LIXIL の歴史

更新: Author:

創業 1949年
創業者 潮田健次郎
創業地 東京都
創業
1949年9月、潮田健次郎氏が東京で日本建具工業株式会社を設立し、木製建具の製造販売から出発した。1953年には東京都葛飾区の既存工場を買収して量産の足場を築き、1967年に東洋サッシ株式会社を設立してアルミサッシの一貫工場を建てる。1971年8月に商号をトーヨーサッシへ改め、同年10月には東洋ドアーなど4社を吸収合併して製造と販売を一体化し、1992年にはトステムへ商号を改めた。ただしアルミサッシでは吉田工業(YKK)が先行しており、建具問屋を出自とする後発の参入だった。
決断
持っていない品目は、買収で埋めてきた。1985年には三井軽金属加工の営業を譲り受けてビル建材へ、日鐵カーテンオールの株式取得で超高層ビル用サッシへ、新明和工業の株式取得で厨房へと進み、住宅用サッシ一本だった構成を業務用と住宅設備へ広げた。ただし水回りだけは自前で埋められず、2001年に衛生陶器2位のINAXと統合して持株会社へ移る。2011年には創業家が米GE出身の藤森義明氏へ経営を託し、自ら掲げた海外売上高1兆円の実行そのものを外部へ預けた。足りないものは外から調達するという発想を、製品から企業、そして経営者にまで当ててきた。
現況
水まわりを軸に、サッシ・外装を並べた事業構造である。2013年にアメリカンスタンダードの北米事業とグローエを買収し、欧州と北米の水栓金具・衛生陶器を一挙に手に入れた。2026年3月期の売上高1兆5107億円は、水まわりのウォーターテクノロジーが8088億円、サッシ・外装のハウジングテクノロジーが5184億円、リビングが1834億円で、水まわりが5割強を占める。一方で営業利益は284億円と薄く、中国市場の低迷と米国事業の構造改革費用が利益を削ぐ。買収で広げた海外が、現在は収益の重しになっている。
競合
優位を得たのはサッシ、劣位に置かれたのは水まわりである。住宅用アルミサッシのシェアは1984年頃こそYKKと3割前後で拮抗していたが、販売店に端末を置いて見積もりと納期を縮めた効果で差が開き、1988年にはYKKの25%に対し35%と首位が入れ替わった。一方の水まわりでは、1981年に住設機器の総合メーカーへ転じたTOTOにブランドで及ばず、リフォーム需要の入り口を押さえられずにいた。2001年のINAXとの統合はその空白を買収で埋める手当てであり、納期と見積もりの速さで販路を握って優位に立ち、持たない品目は買収で追いついた。自前と買収の使い分けが、住宅設備の総合大手という現在の位置を作った。
LIXIL:長期業績の推移(売上高・利益率)売上高(億円純利益率(%)
2006年3月期2026年3月期

創業ストーリー 建具問屋から出発しアルミサッシ首位、買収で住宅設備の総合企業へ (1949年〜)

建具問屋を源流とするアルミサッシ事業への転換

1949年9月、潮田健次郎氏は東京で日本建具工業株式会社を設立し[1]、木製建具の製造販売から事業を興した。1953年には東京都葛飾区の既存工場を買収して葛飾工場を設け[2]、量産の足場を固めた。1967年には東洋サッシ株式会社を設立してアルミサッシの一貫工場を建設し[3]、木製建具からアルミ建材への転換に踏み込んだ。1971年8月には商号をトーヨーサッシ株式会社へ改め、同年10月に東洋ドアーなど4社を吸収合併して[4]製造と販売の一体化を進めた。

  • LIXIL 有価証券報告書【沿革】
    • [1]1949年9月 潮田健次郎が東京で日本建具工業株式会社を設立
    • [2]1953年8月 東京都葛飾区の既存工場を買収し葛飾工場を設置
    • [3]1967年9月 東洋サッシ株式会社を設立しアルミサッシの一貫工場を建設
    • [4]1971年8月 商号をトーヨーサッシ株式会社へ変更、同年10月に東洋ドアー他4社を吸収合併

