アークランズとの共同持株会社設立(2026年・ジョイフル本田の決断)

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論点 単独存続か同業との経営統合か
ジョイフル本田:業績の推移
売上高(億円)営業利益率(%)
独立経営の放棄と、全国にホームセンターを持つ同業との統合

何をなぜ決めたか:独立経営の放棄と、全国にホームセンターを持つ同業との統合

概要

2026年4月14日、ジョイフル本田が平山育夫社長のもとで、アークランズと共同株式移転により共同持株会社を設け、対等の精神の下で経営統合する基本合意書を締結した経営判断。ジョイフル本田株1株に持株会社株1.15株が割り当てられる。統合が成れば、自社は持株会社の完全子会社となって上場を廃止し、1975年の設立から続いた独立の経営を終える。代わりに持株会社の代表取締役会長には取締役顧問の本田理氏、社長には平山育夫社長自身が就く予定である。

背景

単体の売上高は2022年6月期の123,555百万円から2026年6月期の130,146百万円へ伸びたが、経常利益は13,224百万円から10,079百万円へ減った。2025年9月には茨城県で「ホームジョイ本田」2店や木材販売を営む株式会社本田を1,800百万円で取得し、負ののれん発生益1,940百万円を計上して、2026年6月期から連結決算に移った。大株主には本田創業家信託口が9.57%、本田理氏が3.04%で並ぶ。

内容

統合で狙うのは、共同調達による仕入原価の低減、物流網の相互活用による配送の効率化、バックオフィス機能の集約である。自社の算定機関の三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、移転比率を市場株価分析で1.14〜1.19、類似企業比較分析で0.75〜1.39、DCF分析で0.96〜1.54と算定し、1.15はその幅に収まる。両社ともフェアネス・オピニオンは取得していない。相手とは2001年に北海道のジョイフルエーケーを共同設立した縁があり、アークランズの佐藤好文社長は2001年にスマイル本田(現ジョイフル本田)へ入社した経歴を持つ。

含意

2026年7月3日、ジョイフル本田は取締役会で、最終契約と株式移転計画の承認に関する日程を変えると決めた。アークランズが2025年6月に完全子会社としたペッツファーストホールディングスに不適切な会計処理の疑義が見つかり、アークランズが外部専門家のみの特別調査委員会を設けたためである。調査の結果と相手の連結財務数値への影響を踏まえ、手続・日程・諸条件を精査する。当初は9月後半の定時株主総会で承認を得る段取りだったが、承認の場は臨時株主総会に移り、時期は未定となった。9月17日の定時株主総会の議案は、取締役6名と補欠監査役1名の選任だった。

いつ何が起きたか 5件
当時の取締役 5名

当時の取締役(2025年9月株主総会決議)

考察:小さいほうが代表職を握る統合
考察

考察:小さいほうが代表職を握る統合

売上高ではアークランズの半分にも満たないジョイフル本田が、持株会社の会長と社長を出す。単体の営業利益率は2026年6月期でも6.8%あり、相手の4.2%を上回る。平山育夫社長が差し出したのは上場会社としての独立で、引き換えに得たのは、全国の店舗網を自社の経営陣が率いる立場だったとみることができる。創業家の信託口と本田理氏が大株主に並ぶ会社にとって、吸収される形を避けて統合に入る道は、単独での存続よりも受け入れやすかったのだろう。

もっとも、統合の相手を選んだ時点では見えていなかった危うさが、半年もたたずに表に出た。ペッツファーストホールディングスの会計処理の疑義は相手方の買収先の問題だが、ジョイフル本田は手続と日程だけでなく諸条件まで精査し直すとした。移転比率1.15は相手の連結財務数値を前提に算定されたもので、調査の結果によっては交渉の土台が変わる。持株会社が当初の2027年3月1日に生まれるかどうかは、本稿の時点では決まっていない。

Yutaka Sugiura, 2026年10月
数字で見る 2表

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図と表

ジョイフル本田:アークランズの業績(連結)

売上高(百万円)営業利益率(%)

アークランズの営業利益率は3期で5.2%から4.2%へ下がった

ジョイフル本田:アークランズの業績(連結)
(百万円) 売上高営業利益 備考
2022年2月期 357,190− 営業利益を有報の逐語で照合できていない
2023年2月期 313,487− 営業利益を有報の逐語で照合できていない
2024年2月期 310,69716,113
2025年2月期 315,72716,231
2026年2月期 341,14114,196 2025年6月にペッツファーストHDを完全子会社化
出所:ジョイフル本田 臨時報告書(2026年5月1日提出、株式移転の決定)。2024年2月期〜2026年2月期 / アークランズ 有価証券報告書 第57期(主要な経営指標等の推移)。2022年2月期・2023年2月期の売上高
出所:ジョイフル本田 臨時報告書(2026年5月1日提出、株式移転の決定)。2024年2月期〜2026年2月期 / アークランズ 有価証券報告書 第57期(主要な経営指標等の推移)。2022年2月期・2023年2月期の売上高

ジョイフル本田:ジョイフル本田の大株主(2025年12月20日)

  • 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 11%
  • 野村信託銀行(本田創業家信託口) 10%
  • SMBC日興証券 4%
  • 本田理 3%
  • レノ 3%
  • 本田勇 2%
  • その他 69%

本田創業家信託口と本田理氏・本田勇氏の持株比率は計14.39%

ジョイフル本田:ジョイフル本田の大株主(2025年12月20日)
(%) 持株比率
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 10.65
野村信託銀行(本田創業家信託口) 9.57
SMBC日興証券 3.73
本田理 3.04
レノ 2.62
本田記念財団 2.07
日本カストディ銀行(信託口) 2.05
本田勇 1.78
青木真弓 1.54
ジョイフル本田グループ従業員持株会 1.47
出所:アークランズ 臨時報告書(2026年5月1日提出、株式移転の決定)。自己株式を除く発行済株式に占める割合
出所:アークランズ 臨時報告書(2026年5月1日提出、株式移転の決定)。自己株式を除く発行済株式に占める割合
当時の取締役 5名

当時の取締役(2025年9月株主総会決議)

参考文献

参考文献

参考
  • ジョイフル本田 臨時報告書「臨時報告書(株式移転の決定)」
  • アークランズ 臨時報告書「臨時報告書(株式移転の決定)」
  • ジョイフル本田 臨時報告書「臨時報告書(株主総会における議決権行使の結果)」
  • ジョイフル本田 有価証券報告書「第51期(2026年6月期)【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】【企業結合等関係】【重要な後発事象】」
  • ジョイフル本田 有価証券報告書「第50期・第51期(主要な経営指標等の推移)」
  • アークランズ 有価証券報告書「第57期(2026年2月期)【主要な経営指標等の推移】【役員の状況】」

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