三菱瓦斯化学 の歴史

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創業 1971年
母体 三菱江戸川化学+日本瓦斯化学
創業地 東京都千代田区
創業
1971年10月、三菱江戸川化学と日本瓦斯化学工業が合併して三菱瓦斯化学が発足した。日本瓦斯化学工業は1951年4月に天然ガス化学工業を営む目的で設立され、1952年9月に榎工場でメタノールの製造を始め、1954年2月に東京証券取引所へ上場した。1957年4月には日本尿素工業を吸収し、松浜工場(現在の新潟工場)を得ている。三菱江戸川化学は1944年発足の三菱財閥系の化学会社で、市原・水島に石油化学と基礎化学品の拠点を持ち、1968年1月には水島で自社技術のキシレン分離異性化装置を動かした。発足時の従業員は約3,500名、資本金150億円、本社は東京都千代田区丸の内である。
決断
原料の生産を産ガス国へ出し、国内には誘導品だけを残した。1979年11月に日本・サウジアラビアメタノールを設立し、1983年6月に現地法人のサウジメタノールが操業を始めた。1992年3月にベネズエラのMETOR、2006年3月にブルネイのBRUNEI METHANOLと、メタノールの生産は持分法の海外合弁へ移っている。国内に置いたのは誘導品と電子材料である。1976年にBT樹脂を開発し、1978年10月には鹿島工場で過酸化水素の製造を始めた。1985年には電子材料を主力へ移す転換に着手し、BT樹脂は同じ年に半導体パッケージ用積層板へ採用される。1991年3月にエレクトロテクノ、1994年3月に三菱化成との合弁で三菱エンジニアリングプラスチックスを設立した。
現況
売上の6割を占める部門が、営業利益のほとんどを出している。2026年3月期の連結売上高7,382億円は、機能化学品事業部門が4,480億円、グリーン・エネルギー&ケミカル事業部門が2,779億円である。セグメント利益は前者が491億円、後者が39億円で、営業利益453億円のほぼ全部を機能化学品が作った。ここに入るのは半導体パッケージ基板向けのBT材、光学樹脂、そして1977年に世界へ先駆けて上市した脱酸素剤エージレスである。もっとも同じ期に、グリーン・エネルギー&ケミカルで561億円、機能化学品でも223億円の減損損失を計上している。合計784億円の減損が営業利益を上回り、当期は403億円の純損失となった。
競合
半導体パッケージの中では、日本の3社が別々の層を占めている。三菱瓦斯化学のBT材はパッケージ基板のコア材にあたり、1976年の開発以来、この用途の主要な供給者となった。同じパッケージでも、絶縁層のビルドアップフィルムABFは1998年に専門子会社で育てた味の素が世界シェア95%を得ており、封止材はレゾナックが2020年の日立化成の約9,600億円買収で世界首位級の規模を持つ。3社が奪い合っているのは互いの層ではない。競争は層の内側で起き、需要は台湾・中国の基板メーカーの投資に左右される。2012年にタイ、2018年に中国へ電子材料の現地法人を置いたのは、その需要地へ生産を寄せるためである。
三菱瓦斯化学:長期業績の推移(売上高・利益率)売上高(億円純利益率(%)
2006年3月期2026年3月期

設立ストーリー 創業と総合化学進出の20年 (1971年〜)

三菱グループ二社合併で発足

三菱瓦斯化学株式会社は1971年10月[1]、三菱江戸川化学株式会社と日本瓦斯化学工業株式会社という三菱グループの二社が合併して誕生した。三菱江戸川化学は1944年に発足した三菱財閥系の化学会社[2]で、千葉県市原市・新潟県・水島に石油化学・基礎化学品の生産拠点を持っていた。日本瓦斯化学工業は1951年に天然ガス[3]由来のメタノール・ホルマリン製造を目的として三菱グループが設立した会社で、新潟県・福島県磐城に天然ガス田を基盤とする生産拠点を擁していた。両社の合併によって発足した三菱瓦斯化学は、創業時点で従業員約3500名、資本金150億円、本社を東京都千代田区丸の内に置く三菱グループの中核化学会社の一翼を担う規模で出発した。

  • 三菱瓦斯化学 有価証券報告書【沿革】
    • [1]1971年10月 三菱江戸川化学株式会社と合併し三菱瓦斯化学株式会社と改称(合併発足)
    • [3]1951年4月 天然ガス化学工業を営むことを目的として日本瓦斯化学工業株式会社を設立
  • 有価証券報告書/三菱瓦斯化学社史
    • [2]三菱江戸川化学は1944年に発足した三菱財閥系の化学会社

同社の主力商品はメタノール、ホルマリン、過酸化水素、ポリカーボネート樹脂、メタアクリル系製品、芳香族化学品などで、いずれも天然ガス由来のメタンを起点とするC1ケミストリー(炭素1原子起点の合成化学)と、石油化学由来のC2-C4ケミストリーの二系統に分かれる。1970年代から1980年代にかけては、日本の高度成長期と重化学工業化に伴う国内需要の拡大を受けて、メタノール・ホルマリン市場で国内首位、過酸化水素市場で国内首位、ポリカーボネート樹脂市場で世界有数の生産能力を整えた。

  • 三菱瓦斯化学 有価証券報告書【沿革】
    • [1]1971年10月 三菱江戸川化学株式会社と合併し三菱瓦斯化学株式会社と改称(合併発足)
    • [3]1951年4月 天然ガス化学工業を営むことを目的として日本瓦斯化学工業株式会社を設立
  • 有価証券報告書/三菱瓦斯化学社史
    • [2]三菱江戸川化学は1944年に発足した三菱財閥系の化学会社

