みずほフィナンシャルグループ の歴史

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第一勧銀・富士・興銀の3行統合

創業 1880年
母体 みずほホールディングス
創業地 東京都千代田区
創業
1999年8月20日、第一勧業銀行・富士銀行・日本興業銀行の三行が全面統合を発表し、2000年9月29日、株式移転で共同持株会社みずほホールディングスが発足した。合併ではなく三行を持株会社の下へ並べたのは、時間をかけずに金融グループの形を作ることを優先したためで、総資産約140兆円は当時世界最大級で、預金・貸出・社債引受のシェアは国内首位に立った。ただし対等の建て付けは誰も主導権を持たない体制でもあり、2002年4月には銀行を大企業向けと個人・中小向けの二つに割り直す。規模だけが先に完成し、中身の一本化は先送りされた。
決断
発足時の三行対等という建て付けを解くのに、みずほは二十年を費やした。旧三行の勘定系を残したまま相互接続する設計は、2002年4月の二行体制の初日と2011年3月の震災直後に全国規模の障害を招き、そのつど金融庁の業務改善命令を受ける。ここで2013年に二つの銀行を一つへ統合し直し、続けて4000億円台半ばを投じて勘定系を全面刷新した。それでも稼働二年目の2021年には八回の障害が重なり、経営陣の引責交代とガバナンス改革へ回った。判断はいずれも「先送りをやめる」の一点で揃うが、着手はつねに障害が顕在化したあとであり、自ら期限を切って動いた例は乏しい。
現況
稼ぐ形は、国内で人と店を減らしながら米州へ資源を寄せる方向で固まっている。2026年3月期の連結売上高は9兆854億円、親会社株主に帰属する当期純利益は1兆2,486億円で、いずれも発足以来の最高となった。足元を支えるのは2017年に掲げた約1.9万人・約100拠点の削減で、連結従業員は2018年3月末の6万51人から5万2,427人へ縮んでいる。その上で米州は2023年に米グリーンヒルを買収してM&A助言を自前の機能に加え、国内は楽天証券へ出資してネットの顧客接点を借りた。自前で育てるより買収するほうが速いという選び方は、発足時に合併を避けて時間を買ったときから変わらない。
競合
三メガの最後尾という位置が続いている。みずほに続いて2001年に三井住友、2005年に三菱UFJが生まれて三グループが並んだが、最も早く統合しながら組織と勘定系の一本化に最も長くかかったのがみずほだった。2026年3月期の親会社株主純利益1兆2,486億円は、三菱UFJの2兆4,272億円、三井住友の1兆5,830億円を下回る。優位の源泉は債券引受で築いた米州の法人取引、劣位にあるのは国内の個人である。2,400万の個人口座は2023年時点で解約が新規を上回り、会社は課題を預金口座の獲得と資産形成層の取り込みに絞っている。
みずほフィナンシャルグループにおける経営の転換点(その1) Q なぜ2000年に性格の異なる3行をまるごと束ねたのか
A 一行では足りないものを互いの弱みで埋め合わせる組み合わせだったからである。安田信託の処理で結びついた富士銀行と第一勧業銀行は都市銀行どうしの合併に踏み切れずにおり、そこへ資金調達手段の細る長期信用銀行の興銀が異業態の触媒として加わった。都銀二行が調達基盤を、興銀が投資銀行の機能を差し出す形である。1999年5月5日には三頭取が都内ホテルで初めて一堂に会し、8月に全面統合を発表した。2000年9月に発足した持株会社は預金で約20%、貸出で約25%強、社債引受で約20%弱といずれも国内首位のシェアを得たが、公正取引委員会は隣接市場からの競争圧力などを理由に競争を実質的に制限することにはならないと判断した。もっとも経営陣自身が持株会社の発足を入口にすぎないとして「壮大な実験」と呼び、みずほ証券の幹部人事が旧三行で三分割されるなど、組織の一本化はこの時点で手つかずだった
みずほフィナンシャルグループにおける経営の転換点(その2) Q なぜ2013年に佐藤康博氏は部分接続での延命をやめ、勘定系を全面刷新したのか
A 旧三行のシステムを残したまま接続する設計が、どの勘定系を主軸に置くかの判断を先送りし、二度の大障害を招いたからである。2002年4月の二行体制の初日には勘定系の切替に伴ってATMの停止・二重引落・口座振替の遅延が全国規模で発生し、金融庁は同年6月19日に業務改善命令を発出した。2011年3月には震災の義援金振込が集中して夜間バッチの処理能力を超え、5月31日に二度目の業務改善命令を受ける佐藤康博氏は2013年7月にみずほ銀行とみずほコーポレート銀行を合併して二行分立を解き、延べ35万人月・4000億円台半ばを投じた新基盤MINORIへの全面刷新に進んだ。発足時の設計思想そのものを、十年越しで書き換える判断だった。
みずほフィナンシャルグループにおける経営の転換点(その3) Q なぜ2023年以降、自前で機能をそろえる路線を捨てて外から事業を買う方針へ切り替えたのか
A MINORIの全面稼働で勘定系の自前統合を終えた一方、足りない機能を一から育てるより買って取り込むほうが速いと判断したからである。米州では債券の引受でシェアを高めながらM&A助言を欠いており、2023年5月、米州みずほLLCを通じて独立系助言会社グリーンヒルを1株15ドル・企業価値約5.5億ドル(約760億円)で買収すると発表し、同年12月1日に完了した。国内では2022年10月にみずほ証券が楽天証券株の19.99%を約800億円で取得して持分法適用会社とし、2023年11月にはさらに29.01%を買い増して49.00%へ引き上げている。原資は政策保有株の削減で、2024年度だけで1,900億円超を減らし、成長投資と株主還元へ振り替えた

