筆者の見解
二代の社長にまたがる一貫性と、次の課題
この判断の背骨にあるのは、掬川正純氏の代に個別の事業整理として始まった動きを、竹森征之氏が"量を追わない"という一つの言葉に集約し、経営全体の物差しへ変えていった過程と推察される。バルサンの譲渡は殺虫剤という周辺分野からの撤退にとどまっていたが、グロンサンやハリックスの譲渡とSKU3割削減は、洗剤・柔軟剤・オーラルケアという主力に近い分野そのものの組み替えに着手しており、対象の広がりは当初の整理とは明らかに異なっている。
もっとも、量を追わない経営が最終的にどこへ向かうかは、なお開かれた問いである。1SKU当たりの収益性が上がり、業績がコロナ前の水準を取り戻したことは、選択と集中の成果として素直に評価できる。ただし少子高齢化で市場全体が縮む国内で、高価格帯ブランドへの集中だけで成長を続けられるかは、Vision2030 2nd STAGEが掲げる"収益力の強靭化"の先で問われると推察される。
Yutaka Sugiura, 2026年7月