配信通数で見積もり
- LINE株式会社 広告事業部「LINE 2013年7-9月 媒体資料」(2013年)
- [24]継続プランの価格表で、有効友だち数100万人〜・月1回配信までは250万円(@2.50)
半年後の2013年10-12月の媒体資料では、世界の利用者は7月21日に2億人を超え、国内で毎日使う人は2,500万人以上と記された。スポンサードスタンプは公式アカウント連動で8種類2,000万円・16種類2,500万円へ上がり、週の掲載枠も2枠から3枠に増えた。公式アカウントの平均友だち数は約250万人で、スタンプを配る期間の友だちの増加は平均約270万人に上った。同じ期には、商品に添えたシリアルでスタンプを受け取らせるマストバイスタンプを2,000万円からで売り出した。1年後の2014年8月には平均友だち数が約490万人となった。値上げの後も、無料のスタンプは企業の友だちを増やす装置として買われ続けたとみられる。
- LINE株式会社 広告事業部「LINE 2013年10-12月 媒体資料」(2013年)
- [25]2013年7月21日現在で世界2億ユーザーを突破。国内で毎日利用するユーザーは2,500万人以上(国内利用者数×アクティブ率)
- [26]スポンサードスタンプは公式アカウント連動で8種類20,000,000円・16種類25,000,000円、公式アカウント無しで25,000,000円・30,000,000円(税別)。掲載枠は毎週火曜日/3枠
- [27]公式アカウントの平均友だち数約250万人、スタンプ配布期間中の平均友だち増加数約270万人
- LINE株式会社 広告事業部「LINE マストバイスタンプ」10-12月期 媒体資料(2013年)
- [28]LINEマストバイスタンプは対象商品に添付したシリアルでスタンプをダウンロードさせる商品で、価格20,000,000円〜。シリアル発行費は1,000万シリアルまで500万円
- LINE株式会社 広告事業部「LINE 2014年10月-2015年3月媒体資料」(2014年)
- [29]2014年8月1日時点で公式アカウントの平均友だち数約490万人、スタンプ配布期間中の平均友だち増加数約310万人
参考文献[15]-[29]
- [15]2013年4月にゲーム事業とウェブサービス事業を分割し、NHN Japan株式会社をLINE株式会社へ商号変更
- LINE株式会社 第17期有価証券報告書(2016年12月期)【沿革】
- [16]2013年4月、新設分割によって設立したNHN Japan株式会社にハンゲーム事業を承継
- [17]NHN Corporation(現NAVER)によるNHN Japan株式会社の完全子会社化に伴いハンゲーム事業が終了
- [18]2013年11月に検索サービス「NAVER」の日本国内での提供終了を発表
- LINE株式会社 第17期有価証券報告書(2016年12月期)【事業の内容】
- [19]ポータル広告の対象としてlivedoorと「NAVERまとめ」を挙げる
- LINE株式会社 第17期有価証券報告書(2016年12月期)【主要な経営指標等の推移】
- [20]第14期(2013年12月期)の連結売上収益39,585,761千円、当期純損失6,391,132千円。損失は主に海外事業展開に係るマーケティング費用の計上による
- [21]男女比はほぼ半々、30代以上が過半数。10代・20代女性の多くがほぼ毎日LINEを利用(マクロミル社インターネット調査、2013年1月実施)
- [22]LINEスポンサードスタンプは8種類15,000,000円、16種類20,000,000円(税別)、掲載期間4週間、掲載面はスタンプショップ
- [23]公式アカウントのエントリープランは4週間800万円・8週間1,200万円・12週間1,500万円。継続プランは有効友だち数(登録友だち数からブロックを差し引いた数)と配信通数で見積もり
- [24]継続プランの価格表で、有効友だち数100万人〜・月1回配信までは250万円(@2.50)
- [25]2013年7月21日現在で世界2億ユーザーを突破。国内で毎日利用するユーザーは2,500万人以上(国内利用者数×アクティブ率)
- [26]スポンサードスタンプは公式アカウント連動で8種類20,000,000円・16種類25,000,000円、公式アカウント無しで25,000,000円・30,000,000円(税別)。掲載枠は毎週火曜日/3枠
- [27]公式アカウントの平均友だち数約250万人、スタンプ配布期間中の平均友だち増加数約270万人
- [28]LINEマストバイスタンプは対象商品に添付したシリアルでスタンプをダウンロードさせる商品で、価格20,000,000円〜。シリアル発行費は1,000万シリアルまで500万円
