第4章 年〜年

オンキヨー:パイオニアのホームAV事業統合と債務超過による上場廃止

2015年〜パイオニアのホームAV事業の引き受けと、携帯型の音楽機器へ資源を振り向ける計画

2015年5月の決算短信で、オンキヨーは自社生産・自社販売だけでは世界市場で存続できないとし、他社との提携を戦略の軸に据えた。パイオニアのホームAV事業との統合はその中心に置かれ、狙いは経営資源の相互活用による製品開発力の強化とコスト競争力の向上にあった。設計と生産の効率を上げ、それまで資源を割けなかった携帯型の音楽機器へ力を移す構想だった。核に置いたのはe-onkyo musicのハイレゾ配信で、再生アプリからヘッドホンまでを揃えて提供する企業への転換を掲げた。財務の当面の目標には、有利子負債から手元資金を差し引いたネットデットをゼロにすることを置いた。AVレシーバーの規模を買い足しつつ、成長の源泉はその外側に求めた計画だった。

  • オンキヨー 平成27年3月期 決算短信(2015年5月15日)【経営方針】
    • [1]独自技術による自社生産・自社販売だけでは世界市場で生き残ることが困難になったとし、他社とのアライアンスを積極的に図る方針を中長期の経営戦略とした。
    • [3]統合で設計・生産効率の向上を図り、従来十分に経営資源を配分できなかったポータブルオーディオ等の分野を強化するとした。
    • [4]e-onkyo musicが手掛けるハイレゾ配信を核とし、携帯音楽プレーヤー、ハイレゾ音源再生アプリ、ブルートゥーススピーカー、ヘッドホン等のサービス及び機器を総合的に提供できる企業へのシフトを掲げた。
    • [5]当面の目標とする経営指標として、有利子負債から現金及び現金同等物を控除したネットデットをゼロとすることを掲げた。
  • オンキヨー 有価証券報告書 第5期(2015年3月期)【企業結合等関係】
    • [2]パイオニアホームエレクトロニクスとの企業結合の主な理由は、経営資源を互いに有効活用し製品開発力を高め、コスト競争力を向上させて経営基盤を強化することとされた。

2015年3月2日、オンキヨーはパイオニアホームエレクトロニクスの全株式と海外6社の事業を、取得原価16億5900万円で取得した。同じ日にパイオニアへ普通株式1083万5900株を1株155円で割り当て、払込総額16億7956万円を対価の現金にほぼそのまま振り向けた。売り手の開示によれば、この事業はパイオニアの連結で売上高352億4000万円、営業損失48億7400万円を計上していた。受け入れた純資産が取得原価を上回ったため、オンキヨーは7億9200万円の負ののれん発生益を計上した。直前の2015年3月期の連結売上高は355億6300万円で、自社と同じ年商の赤字事業を、手元資金をほとんど減らさずに取得した取引だった。

  • オンキヨー 有価証券報告書 第5期(2015年3月期)【企業結合等関係】
    • [6]2015年3月2日、パイオニアホームエレクトロニクスの全株式と海外6社のホームAV事業等を取得した。取得原価は1,659百万円。
    • [9]企業結合時の時価純資産が取得原価を上回り、792百万円の負ののれん発生益を計上した。
  • オンキヨー 有価証券報告書 第5期(2015年3月期)【経営上の重要な契約等】
    • [7]2015年3月2日を払込期日としてパイオニアに普通株式10,835,900株を1株155円で第三者割当により発行した。発行価額の総額は1,679,564,500円。
  • パイオニア 有価証券報告書 第69期(2015年3月期)【事業分離等関係】
    • [8]分離した事業のパイオニア連結における業績は、売上高35,240百万円、営業損失4,874百万円であった。
  • オンキヨー 平成27年3月期 決算短信(2015年5月15日)
    • [10]2015年3月期の連結売上高は35,563百万円であった。

統合後の最初の半期にあたる2015年4〜9月の売上高は、前年同期より123億2100万円多い277億9500万円に膨らんだ。一方で営業損失は25億2600万円に広がり、新製品の販売費の先行、統合のための一時的なインフラ整備、生産体制の組み直しの費用が重なった。事業の区分もこのとき組み替え、AV事業・OEM事業と、ヘッドホンや音楽配信などを統合したデジタルライフ事業の3本とした。2016年3月期の連結売上高は643億9200万円と前期の1.8倍になり、営業損失20億2900万円、経常損失22億4100万円を計上した。売上の規模はほぼ倍に増えたが、統合の費用が先に立ち、赤字の幅は20億円を下回らなかった。

