第6章 年〜年

村田製作所:ソニーの電池事業の譲受と米Resonant買収ののれん減損

2017年〜ソニーから譲り受けた電池事業と、中島規巨社長への交代

2016年に決めたソニーの電池事業の譲受は、2017年9月1日に完了した。村田製作所は、ソニーが受け皿として設けた東北村田製作所を取得し、中国・無錫とシンガポールの電池の生産会社も傘下に収めた。会長兼社長の村田恒夫氏の名で出した発表は、電池をエネルギー分野の中核事業にすえると記した。東北村田製作所の社長には、2015年からエネルギー事業統括部の統括部長を務めた中島規巨氏が就任した。2017年度はリチウムイオン二次電池の売上が加わり、その他コンポーネントの売上高は前年度比45.0%増の3,223億円となった。スマートフォン向けに偏る収益源を、稼働中の工場ごと一度に増やそうとしたのだろう。

  • 村田製作所「ソニー株式会社からの電池事業の取得の完了に関するお知らせ」(2017年9月1日)
    • [1]2017年9月1日にソニーグループの電池事業の譲受が完了し、ソニーが2016年12月9日に設立した東北村田製作所(福島県郡山市、社長 中島規巨)を取得。傘下に無錫・シンガポールの電池生産会社。電池をエネルギー分野の中核事業にすえる。代表者は代表取締役会長兼社長 村田恒夫
    • [2]2017年9月1日にソニーグループの電池事業の譲受が完了し、ソニーが2016年12月9日に設立した東北村田製作所(福島県郡山市、社長 中島規巨)を取得。傘下に無錫・シンガポールの電池生産会社。電池をエネルギー分野の中核事業にすえる。代表者は代表取締役会長兼社長 村田恒夫
    • [3]2017年9月1日にソニーグループの電池事業の譲受が完了し、ソニーが2016年12月9日に設立した東北村田製作所(福島県郡山市、社長 中島規巨)を取得。傘下に無錫・シンガポールの電池生産会社。電池をエネルギー分野の中核事業にすえる。代表者は代表取締役会長兼社長 村田恒夫
  • 村田製作所 有価証券報告書 2020年3月期(役員の状況)
    • [4]中島規巨は2015年7月に通信・センサ事業本部長兼エネルギー事業統括部統括部長、2017年9月に東北村田製作所代表取締役社長
  • 村田製作所 統合報告書 Murata value report 2018
    • [5]2017年度、2017年9月に取得したリチウムイオン二次電池の売上が加わり、その他コンポーネントの売上高は2,223億円から3,223億円(+45.0%)

電池を加えた2017年度、全社の営業利益は前年度比19.4%減の1,621億円に減少した。減益の主な要因は、生産設備を中心とした減価償却費と投資関連費用の増加だった。翌2018年度の税引前利益は2,673億円となり、全社の収益は持ち直した。一方、電池は収益の改善が進まず、2021年の統合報告書で社長の中島規巨氏は、電池事業を筆頭に財務体質を強めることを課題に挙げた。同じ報告書は、中期構想2021の期間に電池事業などで事業ポートフォリオを見直したと振り返った。全社の利益を既存の部品が支え、電池の立て直しは次の体制へ持ち越されたとみられる。

  • 村田製作所 統合報告書 Murata value report 2018
    • [6]2017年度の営業利益は2016年度比19.4%減の1,621億円。生産設備を中心とした減価償却費や投資関連費用の増加が減益要因
    • [7]2017年度の営業利益は2016年度比19.4%減の1,621億円。生産設備を中心とした減価償却費や投資関連費用の増加が減益要因
  • 村田製作所 有価証券報告書 2019年3月期
    • [8]2019年3月期の連結税引前利益は267,316百万円(米国基準。2018年3月期は167,801百万円)
  • 村田製作所 統合報告書 Murata value report 2021(トップメッセージ)
    • [9]代表取締役社長 中島規巨のトップメッセージで、改善が遅れている電池事業などの財務体質強化も行うとする
  • 村田製作所 統合報告書 Murata value report 2021(中期構想2021の振り返り)
    • [10]中期構想2021の実績として、電池事業やコネクティビティモジュール事業などで事業ポートフォリオ見直しを実行