- [29]2014年8月1日時点で公式アカウントの平均友だち数約490万人、スタンプ配布期間中の平均友だち増加数約310万人
2015年〜フリーコイン20円・VIDEO AD・MixRadio撤退と東証・NYSE上場
2014年10月-2015年3月向けの媒体資料は、7月31日時点の世界の登録者数4.9億人を掲げていた。次の2015年4-9月向けの資料は月間アクティブユーザー数(MAU)へ数え方を替え、世界で1億8,100万人とした。国内は5,800万人以上で、毎日使う人の比率は63.6%であった。2016年4-9月向けの資料では国内の利用者が6,800万人を超え、人口の53.6%に当たり、毎日使う比率は70.8%に上がった。利用者はやや女性が多く、男女とも全年代で9割以上が毎月使うと記された。世界の登録の頭数を捨て、実際に開かれる人数と頻度を広告主へ示す指標に据え直した。
- LINE株式会社 広告事業部「LINE 2014年10月-2015年3月媒体資料」(2014年)
- [30]2014年7月31日時点で世界でのユーザー数が4.9億人を突破
- LINE株式会社 広告事業部「LINE 2015年4-9月媒体資料」(2015年)
- [31]MAUはグローバルで1億8,100万人、上位3カ国(日本・台湾・タイ)のMAUは9,200万人(2015年1月29日現在)
- [32]国内登録者数は5,800万人以上。DAU(毎日利用しているユーザー)は63.6%(マクロミル社インターネット調査、2015年1月実施)
- LINE株式会社 広告事業部「LINE 2016年4月-9月媒体資料」(2016年)
- [33]国内利用者数は6,800万人以上で日本の人口の53.6%。DAUは70.8%(マクロミル社インターネット調査、2016年1月実施)
- [34]男女比はやや女性が多く、男女とも全年代で9割以上が毎月LINEを利用。若年層ほど利用頻度が高く、女性の方がアクティブ
2015年の「LINEフリーコイン」は、アプリのダウンロード、動画の視聴、公式アカウントの友だち追加をした利用者へコインを渡す広告であった。友だち追加は1人20円で10万人から発注でき、動画は最大60秒の視聴完了1回につき20円を払う仕組みとした。同じ期の「LINE VIDEO AD」は、フリーコイン面の週5,000万インプレッションを売り、30秒素材の視聴完了率を90%と示した。動画を見せてから配るマストビュースタンプは6,000万円からの値付けであった。2016年2月には広告基盤を強めるため、モバイル広告のM.T.Burnの持分50.5%を取得した。一度に大金を払う枠に、成果1件ごとに払う枠を並べ、獲得単価で動く広告主を呼び込んだとみられる。
- LINE株式会社 広告事業部「LINE フリーコイン【国内版】」2015年7-9月分 媒体資料(2015年)
- [35]「LINEフリーコイン」は「アプリDL」「動画閲覧」「友だち追加」を提供し、ユーザーにコインを還元
- [36]友だち追加は単価20円・発注ロット10万人、フリーコインビデオは成果地点を動画視聴完了(最大60秒)として単価20円(税抜)
- LINE株式会社 コーポレートビジネスグループ 広告事業部「LINE VIDEO AD」2015年7月-9月期(2015年)
- [37]5,000万imp/週のLINEアプリ内「フリーコイン」面で動画を配信。国内CPV広告の平均視聴完了率は30秒素材90%・60秒素材89%(2015年1月〜3月)
- [38]LINEマストビュースタンプの価格は60,000,000円・65,000,000円(税別)
- LINE株式会社 第17期有価証券報告書(2016年12月期)【沿革】
- [39]2016年2月、広告プラットフォームを強化・成長させるため国内モバイル広告会社M.T.Burn株式会社の持分50.5%を取得し連結子会社化
2015年3月にMicrosoft Mobileから譲り受けた音楽配信のMixRadioは、成長が見込めないとして2016年3月に終了した。2016年7月、LINEは東京証券取引所市場第一部とニューヨーク証券取引所へ上場した。直後の決算説明会では、6月時点のパフォーマンス型広告の広告主はゲームとコスメが各25%を占めると説明した。大手中心だったメッセンジャー型の顧客に、ダイレクトレスポンスの広告主が加わったという。広告サービスの売上に占めるパフォーマンス型の比率は、2016年1-3月期の7%から10-12月期には26%へ上がった。2016年12月期の売上収益は1,407億円で、LINE広告の比率は前年の22.0%から31.6%へ上がった。スタンプから始めた広告は、上場の年に収益源の一角を占めるまでに育っていた。
- LINE株式会社 第17期有価証券報告書(2016年12月期)【沿革】
