原油を蒸留すれば軽い成分から順に出てくる以上、ガソリンだけを作る製油所は存在しえない。改造はこの制約から始まっている。C重油を燃やして電力にし、分解してプロピレンにし、ヘビーナフサからガソリンではなくパラキシレンを多く取る。脱ガソリンと呼ばれた判断の実体は、石油からの離脱ではなく、同じ蒸留塔から出てくるものの売り先の組み替えであった。
組み替えだけで設備の余りが解けたわけではない。仙台の一件は当初300億〜400億円の想定が600億円に増加し、2008年3月期には280億円の実質経常赤字が見込まれた。追加投資で償却の進んだ製油所の価値が上がるという竹内敬三所長の見立ては、すべての製油所に等しく当てはまるものではなかったと推察される。