第2章 年〜年

テクノプロ・ホールディングス:Robosoft Technologies買収と内部成長への転換

Helius減損によるM&A方針の見直し

2019年〜五年で売上1,600億円という計画と、規模を買う手段としてのM&A

2017年に始まった中期経営計画は、2022年6月期の到達点を三つの数字で示した。売上高1,600億円以上、営業利益170億円以上、ROE20%以上である。その手段として置かれたのが、5カ年で200億円のM&A投資枠だった。計画の初年度にあたる2017年6月期の技術者数は14,346人、平均稼働率は95.3%だった。2019年6月期末の国内技術者数は19,293人まで増え、前期からの増加は2,496人にのぼる。売上高が計画の水準へ届くのは2年前倒しの見込みだったが、利益は同じ速さで伸びなかった。規模だけが先に計画を追い越した。

  • テクノプロ・ホールディングス アニュアルレポート2017
    • [1]新中期経営計画の2022年6月期目標は、売上高1,600億円以上、営業利益170億円以上、当期利益110億円以上、ROE20%以上
    • [2]新中期経営計画の2022年6月期目標は、売上高1,600億円以上、営業利益170億円以上、当期利益110億円以上、ROE20%以上
    • [3]成長戦略を推進する手段として積極的M&Aの推進(5カ年投資枠200億円)を掲げる
    • [4]2017年6月期の技術者数は14,346名、平均稼働率は95.3%
  • テクノプロ・ホールディングス 有価証券報告書【経営成績等の状況の概要】(2019年6月期)
    • [5]2019年6月期末の国内技術者数は19,293人(前連結会計年度末比2,496人増)
  • テクノプロ・ホールディングス 2019年6月期通期決算説明会 質疑応答
    • [6]西尾保示CEOは、売上1,600億円は2年前倒しで達成できるが利益はそこまで至っておらず、中期経営計画で想定していた5年目に比べて利益率が落ちていると述べた

技術者を増やす道は二つあった。採用で一人ずつ雇うか、技術者を抱えた会社ごと買うかである。2019年6月期の国内技術者採用数は、買収によって獲得した技術者を含めて4,512人だった。買収の対象は国内に留まらない。2018年3月にはシンガポールのHelius Technologies Pte Ltdを子会社とした。同年10月には、英国のOrion Managed Services Limitedを連結子会社としている。2019年2月には、スカウト型の人材紹介事業を営むテクノブレーン株式会社を連結子会社とした。国内の技術者採用市場では、需要に対する供給不足が続いていた。2017年6月期の年間応募者数は25,000人以上、採用実績は2,684人である。採用の速度に上限がある事業で、買収は人数を一度に積む手段になる。

  • テクノプロ・ホールディングス 有価証券報告書【経営成績等の状況の概要】(2019年6月期)
    • [7]2019年6月期の国内技術者採用数(M&Aによって獲得した技術者数を含む)は4,512人(前連結会計年度比361人増)
    • [8]2018年3月 シンガポール本社のHelius Technologies Pte Ltdを子会社化、2018年10月 英国を拠点に技術者派遣事業及び人材紹介事業を展開するOrion Managed Services Limitedを連結子会社化
    • [9]2018年3月 シンガポール本社のHelius Technologies Pte Ltdを子会社化、2018年10月 英国を拠点に技術者派遣事業及び人材紹介事業を展開するOrion Managed Services Limitedを連結子会社化
    • [10]2019年2月 ハイエンド技術者に特化したスカウト型の人材紹介事業を営むテクノブレーン株式会社を連結子会社化
    • [11]国内における技術者採用市場は、需要に対して供給不足の状態が継続している
  • テクノプロ・ホールディングス アニュアルレポート2017
    • [12]年間応募者数25,000人以上、昨年度採用実績2,684人、80名の専門分野に特化したリクルーターが多角的なチャネルを活用して採用活動を行う(2017年6月期)

買収には回収の基準が置かれていた。投じた資本に対する利益率が資本コストを上回るかどうかである。2019年8月の決算説明会で、西尾保示CEOは英国のOrion Managed Services Limitedに触れた。ROICは10.4%の実績を出しており、買収時に期待した水準をほぼ満たしていた。中国の現地法人でも、進出した日系企業の需要と日本からのオフショアリング案件の受託は好調に推移していた。一方でM&Aの方針は見直され、件数のペースは落とすが金額のペースは従来どおりに保つ考えが示された。買収が規律を持つのは、買った後の利益率を測る物差しが先にあるときだけである。