- [40]2015年3月にMicrosoft Mobile OyからMixRadio事業を譲受。事業維持コストの上昇等から今後の成長は困難と判断し、2016年3月にMixRadioの音楽配信サービス事業を終了
- [41]2016年7月にニューヨーク証券取引所および東京証券取引所市場第一部に株式を上場
- LINE株式会社 2016年12月期第2四半期決算説明会における質疑応答(要約)(2016年7月27日)
- [42]6月時点でパフォーマンス型広告の25%がゲーム関連、25%がコスメティック関連の広告主
- [43]既存のメッセンジャー広告は主に大手クライアントが利用していたが、パフォーマンス型広告によりダイレクトレスポンス領域の顧客にも使われるようになったことを大きな変化と説明
- LINE株式会社 2016年12月期第4四半期決算説明会資料(2017年1月25日)
- [44]広告サービスの売上構成でパフォーマンス型はQ1'16に7%、Q4'16に26%
- LINE株式会社 第17期有価証券報告書(2016年12月期)【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
- [45]第17期(2016年12月期)の連結売上収益140,704,308千円。収益構成比はLINE広告が2015年度22.0%から2016年度31.6%へ
参考文献[30]-[45]
- [30]2014年7月31日時点で世界でのユーザー数が4.9億人を突破
- [31]MAUはグローバルで1億8,100万人、上位3カ国(日本・台湾・タイ)のMAUは9,200万人(2015年1月29日現在)
- [32]国内登録者数は5,800万人以上。DAU(毎日利用しているユーザー)は63.6%(マクロミル社インターネット調査、2015年1月実施)
- [33]国内利用者数は6,800万人以上で日本の人口の53.6%。DAUは70.8%(マクロミル社インターネット調査、2016年1月実施)
- [34]男女比はやや女性が多く、男女とも全年代で9割以上が毎月LINEを利用。若年層ほど利用頻度が高く、女性の方がアクティブ
- [35]「LINEフリーコイン」は「アプリDL」「動画閲覧」「友だち追加」を提供し、ユーザーにコインを還元
- [36]友だち追加は単価20円・発注ロット10万人、フリーコインビデオは成果地点を動画視聴完了(最大60秒)として単価20円(税抜)
- [37]5,000万imp/週のLINEアプリ内「フリーコイン」面で動画を配信。国内CPV広告の平均視聴完了率は30秒素材90%・60秒素材89%(2015年1月〜3月)
- [38]LINEマストビュースタンプの価格は60,000,000円・65,000,000円(税別)
- LINE株式会社 第17期有価証券報告書(2016年12月期)【沿革】
- [39]2016年2月、広告プラットフォームを強化・成長させるため国内モバイル広告会社M.T.Burn株式会社の持分50.5%を取得し連結子会社化
- [40]2015年3月にMicrosoft Mobile OyからMixRadio事業を譲受。事業維持コストの上昇等から今後の成長は困難と判断し、2016年3月にMixRadioの音楽配信サービス事業を終了
- [41]2016年7月にニューヨーク証券取引所および東京証券取引所市場第一部に株式を上場
- LINE株式会社 2016年12月期第2四半期決算説明会における質疑応答(要約)(2016年7月27日)
- [42]6月時点でパフォーマンス型広告の25%がゲーム関連、25%がコスメティック関連の広告主
- [43]既存のメッセンジャー広告は主に大手クライアントが利用していたが、パフォーマンス型広告によりダイレクトレスポンス領域の顧客にも使われるようになったことを大きな変化と説明
- LINE株式会社 2016年12月期第4四半期決算説明会資料(2017年1月25日)
- [44]広告サービスの売上構成でパフォーマンス型はQ1'16に7%、Q4'16に26%
- LINE株式会社 第17期有価証券報告書(2016年12月期)【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
- [45]第17期(2016年12月期)の連結売上収益140,704,308千円。収益構成比はLINE広告が2015年度22.0%から2016年度31.6%へ
筆者考察
2012年から2016年までのLINEは、無料の連絡網そのものを企業へ売る媒体に作り替えた会社である。最初の売上は1パッケージ200円の有料スタンプだったが、同じ年に始めた公式アカウントとスポンサードスタンプが、企業を利用者の友だち一覧へ入り込ませる商品となった。広告事業部が半期ごとに配った媒体資料は、友だち数と毎日使う人の比率を商品の品質として掲げ、有効友だち100万人への月1回配信を月250万円と値付けした。売り物は視聴率ではなく、電話番号で結ばれた親密な連絡網の濃さであった。
