オカムラ の歴史

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創業 1945年
創業者 吉原謙二郎
創業地 神奈川県横浜市磯子区
創業
1945年10月、吉原謙二郎氏が横浜市磯子区岡村町の日本飛行機岡村分工場を借り受け、航空機技術者の同僚や部下と各自の貯蓄・退職金を持ち寄って岡村製作所を興した。社名は所在地の岡村町から採っている。始めたのは鉄やアルミの家庭用厨房品と在日米軍向けのスチール家具で、創業期には国産機N-52や国内初のオートマチック車ミカサも手がけた。1946年7月に有限会社、1948年8月に株式会社へ改組し、1950年9月には横浜工場で鋼製家具の生産を始める。1961年10月に東京証券取引所市場第2部へ上場し、2018年4月に商号を株式会社オカムラへ改めた。
決断
生産能力は、自社の工場ではなく他社との合弁で増やしてきた。1945年の創業そのものが日本飛行機の分工場の借受けである。1959年の米国視察で現地のオフィスがすべてスチール家具であることを確かめると、木製が当たり前だった国内で鋼製へ集中し、1960年9月には三菱商事・富士製鐵・大同鋼板との共同出資で関西岡村製作所を設けた。需要が毎年2割以上増えた1980年代後半も新工場を建てず、1988年9月には遊休化した日本たばこ産業の高梁工場を机工場へ転用するJTオカムラを設立した。1991年10月には新日本製鐵との合弁でエヌエスオカムラを設立している。自前で建てる代わりに他社の資本と設備を組み合わせたことが、短い期間で即戦力の生産能力を確保する道を作った。
現況
利益はオフィス家具に偏り、他の2事業はほとんど残していない。2026年3月期の連結売上高は3,290億円、営業利益241億円、純利益224億円で、いずれも過去最高を更新した。内訳はオフィス環境が売上1,918億円・営業利益226億円、商環境が1,161億円・27億円で、物流システムは147億円の売上に対し14億円の営業損失を出している。コロナ下では個室型ワークブースのテレキューブを駅や公共施設へ広げ、出社が戻ったあとはABWに合わせた空間の提案へ売り方を移した。2005年から2009年の買収で加えた物流機器の事業がなお損失を出す一方、営業利益の9割超をオフィス家具1事業が生んでいる。
競合
木の家具が当たり前だった市場で、鋼を選んだ判断が順位を決めた。1959年の米国視察で確かめたスチール家具の品質と成長性を根拠にした集中は、当時の業界では異端視されている。コクヨが協力工場での生産により鋼製家具へ参入したのは1960年で、1980年代後半には岡村製作所・コクヨ・イトーキの3社が10数%ずつのシェアを分け合う構図になった。需要が毎年2割以上増えた1986年以降も、岡村製作所は工場を新設せず合弁で能力を補っている。1972年の御殿場工場で始めた冷凍冷蔵ショーケースが商環境事業へ育ち、オフィス投資が止まる年でも売上の35%を店舗向けが埋める構成を残した。
オカムラ:長期業績の推移(売上高・利益率)売上高(億円純利益率(%)
2002年3月期2026年3月期

創業ストーリー 戦後復興期の協同創業から鋼製家具事業の確立 (1945年〜)

日本飛行機株式会社岡村分工場の借受と「協同の工業」

1945年10月、終戦と同時に操業を停止した日本飛行機株式会社(横浜市磯子区岡村町)の岡村分工場の施設を借り受け[1]、創業者の吉原謙二郎が航空機の技術者であった同僚や部下たちとともに、各人の貯蓄や退職金などの資金と技術・労働力を持ち寄って『協同の工業・岡村製作所』を立ち上げた[2]。横浜市磯子区岡村町の所在地名が[3]、後の社名『岡村製作所』の由来となった。創業時の事業は、鉄やアルミを使った日常生活用品(一般家庭用厨房品)の製造と、在日米軍向けのスチール製家具の製造を中心とし、戦後復興期の旺盛な物資需要に応える形で立ち上がった。

  • オカムラ 有価証券報告書 第N期【沿革】
    • [1]1945年(昭和20年)10月、横浜市磯子区岡村町の日本飛行機株式会社岡村分工場の施設を借り受け、一般家庭用厨房品の製造を目的に創業
  • 企業の歴史 : 明治百年(経済春秋社, 1968)
    • [2]昭和20年10月、現社長(1968年時点)吉原謙二郎を中心に航空機関係技術者が集まり、各人の貯蓄を資本に「協同の工業、岡村製作所」として発足
    • [3]岡村の名は創業当時の本社工場所在地が横浜市の岡村町であったことに由来する