2020年6月、中島規巨氏が代表取締役社長に就任し、村田恒夫氏は代表取締役会長に移った。同年6月3日の株主総会の補足説明には、村田氏がなお会長兼社長として名を連ねていた。中島氏は1985年に入社し、通信モジュールの事業部長を経てモジュール事業本部長を務めた。2017年からは、譲り受けた電池事業を担う東北村田製作所の社長を兼ねていた。2021年の統合報告書では、村田氏は取締役会議長として社長の中島氏とともに名を連ねた。通信と電池という部品より上の層を率いた経験が、後継の選定で重く見られたと推察される。

  • 村田製作所 有価証券報告書 2020年3月期(役員の状況)
    • [11]中島規巨は1985年4月入社、2006年7月通信モジュール商品事業部長、2012年6月モジュール事業本部長、2017年9月東北村田製作所代表取締役社長、2020年6月代表取締役社長。村田恒夫は同年に代表取締役会長
    • [13]中島規巨は1985年4月入社、2006年7月通信モジュール商品事業部長、2012年6月モジュール事業本部長、2017年9月東北村田製作所代表取締役社長、2020年6月代表取締役社長。村田恒夫は同年に代表取締役会長
    • [14]中島規巨は1985年4月入社、2006年7月通信モジュール商品事業部長、2012年6月モジュール事業本部長、2017年9月東北村田製作所代表取締役社長、2020年6月代表取締役社長。村田恒夫は同年に代表取締役会長
  • 村田製作所「当社第84回定時株主総会の第3号議案に関する補足説明」(2020年6月3日)
    • [12]2020年6月3日時点の代表者名は代表取締役会長兼社長 村田恒夫
  • 村田製作所 統合報告書 Murata value report 2021(取締役一覧)
    • [15]代表取締役会長 村田恒夫(取締役会議長)、代表取締役社長 中島規巨
参考文献[1]-[15]
    • [1]2017年9月1日にソニーグループの電池事業の譲受が完了し、ソニーが2016年12月9日に設立した東北村田製作所(福島県郡山市、社長 中島規巨)を取得。傘下に無錫・シンガポールの電池生産会社。電池をエネルギー分野の中核事業にすえる。代表者は代表取締役会長兼社長 村田恒夫
    • [2]2017年9月1日にソニーグループの電池事業の譲受が完了し、ソニーが2016年12月9日に設立した東北村田製作所(福島県郡山市、社長 中島規巨)を取得。傘下に無錫・シンガポールの電池生産会社。電池をエネルギー分野の中核事業にすえる。代表者は代表取締役会長兼社長 村田恒夫
    • [3]2017年9月1日にソニーグループの電池事業の譲受が完了し、ソニーが2016年12月9日に設立した東北村田製作所(福島県郡山市、社長 中島規巨)を取得。傘下に無錫・シンガポールの電池生産会社。電池をエネルギー分野の中核事業にすえる。代表者は代表取締役会長兼社長 村田恒夫
  • 村田製作所 有価証券報告書 2020年3月期(役員の状況)
    • [4]中島規巨は2015年7月に通信・センサ事業本部長兼エネルギー事業統括部統括部長、2017年9月に東北村田製作所代表取締役社長
    • [11]中島規巨は1985年4月入社、2006年7月通信モジュール商品事業部長、2012年6月モジュール事業本部長、2017年9月東北村田製作所代表取締役社長、2020年6月代表取締役社長。村田恒夫は同年に代表取締役会長
    • [13]中島規巨は1985年4月入社、2006年7月通信モジュール商品事業部長、2012年6月モジュール事業本部長、2017年9月東北村田製作所代表取締役社長、2020年6月代表取締役社長。村田恒夫は同年に代表取締役会長
    • [14]中島規巨は1985年4月入社、2006年7月通信モジュール商品事業部長、2012年6月モジュール事業本部長、2017年9月東北村田製作所代表取締役社長、2020年6月代表取締役社長。村田恒夫は同年に代表取締役会長
    • [5]2017年度、2017年9月に取得したリチウムイオン二次電池の売上が加わり、その他コンポーネントの売上高は2,223億円から3,223億円(+45.0%)
    • [6]2017年度の営業利益は2016年度比19.4%減の1,621億円。生産設備を中心とした減価償却費や投資関連費用の増加が減益要因
    • [7]2017年度の営業利益は2016年度比19.4%減の1,621億円。生産設備を中心とした減価償却費や投資関連費用の増加が減益要因
  • 村田製作所 有価証券報告書 2019年3月期
    • [8]2019年3月期の連結税引前利益は267,316百万円(米国基準。2018年3月期は167,801百万円)
    • [9]代表取締役社長 中島規巨のトップメッセージで、改善が遅れている電池事業などの財務体質強化も行うとする
    • [10]中期構想2021の実績として、電池事業やコネクティビティモジュール事業などで事業ポートフォリオ見直しを実行
  • 村田製作所「当社第84回定時株主総会の第3号議案に関する補足説明」(2020年6月3日)
    • [12]2020年6月3日時点の代表者名は代表取締役会長兼社長 村田恒夫
    • [15]代表取締役会長 村田恒夫(取締役会議長)、代表取締役社長 中島規巨

