みずほフィナンシャルグループ抜本的構造改革——約1.9万人・約100拠点削減による低収益体質へのメス

低金利で痩せた邦銀の収益体質に、みずほはなぜ全従業員の4分の1にあたる約1.9万人と店舗2割の削減で応えたのか

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時期 2017年11月
意思決定者(推定) 佐藤康博 みずほフィナンシャルグループ 社長
論点 コスト構造改革と低収益体質
概要
2017年11月13日、みずほフィナンシャルグループが2017年度中間決算とあわせて『抜本的構造改革案』を公表し、2017年3月末で約7.9万人いたグループ従業員を2026年度末までに約1.9万人減らし、約500ある拠点を2024年度末までに約100拠点減らす方針を示した経営判断。佐藤康博社長の主導で、マイナス金利下の低収益体質にコスト面から手を入れる計画であった。
背景
2017年度中間決算でみずほの連結業務純益は2,416億円と前年同期から1,615億円減り、三菱UFJ・三井住友の2メガに水をあけられた。傘下2行合算の経費率(OHR)は72.6%と両社の50〜60%台に比べ高止まりし、マイナス金利の長期化と過当競争が邦銀共通の収益力を痩せさせていた。
内容
希望退職には頼らず、採用抑制と退職者による自然減、取引先への転籍によって10年かけて人員を減らす設計とした。
含意
前半は勘定系システムMINORIの移行遅れで店舗削減を本格化できず経費率は高止まりしたが、有価証券報告書でみると連結従業員数は2018年3月末の6万51人から2023年3月末の5万1,212人へ縮んだ。低収益体質へのメスは、固定費の圧縮から住宅ローン削減など事業ポートフォリオの取捨選択へと形を変えていった。
筆者の見解

固定費を削るだけでは埋まらないもの

この判断の核心は、低金利で利ざやの細った邦銀が、店舗と人員という固定費を前提にした収益モデルをどこまで畳めるかにあった。全従業員の4分の1という規模は世間の耳目を集めたが、希望退職に頼らず10年をかけて自然減で進める設計は、雇用を守る配慮と実行の遅さを同時に抱えていた。コスト削減を最優先に掲げながら、当のみずほがシステム統合につまずいて店舗削減を本格化できなかった数年は、固定費の圧縮が一枚岩では進まないことを映しているとみることができる。

人員を絞り経費率を下げること自体は、収益体質の分母を軽くする手当てにとどまる。分子である稼ぐ力をどう取り戻すかは、住宅ローンの削減や法人・海外へのシフトという後年の選択と集中に持ち越された。固定費を削るだけでは埋まらない収益力の差を、みずほがどこまで縮められるかは、今後の課題として残るとみられる。

Yutaka Sugiura, 2026年7月

出典・参考
  • みずほフィナンシャルグループ 有価証券報告書(連結・従業員の状況)

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