松尾鉱業の決断社史:経営の意思決定を振り返る

更新:

決断

埋蔵量では国内一位、品位では劣位という条件を、設備投資で埋めようとし続けた。松尾鉱山は本邦硫化鉱埋蔵量の86%を擁する一方、硫黄含有量は34%と低く、粗鉱の比重も2.4〜2.5と他鉱山の金属硫化鉱より2割軽い。1934年に屋敷台と大更を結ぶ松尾鉱山鉄道12.3キロを自前で敷き、1960年に浮遊選鉱設備、1961年に流動製錬設備を完成させ、同年10月には神戸製鋼所・日産化学工業と東北鉱化工業を設立して山麓へ硫酸工場を建設した。1964年5月、最大の債権者である第一銀行の要望で神戸製鋼所から山野上重喜社長を迎えると、露天掘りと排ガスの硫酸化でトン8,000円の原価低減を掲げる。業界全体が要望した合理化資金30億円を10億円上回る約40億円が、松尾鉱業1社に出た。

免責事項およびポリシー