  • オンキヨー 株主通信 Business report 第6期第2四半期(2015年12月)
    • [11]2016年3月期第2四半期累計の売上高は前年同期比12,321百万円増収の27,795百万円となった。
    • [12]新製品導入に伴う販売費の先行、統合に係る一時的なインフラ整備費用、生産体制の整備費用の増加などにより、営業損失は前年同期比1,360百万円悪化の2,526百万円となった。
    • [13]パイオニアのホームAV事業等の統合により、事業単位をAV事業、OEM事業、モバイルオーディオや音楽配信等を統括するデジタルライフ事業の3事業に再編した。
  • オンキヨー 平成29年3月期 決算短信(2017年5月12日)
    • [14]2016年3月期の連結売上高は64,392百万円(前期比81.1%増)、営業損失2,029百万円、経常損失2,241百万円。
参考文献[1]-[14]
  • オンキヨー 平成27年3月期 決算短信(2015年5月15日)【経営方針】
    • [1]独自技術による自社生産・自社販売だけでは世界市場で生き残ることが困難になったとし、他社とのアライアンスを積極的に図る方針を中長期の経営戦略とした。
    • [3]統合で設計・生産効率の向上を図り、従来十分に経営資源を配分できなかったポータブルオーディオ等の分野を強化するとした。
    • [4]e-onkyo musicが手掛けるハイレゾ配信を核とし、携帯音楽プレーヤー、ハイレゾ音源再生アプリ、ブルートゥーススピーカー、ヘッドホン等のサービス及び機器を総合的に提供できる企業へのシフトを掲げた。
    • [5]当面の目標とする経営指標として、有利子負債から現金及び現金同等物を控除したネットデットをゼロとすることを掲げた。
  • オンキヨー 有価証券報告書 第5期(2015年3月期)【企業結合等関係】
    • [2]パイオニアホームエレクトロニクスとの企業結合の主な理由は、経営資源を互いに有効活用し製品開発力を高め、コスト競争力を向上させて経営基盤を強化することとされた。
    • [6]2015年3月2日、パイオニアホームエレクトロニクスの全株式と海外6社のホームAV事業等を取得した。取得原価は1,659百万円。
    • [9]企業結合時の時価純資産が取得原価を上回り、792百万円の負ののれん発生益を計上した。
  • オンキヨー 有価証券報告書 第5期(2015年3月期)【経営上の重要な契約等】
    • [7]2015年3月2日を払込期日としてパイオニアに普通株式10,835,900株を1株155円で第三者割当により発行した。発行価額の総額は1,679,564,500円。
  • パイオニア 有価証券報告書 第69期(2015年3月期)【事業分離等関係】
    • [8]分離した事業のパイオニア連結における業績は、売上高35,240百万円、営業損失4,874百万円であった。
  • オンキヨー 平成27年3月期 決算短信(2015年5月15日)
    • [10]2015年3月期の連結売上高は35,563百万円であった。
  • オンキヨー 株主通信 Business report 第6期第2四半期(2015年12月)
    • [11]2016年3月期第2四半期累計の売上高は前年同期比12,321百万円増収の27,795百万円となった。
    • [12]新製品導入に伴う販売費の先行、統合に係る一時的なインフラ整備費用、生産体制の整備費用の増加などにより、営業損失は前年同期比1,360百万円悪化の2,526百万円となった。
    • [13]パイオニアのホームAV事業等の統合により、事業単位をAV事業、OEM事業、モバイルオーディオや音楽配信等を統括するデジタルライフ事業の3事業に再編した。
  • オンキヨー 平成29年3月期 決算短信(2017年5月12日)
    • [14]2016年3月期の連結売上高は64,392百万円(前期比81.1%増)、営業損失2,029百万円、経常損失2,241百万円。