2021年〜Vision2030と、350億円で買収した米Resonant

社長として電池の課題を引き継いだ中島氏は、2021年に長期構想「Vision2030」を策定した。構想の軸は、事業を3層に分けて管理するポートフォリオ経営だった。1層目はMLCCをはじめとするコンポーネント、2層目はデバイスとモジュール、3層目はソリューションなどの新しい事業とした。中島氏は、2030年以降を見据えて1層目と2層目を強めつつ3層目を育て、収益源を多様にする必要を説いた。2024年の統合報告書は、中期方針2024をVision2030に向けた第1フェーズと位置づけた。部品の単品売りの延長だけでは伸びに限りがあるという認識が、3層の区分に表れていると考えられる。

  • 村田製作所 統合報告書 Murata value report 2021(Vision2030)
    • [16]長期構想Vision2030を策定。新しいポートフォリオは1層目がMLCCをはじめとするコンポーネント、2層目がデバイス/モジュール、3層目がソリューションなどの新しい分野
    • [17]長期構想Vision2030を策定。新しいポートフォリオは1層目がMLCCをはじめとするコンポーネント、2層目がデバイス/モジュール、3層目がソリューションなどの新しい分野
    • [18]長期構想Vision2030を策定。新しいポートフォリオは1層目がMLCCをはじめとするコンポーネント、2層目がデバイス/モジュール、3層目がソリューションなどの新しい分野
  • 村田製作所 統合報告書 Murata value report 2021(トップメッセージ)
    • [19]社長就任約1年の中島規巨が、2030年以降を見据え1層目・2層目のさらなる強化と3層目の育成を行い収益源の多様化に取り組む必要があるとする
  • 村田製作所 統合報告書 Murata value report 2024
    • [20]2021年に策定したVision2030の実現に向けた第1フェーズを中期方針2024と位置づける

2022年2月15日、村田製作所は米国の子会社を通じ、テキサス州に本社を置くResonantを買収することで合意した。Resonantは高周波フィルタの設計を手がけ、XBARと呼ぶフィルタ技術を持っていた。両社は2019年10月から、XBARを使うフィルタを独占的に共同開発していた。買収の所要資金は約3億米ドルで、1ドル112円換算で約336億円と見積もられた。買収は2022年3月に完了し、中島氏はのちに買収金額を350億円と説明した。自社のSAWフィルタではWi-Fi7や新しいセルラー周波数FR3に対応できず、中島氏は買収の狙いを『3ギガヘルツ以上の周波数帯に対応すべく、XBARの技術を獲得しました』と振り返った。

