ボードルア ベインキャピタルと組むMBO 創業者3氏の持株54.65%の譲渡と新会社への再出資による、プライム上場の返上と買収の加速
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何をなぜ決めたか
- 概要
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2026年8月18日、ボードルアは取締役会でベインキャピタルの公開買付けへの賛同と応募推奨を決議した。冨永重寛社長、藤井和也氏(代表取締役)、程島義明氏(取締役)の創業者3氏が組むMBOで、買付価格は1株2,970円。3氏は所有割合54.65%にあたる持株の全てを、公開買付価格を下回る1株2,350円で譲渡する契約を同日結んだ。10月5日に締め切った公開買付けには10,365,448株の応募があり、議決権の85.68%を握る公開買付者が10月13日に親会社となる。
- 背景
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2007年にニキティスの子会社として設立したネットワーク構築の会社は、2021年のマザーズ上場後に買収で膨らんだ。2025年5月にはSPIN TECHNOLOGY・悟空テクノロジーズ・ONE-TECHの3社を株式交換で完全子会社にし、連結従業員は2026年2月期に3,704名と3年前の約4倍になった。一方で買収を続けるほど増資の必要が高まり、株価と市場の動向が資金調達を縛る。冨永重寛社長は2026年3月、単独での成長には一定の制約があると考え、4社の投資ファンドと意見交換を始めた。
- 内容
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5月上旬、冨永重寛社長はベインキャピタルを相手に選んだ。独立した特別委員会との交渉で、7月23日の初回に2,550円だった買付価格は、5回の提案を経て8月18日に2,970円へ上がった。前営業日の終値2,861円に対するプレミアムは3.81%にとどまる。創業者3氏は持株を譲渡したあと、スクイーズアウト(2027年1月中旬予定)の完了後に設けるベインキャピタルの新会社へ再出資し、議決権の32%を持つ。経営は現体制を原則とし、ベインキャピタルは取締役の派遣を検討する。
- 含意
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東証プライム市場への移行から1年半で、上場の廃止を選んだことになる。非公開化の意義は、増資に頼らずに買収を機動的に進められることと、案件探索・デュー・ディリジェンス・PMI・資金提供までベインキャピタルの支援を受けられることにある。投資先のBREXA Holdingsやティーガイアとの連携も挙げた。創業者が過半を握る独立企業から、ファンドが68%を持つ会社のもとで創業者が経営を担う体制へ移行し、株主として経営を見るのは市場ではなくベインキャピタルになる。
いつ何が起きたか 8件
筆者の見解
過半の譲渡で得た買収の自由
この決断の芯は、創業者が過半の支配を譲渡し、代わりに買収の自由を得たことにある。3氏の所有割合は54.65%から、新会社への再出資後の32%へ下がるが、経営は3氏が担い続ける。株式交換による買収は既存株主の持分を薄め、増資は株価に左右される。上場を続けるかぎり、買収を重ねるほど資金の手当てが窮屈になる構図だった。過半の支配は、創業者の経営を守る盾から、成長を縛る重しに変わりつつあったと思われる。
もっとも、少数株主から見ると値づけは強気とはいえない。2,970円は前営業日の終値に3.81%を上乗せしただけで、類似事例と比べて必ずしも高い水準ではないことは賛同の判断の中でも認められている。創業者が公開買付価格より620円安い2,350円で譲渡するのは、少数株主に回す価格を厚くして成立を確かにするためだろう。3年でのれんを20倍以上に積み上げた買収の路線が、ファンドの規律のもとでどこまで続くかが、次に問われることになる。
Yutaka Sugiura, 2026年10月
業績の推移
のれんと総資産の推移
ボードルア:のれんと総資産の推移
| (百万円) | のれん | 総資産 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 2023年2月期 | 215 | 5,228 | 日本基準 |
| 2024年2月期 | 472 | 6,260 | 日本基準 |
| 2025年2月期 | 2,032 | 8,603 | IFRSへ移行。のれんは償却せず減損テストのみ |
| 2026年2月期 | 4,936 | 14,025 | SPIN TECHNOLOGYなど4社を連結子会社化 |
- 冨永重寛 37%
- 藤井和也 14%
- 程島義明 4%
- その他 45%
出所:ボードルア 有価証券報告書 第17期・第19期(連結貸借対照表・連結財政状態計算書)
売上と営業利益の推移
ボードルア:売上と営業利益の推移
| (百万円) | 売上高 | 営業利益 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 2023年2月期 | 5,244 | 975 | 日本基準 |
| 2024年2月期 | 7,330 | 1,567 | 日本基準 |
| 2025年2月期 | 11,650 | 2,461 | IFRS。売上高は売上収益 |
| 2026年2月期 | 17,423 | 3,391 | IFRS。売上高は売上収益 |
出所:ボードルア 有価証券報告書 第17期・第19期(連結損益計算書)
連結従業員数の推移
ボードルア:連結従業員数の推移
| (名) | 連結従業員数 | 備考 |
|---|---|---|
| 2023年2月期 | 908 | |
| 2024年2月期 | 1,213 | |
| 2025年2月期 | 2,238 | |
| 2026年2月期 | 3,704 | 前期から1,466名増。SPIN TECHNOLOGYなど4社の連結子会社化による |
出所:ボードルア 有価証券報告書 第17期・第19期【従業員の状況】
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参考文献
- ボードルア 意見表明報告書「意見表明報告書(ビーシーピーイー ネオン ケイマン エルピーによる公開買付け)」
- ビーシーピーイー ネオン ケイマン エルピー 公開買付届出書「株式会社ボードルア株式に対する公開買付届出書」
- ビーシーピーイー ネオン ケイマン エルピー 公開買付報告書「公開買付報告書」
- ボードルア 臨時報告書「臨時報告書(親会社及び主要株主の異動)」
- ボードルア 有価証券報告書「第19期(2026年2月期)【主要な経営指標等の推移】【従業員の状況】」