2016年〜統合の原価低減による黒字化と、シンジケート・ローンの財務制限条項への抵触

統合の効果が損益に表れたのは2016年度で、7〜9月の3か月間に営業損益2億5300万円、経常損益5600万円の黒字を出した。経常損益の黒字は4期ぶりで、前年同期からの改善のうち4億9000万円を統合による原価低減が占めた。この時点で、2017年3月期の営業利益を計画どおり10億円と見込んだ。原価低減は、オンキヨーの自社設計・自社生産とパイオニアの委託中心の体制を組み合わせて得た。設計を共通化しやすいAVレシーバーで部品を揃え、工場の稼働率も引き上げた。次の段階には、スマートフォンなどモバイル端末の開発を強め、他社の技術を取り込んで機器とサービスの連なりを広げる構想を示した。

  • オンキヨー 決算ハイライト「第2四半期 経常損益黒字化について」(2016年11月11日)
    • [15]2017年3月期第2四半期(3か月)に営業損益253百万円、経常損益56百万円の黒字となった。
    • [16]第2四半期の経常損益は4期ぶりの黒字で、前年同期比1,120百万円の改善のうち統合シナジー等による原価低減が490百万円を占めた。
    • [17]通期で計画どおり営業利益10億円を見込むとした。
  • オンキヨー 株主通信 Business report 第7期第2四半期「当社グループの現状と今後の展望について」(2016年12月)
    • [18]統合でオンキヨーの自社設計・自社生産とパイオニアの委託中心の設計・生産体制を組み合わせ、原価低減につなげた。
    • [19]設計上共通化できる部分が多いAVレシーバーで大幅な原価低減を実現し、部品共通化や設計効率、製造稼働率を高めた。
    • [20]第2ステージとして、スマートフォン等モバイル端末の開発を強化し、アライアンスで他社技術を融合させて「進化するエコシステムの構築」を目指すとした。

2017年3月期の営業利益は7億7000万円にとどまり、見込んだ10億円には届かなかった。営業外費用13億4900万円を差し引くと経常損失4億5800万円となり、最終損益も7億5200万円の赤字だった。翌2018年3月期は売上高515億3300万円、営業損失10億2300万円、経常損失19億4700万円、純損失34億2600万円へ悪化した。この期にシンジケート・ローンの財務制限条項に抵触し、決算短信には継続企業の前提に関する注記が付いた。取引銀行が期限の利益を失わせる請求権を行使しないと承諾したことで、融資はつながった。本業の黒字は1年で途切れ、借入に依存する財務の脆さが経営の制約として前面に出たとみられる。

  • オンキヨー 平成29年3月期 決算短信(2017年5月12日)
    • [21]2017年3月期の連結営業利益は770百万円であった。
    • [22]2017年3月期は営業外費用1,349百万円を計上し、経常損失458百万円、親会社株主に帰属する当期純損失752百万円となった。
  • オンキヨー 平成30年3月期 決算短信(2018年5月25日)
    • [23]2018年3月期の連結売上高は51,533百万円、営業損失1,023百万円、経常損失1,947百万円、親会社株主に帰属する当期純損失3,426百万円。
  • オンキヨー 平成30年3月期 決算短信(2018年5月25日)【継続企業の前提に関する注記】
    • [24]2013年度から経常損失が続き、借入先のシンジケート・ローン契約の財務制限条項に抵触したことから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象が存在するとした。
    • [25]財務制限条項への抵触で生じた期限の利益喪失請求権について、2018年4月20日付で行使しない旨を取引銀行から承諾された。

2018年5月の決算短信は、立て直し策としてAV事業の黒字基盤の強化、デジタルライフ事業の販売戦略の再構築、OEM事業の拡大を並べた。パイオニアブランドのAVレシーバーはマレーシアの自社工場へ生産を移し、開発基盤と部品の共通化、調達の一元化で材料費を下げる方針を立てた。提携先には台湾のZylux、河合楽器製作所、中国のTCL Multimediaの傘下企業を加えた。2018年3月には国内を中心に構造改革を行い、6月には欧州子会社のオーディオ販売事業をドイツのAqipa社へ譲渡した。それでも2019年3月期は経常損失16億7600万円を計上し、取引先への支払遅延は3月末で38億7400万円に積み上がった。