  • Murata Manufacturing "Notice Concerning Conclusion of Agreement to Acquire U.S.-based Resonant Inc. and Scheduled Commencement of Tender Offer"(2022年2月15日)
    • [21]2022年2月15日、米子会社MENAを通じ、RFフィルタ設計のResonant(テキサス州)の買収で合意。2019年10月からXBAR技術で高周波フィルタを独占的に共同開発。所要資金は約3億米ドル(約336億円、1ドル112円換算)、買収完了は2022年3月下旬の見込み
    • [22]2022年2月15日、米子会社MENAを通じ、RFフィルタ設計のResonant(テキサス州)の買収で合意。2019年10月からXBAR技術で高周波フィルタを独占的に共同開発。所要資金は約3億米ドル(約336億円、1ドル112円換算)、買収完了は2022年3月下旬の見込み
    • [23]2022年2月15日、米子会社MENAを通じ、RFフィルタ設計のResonant(テキサス州)の買収で合意。2019年10月からXBAR技術で高周波フィルタを独占的に共同開発。所要資金は約3億米ドル(約336億円、1ドル112円換算)、買収完了は2022年3月下旬の見込み
    • [24]2022年2月15日、米子会社MENAを通じ、RFフィルタ設計のResonant(テキサス州)の買収で合意。2019年10月からXBAR技術で高周波フィルタを独占的に共同開発。所要資金は約3億米ドル(約336億円、1ドル112円換算)、買収完了は2022年3月下旬の見込み
  • 村田製作所 2026年3月期 第3四半期決算説明会 質疑応答(2026年2月2日)
    • [25]買収は2022年3月に完了し買収金額は350億円。保有するLC・SAW・TC-SAW・I.H.P.SAWフィルタではWi-Fi7やFR3に対応できないと分かっており、3GHz以上の周波数帯に対応するためXBARの技術を獲得
    • [26]買収は2022年3月に完了し買収金額は350億円。保有するLC・SAW・TC-SAW・I.H.P.SAWフィルタではWi-Fi7やFR3に対応できないと分かっており、3GHz以上の周波数帯に対応するためXBARの技術を獲得
参考文献[16]-[26]
    • [16]長期構想Vision2030を策定。新しいポートフォリオは1層目がMLCCをはじめとするコンポーネント、2層目がデバイス/モジュール、3層目がソリューションなどの新しい分野
    • [17]長期構想Vision2030を策定。新しいポートフォリオは1層目がMLCCをはじめとするコンポーネント、2層目がデバイス/モジュール、3層目がソリューションなどの新しい分野
    • [18]長期構想Vision2030を策定。新しいポートフォリオは1層目がMLCCをはじめとするコンポーネント、2層目がデバイス/モジュール、3層目がソリューションなどの新しい分野
    • [19]社長就任約1年の中島規巨が、2030年以降を見据え1層目・2層目のさらなる強化と3層目の育成を行い収益源の多様化に取り組む必要があるとする
    • [20]2021年に策定したVision2030の実現に向けた第1フェーズを中期方針2024と位置づける
    • [21]2022年2月15日、米子会社MENAを通じ、RFフィルタ設計のResonant(テキサス州)の買収で合意。2019年10月からXBAR技術で高周波フィルタを独占的に共同開発。所要資金は約3億米ドル(約336億円、1ドル112円換算)、買収完了は2022年3月下旬の見込み
    • [22]2022年2月15日、米子会社MENAを通じ、RFフィルタ設計のResonant(テキサス州)の買収で合意。2019年10月からXBAR技術で高周波フィルタを独占的に共同開発。所要資金は約3億米ドル(約336億円、1ドル112円換算)、買収完了は2022年3月下旬の見込み
    • [23]2022年2月15日、米子会社MENAを通じ、RFフィルタ設計のResonant(テキサス州)の買収で合意。2019年10月からXBAR技術で高周波フィルタを独占的に共同開発。所要資金は約3億米ドル(約336億円、1ドル112円換算)、買収完了は2022年3月下旬の見込み
    • [24]2022年2月15日、米子会社MENAを通じ、RFフィルタ設計のResonant(テキサス州)の買収で合意。2019年10月からXBAR技術で高周波フィルタを独占的に共同開発。所要資金は約3億米ドル(約336億円、1ドル112円換算)、買収完了は2022年3月下旬の見込み
  • 村田製作所 2026年3月期 第3四半期決算説明会 質疑応答(2026年2月2日)
    • [25]買収は2022年3月に完了し買収金額は350億円。保有するLC・SAW・TC-SAW・I.H.P.SAWフィルタではWi-Fi7やFR3に対応できないと分かっており、3GHz以上の周波数帯に対応するためXBARの技術を獲得
    • [26]買収は2022年3月に完了し買収金額は350億円。保有するLC・SAW・TC-SAW・I.H.P.SAWフィルタではWi-Fi7やFR3に対応できないと分かっており、3GHz以上の周波数帯に対応するためXBARの技術を獲得