取引先を頻繁に訪ね、与信管理や商売の要諦まで手ほどきする密着ぶりは、のちのサッシ首位を支える販売網の礎になった。1974年には東洋エクステリア株式会社を設立して外構事業へ、1977年にはビバホーム株式会社を設けて住宅流通へ進み[5]、建材の製造から住まい全般へと事業の幅を広げた。

  • LIXIL 有価証券報告書【沿革】
    • [5]1974年11月 東洋エクステリア設立、1977年4月 ビバホーム設立
  • LIXIL 有価証券報告書【沿革】
    • [1]1949年9月 潮田健次郎が東京で日本建具工業株式会社を設立
    • [2]1953年8月 東京都葛飾区の既存工場を買収し葛飾工場を設置
    • [3]1967年9月 東洋サッシ株式会社を設立しアルミサッシの一貫工場を建設
    • [4]1971年8月 商号をトーヨーサッシ株式会社へ変更、同年10月に東洋ドアー他4社を吸収合併
    • [5]1974年11月 東洋エクステリア設立、1977年4月 ビバホーム設立

買収による事業領域の拡張と株式上場

1980年代のトーヨーサッシは、買収を通じて建材の川上へ事業を広げた。1985年には三井軽金属加工の営業を譲り受けてビル建材事業へ本格参入し[6]、同年に日鐵カーテンオールなどの株式を取得して超高層ビル用サッシの分野へ踏み込んだ[7]。新明和工業の株式取得で厨房事業にも進み[8]、住宅用サッシに偏っていた製品構成を業務用や高層建築向けへ広げた。先発の名門企業を相次いで傘下に収め、異なる企業文化を束ねながら規模を拡大する手法が、この時期に形づくられた。買収した企業の技術と販路を取り込み、住宅向けに偏っていた事業の裾野は業務用の建材へと広がった。

  • LIXIL 有価証券報告書【沿革】
    • [6]1985年2月 三井軽金属加工の営業を譲り受けビル建材事業へ本格進出
    • [7]1985年12月 日鐵カーテンオール等の株式を取得し超高層ビルサッシ部門へ進出
    • [8]1985年11月 新明和工業の株式を取得し厨房事業へ進出

株式市場との関係づくりも同じ時期に進んだ。1987年8月、トーヨーサッシは大阪証券取引所市場第一部へ株式を上場し[9]、資本市場からの資金調達の道を広げた。1987年にはタイにTOSTEM THAI Co., Ltd.を設立[10]して海外生産にも乗り出している。1992年7月、同社は商号をトステム株式会社へ改め[11]、住まいの総合建材メーカーとしての企業像を前面へ押し出した。上場を通じて、資金調達と知名度の両面で成長の足場を固めた。

  • LIXIL 有価証券報告書【沿革】
    • [9]1987年8月 大阪証券取引所市場第一部へ上場
    • [10]1987年4月 タイにTOSTEM THAI Co., Ltd.を設立
    • [11]1992年7月 商号をトステム株式会社へ変更
  • LIXIL 有価証券報告書【沿革】
    • [6]1985年2月 三井軽金属加工の営業を譲り受けビル建材事業へ本格進出
    • [7]1985年12月 日鐵カーテンオール等の株式を取得し超高層ビルサッシ部門へ進出
    • [8]1985年11月 新明和工業の株式を取得し厨房事業へ進出
    • [9]1987年8月 大阪証券取引所市場第一部へ上場
    • [10]1987年4月 タイにTOSTEM THAI Co., Ltd.を設立
    • [11]1992年7月 商号をトステム株式会社へ変更

中小工務店の囲い込みとトータルハウジング構想

住宅の品質を保証する仕組みづくりにも早くから動いた。1999年、トステムは損害保険会社などと共同で株式会社日本住宅保証検査機構を設立し[12]、住宅の性能表示や検査、その後の増改築の紹介までを担う体制を整えた。1984年に設けたフランチャイズ住宅の株式会社アイフルホームと合わせ[13]、建材供給にとどまらず工務店の信頼性そのものを補完する事業を手掛けた。工務店を組織化して良質な住宅を安価に供給する構想は、住宅設備の総合企業としての性格を強めた。1990年代末には、こうした流通とサービスの厚みが業界内での存在感を支えた。

