決断
買い手が変わるたびに、窯で焼く品目を全部入れ替えてきた。1934年に本社工場の一角で始めた耐酸炻器という化学工業向けの部材は、建築と土木に納めていた陶管・タイル・テラコッタとは買い手が違う。需要が伸びると陶管とテラコッタの製造を廃止し、1942年にはタイルも止めて全工場を耐酸炻器へ集約した。終戦で軍需が消えると1945年10月にタイルへ戻り、11月には陶製電纜管をやめて衛生陶器を始め、進駐軍の住宅設営用へ納めている。1959年には樹脂浴槽ポリバスを開発し、1964年に水栓金具を仕入れから自製へ切り替え、1967年10月には国産初の温水洗浄機能付便器サニタリイナ61を発売した。窯と工場を残したまま品目を入れ替えたことが、陶管の会社を水まわりの会社に変えた。