グロンサン等ブランド譲渡(2024年・ライオンの決断)

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論点 ブランドポートフォリオの選択と集中
売上高(億円)営業利益率(%)
売上規模の拡大を目標から外す方針転換と、ブランドの選択と集中

売上規模の拡大を目標から外す方針転換と、ブランドの選択と集中

概要

2024年にドリンク剤"グロンサン""グロモント"・外用消炎鎮痛剤"ハリックス"を譲渡し、一般用消費財のSKUを2027年度までに3割削減する方針を掲げた。

背景

洗剤・柔軟剤などのホームケア事業は装置産業としての性格が強く、大量生産・大量消費で"量"を追う戦略が長年の基本線であった。だが人口減少と原材料高でこの戦略は行き詰まり、連結営業利益は2020年12月期の441億円から2023年12月期の205億円へ減少していた。

内容

2024年2月14日、グロンサン・グロモントをレックへ、ハリックスを帝国製薬へ譲渡すると発表し、約900あったSKUを2027年度までに3割削減する方針を示した。柔軟剤"ソフラン エアリス"も発売から2年で撤退させ、クリニカ・システマなど高価格帯ブランドへ経営資源を集中させた。

含意

1SKU当たりの売上・利益が改善し、2025年12月期の営業利益はコロナ前の2018年12月期水準を上回った。一方で、少子高齢化が進む国内市場で高価格帯ブランドへの集中だけで成長を続けられるかは、なお開かれた課題として残る。

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筆者の見解 二代の社長にまたがる一貫性と、次の課題
筆者の見解

二代の社長にまたがる一貫性と、次の課題

この判断の背骨にあるのは、掬川正純氏の代に個別の事業整理として始まった動きを、竹森征之氏が"量を追わない"という一つの言葉に集約し、経営全体の物差しへ変えていった過程と推察される。バルサンの譲渡は殺虫剤という周辺分野からの撤退にとどまっていたが、グロンサンやハリックスの譲渡とSKU3割削減は、洗剤・柔軟剤・オーラルケアという主力に近い分野そのものの組み替えに着手しており、対象の広がりは当初の整理とは明らかに異なっている。

もっとも、量を追わない経営が最終的にどこへ向かうかは、なお開かれた問いである。1SKU当たりの収益性が上がり、業績がコロナ前の水準を取り戻したことは、選択と集中の成果として素直に評価できる。ただし少子高齢化で市場全体が縮む国内で、高価格帯ブランドへの集中だけで成長を続けられるかは、Vision2030 2nd STAGEが掲げる"収益力の強靭化"の先で問われると推察される。

Yutaka Sugiura, 2026年7月

参考文献
出典・参考
  • ライオン 有価証券報告書(各年12月期・連結)

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