  • LIXIL 有価証券報告書【沿革】
    • [12]1999年7月 株式会社日本住宅保証検査機構を設立
    • [13]1984年5月 フランチャイズ住宅の株式会社アイフルホームを設立
  • LIXIL 有価証券報告書【沿革】
    • [12]1999年7月 株式会社日本住宅保証検査機構を設立
    • [13]1984年5月 フランチャイズ住宅の株式会社アイフルホームを設立

API for AI Agents — 認証不要、URLをGETするだけで機械可読なJSONをトークン消費を抑えつつ取得できます。

LIXILの沿革1949〜2025年における主な出来事を抜粋

時代年月社長・CEO出来事重要度
1949〜2000年建具問屋から出発しアルミサッシ首位、買収で住宅設備の総合企業へ日本建具工業を創設
既存工場を買収
葛飾工場として操業を開始
東洋サッシを設立
アルミサッシの一貫工場を新設
商号をトーヨーサッシへ変更
東洋ドアー他4社を吸収合併
東洋エクステリアを設立
ビバホーム(のちのトステムビバ)を設立★★
ビル建材事業に参入
アイフルホーム(フランチャイズ住宅)を設立★★
三井軽金属加工の営業を譲り受けビル建材事業に本格参入★★
東京証券取引所市場第二部に株式を上場(1987年3月に一部指定)
厨房事業に参入
超高層ビルサッシ部門に参入
中低層サッシ部門を拡大
商号をトステムへ変更
トップ商事(のちのLIXILビバ)を設立
トステムセラ・日本レポールを吸収合併
日本住宅保証検査機構を設立
東洋エクステリア・アイフルホームテクノロジー・鈴木シャッター工業を子会社化
2001〜2010年トステムとINAXの経営統合、持株会社化から住生活グループへ水谷千加古トステムとINAXの経営統合と純粋持株会社INAXトステム・ホールディングスの設立

2001年、アルミ建材首位のトステムと衛生陶器2位・タイル最大手のINAXが経営統合し、純粋持株会社の株式会社INAXトステム・ホールディングスが発足した経営判断。建材業界で初めて連結売上高1兆円をうかがう企業となった。

詳細を読む
★★★
水谷千加古INAXトステム・HDに商号変更し純粋持株会社へ移行★★
水谷千加古商号を住生活グループへ変更
杉野正博中国・東南アジアの衛生陶器事業を子会社化
2011〜2018年LIXILグループ発足、藤森義明の世界化戦略と買収の巨額減損杉野正博トステムがINAX・新日軽・東洋エクステリア等を吸収合併しLIXILに商号変更★★
藤森義明米GE出身・藤森義明の社長兼CEO招聘と創業家からの経営権移譲

2011年8月、住宅設備最大手の住生活グループ(現・LIXILグループ)が、米ゼネラル・エレクトリックで本社副社長を務めた藤森義明氏を代表執行役社長兼CEOに迎え、創業家二代目の潮田洋一郎会長が取締役会議長へ退いた経営判断。

詳細を読む
★★★
藤森義明カーテンウォール大手Permasteelisa S.p.A.の株式を取得★★
藤森義明LIXILグループに商号変更
藤森義明米アメリカンスタンダード北米事業の取得と独グローエの買収

2013年、LIXILグループが米アメリカンスタンダードの北米事業を約531億円で、欧州の水栓金具最大手グローエを負債込み約3,800億円で相次いで取得し、水回り製品で北米・欧州の拠点を得た経営判断。

詳細を読む
★★★
2019〜2025年機関投資家との経営権攻防、そして事業会社LIXILへの統合再編瀬戸欣哉Permasteelisa S.p.A.の株式を売却★★
瀬戸欣哉LIXILビバの株式を売却★★
瀬戸欣哉子会社LIXILを吸収合併しLIXILに商号変更
瀬戸欣哉川島織物セルコンの株式を売却
瀬戸欣哉本社を移転
瀬戸欣哉LIXILホームファイナンスを清算
出典・参考
  • LIXIL 有価証券報告書【沿革】

免責事項およびポリシー