捨てる側の判断も同じ向きを指した。2013年にハンゲーム事業を分割で手放し、検索NAVERの国内提供を終え、2016年には譲り受けて1年の音楽配信MixRadioからも撤退した。残した資源は広告へ注がれ、スポンサードスタンプは2,000万円台へ値上がりし、2015年からはフリーコインやVIDEO ADのように成果1件ごとに払う商品が加わった。国内で毎日使う人の比率は2013年1月の50.5%から2016年1月の70.8%へ上がり、上場した2016年12月期にはLINE広告が売上収益の31.6%を占めた。大手の宣伝予算で始まった広告は、パフォーマンス型を得て、主要な収益源へ育ちつつあった。
2012年〜2016年の業績
| 決算期 | 区分 | 売上高 | 営業利益 | 純利益 | 主な投資 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 億円 | YoY | 億円 | 利益率 | 億円 | |||
| 2012年 | n/a | n/a | n/a | n/a | n/a | n/a | n/a |
| 2013年12月期 | 連結 | 396 | n/a | ▲77 | ▲19.4% | ▲8 | n/a |
| 2014年12月期 | 連結 | 864 | +118.2% | 64 | 7.4% | 42 | n/a |
| 2015年12月期 | 連結 | 1,204 | +39.4% | 20 | 1.7% | ▲76 | n/a |
| 2016年12月期 | 連結 | 1,407 | +16.9% | 199 | 14.1% | 68 | n/a |
出所:有価証券報告書
出典・参考
23件
- NHN Japan株式会社 プレスリリース「LINE、登録者数が国内1,000万人・世界2,500万人を突破」(2012年3月27日)
- NHN Japan株式会社 プレスリリース「LINE、「スタンプショップ」を世界同時公開」(2012年4月26日)
- NHN Japan株式会社 プレスリリース「LINE公式アカウント」を提供開始(2012年6月18日)
- NHN Japan株式会社 プレスリリース「Introduction of 'LINE Official Accounts' for Businesses Enterprises」(2012年6月18日)
- NHN Japan株式会社 プレスリリース「本格事業化に向けたプラットフォーム戦略および新サービスを発表」(2012年6月14日)
- LINE株式会社 公式サイト プレスリリース一覧(2012年)
- LINE株式会社 第17期有価証券報告書(2016年12月期)【沿革】
- LINE株式会社 第17期有価証券報告書(2016年12月期)【事業の内容】
- LINE株式会社 第17期有価証券報告書(2016年12月期)【主要な経営指標等の推移】
- LINE株式会社 2016年12月期第2四半期決算説明会における質疑応答(要約)(2016年7月27日)
- LINE株式会社 2016年12月期第4四半期決算説明会資料(2017年1月25日)
- LINE株式会社 第17期有価証券報告書(2016年12月期)【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
- NHN Japan株式会社 広告事業部「LINE 2013年4-6月 媒体資料」(2013年)
- LINE株式会社 広告事業部「LINE 2013年7-9月 媒体資料」(2013年)
- LINE株式会社 広告事業部「LINE 2013年10-12月 媒体資料」(2013年)
- LINE株式会社 広告事業部「LINE マストバイスタンプ」10-12月期 媒体資料(2013年)
- LINE株式会社 広告事業部「LINE 2014年1-3月 媒体資料」(2013年)
- LINE株式会社 公式サイト 沿革(2014年6月時点)
- LINE株式会社 広告事業部「LINE 2014年10月-2015年3月媒体資料」(2014年)
- LINE株式会社 広告事業部「LINE 2015年4-9月媒体資料」(2015年)
- LINE株式会社 広告事業部「LINE フリーコイン【国内版】」2015年7-9月分 媒体資料(2015年)
- LINE株式会社 コーポレートビジネスグループ 広告事業部「LINE VIDEO AD」2015年7月-9月期(2015年)
- LINE株式会社 広告事業部「LINE 2016年4月-9月媒体資料」(2016年)