  • テクノプロ・ホールディングス 有価証券報告書【経営成績等の状況の概要】(2020年6月期)
    • [13]資本コストを常に意識した事業運営を行っており、投資時の価格交渉や投資後の統合作業(PMI)において、資本コストを上回る投下資本利益率(ROIC)を重要な経営指標の一つと位置付けている
  • テクノプロ・ホールディングス 2019年6月期通期決算説明会 質疑応答
    • [14]西尾保示CEOは、Orion Managed Services LimitedのROICが10.4%という実績を出しており、ほぼ期待どおりに事業運営がなされていると説明した
    • [15]西尾保示CEOは、Orion Managed Services LimitedのROICが10.4%という実績を出しており、ほぼ期待どおりに事業運営がなされていると説明した
    • [16]西尾保示CEOは、中国の現地法人について、中国に進出した日系企業の需要と日本からのオフショアリング案件の受託が非常に好調に推移していると述べた
    • [17]西尾保示CEOは、M&Aの方針の見直しにより件数ペースは減るが、金額ペースは従来どおりのペースで進めたいと述べた
参考文献[1]-[17]
  • テクノプロ・ホールディングス アニュアルレポート2017
    • [1]新中期経営計画の2022年6月期目標は、売上高1,600億円以上、営業利益170億円以上、当期利益110億円以上、ROE20%以上
    • [2]新中期経営計画の2022年6月期目標は、売上高1,600億円以上、営業利益170億円以上、当期利益110億円以上、ROE20%以上
    • [3]成長戦略を推進する手段として積極的M&Aの推進(5カ年投資枠200億円)を掲げる
    • [4]2017年6月期の技術者数は14,346名、平均稼働率は95.3%
    • [12]年間応募者数25,000人以上、昨年度採用実績2,684人、80名の専門分野に特化したリクルーターが多角的なチャネルを活用して採用活動を行う(2017年6月期)
  • テクノプロ・ホールディングス 有価証券報告書【経営成績等の状況の概要】(2019年6月期)
    • [5]2019年6月期末の国内技術者数は19,293人(前連結会計年度末比2,496人増)
    • [7]2019年6月期の国内技術者採用数(M&Aによって獲得した技術者数を含む)は4,512人(前連結会計年度比361人増)
    • [8]2018年3月 シンガポール本社のHelius Technologies Pte Ltdを子会社化、2018年10月 英国を拠点に技術者派遣事業及び人材紹介事業を展開するOrion Managed Services Limitedを連結子会社化
    • [9]2018年3月 シンガポール本社のHelius Technologies Pte Ltdを子会社化、2018年10月 英国を拠点に技術者派遣事業及び人材紹介事業を展開するOrion Managed Services Limitedを連結子会社化
    • [10]2019年2月 ハイエンド技術者に特化したスカウト型の人材紹介事業を営むテクノブレーン株式会社を連結子会社化
    • [11]国内における技術者採用市場は、需要に対して供給不足の状態が継続している
  • テクノプロ・ホールディングス 2019年6月期通期決算説明会 質疑応答
    • [6]西尾保示CEOは、売上1,600億円は2年前倒しで達成できるが利益はそこまで至っておらず、中期経営計画で想定していた5年目に比べて利益率が落ちていると述べた
    • [14]西尾保示CEOは、Orion Managed Services LimitedのROICが10.4%という実績を出しており、ほぼ期待どおりに事業運営がなされていると説明した
    • [15]西尾保示CEOは、Orion Managed Services LimitedのROICが10.4%という実績を出しており、ほぼ期待どおりに事業運営がなされていると説明した
    • [16]西尾保示CEOは、中国の現地法人について、中国に進出した日系企業の需要と日本からのオフショアリング案件の受託が非常に好調に推移していると述べた
    • [17]西尾保示CEOは、M&Aの方針の見直しにより件数ペースは減るが、金額ペースは従来どおりのペースで進めたいと述べた
  • テクノプロ・ホールディングス 有価証券報告書【経営成績等の状況の概要】(2020年6月期)
    • [13]資本コストを常に意識した事業運営を行っており、投資時の価格交渉や投資後の統合作業(PMI)において、資本コストを上回る投下資本利益率(ROIC)を重要な経営指標の一つと位置付けている