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みずほフィナンシャルグループの沿革2000〜2025年における主な出来事を抜粋

時代年月社長・CEO出来事重要度
1999〜2002年三行が持株会社に集まり、銀行を顧客層で二つに割るまで第一勧業銀行・富士銀行・日本興業銀行の経営統合とみずほ誕生(2000年成立)

1999年8月、第一勧業銀行・富士銀行・日本興業銀行の3行が全面統合を発表し、2000年9月に株式移転で持株会社みずほホールディングスを設立。国内初のメガバンクが誕生した案件。

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★★★
みずほ大規模システム統合障害★★
2003〜2010年二階建ての持株会社と、1兆円増資からリーマンまで前田晃伸みずほフィナンシャルグループ発足★★
前田晃伸前田晃伸が初代社長に就任
前田晃伸再生専門子会社4社を親銀行と合併、みずほHDから銀行2行株式を取得しHDを商号変更
前田晃伸第一勧業アセットマネジメントが富士投信投資顧問を吸収合併
前田晃伸純損失5,888億円を計上★★
塚本隆史新光証券がみずほ証券を吸収合併
塚本隆史新光証券をみずほ証券に商号変更
塚本隆史塚本隆史氏が社長に就任
塚本隆史オリエントコーポレーションを持分法適用関連会社化
2011〜2019年二度目の障害から One Mizuho と MINORI へ塚本隆史みずほ第2次システム障害(東日本大震災義援金処理を契機)★★
佐藤康博佐藤康博氏が社長に就任
佐藤康博One MIZUHO——みずほ銀行とみずほコーポレート銀行の合併と2行分立の解消

2011年、東日本大震災の直後にみずほ銀行で大規模なシステム障害が起きた。これを受けてみずほフィナンシャルグループは、個人向けのみずほ銀行と大企業向けのみずほコーポレート銀行を合併させる判断を下し、2013年7月1日に1つの銀行へまとめた。銀行を2つに分けてきた発足以来の体制を畳み、旧3行分立の実質的な解消と勘定系システムの刷新へ進んだ経営判断。

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★★★
佐藤康博指名委員会等設置会社へ移行
佐藤康博RBSから北米貸出債権・人員を受入
佐藤康博みずほ銀行が米国にMizuho Americas LLCを設立
佐藤康博抜本的構造改革——約1.9万人・約100拠点削減による低収益体質へのメス

