伊藤忠商事・三井物産・米ヒューズの3社が出資した日本通信衛星[1]、三菱商事系の宇宙通信、そして住友商事・日商岩井が主導したサテライトジャパンである。同じ市場に三社が同時に参入すれば共倒れになるという行政側の判断が働いたためで、衛星通信は生まれた時点から、需要より先に設備が立つ産業として扱われていた。一基の衛星は打ち上げてしまえば長く使い続ける設備であり、中継器の空きをどう埋めるかが三社に共通する課題として残る。
日本で最初に民間が上げた通信衛星であり、続く6月には宇宙通信もスーパーバードA号の打ち上げに成功する。放送局や企業向けに映像と高速データを中継する事業が、ここから始まった。日本通信衛星の社長には1989年7月、伊藤忠商事副社長だった中山嘉英氏が就いた[2]。中山氏は『企業経営も同じで、成功の後には衰退が待っている。頂点に達する前に、次代を支える新事業を立ち上げることがトップマネジメントの課題』[引用元]と語り、事業を始めたばかりの会社にすでに次を求めていた。
先行した宇宙通信は、衛星を二機続けて失った。1990年2月にスーパーバードB号がアリアン・スペース[3]のロケット打ち上げ失敗で消え、同年12月18日には軌道上のA号で姿勢軌道制御電子回路が故障する。宇宙線によるコンピュータの誤作動から燃料の元栓が閉じ、姿勢制御に必要な酸化剤が噴き出した。皆川広宗社長は12月23日の役員会で[4]、顧客を全員ライバルの日本通信衛星へ移すよう指示する。復旧は1991年1月23日に断念され、A号は機能を停止した。三菱グループの宇宙事業を担った会社は、営業手段をすべて失った。
顧客移管は3日で終えるような作業ではなかった。登録アンテナは3000カ所、発信局だけで100カ所以上[5]あり、全国300カ所にデポを設けて三菱電機ほかのアンテナメーカーと郵政省の協力を仰ぎ、一晩でやり遂げている。1991年7月には債務超過を避けるため三菱グループ30社が400億円を増資し、社長も谷口芳男氏に交代する。1995年度にようやく黒字化したものの累積損失は490億円近く残り、その一掃は2010年以降との見通しが立つほど傷は深かった。
衛星の空き中継器を埋める答えが、多チャンネル有料放送だった。1994年11月に設立されたディーエムシー企画は[6]、のちに日本デジタル放送サービスとなり、1996年10月にデジタルCS放送『パーフェクTV』を開始する[7]。1997年1月には有料化に移った。放送開始までの1年間は会社近くに泊まる日々が続き、実際に放送が始まったときは『息が止まるかと思った』[引用元]と後年語っている。歓喜ではなく、止まったらどうしようという恐れのほうであった。
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| 1997〜2006年多チャンネル放送の乱立と淘汰、五社寄り合い所帯となったスカイパーフェクTV | パーフェクTVとJスカイBの合併によるスカイパーフェクTV発足 1998年5月1日、デジタルCS放送『パーフェクTV』を運営する日本デジタル放送サービスと、豪ニューズ・コーポレーションとソフトバンクが折半出資したジェイ・スカイ・ビーが合併し、170チャンネルのスカイパーフェクTVが発足した。 詳細を読む | ★★★ | ||
| 「スカイパーフェクTV」が発足 | ★★ | |||
| ライバル ディレクTVの救済統合と東証マザーズ上場 2000年3月2日、日本デジタル放送サービス(スカイパーフェクTV)はライバルのディレクTVを統合すると発表し、同年10月20日に東証マザーズへ上場した。デジタルCS放送のプラットフォームは事実上一本化された。 詳細を読む | ★★★ | |||
| 東京証券取引所マザーズに上場 | ★ | |||
| スカイパーフェクト・コミュニケーションズとジェイサットが経営統合で基本合意 | ★★ | |||
| 2007〜2018年持株会社による経営統合と、放送の頭打ちを衛星の利益が支えた12年 | 臨時株主総会で共同株式移転による持株会社設立を承認 | ★ | ||
| 仁藤雅夫 | 株式移転による衛星会社JSATとの経営統合と宇宙通信の子会社化 2006年10月に基本合意し、2007年4月2日、スカイパーフェクト・コミュニケーションズとジェイサットは共同株式移転により完全親会社スカパーJSATを設立した。2008年3月には宇宙通信を子会社化し、同年10月に事業会社3社を一つに合併した。 詳細を読む | ★★★ | ||
| 仁藤雅夫 | 普通株式を東京証券取引所市場第一部に上場 | ★ | ||
| 仁藤雅夫 | 株式取得により宇宙通信を子会社化 | ★★ | ||
| 秋山政徳 | 商号をスカパーJSATHDに変更 | ★ | ||
| 秋山政徳 | スカイパーフェクト・コミュニケーションズがジェイサット・宇宙通信を吸収合併 | ★ | ||
| 秋山政徳 | スカパーJSATに商号変更 | ★ | ||
| 秋山政徳 | 連結子会社であったケーブルテレビ足立の全株式を売却 | ★ | ||
| 秋山政徳 | データネットワークセンターを完全子会社化 | ★ | ||
| 高田真治 | ディー・エス・エヌを設立 | ★ | ||
| 高田真治 | スカパーJSATが、連結子会社であったオプティキャストを吸収合併 | ★ | ||
| 高田真治 | WAKUWAKU JAPANを設立 | ★ | ||
| 高田真治 | CS放送の衛星一般放送業務をスカパー・エンターテイメントへ承継 | ★ | ||
| 2019〜2026年宇宙会社への転換と、持株会社を畳んで事業会社に戻った2026年 | 米倉英一 | スカパーJSATが、連結子会社であったWAKUWAKU JAPANを吸収合併 | ★ | |
| 米倉英一 | スカパーJSATが、連結子会社であった衛星ネットワークを吸収合併 | ★ | ||
| 米倉英一 | スカパー・ピクチャーズを設立 | ★ | ||
| 米倉英一 | スカパー・カスタマーリレーションズ株式の一部を売却 | ★ | ||
| 米倉英一 | JSAT Beyond Innovation LLCを設立 | ★ | ||
| 米倉英一 | スカパーJSATを吸収合併 | ★★ | ||
| 米倉英一 | スカパーJSATに商号変更 | ★ |
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事実根拠:出所(スカパーJSAT)