2024年〜データセンター向けの供給と、Resonantののれん438億円の減損

2023年度の売上収益は前年度比2.8%減の1兆6,402億円、営業利益は27.8%減の2,154億円だった。そのなかで、AIサーバーを中心としたデータセンター向けの部品需要が急速に伸びた。AIサーバーには、一般のサーバーの5倍から10倍のMLCCが載る。2024年11月の説明会で中島氏は、AIへの資源配分について『この2年、3年の中でこのAIっていうのがキーのテクノロジーになって市場を牽引しますので、そこに対する貢献というのを一番重く置いています』と語った。村田製作所は中期方針2027で、2027年度に売上高2兆円を目標に掲げた。2025年10月28日には、米国政府とデータセンター向けの重要部品を供給するフレームワーク合意を結んだ。

  • 村田製作所 統合報告書 Murata value report 2024(トップメッセージ・コーポレート本部長メッセージ)
    • [27]2023年度は売上収益が前年度比2.8%減の1兆6,402億円、営業利益が27.8%減の2,154億円。AIサーバーを中心としたデータセンター向けの部品需要が急成長
    • [28]2023年度は売上収益が前年度比2.8%減の1兆6,402億円、営業利益が27.8%減の2,154億円。AIサーバーを中心としたデータセンター向けの部品需要が急成長
  • 村田製作所 2025年3月期 第2四半期決算説明会 質疑応答(2024年11月1日)
    • [29]MLCCの必要個数はAIサーバーで一般サーバーの5倍から10倍(最大10倍程度)
    • [30]中島がAI関連の商品群・技術への資源配分を最重視し、データセンター向けの電池・電源モジュール・MLCC・インダクタの取り組みを強化するとする
  • 村田製作所 2025年3月期 決算説明会 質疑応答(2025年4月30日)・2026年3月期 第1四半期決算説明会(2025年7月30日)
    • [31]前年に発表した中期計画(中期方針2027)で2027年に売上2兆円を掲げる
  • 村田製作所 2026年3月期 第2四半期決算説明会 質疑応答(2025年10月31日)
    • [32]2025年10月28日、トランプ大統領来日時に米国政府とフレームワークアグリーメントを締結。米国のデータセンター投資に重要部品を供給する努力目標。事業規模は50億ドル、最大150億ドル

電池事業では、2023年度に円筒形リチウムイオン二次電池の設備などで495億円の減損損失を計上した。村田製作所はパワーツール向けに生産能力を高めてきたが、2022年以降にその市場が急に冷え込み、需要が減少した。2024年度上期の電池事業は、構造改革費用95億円を含めて135億円の赤字となった。通期の構造改革費用は145億円に達した。中島氏は製品群を円筒型の電池に集約すると説明した。2025年度第1四半期に電池事業が約20億円の黒字となるなか、マイクロ一次電池の事業はマクセルへ譲ると決め、中島氏は理由を『この事業を中核におけるマクセルさんのほうがベストオーナーではないかという判断をした次第です』と語った。

  • 村田製作所 統合報告書 Murata value report 2024(トップメッセージ)
    • [33]パワーツール市場をターゲットに注力し、2020年以降のコロナ禍のDIY需要に応じて生産能力を高めたが、2022年以降パワーツール市場が急激に冷え込み、2023年度に円筒形リチウムイオン二次電池の設備等で495億円の減損損失
    • [34]パワーツール市場をターゲットに注力し、2020年以降のコロナ禍のDIY需要に応じて生産能力を高めたが、2022年以降パワーツール市場が急激に冷え込み、2023年度に円筒形リチウムイオン二次電池の設備等で495億円の減損損失
  • 村田製作所 2025年3月期 第2四半期決算説明会 質疑応答(2024年11月1日)
    • [35]電池事業は2024年度第1四半期に55億円、第2四半期に80億円の赤字で、構造改革費用を第1四半期35億円、第2四半期60億円計上
  • 村田製作所 2025年3月期 決算説明会 質疑応答(2025年4月30日)
    • [36]前期(2023年度)は電池事業の減損で495億円、2024年度は通期で電池事業の追加の構造改革費用145億円
  • 村田製作所 2025年3月期 第3四半期決算説明会 質疑応答(2025年2月3日)
    • [37]中島が電池の製品群を円筒型に集約すると説明。構造改革込みで2024年度通期に200億円強の赤字を想定
  • 村田製作所 2026年3月期 第1四半期決算説明会 質疑応答(2025年7月30日)
    • [38]第1四半期の電池事業は約20億円の黒字。マイクロ一次電池事業をマクセルへ譲渡すると決め、2026年3月に向けて進める