2019年〜回収できなかった買収と、減損が引いた線

最初に計画から外れたのはシンガポールだった。2019年6月期の海外セグメントでは、のれんの減損損失16億73百万円が計上されている。西尾保示CEOは同年8月の決算説明会で、利益が中期経営計画の想定に届かない理由を挙げた。その一つがHelius Technologies Pte Ltdである。計画を立てた時点でこの会社はグループに無かった。外形標準課税の導入や技術者の処遇改善への支出とあわせて、想定していた利益率は落ちた。Helius Technologies Pte Ltdの2020年6月期の売上高は40億19百万円で、前年から10億63百万円減った。買収は売上を一度に積む代わりに、回収できなければ利益を一度に削る。

  • テクノプロ・グループ決算説明資料(2020年6月期)
    • [18]2019年6月期の海外セグメントにおいて、減損損失1,673百万円を計上
    • [23]Helius社の2020年6月期の売上高は4,019百万円(前年比△1,063百万円、△20.9%)で、予算5,400百万円に大きく未達
  • テクノプロ・ホールディングス 2019年6月期通期決算説明会 質疑応答
    • [19]西尾保示CEOは、利益が中期経営計画の想定に届かない要因として、外形標準課税の問題とHeliusが足を引っ張っていること、処遇改善のための支出を挙げた
    • [20]西尾保示CEOは、利益が中期経営計画の想定に届かない要因として、外形標準課税の問題とHeliusが足を引っ張っていること、処遇改善のための支出を挙げた
    • [21]西尾保示CEOは、中期経営計画の策定当時にはHeliusはグループに無く、中期経営計画で想定していた5年目に比べて利益率が落ちていると述べた
    • [22]西尾保示CEOは、中期経営計画の策定当時にはHeliusはグループに無く、中期経営計画で想定していた5年目に比べて利益率が落ちていると述べた

減損は翌期も続いた。2020年6月期には国内子会社2社ののれんについて、合計9億15百万円の減損損失が計上される。内訳は施工管理領域の株式会社トクオが4億8百万円、人材紹介事業の株式会社テクノブレーンが5億7百万円だった。投下資本はトクオが9億5百万円、テクノブレーンが6億95百万円である。2020年6月期の実績で見たROICは、トクオが4.5%、テクノブレーンが3.7%にとどまり、いずれも資本コスト7.9%を下回った。買収から間もない2社について、買収時の計画そのものが大幅な修正を迫られていた。同年6月末の連結財政状態計算書に計上されたのれんと無形資産は合計382億65百万円で、総資産の35.4%を占める。

  • テクノプロ・グループ決算説明資料(2020年6月期)
    • [24]2020年6月期の減損損失は合計915百万円
    • [25]トクオ社ののれん減損408百万円、テクノブレーン社ののれん減損507百万円
    • [26]投下資本の額はトクオ社905百万円、テクノブレーン社695百万円
    • [27]2020年6月期実績のROICはトクオ社4.5%、テクノブレーン社3.7%。資本コストは7.9%
    • [28]買収後まだ間もない国内2社について、買収時計画の大幅な修正も強いられることから、のれんの減損損失を先んじて計上した
  • テクノプロ・ホールディングス 有価証券報告書【経営成績等の状況の概要】(2020年6月期)
    • [29]2020年6月30日現在、連結財政状態計算書に合計38,265百万円ののれんと無形資産を計上しており、これらは総資産の35.4%を占める

国内子会社2社ののれんは二期連続で減損され、損失は合わせて約9億円に達した。2020年8月の決算説明会でこれに言及した萩原CFOは、経営陣として深く省みるべき点だと自身の言葉で語った『マネジメントとして深く反省すべきところであります』。経営の側がこの減損を失敗と認めたことになる。2019年7月にCFOに就いてからは、M&Aに規律をもって臨んでいるという。問われるのは中長期の戦略と合っているか、EPSが上がるかだけではなく、資本コストを超えるROICを出せるかどうかである。以後の新規投資では、同じような減損を繰り返さないことが前提とされた。減損のリスクを意識することが、買収への取組みに規律を働かせる仕組みとして位置づけられていた。買った会社の数ではなく、買い方の基準が入れ替わった局面である。

