オンキヨー の歴史

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創業 1946年
創業者 五代武
創業地 大阪市都島区
創業
1946年9月、五代武氏が大阪で大阪電気音響社を創業し、コーン紙まで自ら漉いた自社製スピーカーを積んだラジオを作った。振動板を外から買わずに内製する工程は完成品の値段を押し上げたが、そのラジオは高価格帯のまま売れ、音の良さに対価を払う客がいることを確かめている。1958年には東芝の資本を受け入れて系列販売網に連なり、1971年9月には製品で使っていた商標に合わせて商号をオンキヨーへ改めた。ただし主戦場としたのはアンプとスピーカーを別々に選んで買う単品コンポーネントの市場で、量販の価格競争とは客層の異なる小さな市場だった。
決断
規模を自力で作らず、資本の相手を替えることで続いてきた。1958年に東芝の資本を受け入れ、以後36年間その傘下でオーディオ市場の拡大と縮小をともに経験した。1993年4月、東芝が36年の資本提携を解消し、大朏直人氏が個人でオンキヨー株式を取得する。人員整理を好まない経営のもとで1年半で黒字化し、2003年2月には株式を店頭登録して公開市場へ復帰する。2007年8月にはソーテックを子会社化してパソコンへ参入したが、台数で原価が決まる商売では高音質を値段の上乗せとして通せず、2010年にSOTECの名を廃した。同年10月には単独株式移転で持株会社へ移り、事業ごとに会社を分ける。この構えが、10年後に主力事業だけを切り出して売却する手順をそのまま用意した。
現況
統合で1.8倍にした売上高は、6年後に統合前の4分の1になった。2015年3月、投資ファンドを交えた当初の枠組みを組み替え、パイオニアのホームAV事業を全株式取得する。連結売上高は2015年3月期の356億円から2016年3月期に644億円へ増えたが、同期の経常損失は22億円で、営業黒字はその後の2017年3月期の8億円だけである。増えたのは売上だけでなく、生産拠点・販売網・開発部隊という固定費でもあった。2019年5月に米Sound Unitedへ約81億7,500万円で合意したホームAV事業の譲渡が同年10月に中止となり、2021年3月期の売上高は88億円まで減少する。2021年8月1日に上場廃止、翌2022年5月13日に負債約31億5,160万円で破産手続開始決定を受け、76年の法人の歴史が終わった。
競合
縮む市場で同業が買われる側へ回るなか、オンキヨーは買う側へ回った。2015年にパイオニアのホームAV事業を引き受けた時点で、国内で相対する音響専業はディーアンドエムホールディングス、JVCケンウッド、ティアックに絞られていた。残る需要を1社へ集めて開発費と固定費を分け合う、という読みである。しかし2018年5月には資本提携先の米Gibson Brandsが連邦破産法第11章の適用を申請し、保有株は前年11月以降に減損済みで帳簿価格は0円になっていた。2021年5月には73年続けた本業をシャープと米VOXX Internationalの合弁会社へ33億2,300万円で譲渡している。資本を外へ預けた同業が事業を残したのに対し、買い手に回ったオンキヨーは事業も法人も失った。
オンキヨー:長期業績の推移(売上高・利益率)売上高(億円純利益率(%)
2002年3月期2021年3月期
オンキヨーにおける経営の転換点(その1) Q なぜ1993年に東芝は36年続いた資本関係を解消し、買い手は事業会社でもファンドでもなく個人だったのか
A 音響機器の国内出荷額は1988年の6620億円を頂点に下降へ入り、バブル崩壊で本体の家電が痛んだ東芝にとって、縮む市場の専業子会社を抱え続ける理由は薄れていた。当時のオンキヨーは年商450億円で3期連続の赤字に沈んでいる。M&A仲介の野村企業情報の後藤光男社長は、東芝から売却先の相談を受けて「これは大朏以外にない」と即断した。買い手の大朏直人氏は丸八工業を10カ月、新白砂電機を1年で黒字に戻した実績を持ち、1993年6月に個人で株式を取得して社長に就く。人員整理を好まない経営者の下で、同社は1年半で黒字に戻った。
オンキヨーにおける経営の転換点(その2) Q なぜ2015年に、25年で85%が消えた市場でパイオニアのホームAV事業を引き受けたのか
A 音響機器の国内出荷額は1988年の6620億円から2013年には1017億円へ縮んでいた。同社の答えは撤退ではなく統合で、残る需要を1社に集めれば、開発費と固定費を分け合える相手が減る前に規模を確保できるという読みによる。2014年6月の当初案では香港のベアリング・プライベート・エクイティ・アジアが過半を握るはずだったが、当時44歳の大朏宗徳社長が全株取得へ組み替えた。「日本の音響機器メーカーは多すぎる。日本連合を作りたい」という構想は、21年前に父の大朏直人氏が語った大同団結とほぼ同じものだった
オンキヨーにおける経営の転換点(その3) Q なぜ2022年に、統合で売上を1.8倍にしたはずの会社が破産に至ったのか
A 統合で増えたのは売上だけではない。生産拠点・販売網・開発部隊という固定費も同時に増えた。売上が644億円に達した2016年3月期も経常損失22億円を計上し、営業黒字は2017年3月期の8億円だけである。決定打は資金繰りの空転で、2019年5月に米Sound Unitedへ約81億7500万円で合意したホームAV事業の譲渡が同年10月に中止となった。2021年5月にシャープと米VOXXの合弁会社へ33億2300万円で本業を譲渡したが債務を完済できず、2022年5月13日に破産した