2026年2月、村田製作所はResonantの買収時に生じたのれん438億円を全額減損した。この減損を含む一時費用は約500億円にのぼり、2025年度第3四半期の営業利益は379億円に半減した。中島氏が挙げた理由の一つは、中華圏の競合の台頭で主力の表面波フィルタの収益性が悪化したことだった。もう一つは、3ギガヘルツ以上の新しい周波数の本格的な量産が、2030年以降にずれ込む見通しとなったことだった。2025年4月、中島氏は高周波モジュールのシェア、電池の黒字化、データセンター向け電源モジュールの三つについて『この三つについてはもう、私のコミットメントだと思ってもらっていいかなと思います』と語っていた。2026年2月の説明会には社長の中島氏と副社長の南出雅範氏が並び、ハイエンドスマートフォン向け高周波モジュールのシェア獲得を最優先に置いた。

  • 村田製作所 2026年3月期 第3四半期決算説明会 質疑応答(2026年2月2日)
    • [39]表面波フィルタ製品に係る事業ののれん(Resonant買収時)438億円を全額減損し、一時費用約500億円で第3四半期営業利益は379億円に半減。理由は中華圏の競合台頭による表面波フィルタの収益性悪化と、FR3など3GHz以上の周波数の本格量産が2030年以降に遅延する見通し。今後は高周波モジュールのハイエンドスマホでのシェア獲得を最優先。出席は代表取締役社長 中島規巨・代表取締役副社長 南出雅範
    • [40]表面波フィルタ製品に係る事業ののれん(Resonant買収時)438億円を全額減損し、一時費用約500億円で第3四半期営業利益は379億円に半減。理由は中華圏の競合台頭による表面波フィルタの収益性悪化と、FR3など3GHz以上の周波数の本格量産が2030年以降に遅延する見通し。今後は高周波モジュールのハイエンドスマホでのシェア獲得を最優先。出席は代表取締役社長 中島規巨・代表取締役副社長 南出雅範
    • [41]表面波フィルタ製品に係る事業ののれん(Resonant買収時)438億円を全額減損し、一時費用約500億円で第3四半期営業利益は379億円に半減。理由は中華圏の競合台頭による表面波フィルタの収益性悪化と、FR3など3GHz以上の周波数の本格量産が2030年以降に遅延する見通し。今後は高周波モジュールのハイエンドスマホでのシェア獲得を最優先。出席は代表取締役社長 中島規巨・代表取締役副社長 南出雅範
    • [42]表面波フィルタ製品に係る事業ののれん(Resonant買収時)438億円を全額減損し、一時費用約500億円で第3四半期営業利益は379億円に半減。理由は中華圏の競合台頭による表面波フィルタの収益性悪化と、FR3など3GHz以上の周波数の本格量産が2030年以降に遅延する見通し。今後は高周波モジュールのハイエンドスマホでのシェア獲得を最優先。出席は代表取締役社長 中島規巨・代表取締役副社長 南出雅範
    • [44]表面波フィルタ製品に係る事業ののれん(Resonant買収時)438億円を全額減損し、一時費用約500億円で第3四半期営業利益は379億円に半減。理由は中華圏の競合台頭による表面波フィルタの収益性悪化と、FR3など3GHz以上の周波数の本格量産が2030年以降に遅延する見通し。今後は高周波モジュールのハイエンドスマホでのシェア獲得を最優先。出席は代表取締役社長 中島規巨・代表取締役副社長 南出雅範
  • 村田製作所 2025年3月期 決算説明会 質疑応答(2025年4月30日)
    • [43]中島が高周波モジュールのシェア向上(2026年)、電池の黒字化(2025年度内)、データセンター向け電源モジュールの事業化の三つを自らのコミットメントとし、2027年の売上2兆円達成を目指すとする
参考文献[27]-[44]
    • [27]2023年度は売上収益が前年度比2.8%減の1兆6,402億円、営業利益が27.8%減の2,154億円。AIサーバーを中心としたデータセンター向けの部品需要が急成長
    • [28]2023年度は売上収益が前年度比2.8%減の1兆6,402億円、営業利益が27.8%減の2,154億円。AIサーバーを中心としたデータセンター向けの部品需要が急成長
  • 村田製作所 2025年3月期 第2四半期決算説明会 質疑応答(2024年11月1日)
    • [29]MLCCの必要個数はAIサーバーで一般サーバーの5倍から10倍(最大10倍程度)
    • [30]中島がAI関連の商品群・技術への資源配分を最重視し、データセンター向けの電池・電源モジュール・MLCC・インダクタの取り組みを強化するとする
    • [35]電池事業は2024年度第1四半期に55億円、第2四半期に80億円の赤字で、構造改革費用を第1四半期35億円、第2四半期60億円計上