  • テクノプロ・ホールディングス 2020年6月期通期決算説明会 質疑応答
    • [30]萩原CFOは、昨年に続き前期も国内子会社2社ののれんを減損し合計約9億円の損失を計上したことについて、マネジメントとして深く反省すべきところだと述べた
    • [31]萩原CFOは、昨年に続き前期も国内子会社2社ののれんを減損し合計約9億円の損失を計上したことについて、マネジメントとして深く反省すべきところだと述べた
    • [32]萩原CFOは、2019年7月のCFO就任以降、中長期的な戦略との整合性やEPSの上昇のみならず、資本コストを上回るROICを実現できるかという観点でM&Aにより規律をもって取り組んでいると述べた
    • [33]萩原CFOは、2019年7月のCFO就任以降、中長期的な戦略との整合性やEPSの上昇のみならず、資本コストを上回るROICを実現できるかという観点でM&Aにより規律をもって取り組んでいると述べた
    • [34]萩原CFOは、今後の新規投資案件ではこのような減損計上が二度と起こらぬよう注意すると述べた
  • テクノプロ・ホールディングス 有価証券報告書【経営成績等の状況の概要】(2020年6月期)
    • [35]減損リスクを意識することで、M&Aへの取組みに規律を働かせている
参考文献[18]-[35]
  • テクノプロ・グループ決算説明資料(2020年6月期)
    • [18]2019年6月期の海外セグメントにおいて、減損損失1,673百万円を計上
    • [23]Helius社の2020年6月期の売上高は4,019百万円(前年比△1,063百万円、△20.9%)で、予算5,400百万円に大きく未達
    • [24]2020年6月期の減損損失は合計915百万円
    • [25]トクオ社ののれん減損408百万円、テクノブレーン社ののれん減損507百万円
    • [26]投下資本の額はトクオ社905百万円、テクノブレーン社695百万円
    • [27]2020年6月期実績のROICはトクオ社4.5%、テクノブレーン社3.7%。資本コストは7.9%
    • [28]買収後まだ間もない国内2社について、買収時計画の大幅な修正も強いられることから、のれんの減損損失を先んじて計上した
  • テクノプロ・ホールディングス 2019年6月期通期決算説明会 質疑応答
    • [19]西尾保示CEOは、利益が中期経営計画の想定に届かない要因として、外形標準課税の問題とHeliusが足を引っ張っていること、処遇改善のための支出を挙げた
    • [20]西尾保示CEOは、利益が中期経営計画の想定に届かない要因として、外形標準課税の問題とHeliusが足を引っ張っていること、処遇改善のための支出を挙げた
    • [21]西尾保示CEOは、中期経営計画の策定当時にはHeliusはグループに無く、中期経営計画で想定していた5年目に比べて利益率が落ちていると述べた
    • [22]西尾保示CEOは、中期経営計画の策定当時にはHeliusはグループに無く、中期経営計画で想定していた5年目に比べて利益率が落ちていると述べた
  • テクノプロ・ホールディングス 有価証券報告書【経営成績等の状況の概要】(2020年6月期)
    • [29]2020年6月30日現在、連結財政状態計算書に合計38,265百万円ののれんと無形資産を計上しており、これらは総資産の35.4%を占める
    • [35]減損リスクを意識することで、M&Aへの取組みに規律を働かせている
  • テクノプロ・ホールディングス 2020年6月期通期決算説明会 質疑応答
    • [30]萩原CFOは、昨年に続き前期も国内子会社2社ののれんを減損し合計約9億円の損失を計上したことについて、マネジメントとして深く反省すべきところだと述べた
    • [31]萩原CFOは、昨年に続き前期も国内子会社2社ののれんを減損し合計約9億円の損失を計上したことについて、マネジメントとして深く反省すべきところだと述べた
    • [32]萩原CFOは、2019年7月のCFO就任以降、中長期的な戦略との整合性やEPSの上昇のみならず、資本コストを上回るROICを実現できるかという観点でM&Aにより規律をもって取り組んでいると述べた
    • [33]萩原CFOは、2019年7月のCFO就任以降、中長期的な戦略との整合性やEPSの上昇のみならず、資本コストを上回るROICを実現できるかという観点でM&Aにより規律をもって取り組んでいると述べた
    • [34]萩原CFOは、今後の新規投資案件ではこのような減損計上が二度と起こらぬよう注意すると述べた