1946年7月に有限会社岡村製作所を設立[4]し、1948年8月に株式会社へ改組(資本金100万円)した[5]。創業期には戦後初の国産飛行機を目指した『N-52』や国内初のオートマチック車『ミカサ』も手掛け、開発力や現場力を磨き上げた。

  • オカムラ 有価証券報告書 第N期【沿革】
    • [4]1946年(昭和21年)7月、有限会社岡村製作所を設立
    • [5]1948年(昭和23年)8月、資本金100万円とし株式会社に改組(明治百年は「資本金を一〇〇万円とし、岡村製作所に組織を変更」と記載)
  • オカムラ 有価証券報告書 第N期【沿革】
    • [1]1945年(昭和20年)10月、横浜市磯子区岡村町の日本飛行機株式会社岡村分工場の施設を借り受け、一般家庭用厨房品の製造を目的に創業
    • [4]1946年(昭和21年)7月、有限会社岡村製作所を設立
    • [5]1948年(昭和23年)8月、資本金100万円とし株式会社に改組(明治百年は「資本金を一〇〇万円とし、岡村製作所に組織を変更」と記載)
  • 企業の歴史 : 明治百年(経済春秋社, 1968)
    • [2]昭和20年10月、現社長(1968年時点)吉原謙二郎を中心に航空機関係技術者が集まり、各人の貯蓄を資本に「協同の工業、岡村製作所」として発足
    • [3]岡村の名は創業当時の本社工場所在地が横浜市の岡村町であったことに由来する

スチール家具事業への集中と東証上場

1950年9月、横浜市西区北幸町に横浜工場を新設し、鋼製家具の生産[6]を開始した。同じ1950年には新製品のトルクコンバーターとあわせて事務用家具の生産も開始しており[7]、創業期の航空機技術を動力伝達装置に転用する一方で、後の主力となる鋼製事務用家具の製造に着手した。1952年5月には本社を横浜市西区北幸町に移転[8]、1958年6月に岡村工場を横須賀市浦郷町5丁目に移転した[9]。1950年代後半に在日米軍が撤退すると、事業環境の変化に対応し、オフィスや店舗、工場、倉庫、家庭など『人が集まるところ』で使うものを作る方向に方針を変えた。

  • オカムラ 有価証券報告書 第N期【沿革】
    • [6]1950年(昭和25年)9月、横浜市西区北幸町に横浜工場を新設し鋼製家具の生産を開始
    • [8]1952年(昭和27年)5月、本社を横浜市西区北幸町に移転
    • [9]1958年(昭和33年)6月、岡村町の岡村工場を横須賀市浦郷町5丁目に移転(明治百年は同年に岡村町工場を閉鎖し横須賀市の追浜工場へ移転と記載)
  • 企業の歴史 : 明治百年(経済春秋社, 1968)
    • [7]昭和25年(1950年)、新製品トルクコンバーターとあわせて事務用家具の生産を開始

1959年、創業者を中心とした当時の経営陣が米国視察を実施し、現地のオフィスすべてでスチール家具が使用されているのを目の当たりにし、その品質の高さとスチール家具の成長性を確信した。戦後間もない日本において家具はほぼ木製だったため、スチール家具事業への集中は業界では異端視されたが、これが後のオフィス家具市場におけるオカムラのリーディングポジション獲得につながった。米国視察では同時にスーパーマーケットでの質の高いスチール製システム什器も視察し、店舗用什器の海外メーカーとの技術提携を結んだ。

1960年9月、三菱商事・富士製鐵・大同鋼板との共同出資[10]により、鋼製事務用家具専門工場として大阪府東大阪市に株式会社関西岡村製作所(現関西オカムラ)を設立した。スチール家具の需要増に対処したこの合弁を機に、三菱商事との緊密な提携[11]をはかって販売体制を強化したことが、その後の発展の基礎となった。1961年4月に株式を公開し、同年10月の再増資により資本金は4億7500万円[12]となった。10月には東京証券取引所市場第2部に上場し[13]、1970年6月に東証一部指定、1971年8月に大阪証券取引所市場第1部にも上場した。[14]