  • 村田製作所 2025年3月期 決算説明会 質疑応答(2025年4月30日)・2026年3月期 第1四半期決算説明会(2025年7月30日)
    • [31]前年に発表した中期計画(中期方針2027)で2027年に売上2兆円を掲げる
  • 村田製作所 2026年3月期 第2四半期決算説明会 質疑応答(2025年10月31日)
    • [32]2025年10月28日、トランプ大統領来日時に米国政府とフレームワークアグリーメントを締結。米国のデータセンター投資に重要部品を供給する努力目標。事業規模は50億ドル、最大150億ドル
    • [33]パワーツール市場をターゲットに注力し、2020年以降のコロナ禍のDIY需要に応じて生産能力を高めたが、2022年以降パワーツール市場が急激に冷え込み、2023年度に円筒形リチウムイオン二次電池の設備等で495億円の減損損失
    • [34]パワーツール市場をターゲットに注力し、2020年以降のコロナ禍のDIY需要に応じて生産能力を高めたが、2022年以降パワーツール市場が急激に冷え込み、2023年度に円筒形リチウムイオン二次電池の設備等で495億円の減損損失
  • 村田製作所 2025年3月期 決算説明会 質疑応答(2025年4月30日)
    • [36]前期(2023年度)は電池事業の減損で495億円、2024年度は通期で電池事業の追加の構造改革費用145億円
    • [43]中島が高周波モジュールのシェア向上(2026年)、電池の黒字化(2025年度内)、データセンター向け電源モジュールの事業化の三つを自らのコミットメントとし、2027年の売上2兆円達成を目指すとする
  • 村田製作所 2025年3月期 第3四半期決算説明会 質疑応答(2025年2月3日)
    • [37]中島が電池の製品群を円筒型に集約すると説明。構造改革込みで2024年度通期に200億円強の赤字を想定
  • 村田製作所 2026年3月期 第1四半期決算説明会 質疑応答(2025年7月30日)
    • [38]第1四半期の電池事業は約20億円の黒字。マイクロ一次電池事業をマクセルへ譲渡すると決め、2026年3月に向けて進める
  • 村田製作所 2026年3月期 第3四半期決算説明会 質疑応答(2026年2月2日)
    • [39]表面波フィルタ製品に係る事業ののれん(Resonant買収時)438億円を全額減損し、一時費用約500億円で第3四半期営業利益は379億円に半減。理由は中華圏の競合台頭による表面波フィルタの収益性悪化と、FR3など3GHz以上の周波数の本格量産が2030年以降に遅延する見通し。今後は高周波モジュールのハイエンドスマホでのシェア獲得を最優先。出席は代表取締役社長 中島規巨・代表取締役副社長 南出雅範
    • [40]表面波フィルタ製品に係る事業ののれん(Resonant買収時)438億円を全額減損し、一時費用約500億円で第3四半期営業利益は379億円に半減。理由は中華圏の競合台頭による表面波フィルタの収益性悪化と、FR3など3GHz以上の周波数の本格量産が2030年以降に遅延する見通し。今後は高周波モジュールのハイエンドスマホでのシェア獲得を最優先。出席は代表取締役社長 中島規巨・代表取締役副社長 南出雅範
    • [41]表面波フィルタ製品に係る事業ののれん(Resonant買収時)438億円を全額減損し、一時費用約500億円で第3四半期営業利益は379億円に半減。理由は中華圏の競合台頭による表面波フィルタの収益性悪化と、FR3など3GHz以上の周波数の本格量産が2030年以降に遅延する見通し。今後は高周波モジュールのハイエンドスマホでのシェア獲得を最優先。出席は代表取締役社長 中島規巨・代表取締役副社長 南出雅範
    • [42]表面波フィルタ製品に係る事業ののれん(Resonant買収時)438億円を全額減損し、一時費用約500億円で第3四半期営業利益は379億円に半減。理由は中華圏の競合台頭による表面波フィルタの収益性悪化と、FR3など3GHz以上の周波数の本格量産が2030年以降に遅延する見通し。今後は高周波モジュールのハイエンドスマホでのシェア獲得を最優先。出席は代表取締役社長 中島規巨・代表取締役副社長 南出雅範
    • [44]表面波フィルタ製品に係る事業ののれん(Resonant買収時)438億円を全額減損し、一時費用約500億円で第3四半期営業利益は379億円に半減。理由は中華圏の競合台頭による表面波フィルタの収益性悪化と、FR3など3GHz以上の周波数の本格量産が2030年以降に遅延する見通し。今後は高周波モジュールのハイエンドスマホでのシェア獲得を最優先。出席は代表取締役社長 中島規巨・代表取締役副社長 南出雅範