2020年〜採用を止めると利益が出る事業で、成長へ戻る

2020年、事業を測る指標が同時に揺れた。国内の技術系人材派遣・請負受託ソリューション事業の売上と利益は、技術者数・稼働率・売上単価の三つで決まる。2020年6月期の平均稼働率は94.0%と前期から1.5pt下がり、月次平均売上単価は630千円となった。新型コロナウイルス感染症を直接の理由とする売上毀損は16億6千万円で、うち国内が11億4千万円、海外が5億2千万円である。一時帰休は稼働日数を減らし、テレワークの増加と顧客の予算統制は残業時間を減らした。テレワークはIT系を中心に広がり、ピーク時には4,800名に及んでいる。三つの指標のうち二つが外から押し下げられた。

  • テクノプロ・ホールディングス 2020年6月期通期決算説明会 質疑応答
    • [36]萩原CFOは、国内技術系人材派遣・請負受託ソリューション事業の売上や利益水準は主として技術者数・稼働率・売上単価によって決まると述べた
    • [39]萩原CFOは、技術者の有給取得や請求不可の一時帰休は稼働日数を減らし、テレワークの増加や顧客の予算統制は残業時間の減少という形で現れると述べた
  • テクノプロ・ホールディングス 有価証券報告書【経営成績等の状況の概要】(2020年6月期)
    • [37]2020年6月期の平均稼働率は94.0%(前連結会計年度比1.5pt減少)、月次平均売上単価は月額630千円(同0.4千円減少)
  • テクノプロ・グループ決算説明資料(2020年6月期)
    • [38]2020年6月期の売上高の予想比15.9億円の未達は、COVID-19を直接の理由とする売上毀損16.6億円(国内11.4億円、海外5.2億円)が主な原因
    • [40]テレワークはIT系を中心に広がり、ピーク時で4,800名、2020年7月末時点で2,416名(残業時間は減少傾向)

採用を止めると、この事業は利益が出る。中途採用はいち早く凍結され、2021年4月入社の新卒採用も大きく絞られた。2021年6月期の営業利益は194億円で前期比23.4%の増加となったが、ここには国内の雇用調整助成金約18億円が含まれている。特別項目を除いた事業利益は176億円、前期比8.4%の増加だった。成長が止まる過程では、採用費の減少に伴う経費削減効果で利益が実態以上に出る。萩原CFOは、過去最高益となった2021年6月期を成長をいったん諦めた年度だと位置づけた。再び成長へ舵を切れば、先んじて生じる採用費の増加が足元の利益を圧迫する。利益の出方が事業の勢いと逆を向く期間があった。

  • テクノプロ・ホールディングス 2021年6月期通期決算説明会 質疑応答
    • [41]萩原CFOは、先行きが見えないなか中途採用をいち早く凍結し、2021年4月入社の新卒採用も大きく絞ったと述べた
    • [42]2021年6月期の通期営業利益は194億円で前年比23.4%の増加。国内の雇用調整助成金約18億円を含む
    • [43]雇用調整助成金などの特別項目を除いた2021年6月期の事業利益は176億円で、前年比8.4%の増加
    • [44]萩原CFOは、成長が止まる過程では採用費減少に伴う経費削減効果で利益は実態以上に出るとし、過去最高益となった2021年6月期は成長をいったん諦めた年度であると述べた
    • [45]萩原CFOは、成長が止まる過程では採用費減少に伴う経費削減効果で利益は実態以上に出るとし、過去最高益となった2021年6月期は成長をいったん諦めた年度であると述べた
  • テクノプロ・ホールディングス 有価証券報告書【経営成績等の状況の概要】(2022年6月期)
    • [46]2022年6月期は、新規採用を事実上凍結していた前年に比べ、採用等の本格化やソリューション人材獲得のための採用・育成といった中期経営計画遂行のための先行投資により、販売管理費が大きく増加した

2021年8月、次の五年の計画が示された。中期経営計画「Evolution 2026」は、国内売上単価を5年後に72万円台へ引き上げる目標を置いた。粗利率は約27%、販売管理費比率は14%程度、営業利益率は12.8%とする。最終年度の当期利益220億円とROE20%は、役員報酬の業績連動部分の基準にも据えられている。2022年6月期の国内技術者採用数は3,830人で、うち851人が2022年4月入社の新卒技術者だった。同期末の国内技術者数は22,048人、平均稼働率は95.3%、月次平均売上単価は658千円である。買って増やす計画は、採って育てて単価を上げる計画へ置き換わった。

