有線音楽放送正常化協議会へ表明(1994年・U-NEXT HOLDINGSの決断)

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論点 全国の無断共架をどう正すか
U-NEXT HOLDINGS:業績の推移
売上高(億円)経常利益率(%)
電柱の無断共架から、所有者の承諾と共架料の支払いへの切り替え

何をなぜ決めたか:電柱の無断共架から、所有者の承諾と共架料の支払いへの切り替え

概要

1994年12月、大阪有線放送社は郵政省などでつくる有線音楽放送正常化協議会に対し、正常化に取り組む意向を改めて示した。協議会が同年から指導を強めたことを受けたもので、翌1995年7月には、全国の違法施設を向こう6年間で正常化する計画を出している。協議会はその後、半年ごとに進み具合を把握した。

正す対象は、道路占用の許可と電柱所有者の添架承諾を得ないまま張った有線ラジオ放送の施設である。この問題は1972年ごろから顕在化していた。同社は4つの関連会社とともに全国約780カ所の放送所を持ち、1993年度の加入件数は約115万件、売上高は約780億円に達していた。

背景

大阪有線放送社は1961年6月に個人で創業し、2チャンネルの有線音楽放送から始めた。1981年10月に同軸ケーブルで160チャンネル、1987年10月に440チャンネルへ広げている。施設の無断設置は早くから国会で問われ、1977年4月の衆議院逓信委員会では議員が無届け施設の大半を同社の系列が占めると指摘した。郵政省は指導を優先しつつ、告発も考えながら進めると答えている。

1983年の法改正で、道路占用の許可を受けずに有線ラジオ放送を行う者に厳しい措置をとれるようになった。郵政省は1985年に同社などへ業務停止命令を出し、従わなかったため告発した。法人と社長・幹部の罰金刑が確定し、同社は1985年に正常化を表明した。それでも正常化はなかなか進まなかった。

内容

1989年、郵政省は建設省・警察庁・NTT・電気事業連合会とともに有線音楽放送正常化協議会をつくった。建設省は道路占用の許可、NTTと電力会社は電柱の持ち主として加わる。協議会のもとでも目立った進展は無く、1994年に指導を強めたところで、同社が12月の意向表示と翌年の6年計画に応じた。

1996年3月末には、国道と都道府県道の道路占用許可がほぼそろい、市町村道は県庁所在都市と人口30万以上の都市から進んでいた。電柱では、NTTの約155万本すべての共架料を払い終え、電力会社の電柱は約200万本のうち73万本まで支払いが進んだ。郵政省は、是正の済まない施設を使ってカラオケやCATVなどの新事業を行うことは認めない方針を示した。

含意

正常化は、電柱の持ち主との契約で実を結んだ。2000年3月以降、同社は電柱所有者と共架契約を締結し、本数に応じた施設使用料を払っている。相手は電力10社とNTT東西で、関西電力との契約は「電柱無断共架の是正に関する確認書」という名のまま残った。2001年5月には通信衛星による放送を始め、顧客の少ない地域を衛星へ移して不要な電線を撤去した。

撤去で使用電柱等は2000年5月以前の約750万本から、2005年8月期末に約400万本へ減った。撤去費と除却損は過年度に多額の特別損失となっている。一方、2005年8月期末でも民地の使用承諾を得ていない線が残り、軽微なものを含めて使用電柱等の約3割が技術基準に合っていなかった。同社はこれを、さらに3年程度で解消する方針とした。

いつ何が起きたか 12件
考察:合法化が先、新事業は後
考察

考察:合法化が先、新事業は後

なぜ1994年に、改めて正常化の意向を示したのか。1985年の業務停止命令と罰金刑の後も、同社の正常化はほとんど進まなかった。罰則だけでは動かなかった会社が動いた理由は、網の使い道にあったと思われる。郵政省は、是正の済まない施設でカラオケやCATVへ進むことを認めないと明言している。有線音楽放送だけを続けるなら、共架料を払わない状態のほうが安い。しかし全国の同軸ケーブルを別の事業に使うには、先に合法な設備にする必要があった。

もっとも、正常化には重い費用が伴った。それまで払っていなかった共架料が毎年かかり、使う電柱の本数がそのまま負担になる。1996年3月末の時点で、電力会社の電柱は約200万本のうち73万本しか支払いが済んでいなかった。6年計画は、払う本数を増やす計画であると同時に、使う本数を減らす計画でもなければ成り立たない。実際に同社は2001年から通信衛星の放送へ切り替えて電線を撤去し、撤去費と除却損で多額の特別損失を計上した。

結果は部分的な成功である。2000年3月に電柱所有者との共架契約へ移り、1995年7月に出した6年計画の期限より前に、施設使用料を払う体制が整った。使用電柱等は約750万本から約400万本へ減り、2001年3月には光ファイバーのブロードバンドを始めている。網を新事業に使う条件は満たしたといえる。ただし2005年8月期末でも、使用電柱等の約3割が技術基準に合わず、民地の使用承諾の無い線も残った。契約の面では計画どおりに進み、設備の面では期限を越えた。

Yutaka Sugiura, 2026年7月
参考文献

参考文献

参考
  • 第136回国会 参議院 逓信委員会 第8号(1996年5月7日)
  • 株式会社USEN 有価証券報告書 第41期(2005年8月期)【沿革】
  • 第80回国会 衆議院 逓信委員会 第13号(1977年4月27日)
  • 第112回国会 衆議院 逓信委員会 第2号(1988年3月23日)
  • 株式会社USEN 有価証券報告書 第41期(2005年8月期)【事業等のリスク】
  • 株式会社USEN 有価証券報告書 第41期(2005年8月期)【経営上の重要な契約等】
  • 株式会社USEN 有価証券報告書「第41期(2005年8月期)【事業等のリスク】【経営上の重要な契約等】【沿革】」

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