  • オンキヨー 平成30年3月期 決算短信(2018年5月25日)【継続企業の前提に関する注記】
    • [26]収益力の改善策として、AV事業の黒字化基盤の強化、デジタルライフ事業での商品販売戦略の再構築、新規市場でのOEM事業の拡大を掲げた。
    • [27]パイオニアブランドのAVレシーバー等をマレーシア生産工場へ移管し、開発プラットホームの共通化、部品の共通化と調達の一元化による材料コストの低減を進めるとした。
    • [28]Zylux Acoustic Corporation、河合楽器製作所との資本業務提携、TCL Multimedia Technology Holdings Limited傘下のグループとの業務提携を進めるとした。
  • オンキヨー 株主通信 Business report 第9期第2四半期(2018年12月)
    • [29]2018年3月に国内を中心とした事業の構造改革を行い、6月には欧州子会社が行っていた欧州地域のオーディオ製品販売事業をドイツのAqipa社へ譲渡した。
  • オンキヨー 2019年3月期 決算短信(2019年5月24日)【継続企業の前提に関する注記】
    • [30]2019年3月期に1,676百万円の経常損失を計上し、取引先に対する営業債務の支払遅延が2019年3月末現在で3,874百万円存在した。
参考文献[15]-[30]
  • オンキヨー 決算ハイライト「第2四半期 経常損益黒字化について」(2016年11月11日)
    • [15]2017年3月期第2四半期(3か月)に営業損益253百万円、経常損益56百万円の黒字となった。
    • [16]第2四半期の経常損益は4期ぶりの黒字で、前年同期比1,120百万円の改善のうち統合シナジー等による原価低減が490百万円を占めた。
    • [17]通期で計画どおり営業利益10億円を見込むとした。
  • オンキヨー 株主通信 Business report 第7期第2四半期「当社グループの現状と今後の展望について」(2016年12月)
    • [18]統合でオンキヨーの自社設計・自社生産とパイオニアの委託中心の設計・生産体制を組み合わせ、原価低減につなげた。
    • [19]設計上共通化できる部分が多いAVレシーバーで大幅な原価低減を実現し、部品共通化や設計効率、製造稼働率を高めた。
    • [20]第2ステージとして、スマートフォン等モバイル端末の開発を強化し、アライアンスで他社技術を融合させて「進化するエコシステムの構築」を目指すとした。
  • オンキヨー 平成29年3月期 決算短信(2017年5月12日)
    • [21]2017年3月期の連結営業利益は770百万円であった。
    • [22]2017年3月期は営業外費用1,349百万円を計上し、経常損失458百万円、親会社株主に帰属する当期純損失752百万円となった。
  • オンキヨー 平成30年3月期 決算短信(2018年5月25日)
    • [23]2018年3月期の連結売上高は51,533百万円、営業損失1,023百万円、経常損失1,947百万円、親会社株主に帰属する当期純損失3,426百万円。
  • オンキヨー 平成30年3月期 決算短信(2018年5月25日)【継続企業の前提に関する注記】
    • [24]2013年度から経常損失が続き、借入先のシンジケート・ローン契約の財務制限条項に抵触したことから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象が存在するとした。
    • [25]財務制限条項への抵触で生じた期限の利益喪失請求権について、2018年4月20日付で行使しない旨を取引銀行から承諾された。
    • [26]収益力の改善策として、AV事業の黒字化基盤の強化、デジタルライフ事業での商品販売戦略の再構築、新規市場でのOEM事業の拡大を掲げた。
    • [27]パイオニアブランドのAVレシーバー等をマレーシア生産工場へ移管し、開発プラットホームの共通化、部品の共通化と調達の一元化による材料コストの低減を進めるとした。
    • [28]Zylux Acoustic Corporation、河合楽器製作所との資本業務提携、TCL Multimedia Technology Holdings Limited傘下のグループとの業務提携を進めるとした。
  • オンキヨー 株主通信 Business report 第9期第2四半期(2018年12月)
    • [29]2018年3月に国内を中心とした事業の構造改革を行い、6月には欧州子会社が行っていた欧州地域のオーディオ製品販売事業をドイツのAqipa社へ譲渡した。
  • オンキヨー 2019年3月期 決算短信(2019年5月24日)【継続企業の前提に関する注記】
    • [30]2019年3月期に1,676百万円の経常損失を計上し、取引先に対する営業債務の支払遅延が2019年3月末現在で3,874百万円存在した。

