ドリームインキュベータ アイペットHDの譲渡 全株式の第一生命への売却と、ビジネスプロデュース事業への経営資源の集中
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何をなぜ決めたか
- 概要
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2023年1月17日、ドリームインキュベータが、2011年2月に発行済株式の82.11%を取得して育てたアイペットホールディングスの全株式を第一生命ホールディングスへ譲渡した。売却価額は21,541百万円、関係会社株式売却益は18,401百万円。創業以来のベンチャー投資とビジネスプロデュースという2本立てを1本へ集約する決定と一体であった。
- 背景
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期間損益が重視される株式市場でボラティリティの高いインキュベーション事業は評価されにくく、2021年6月の第21回定時株主総会では、保有するアイペット株56%の価値139億円がドリームインキュベータの時価総額93.8億円を上回ると株主から指摘されていた。
- 内容
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2022年11月7日の取締役会で第一生命ホールディングスによる公開買付けへ全株式を応募することを決議し、2023年1月10日に公開買付けが成立した。税引き後のキャッシュイン約150億円は成長投資50億円・株主還元100億円へ配分し、2023年2月に特別配当20億円、同年5月に上限30億円の自己株式取得を決めた。
- 含意
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ペットライフスタイルセグメントが連結から外れ、2024年3月期の売上高は前年同期比82.2%減の5,378百万円まで縮んだ。ビジネスプロデュース1本に絞った事業は2026年3月期に売上高8,691百万円・経常利益1,872百万円まで伸び、2030年3月期に売上高110億円以上という目標が置かれている。
いつ何が起きたか 8件
筆者の見解
評価されない資産を、現金へ
アイペット株56%の値打ちが139億円、自社の時価総額が93.8億円。2021年6月の総会で株主が並べた数字は、育てた資産が株価に映っていないことを示している。投資育成の使命は果たされたという会社の説明も、育てた資産が株価に映らないという事実の裏返しであっただろう。原田哲郎氏が1年以上の議論の末に選んだのは、評価されない資産を現金へ換えて配り、残る一本を評価しやすくすることであった。
ただ、集約の代償は翌期の決算に出ている。売上高は82.2%減の5,378百万円まで落ち、ベンチャー投資も投資先18社の減損1,792百万円でセグメント損失1,929百万円を計上した。経常利益が1,872百万円まで戻る2026年3月期まで、回復には3期を要している。インキュベーションで培った経営アセットをビジネスプロデュースに活かすという構想も、成長戦略の検討課題に置かれたまま、答えはまだ出ていない。2030年3月期の売上高110億円以上という目標が、その答え合わせの場になるとみられる。
Yutaka Sugiura, 2026年8月
業績の推移
同じ問いに直面した会社
参考文献
- ドリームインキュベータ 有価証券報告書(2023年3月期・連結・日本基準)
- ドリームインキュベータ 有価証券報告書(2024年3月期・連結)
- ドリームインキュベータ 有価証券報告書(2026年3月期・連結)
- ドリームインキュベータ 第18回定時株主総会 質疑要旨(2018年6月11日)
- ドリームインキュベータ 第21回定時株主総会 質疑要旨(2021年6月16日)
- ドリームインキュベータ 第23回定時株主総会 質疑要旨(2023年6月20日)