株主要求と会社対応9件
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株主要求と会社対応
バリューアクトは書簡も株主提案も公表せず、取締役会を通じてオリンパスの内側から変革に関わった。2018年5月の大量保有報告書は保有目的に、純投資に加えて経営陣への助言と状況に応じた重要提案行為等を掲げた。2019年1月にオリンパスが最大株主と記し、同年6月にパートナーのヘイル氏が取締役に選ばれた。2019年4月の株式分割の後に持株の処分を重ね、2021年1月の変更報告書で保有割合は4.01%となったが、ヘイル氏は取締役にとどまり、オリンパスの経営に継続関与したと推定される。
オリンパスはバリューアクトを退けず、最大株主との協調を変革の計画に組み込んだ。2019年1月の企業変革プランで、同社との継続的かつ協調的な関係に基づきヘイル氏を取締役に提案すると記し、その他の取締役における新任者の選定にもバリューアクトの助言を参考にするとした。映像事業はデジタルカメラ市場の縮小と3期連続の営業損失を理由に挙げて譲渡し、科学事業は2019年11月の経営戦略に基づいて譲渡するなど、ドラスティックな事業変革を推進した。
要求と経緯要求0件・出来事9件
株主との対話:株主から会社に対する要求と経緯
| 項目 | 日付 | 主体 | 対話区分 | やり取りの要旨 | 株主公表 | 会社公表 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 経営戦略 | 2019/01/11 | 意思決定 | 確定企業変革プランの策定 | — | ||
| 2019/11/06 | 意思決定 | 確定営業利益率20%以上の目標 | — | |||
| 非中核事業 | 2020/06/24 | 意思決定 | 確定映像事業の譲渡 | — | ||
| 2022/08/29 | 意思決定 | 確定科学事業の譲渡 | — | |||
| 取締役選任 | 2019/02/08 | 意思決定 | 確定ビーズリー氏らの取締役候補 | — | ||
| 2019/06/25 | 株主総会 | 議案決議 | 可決ヘイル氏の取締役選任83.62% | — | ||
| 2020/07/30 | 株主総会 | 議案決議 | 可決ヘイル氏の取締役選任83.39% | — | ||
| 取締役会構成 | 2019/03/29 | 意思決定 | 確定指名委員会等設置会社へ移行 | — | ||
| 自社株買い | 2019/08/29 | 意思決定 | 確定自社株買い933億円 | — |
| 日付 | 主体 | 対話区分 | やり取りの要旨 | 株主公表 | 会社公表 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2019/01/11 | 意思決定 | 確定企業変革プランの策定 | — | ||
| 2019/02/08 | 意思決定 | 確定ビーズリー氏らの取締役候補 | — | ||
| 2019/03/29 | 意思決定 | 確定指名委員会等設置会社へ移行 | — | ||
| 2019/06/25 | 株主総会 | 議案決議 | 可決ヘイル氏の取締役選任83.62% | — | |
| 2019/08/29 | 意思決定 | 確定自社株買い933億円 | — | ||
| 2019/11/06 | 意思決定 | 確定営業利益率20%以上の目標 | — | ||
| 2020/06/24 | 意思決定 | 確定映像事業の譲渡 | — | ||
| 2020/07/30 | 株主総会 | 議案決議 | 可決ヘイル氏の取締役選任83.39% | — | |
| 2022/08/29 | 意思決定 | 確定科学事業の譲渡 | — |
会社側の主張:オリンパス
具体的には、2019 年6月開催予定の定時株主総会において、3名の新取締役候補者の選任を検討しております。当社の最大株主である ValueAct Capital Management L.P.(以下「ValueAct」といいます。)との継続的かつ協調的な関係に基づき、同社のパートナーを務める D. Robert Hale 氏を取締役としてご提案する予定です。
(中略)
また、他の取締役候補者に関しても、医療機器業界をリードするメドテック企業における経験を有する海外のエグゼクティブを選任するべく、その選定に際し、ValueAct からの助言も参考にする予定です。
筆者見解(歴史的文脈から見た視点)
