三菱鉛筆 ジェットストリームの発売 摩擦を半減させた油性ボールペンの発売と、芯を固定した軸展開によるシリーズ化
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何をなぜ決めたか
- 概要
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2006年、三菱鉛筆が油性インクの溶剤を入れ替えて筆記摩擦を最大50%下げた"ジェットストリーム"を1本150円で発売し、以後は芯の仕様を固定したまま軸だけを替えて、年間1億本・国内120種類以上のシリーズへ広げた商品判断。
- 背景
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連結売上高は2001年12月期の627億円から2005年12月期の540億円まで減り、国内の文具市場は成熟していた。各社が競っていたのはペン先の細さで、ボール径0.18mmの世界最小まで来た段階では、社内にも極限追求への疑問が出ていた。
- 内容
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開発担当の市川秀寿氏は、各社共通のベンジルアルコール系溶剤を捨て、サインペン用の延長線上にある新溶剤へ切り替えた。従来の色剤・樹脂・添加剤が使えなくなる代わりに、ボール径1mmで従来の約半分の力で書け、インクの転写率は4割から約9割へ上がった。
- 含意
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発売から3期は減収が続き、2012年12月期になってようやく業績が反転した。2014年12月期には売上高603億円・当期純利益71億円といずれも当時の過去最高を記録し、成熟市場で販売本数と単価を同時に取り直した。
いつ何が起きたか 6件
筆者の見解
絞った一点と、絞らなかった理由
ジェットストリームは、成熟した市場で競争の物差しを取り替えた製品である。各社がペン先の細さを詰めていた時期に、三菱鉛筆は書くときの摩擦という別の尺度を持ち込んだ。市川秀寿氏の切り替えは溶剤という原料の層まで下りており、従来の色剤も樹脂も添加剤も使えなくなると分かったうえで踏み切っている。細さの追求には社内からも疑問が出ていた。同じ物差しの上で先へ進む手立てが尽きかけたところから、この開発は出ている。
物差しを替えたことだけで売れたわけではない。発売から3期は連結売上高が減り続け、6年後の2012年12月期になってようやく数字が反転した。その間に効いた条件はいくつもある。1本150円という普及価格帯に置いたこと、芯を固定して軸だけを替える方法で毎年新商品を出したこと、競合が同じ着想を自社の会議でいったん退けていたこと。どれか一つが欠けていれば、120種類のシリーズにはならなかったとみられる。
Yutaka Sugiura, 2026年8月
概況
同じ問いに直面した会社
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参考文献
- 三菱鉛筆 有価証券報告書(2005年12月期・連結)
- 三菱鉛筆 有価証券報告書(2006年12月期・連結)
- 三菱鉛筆 有価証券報告書(2010年12月期・連結)
- 三菱鉛筆 有価証券報告書(2013年12月期・連結)
- 三菱鉛筆 有価証券報告書(2015年12月期・連結)