2019年〜Sound Unitedへの譲渡の破談と、2期連続の債務超過による上場廃止

2019年5月15日の基本合意を経て、オンキヨーは5月21日、ホームAV事業を米Sound United側へ売る契約を結んだ。買い手はSound United LLCまたはその持株会社Viper Holdings Corporationとされた。対象はオンキヨー&パイオニアなど子会社3社の全株式とアジアの販売事業の一部で、譲渡価額は7500万ドル(約81億7500万円)だった。売却の理由には、伸びが見込めるデジタルライフ事業とOEM事業へ経営資源を集めることを挙げ、得た資金で支払遅延を解消し借入を返す計画を示した。オンキヨーブランドは手元に残し、買い手にライセンスを与えてホームAV製品を続けさせる取り決めだった。4年前に規模を求めて引き受けた事業を、本体の資金繰りを支えるために手放す判断だった。

  • オンキヨー「今後の戦略について」(2019年11月11日)
    • [31]2019年5月15日にSound United LLCまたはその持株会社Viper Holdings Corporationとホーム AV事業の譲渡に向けた基本合意書を締結した。
  • オンキヨー 2019年3月期 決算短信(2019年5月24日)【重要な後発事象】
    • [32]譲渡の相手会社はSound United LLCまたはその持株会社であるViper Holdings Corporation。
    • [33]2019年5月21日の取締役会で、オンキヨー&パイオニア、ONKYO ASIA ELECTRONICS、オンキヨー&パイオニアマーケティングジャパンの全株式と、Pioneer & Onkyo Marketing Asia及び安橋(上海)商貿の事業の一部をViper Holdings Corporationへ譲渡する契約締結を決議した。譲渡価額は75百万USD(約8,175百万円)。
    • [35]譲渡後もオンキヨーブランドは当社所有とし、ライセンス供与等の契約を結んでSound United LLCがホームAV事業を継続するとした。
  • オンキヨー 2019年3月期 決算短信(2019年5月24日)【継続企業の前提に関する注記】
    • [34]運転資金の確保、支払遅延の解消、既存借入金の返済、デジタルライフ事業・OEM事業への集中投資が最適な選択肢と判断し、ホームAV事業の譲渡契約を締結したとした。

譲渡は実行されず、2019年10月4日に両社は契約を打ち切ることで合意した。両社は譲渡の条件を整えきれず、契約の拘束を続ける利点はないと判断した。代わりに打ち出したのは全社の合理化で、寝屋川と北浜の拠点を東大阪本社へ集め、東京オフィスを約4分の1の規模に縮めた。販管費は2017年度の157億円から2018年度に123億円まで減っており、翌年度からは100億円を下回らせる目標を置いた。2020年3月期の売上高は218億800万円と前期の半分に落ち、純損失は98億8000万円に達した。期末には33億5500万円の債務超過となった。

  • オンキヨー「今後の戦略について」(2019年11月11日)
    • [36]2019年10月4日、ホームAV事業の譲渡の中止に両社間で合意した。
    • [37]譲渡に向けた条件達成が互いに難航し、譲渡契約に今後も互いに拘束されるのは得策ではないと判断したと説明した。
    • [38]大阪の寝屋川技術センターと北浜本社を東大阪本社に集約し、東京オフィスとの2拠点体制とした。東京は約4分の1の規模に縮小した。
    • [39]販管費は2017年度157億円、2018年度123億円で、経費削減により来期から100億円以下の水準にするとした。
  • オンキヨーホームエンターテイメント 2021年3月期 決算短信(2021年5月20日)
    • [40]2020年3月期の連結売上高は21,808百万円、親会社株主に帰属する当期純損失は9,880百万円。
  • オンキヨー 有価証券報告書 第10期(2020年3月期)【継続企業の前提に関する注記】
    • [41]2020年3月期末に3,355百万円の債務超過となった。

2021年3月期は経常損失43億1700万円で、期末の債務超過は23億4500万円、取引先への支払遅延は48億5200万円残った。債務の株式化などで資本を積み、3月末までに債務超過を解く計画だったが、EVO FUNDが第11回・第12回新株予約権を行使しないと決めた。上場廃止が避けられなくなり、4月29日に米VOXX InternationalとシャープへホームAV事業を譲る基本合意書の締結を決議した。譲渡価額は33億2300万円とされた。日本取引所グループは6月30日に上場廃止を決め、株式は8月1日付でジャスダック市場から外れた。2015年に16億円余りで引き受けた事業は、その2倍の額で手放されたが、6年間の赤字がそれより先に本体の資本を食い尽くした。