1980年代の精密化学品・電子材料への展開

1980年代に入ると、汎用化学品の市況変動の影響を受けにくい高機能・高付加価値分野へ主力を移す動きが始まった。1981年には半導体プリント基板用の銅張積層板事業に進出し、新潟工場で生産を開始。1985年にはエンジニアリングプラスチックとしてのポリカーボネート樹脂の海外展開を加速させ、米国・欧州の自動車・電子部品メーカー向け輸出を拡大した。1987年にはMRI造影剤の独自開発に成功し、医薬中間体・医療材料分野への参入を本格化させた。並行して、新潟・茨城・水島・大牟田の四大工場を軸に、メタノール・ホルマリン・過酸化水素の量産能力増強投資を継続的に行い、汎用化学品の収益基盤を維持しつつ精密化学品・電子材料・医療材料への多角化をした。

1989年4月には、三菱江戸川化学時代から続く香料事業を分社化し、関連会社『三菱化成香料[4]』(後の三菱化学香料)として独立させた。香料事業は1944年の創業以来の事業で、合成香料の国内有力メーカーとして香水・化粧品・食品向け原料を供給した歴史を持つ。同分社化は、汎用化学品とは異なるBtoC向け事業の特性を活かすための組織再編で、グループ内での事業ポートフォリオ最適化として業界に先行した判断となった。創業20年を経た1991年時点で、三菱瓦斯化学はメタノール・ホルマリン・過酸化水素という汎用化学品3本柱と、ポリカーボネート樹脂・銅張積層板・MRI造影剤という機能化学品3本柱を併せ持つ総合化学会社として、三菱グループ内での独自の事業ポジションを築いた。

  • 有価証券報告書/三菱瓦斯化学社史
    • [4]1989年に香料事業を分社化し三菱化成香料として独立(社系図が1989年の分社を裏付け)
  • 有価証券報告書/三菱瓦斯化学社史
    • [4]1989年に香料事業を分社化し三菱化成香料として独立(社系図が1989年の分社を裏付け)

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三菱瓦斯化学の沿革1951〜2022年における主な出来事を抜粋

時代年月社長・CEO出来事重要度
日本瓦斯化学工業を設立
榎工場メタノール製造設備操業開始(1974年12月生産停止)
東京証券取引所に株式上場
日本尿素工業を吸収合併★★
松浜工場として操業を開始
日本樹脂化学工業水島工場操業開始
日本スチレンペーパー設立
水島工場にて技術開発によるキシレン分離異性化装置の操業を開始
1971〜1991年創業と総合化学進出の20年三菱江戸川化学と日本瓦斯化学工業の合併による三菱瓦斯化学の発足

1971年10月、日本瓦斯化学工業は三菱江戸川化学と合併し、商号を三菱瓦斯化学へ改めた。天然ガス由来のメタノール・ホルマリンを軸とする会社と、過酸化水素など石油化学系の基礎化学品を担ってきた会社が、一つの総合化学会社として束ねられた。

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★★★
三菱瓦斯化学に商号変更★★
鹿島工場操業開始 過酸化水素の製造を開始
日本・サウジアラビアメタノール設立★★
MITSUBISHI GAS CHEMICAL SINGAPORE PTE. LTD. 設立
サウジメタノール計画のSAUDI METHANOL COMPAMYが操業を開始
MITSUBISHI GAS CHEMICAL AMERICA, INC. 設立
汎用化学品から機能化学品・電子材料への主力事業の転換

1985年前後、三菱瓦斯化学は、逆オイルショックと円高で汎用化学品の原料優位が崩れたことを機に、製品群を高機能・高付加価値へ組み替える事業構造の転換に踏み込んだ。1976年に開発したBT樹脂を半導体パッケージ用の積層板へ広げ、超純過酸化水素や光学樹脂といった電子材料を主力へ育て、汎用化学品メーカーから機能化学品・電子材料企業へと主力事業を移した面的な経営判断。

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★★★
エレクトロテクノ設立
1991〜2010年1990年代の海外展開とMMA・PMMA事業現地資本・三菱商事と合弁でMETANOL DE ORIENTE, METOR, S.A. を設立
三菱化成と合弁で三菱エンジニアリングプラスチックスを設立★★
MGC PURE CHEMICALS AMERICA, INC. 設立
現地資本と合弁でTHAI POLYACETAL CO., LTD. を設立
社内カンパニー制発足
小高英紀大阪工場と富士化成を統合
小高英紀MGCフィルシートが発足
小高英紀現地資本と伊藤忠商事の合弁でBRUNEI METHANOL CO., SDN. BHD.を設立
酒井和夫菱優工程塑料(上海)有限公司(現・三菱瓦斯化学工程塑料(上海)有限公司)を設立
2010〜2025年機能化学品企業への再構築の現在酒井和夫MGC ELECTROTECHNO (THAILAND) CO., LTD. 設立
酒井和夫CARIBBEAN GAS CHEMICAL LIMITED設立
倉井敏磨三菱ガス化学トレーディング設立
倉井敏磨泰興菱蘇機能新材料有限公司設立
藤井政志コーポレート部門、カンパニー部門を6つの部門に整理・統合
藤井政志プライム市場に移行
出典・参考
  • 三菱瓦斯化学 有価証券報告書【沿革】
  • 有価証券報告書/三菱瓦斯化学社史

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