  • オカムラ 有価証券報告書 第N期【沿革】
    • [10]1960年(昭和35年)9月、三菱商事・富士製鐵・大同鋼板と共同出資し、鋼製事務用家具専門工場として大阪府東大阪市に株式会社関西岡村製作所(現関西オカムラ)を設立
    • [13]1961年(昭和36年)10月、株式を東京証券取引所市場第二部に上場
    • [14]1970年6月に東証一部指定、1971年8月に大阪証券取引所市場第1部に上場
  • 企業の歴史 : 明治百年(経済春秋社, 1968)
    • [11]昭和35年のスチール家具需要増への対処と三菱商事との緊密な提携・販売体制強化が今日の繁栄の基礎をつくった
    • [12]昭和36年(1961年)4月に株式を公開、同年10月の再増資により資本金は4億7500万円となる
  • オカムラ 有価証券報告書 第N期【沿革】
    • [6]1950年(昭和25年)9月、横浜市西区北幸町に横浜工場を新設し鋼製家具の生産を開始
    • [8]1952年(昭和27年)5月、本社を横浜市西区北幸町に移転
    • [9]1958年(昭和33年)6月、岡村町の岡村工場を横須賀市浦郷町5丁目に移転(明治百年は同年に岡村町工場を閉鎖し横須賀市の追浜工場へ移転と記載)
    • [10]1960年(昭和35年)9月、三菱商事・富士製鐵・大同鋼板と共同出資し、鋼製事務用家具専門工場として大阪府東大阪市に株式会社関西岡村製作所(現関西オカムラ)を設立
    • [13]1961年(昭和36年)10月、株式を東京証券取引所市場第二部に上場
    • [14]1970年6月に東証一部指定、1971年8月に大阪証券取引所市場第1部に上場
  • 企業の歴史 : 明治百年(経済春秋社, 1968)
    • [7]昭和25年(1950年)、新製品トルクコンバーターとあわせて事務用家具の生産を開始
    • [11]昭和35年のスチール家具需要増への対処と三菱商事との緊密な提携・販売体制強化が今日の繁栄の基礎をつくった
    • [12]昭和36年(1961年)4月に株式を公開、同年10月の再増資により資本金は4億7500万円となる

御殿場工場と冷凍冷蔵ショーケース事業参入

株式公開後の1960年代、オカムラは技術提携を重ねて製品の幅を広げた。1961年から1964年にかけて西ドイツや米国などのメーカーと、ガス湯沸器・可動式壁材・空調機器・鋼製事務用机・椅子等の製造販売に関する提携を進め[15]、1968年にはスチール家具のトップメーカーとして年商120億円を突破、利益5億5000万円、配当1割5分を継続するまでに成長した[16]。さらに創業期の航空技術を生かし、清掃機器・荷役機械・建設機械に採用されるトルクコンバーターや、各種産業機械の動力伝達系統に使う流体継手といった産業機械の分野にも進出した。[17]

  • 企業の歴史 : 明治百年(経済春秋社, 1968)
    • [15]昭和36年(1961年)から39年(1964年)にかけて西ドイツ・米国などとガス湯沸器・可動式壁材・空調機器・鋼製事務用机・椅子等の製造販売に関する提携をはかった
    • [16]1968年時点でスチール家具のトップメーカーとして年商120億円を突破、利益5億5000万円、配当1割5分を継続
    • [17]航空技術を生かし、清掃機器・荷役機械・建設機械に採用されるトルクコンバーターや、各種産業機械の動力伝達系統に使用する流体継手など産業機械分野へ進出

1970年1月、静岡県御殿場市に富士工場を新設し鋼製家具の生産を開始[18]、1972年3月には静岡県御殿場市に御殿場工場を新設し、冷凍冷蔵ショーケースの生産を開始した。[19]この御殿場工場での冷凍冷蔵ショーケース事業参入は、後に『商環境事業』へと発展する多角化であり、オフィス家具に続く第二の事業の柱を得る転換点となった。

  • オカムラ 有価証券報告書 第N期【沿革】
    • [18]1970年1月、静岡県御殿場市に富士工場を新設し鋼製家具の生産を開始
    • [19]1972年3月、静岡県御殿場市に御殿場工場を新設し冷凍冷蔵ショーケースの生産を開始(商環境事業参入)