要求区分の一覧19種類
バリューアクトの要求区分:公開資料からの推定
オリンパスに対し、バリューアクトがどの要求区分(投資ファンドが要求する項目を独自に一般化したもの)を、どの手段で伝えたかを、公開資料で確かめられる範囲で○を付けて示す。
| 種別 | 要求区分 | 定義 | 株主提案 | 招集請求 | 書簡提案 | 面談提案 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 資本政策 | 特別配当 | 通常の配当に上乗せした、一度きりの配当 | ||||
| 配当方針 | 1株配当の引き上げ、配当性向・DOEの目標の変更 | |||||
| 自社株買い | 自己株式の取得と、取得した株式の消却 | |||||
| 資本効率 | ROE・資本コストの目標、余剰資本の水準と使い道の方針。個別の還元策は特別配当・配当方針・自社株買い | |||||
| 政策保有株 | 取引先などと持ち合う政策保有株式の売却・縮減 | |||||
| 保有資産 | 現預金・不動産など事業に使っていない資産の売却・活用。政策保有株式は除く | |||||
| 事業戦略 | 上場子会社 | 上場子会社の完全子会社化・売却・持分の扱い | ||||
| 非中核事業 | 本業から外れた事業・子会社・資産の売却。上場子会社は除く | |||||
| 経営戦略 | 経営戦略・中期経営計画・事業ポートフォリオの見直し | |||||
| M&A・提携 | 会社が進める買収・統合・資本提携への反対、条件の見直し | |||||
| 非公開化 | 株式の非公開化・MBOの実施、その条件の見直し | |||||
| 買収提案 | 株主自らが買い手となる株式の買付けの提案と、取締役会への賛同の要請。会社が進める買収はM&A・提携、非公開化の実施は非公開化 | |||||
| ガバナンス | 取締役解任 | 特定の取締役の解任、再任への反対 | ||||
| 取締役選任 | 株主が推す候補を含む取締役の選任 | |||||
| 取締役会構成 | 独立社外取締役の比率、議長と社長の分離など取締役会の構成 | |||||
| 定款変更 | 株主総会で決められる事項を増やすなどの定款の変更 | |||||
| 役員報酬 | 役員報酬の水準・仕組み・業績との連動の見直し | |||||
| 買収防衛策 | 買収防衛策の廃止、導入への反対 | |||||
| 非公開 | 非公開面談 | 面談など公表されない場で伝えた要求。中身は非公開 |
参考文献15件
参考文献
| 日付 | 公表 | 種類 | 要旨 |
|---|---|---|---|
| 2019/01/11 | 会社公表 | 適時開示 | 変革プラン「Transform Olympus」の策定 |
| 2019/02/08 | 会社公表 | 適時開示 | カウフマン氏とビーズリー氏の取締役候補の決定 |
| 2019/03/29 | 会社公表 | 適時開示 | 指名委員会等設置会社への移行と新任取締役候補の内定 |
| 2019/06/26 | 会社公表 | 臨時報告書 | ヘイル氏の取締役選任の賛成率 83.62% |
| 2019/08/29 | 会社公表 | 適時開示 | ソニーの保有株を対象とした自己株式の取得 |
| 2019/08/30 | 会社公表 | 適時開示 | ソニーの保有株を対象とした自己株式の取得 |
| 2019/11/06 | 会社公表 | 適時開示 | 営業利益率20%以上を目標とする経営戦略の策定 |
| 2020/06/24 | 会社公表 | 適時開示 | 映像事業の日本産業パートナーズへの譲渡 |
| 2020/07/31 | 会社公表 | 臨時報告書 | ヘイル氏の取締役選任の賛成率 83.39% |
| 2020/09/30 | 会社公表 | 適時開示 | 映像事業の日本産業パートナーズへの譲渡 |
| 2021/01/04 | 会社公表 | 適時開示 | 映像事業の日本産業パートナーズへの譲渡 |
| 2022/08/29 | 会社公表 | 適時開示 | 科学事業(エビデント)のベインキャピタル系への譲渡 |
| 2022/12/27 | 会社公表 | 適時開示 | 科学事業(エビデント)のベインキャピタル系への譲渡 |
| 2023/01/20 | 会社公表 | 適時開示 | 科学事業(エビデント)のベインキャピタル系への譲渡 |
| 2023/04/03 | 会社公表 | 適時開示 | 科学事業(エビデント)のベインキャピタル系への譲渡 |