  • オンキヨーホームエンターテイメント 2021年3月期 決算短信(2021年5月20日)【継続企業の前提に関する注記】
    • [42]2021年3月期に4,317百万円の経常損失を計上し、期末に2,345百万円の債務超過、4,852百万円の営業債務の支払遅延が存在した。
    • [43]デット・エクイティ・スワップや包括的株式発行プログラムによる資本増強に加え、EVO FUNDを割当予定先とする株式発行等で2021年3月末までに債務超過を解消する計画だったが、EVO FUNDが第11回・第12回新株予約権を行使しない判断をし、債務超過を解消できない見通しとなった。
  • オンキヨーホームエンターテイメント 2021年3月期 決算短信(2021年5月20日)【重要な後発事象】
    • [44]2021年4月29日の取締役会で、VOXX International Corporation及びシャープとの間でホームAV事業の譲渡に向けた基本合意書を締結することを決議した。
  • オンキヨーホームエンターテイメント 有価証券報告書 第11期(2021年3月期)【重要な後発事象】
    • [45]ホームAV事業の譲渡価額は3,323百万円とされた。
  • 日本取引所グループ「上場廃止の決定等:オンキヨーホームエンターテイメント(株)」(2021年6月30日)
    • [46]2021年6月30日、オンキヨーホームエンターテイメントの上場廃止を決定した。上場廃止日は2021年8月1日。
参考文献[31]-[46]
  • オンキヨー「今後の戦略について」(2019年11月11日)
    • [31]2019年5月15日にSound United LLCまたはその持株会社Viper Holdings Corporationとホーム AV事業の譲渡に向けた基本合意書を締結した。
    • [36]2019年10月4日、ホームAV事業の譲渡の中止に両社間で合意した。
    • [37]譲渡に向けた条件達成が互いに難航し、譲渡契約に今後も互いに拘束されるのは得策ではないと判断したと説明した。
    • [38]大阪の寝屋川技術センターと北浜本社を東大阪本社に集約し、東京オフィスとの2拠点体制とした。東京は約4分の1の規模に縮小した。
    • [39]販管費は2017年度157億円、2018年度123億円で、経費削減により来期から100億円以下の水準にするとした。
  • オンキヨー 2019年3月期 決算短信(2019年5月24日)【重要な後発事象】
    • [32]譲渡の相手会社はSound United LLCまたはその持株会社であるViper Holdings Corporation。
    • [33]2019年5月21日の取締役会で、オンキヨー&パイオニア、ONKYO ASIA ELECTRONICS、オンキヨー&パイオニアマーケティングジャパンの全株式と、Pioneer & Onkyo Marketing Asia及び安橋(上海)商貿の事業の一部をViper Holdings Corporationへ譲渡する契約締結を決議した。譲渡価額は75百万USD(約8,175百万円)。
    • [35]譲渡後もオンキヨーブランドは当社所有とし、ライセンス供与等の契約を結んでSound United LLCがホームAV事業を継続するとした。
  • オンキヨー 2019年3月期 決算短信(2019年5月24日)【継続企業の前提に関する注記】
    • [34]運転資金の確保、支払遅延の解消、既存借入金の返済、デジタルライフ事業・OEM事業への集中投資が最適な選択肢と判断し、ホームAV事業の譲渡契約を締結したとした。
  • オンキヨーホームエンターテイメント 2021年3月期 決算短信(2021年5月20日)
    • [40]2020年3月期の連結売上高は21,808百万円、親会社株主に帰属する当期純損失は9,880百万円。
  • オンキヨー 有価証券報告書 第10期(2020年3月期)【継続企業の前提に関する注記】
    • [41]2020年3月期末に3,355百万円の債務超過となった。
  • オンキヨーホームエンターテイメント 2021年3月期 決算短信(2021年5月20日)【継続企業の前提に関する注記】
    • [42]2021年3月期に4,317百万円の経常損失を計上し、期末に2,345百万円の債務超過、4,852百万円の営業債務の支払遅延が存在した。
    • [43]デット・エクイティ・スワップや包括的株式発行プログラムによる資本増強に加え、EVO FUNDを割当予定先とする株式発行等で2021年3月末までに債務超過を解消する計画だったが、EVO FUNDが第11回・第12回新株予約権を行使しない判断をし、債務超過を解消できない見通しとなった。
  • オンキヨーホームエンターテイメント 2021年3月期 決算短信(2021年5月20日)【重要な後発事象】
    • [44]2021年4月29日の取締役会で、VOXX International Corporation及びシャープとの間でホームAV事業の譲渡に向けた基本合意書を締結することを決議した。
  • オンキヨーホームエンターテイメント 有価証券報告書 第11期(2021年3月期)【重要な後発事象】
    • [45]ホームAV事業の譲渡価額は3,323百万円とされた。
  • 日本取引所グループ「上場廃止の決定等:オンキヨーホームエンターテイメント(株)」(2021年6月30日)
    • [46]2021年6月30日、オンキヨーホームエンターテイメントの上場廃止を決定した。上場廃止日は2021年8月1日。

