ソーテックの年間出荷は20万台余りで、5年をかけても累計100万台に達していない。台数で原価が決まる商売へ、その規模のまま入った点がこの判断の性格を決めている。音響機器では、音質のために積んだ原価を客が値段の上乗せとして受け入れてきた。同じ前提をパソコンでも置けると読んだところに、誤算があった。折しも約5万円のネットブックが市場を作り替えた時期にあたり、上乗せを払う客の層は最も薄くなっていた。
ただ、この4年半が空振りだけで終わったわけでもない。量販店から降りた同じ時期、Windows搭載のスレートPCで国内シェアは3割を超えており、法人向けと直販には売れる場所が残っていた。倉吉に置いた生産・修理・サポートの体制も、ソーテックを買う前の同社は持っていない。載せる先の選び方を誤っても、載せる技術そのものは残った。