2017年〜2026年の業績

決算期 区分 売上高 営業利益純利益 主な投資
億円 YoY 億円 億円 利益率
2017年03月期 連結 11,355 n/a 2,004 1,560 13.7% n/a
2018年03月期 連結 13,718 +20.8% 1,678 1,460 10.6% n/a
2019年03月期 連結 15,750 +14.8% 2,673 2,069 13.1% n/a
2020年03月期 連結 15,340 ▲2.6% 2,540 1,830 11.9% n/a
2021年03月期 連結 16,301 +6.3% 3,164 2,370 14.5% n/a
2022年03月期 連結 18,125 +11.2% 4,327 3,141 17.3% n/a
2023年03月期 連結 16,867 ▲6.9% 3,149 2,439 14.5% n/a
2024年03月期 連結 16,401 ▲2.8% 2,154 1,808 11.0% n/a
2025年03月期 連結 17,433 +6.3% 2,797 2,338 13.4% n/a
2026年03月期 連結 18,309 +5.0% 2,818 2,339 12.8% n/a

出所:有価証券報告書

出典・参考

20件
出典・参考
  • 村田製作所 統合報告書 Murata value report 2018
  • 村田製作所 有価証券報告書 2019年3月期
  • 村田製作所 有価証券報告書 2020年3月期(役員の状況)
  • 村田製作所 統合報告書 Murata value report 2021(トップメッセージ)
  • 村田製作所 統合報告書 Murata value report 2021(中期構想2021の振り返り)
  • 村田製作所 統合報告書 Murata value report 2021(取締役一覧)
  • 村田製作所 統合報告書 Murata value report 2021(Vision2030)
  • 村田製作所 統合報告書 Murata value report 2024
  • 村田製作所 統合報告書 Murata value report 2024(トップメッセージ・コーポレート本部長メッセージ)
  • 村田製作所 統合報告書 Murata value report 2024(トップメッセージ)
  • 村田製作所 2025年3月期 第2四半期決算説明会 質疑応答(2024年11月1日)
  • 村田製作所 2025年3月期 決算説明会 質疑応答(2025年4月30日)・2026年3月期 第1四半期決算説明会(2025年7月30日)
  • 村田製作所 2025年3月期 決算説明会 質疑応答(2025年4月30日)
  • 村田製作所 2025年3月期 第3四半期決算説明会 質疑応答(2025年2月3日)
  • 村田製作所 2026年3月期 第3四半期決算説明会 質疑応答(2026年2月2日)
  • 村田製作所 2026年3月期 第2四半期決算説明会 質疑応答(2025年10月31日)
  • 村田製作所 2026年3月期 第1四半期決算説明会 質疑応答(2025年7月30日)
  • 村田製作所「当社第84回定時株主総会の第3号議案に関する補足説明」(2020年6月3日)
  • 村田製作所「ソニー株式会社からの電池事業の取得の完了に関するお知らせ」(2017年9月1日)
  • Murata Manufacturing "Notice Concerning Conclusion of Agreement to Acquire U.S.-based Resonant Inc. and Scheduled Commencement of Tender Offer"(2022年2月15日)

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