2015年〜2021年の業績

決算期 区分 売上高 営業利益経常利益純利益 主な投資
億円 YoY 億円 億円 利益率 億円
2015年03月期 連結 356 n/a n/a ▲35 ▲9.8% ▲41 n/a
2016年03月期 連結 644 +80.9% n/a ▲22 ▲3.4% ▲11 n/a
2017年03月期 連結 559 ▲13.2% 8 ▲5 ▲0.9% ▲8 n/a
2018年03月期 連結 515 ▲7.9% ▲10 ▲19 ▲3.7% ▲34 n/a
2019年03月期 連結 438 ▲15.0% ▲11 ▲17 ▲3.9% 0 n/a
2020年03月期 連結 218 ▲50.2% ▲53 ▲57 ▲26.1% ▲99 n/a
2021年03月期 連結 89 ▲59.2% ▲39 ▲43 ▲48.3% ▲59 n/a

出典・参考

21件
出典・参考
  • オンキヨー 平成27年3月期 決算短信(2015年5月15日)【経営方針】
  • オンキヨー 有価証券報告書 第5期(2015年3月期)【企業結合等関係】
  • オンキヨー 有価証券報告書 第5期(2015年3月期)【経営上の重要な契約等】
  • パイオニア 有価証券報告書 第69期(2015年3月期)【事業分離等関係】
  • オンキヨー 平成27年3月期 決算短信(2015年5月15日)
  • オンキヨー 平成29年3月期 決算短信(2017年5月12日)
  • オンキヨー 平成30年3月期 決算短信(2018年5月25日)
  • オンキヨー 平成30年3月期 決算短信(2018年5月25日)【継続企業の前提に関する注記】
  • オンキヨー 2019年3月期 決算短信(2019年5月24日)【継続企業の前提に関する注記】
  • オンキヨー 2019年3月期 決算短信(2019年5月24日)【重要な後発事象】
  • オンキヨー 有価証券報告書 第10期(2020年3月期)【継続企業の前提に関する注記】
  • オンキヨーホームエンターテイメント 2021年3月期 決算短信(2021年5月20日)
  • オンキヨーホームエンターテイメント 2021年3月期 決算短信(2021年5月20日)【継続企業の前提に関する注記】
  • オンキヨーホームエンターテイメント 2021年3月期 決算短信(2021年5月20日)【重要な後発事象】
  • オンキヨーホームエンターテイメント 有価証券報告書 第11期(2021年3月期)【重要な後発事象】
  • オンキヨー 株主通信 Business report 第6期第2四半期(2015年12月)
  • オンキヨー 決算ハイライト「第2四半期 経常損益黒字化について」(2016年11月11日)
  • オンキヨー 株主通信 Business report 第7期第2四半期「当社グループの現状と今後の展望について」(2016年12月)
  • オンキヨー 株主通信 Business report 第9期第2四半期(2018年12月)
  • オンキヨー「今後の戦略について」(2019年11月11日)
  • 日本取引所グループ「上場廃止の決定等:オンキヨーホームエンターテイメント(株)」(2021年6月30日)

免責事項およびポリシー