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オンキヨーの沿革1946〜2022年における主な出来事を抜粋

時代年月社長・CEO出来事重要度
1946〜1957年スピーカーの内製から出発し、東芝の資本を受け入れるまでの創業期五代武氏が大阪電気音響社を設立★★
商号を大阪音響に変更
スピーカー第1号機を完成させる
本社と本社工場を移転
東芝と資本提携★★
東芝グループ入り
1958〜1993年東芝の傘下でオーディオ市場の拡大と縮小をともに経験した35年香里工場を新設
日新工場を新設
商号をオンキヨーに変更
販売会社 ONKYO EUROPE ELECTRONICS GMBH を設立
音響技術研究所を新設
販売会社 ONKYO U.S.A. CORP. を設立
生産会社 ONKYO AMERICA, INC. を設立
生産会社オンキョーエレクトロニクスを設立
生産会社の鳥取オンキヨーを設立
生産会社 ONKYO (MALAYSIA) SDN. BHD. を設立
東芝との36年の資本提携の解消と、大朏直人氏個人によるオンキヨー株式の取得

1993年4月25日付の日本経済新聞1面が『東芝、テクノエイト社長にオンキョー株譲渡』と報じ、同年6月、オンキヨーは1957年から36年続いた東芝との資本提携を解消した。株式を引き受けたのは事業会社でもファンドでもなく、テクノグループ代表の大朏直人氏個人であった。6月18日、大朏氏は株主総会後の取締役会で社長に就いた。

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★★★
大朏直人氏が社長に就任
ハイコンポシステム「INTEC275」を発売
1994〜2010年個人による買収で独立を取り戻し、音の外側へ手を伸ばした再建期通信事業に参入
不動産賃貸事業に参入
ビジネスネットワークテレコムの株式を譲渡
日本証券業協会に株式を店頭登録
高品質音楽配信サービスを開始
ソーテックの子会社化によるパソコン事業への参入と、量販店向け販売からの撤退

2007年7月2日、オンキヨーが取締役会でパソコンメーカーであるソーテックの発行済株式の50.1%を取得し、連結子会社とすることを決めた経営判断。公開買付と第三者割当増資の引き受けにより同年8月に取得し、2008年7月に株式交換で完全子会社としたうえ、9月1日に吸収合併した。創業以来スピーカーとアンプを主力としてきた会社が、音を出す装置以外の完成品を柱の一つに置いた。

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★★★
大朏宗徳カンパニー制を導入
大朏宗徳単独株式移転により持株会社を設立★★
2011〜2022年パイオニアのAV事業を引き受け、規模の拡大が市場の縮小に届かなかった最終期大朏宗徳米 Gibson Guitar と資本業務提携★★
大朏宗徳投資ファンドを交えた当初スキームの組み替えと、パイオニアのホームAV事業の全株取得

2014年9月、オンキヨーは同年6月に基本合意していた投資ファンドを交えた3社の枠組みを取りやめ、パイオニアの完全子会社パイオニアホームエレクトロニクスの全株式を自社で取得する形へ組み替えると発表した。2015年3月2日に統合を完了し、同子会社はオンキヨー&パイオニアへ商号を変えている。

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★★★
大朏宗徳欧州法人のAV機器販売事業をドイツの販売会社Aqipa GmbHへ譲渡
大朏宗徳OEM子会社群をオンキヨーデジタルソリューションズへ譲渡
大朏宗徳米Sound Unitedへホームav事業譲渡に合意(同年10月に中止)★★
大朏宗徳Sound United へのホームAV事業譲渡が中止★★
大朏宗徳オンキヨーホームエンターテイメントに商号変更
大朏宗徳東京証券取引所が2期連続の債務超過を理由に上場廃止を決定
大朏宗徳上場廃止★★
大阪地方裁判所へ破産手続開始を申し立て★★
出典・参考
  • オンキヨー株式会社 有価証券報告書 第87期(2010年3月期)【沿革】
  • 日本産業史 第3巻(日本経済新聞社、1994年)「家電-輸出膨張が通商摩擦に」
  • 日本産業史 第4巻(日本経済新聞社、1994年)「家電-本格的な『冬の時代』に」
  • 日経ビジネス 1976年8月30日号
  • 帝国データバンク 2022年5月13日
  • ONKYO JAPAN 会社情報(オンキヨーテクノロジー株式会社)

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