2017年11月13日、みずほフィナンシャルグループが2017年度中間決算とあわせて『抜本的構造改革案』を公表し、2017年3月末で約7.9万人いたグループ従業員を2026年度末までに約1.9万人減らし、約500ある拠点を2024年度末までに約100拠点減らす方針を示した経営判断。佐藤康博社長の主導で、マイナス金利下の低収益体質にコスト面から手を入れる計画であった。

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★★★
坂井辰史坂井辰史氏が社長に就任
坂井辰史純利益96,566百万円に急減(前年▲83%)
坂井辰史新勘定系システムMINORIへの全面刷新——4000億円台半ば・35万人月の勘定系統合

2011年の第2次システム障害を受け、みずほは旧3行由来の勘定系を残したまま接続する延命策を捨て、勘定系の全面刷新へ動いた経営判断。佐藤康博社長のもとで富士通・日立・日本IBM・NTTデータへ分割発注し、延べ35万人月・4000億円台半ばを投じた新基盤MINORIは、二度の延期を経て坂井辰史氏のもとで2019年7月に全面稼働した。

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★★★
2020〜2026年八回の障害と、削る事業を明示した中期計画坂井辰史度重なるシステム障害と行政処分——経営責任とガバナンス改革への転換

2021年、稼働から間もない統合勘定系MINORIでみずほ銀行が計8回のシステム障害を起こし、11月26日に金融庁の業務改善命令と財務省の是正措置命令を同時に受けた。みずほは障害を技術の不具合ではなく経営と企業風土の問題として引き取り、坂井辰史社長ら経営陣の引責交代と、約200項目に及ぶ再発防止・ガバナンス改革に踏み込んだ経営判断である。

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★★★
木原正裕木原正裕氏が社長に就任
木原正裕みずほリースと資本業務提携
木原正裕楽天証券への出資と資本業務提携——対面のみずほ、ネットの楽天

2022年、みずほフィナンシャルグループは傘下のみずほ証券を通じて楽天証券へ約800億円を出資し、議決権の19.99%を握って持分法適用会社とした経営判断。対面営業に強いみずほと、口座数で国内最大手級のネット証券・楽天証券が組み、個人の資産運用で連携した。翌2023年には29.01%を買い増し、出資比率を49.00%へ高めた。

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★★★
木原正裕米グリーンヒル買収——M&A助言機能の「内製化」

2023年5月、みずほFGは子会社の米州みずほLLCを通じ、米独立系M&A助言会社グリーンヒル(Greenhill & Co.)を1株15ドル・企業価値約5.5億ドル(約760億円、引き受ける負債を含む)で買収すると発表した経営判断。全株式を現金で取得し、同年12月1日に完了した。

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★★★
木原正裕楽天グループが保有する楽天カードの普通株式14.99%を取得
木原正裕経常収益9兆303億円・純利益8,854億円で過去最高
出典・参考
  • みずほフィナンシャルグループ 有価証券報告書【沿革】
  • みずほフィナンシャルグループ 有価証券報告書(連結財務諸表)
  • 「日経ビジネス」2002年2月25日号 No.1130(日経BP)
  • 金融庁 2002年6月19日「みずほフィナンシャル・グループに対する行政処分について」
  • 金融庁(2011年5月31日)「みずほ銀行及びみずほフィナンシャルグループに対する行政処分について」
  • 金融庁(2021年11月26日)「みずほ銀行及びみずほフィナンシャルグループに対する行政処分について」
  • Bloomberg(2022年1月17日)
  • 楽天グループ(2022年10月7日)「楽天証券ホールディングス及びみずほ証券による戦略的な資本業務提携の締結について」
  • みずほフィナンシャルグループ(2023年5月22日)「米国M&Aアドバイザリー会社「Greenhill & Co., Inc.」の買収について」
  • 株探ニュース(2023年5月22日)
  • みずほフィナンシャルグループ(2023年12月1日)「Mizuho Closes Acquisition of M&A and Restructuring Advisory Firm Greenhill」
  • 楽天グループ(2023年11月9日)「楽天証券ホールディングス及びみずほ証券による戦略的な資本業務提携の強化について」
  • 公正取引委員会 平成12年度事例1「(株)第一勧業銀行,(株)富士銀行及び(株)日本興業銀行の持株会社の設立による事業統合」

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