1974年8月には山形県東置賜郡高畠町に高畠工場を新設し木製家具の生産を開始[20]、スチール家具と木製家具を併存させる事業ポートフォリオ構造を整備した。スチール家具を主軸に置きつつ、店舗用什器メーカーとして『人が集まるところ』で使うものに事業領域を広げる路線が、御殿場・高畠の両工場で形を取った。創業期に在日米軍向けスチール家具で立ち上げた事業は、1970年代に国内のオフィス・店舗・家庭向け什器メーカーへの転換を完了させた。

  • オカムラ 有価証券報告書 第N期【沿革】
    • [20]1974年8月、山形県東置賜郡高畠町に高畠工場を新設し木製家具の生産を開始
  • 企業の歴史 : 明治百年(経済春秋社, 1968)
    • [15]昭和36年(1961年)から39年(1964年)にかけて西ドイツ・米国などとガス湯沸器・可動式壁材・空調機器・鋼製事務用机・椅子等の製造販売に関する提携をはかった
    • [16]1968年時点でスチール家具のトップメーカーとして年商120億円を突破、利益5億5000万円、配当1割5分を継続
    • [17]航空技術を生かし、清掃機器・荷役機械・建設機械に採用されるトルクコンバーターや、各種産業機械の動力伝達系統に使用する流体継手など産業機械分野へ進出
  • オカムラ 有価証券報告書 第N期【沿革】
    • [18]1970年1月、静岡県御殿場市に富士工場を新設し鋼製家具の生産を開始
    • [19]1972年3月、静岡県御殿場市に御殿場工場を新設し冷凍冷蔵ショーケースの生産を開始(商環境事業参入)
    • [20]1974年8月、山形県東置賜郡高畠町に高畠工場を新設し木製家具の生産を開始

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オカムラの沿革1945〜2024年における主な出来事を抜粋

時代年月社長・CEO出来事重要度
1945〜1987年戦後復興期の協同創業から鋼製家具事業の確立一般家庭用厨房品の製造を開始
岡村製作所を設立
株式会社に改組
横浜工場を新設し鋼製家具の生産を開始★★
本社を移転
横浜市磯子区岡村町所在の岡村工場を横須賀市浦郷町5丁目に移転
三菱商事・富士製鐵・大同鋼板との共同出資で関西岡村製作所を設立
株式を東京証券取引所市場第二部に上場
富士工場を新設し鋼製家具の生産を開始
御殿場工場を新設
冷凍冷蔵ショーケースの生産を開始★★
高畠工場を新設
木製家具の生産を開始★★
1988〜2017年海外進出と買収による事業多角化期三菱商事と現地企業との共同出資でタイにSiam Okamura Steel Co.,Ltd.を設立
JTオカムラ設立——たばこ工場を机工場へ転用した異業種合弁

1988年9月、岡村製作所が日本たばこ産業(JT)・関西岡村製作所との共同出資で株式会社JTオカムラを設立し、遊休化していた日本たばこの高梁工場(岡山県高梁市)を従業員ごとスチール机の工場へ転換した経営判断。資本金4億9000万円で、出資比率は岡村グループ49%・日本たばこ51%。工場を新設せず既存工場を転用することで、需要急増下の生産能力を短期間かつ安上がりに手当てした。

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★★★
全額出資の子会社オカムラ物流を設立
つくば工場を新設
事務用家具の生産を開始
新日本製鐵・関西岡村との共同出資でエヌエスオカムラを設立
全額出資の子会社オカムラビジネスサポートを設立
中井事業所を開設
久松一良上海岡村家具物流設備有限公司を設立
久松一良株式の取得によりシーダーを子会社化
久松一良鶴見事業所を開設
久松一良株式の取得により富士精工本社を子会社化
久松一良株式の取得によりセックを子会社化
中村雅行現地企業との共同出資で杭州岡村伝動有限公司を設立
中村雅行現地企業との共同出資でPT.Okamura Chitose Indonesiaを設立
2018〜2025年「株式会社オカムラ」への商号変更と需要創出型企業への変革中村雅行商号をオカムラに変更
中村雅行連結子会社のオカムラ物流・シーダーを吸収合併
中村雅行株式の取得によりDB&B Holdings Pte.Ltdを子会社化★★
中村雅行プライム市場に移行
中村雅行DB&B Holdings Pte.Ltdを完全子会社化
出典・参考
  • オカムラ 有価証券報告書 第N期【沿革】
  • 企業の歴史 : 明治百年(経済春秋社, 1968)

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