  • テクノプロ・ホールディングス 2021年6月期通期決算説明会 質疑応答
    • [47]中期経営計画において、5年後に国内売上単価を72万円台へ引き上げ、粗利率を約27%へ向上、販管費比率を14%程度に抑制、営業利益率を12.8%とする計画を置く
    • [48]中期経営計画において、5年後に国内売上単価を72万円台へ引き上げ、粗利率を約27%へ向上、販管費比率を14%程度に抑制、営業利益率を12.8%とする計画を置く
    • [49]役員報酬のパフォーマンス・シェア・ユニットは、中計最終年度計画値の当期利益220億円の80%(176億円)を下回った場合はゼロ、ROEは20%を下回った場合はゼロとする
  • テクノプロ・ホールディングス 有価証券報告書【経営成績等の状況の概要】(2022年6月期)
    • [50]2022年6月期の国内技術者採用数は3,830人(うち2022年4月入社新卒技術者851人、M&Aによる技術者獲得18人)
    • [51]2022年6月期末の国内技術者数は22,048人(前連結会計年度比1,718人増加)、平均稼働率は95.3%(同0.7pt増加)、月次平均売上単価は月額658千円(同24千円増加)
参考文献[36]-[51]
  • テクノプロ・ホールディングス 2020年6月期通期決算説明会 質疑応答
    • [36]萩原CFOは、国内技術系人材派遣・請負受託ソリューション事業の売上や利益水準は主として技術者数・稼働率・売上単価によって決まると述べた
    • [39]萩原CFOは、技術者の有給取得や請求不可の一時帰休は稼働日数を減らし、テレワークの増加や顧客の予算統制は残業時間の減少という形で現れると述べた
  • テクノプロ・ホールディングス 有価証券報告書【経営成績等の状況の概要】(2020年6月期)
    • [37]2020年6月期の平均稼働率は94.0%(前連結会計年度比1.5pt減少)、月次平均売上単価は月額630千円(同0.4千円減少)
  • テクノプロ・グループ決算説明資料(2020年6月期)
    • [38]2020年6月期の売上高の予想比15.9億円の未達は、COVID-19を直接の理由とする売上毀損16.6億円(国内11.4億円、海外5.2億円)が主な原因
    • [40]テレワークはIT系を中心に広がり、ピーク時で4,800名、2020年7月末時点で2,416名(残業時間は減少傾向)
  • テクノプロ・ホールディングス 2021年6月期通期決算説明会 質疑応答
    • [41]萩原CFOは、先行きが見えないなか中途採用をいち早く凍結し、2021年4月入社の新卒採用も大きく絞ったと述べた
    • [42]2021年6月期の通期営業利益は194億円で前年比23.4%の増加。国内の雇用調整助成金約18億円を含む
    • [43]雇用調整助成金などの特別項目を除いた2021年6月期の事業利益は176億円で、前年比8.4%の増加
    • [44]萩原CFOは、成長が止まる過程では採用費減少に伴う経費削減効果で利益は実態以上に出るとし、過去最高益となった2021年6月期は成長をいったん諦めた年度であると述べた
    • [45]萩原CFOは、成長が止まる過程では採用費減少に伴う経費削減効果で利益は実態以上に出るとし、過去最高益となった2021年6月期は成長をいったん諦めた年度であると述べた
    • [47]中期経営計画において、5年後に国内売上単価を72万円台へ引き上げ、粗利率を約27%へ向上、販管費比率を14%程度に抑制、営業利益率を12.8%とする計画を置く
    • [48]中期経営計画において、5年後に国内売上単価を72万円台へ引き上げ、粗利率を約27%へ向上、販管費比率を14%程度に抑制、営業利益率を12.8%とする計画を置く
    • [49]役員報酬のパフォーマンス・シェア・ユニットは、中計最終年度計画値の当期利益220億円の80%(176億円)を下回った場合はゼロ、ROEは20%を下回った場合はゼロとする
  • テクノプロ・ホールディングス 有価証券報告書【経営成績等の状況の概要】(2022年6月期)
    • [46]2022年6月期は、新規採用を事実上凍結していた前年に比べ、採用等の本格化やソリューション人材獲得のための採用・育成といった中期経営計画遂行のための先行投資により、販売管理費が大きく増加した
    • [50]2022年6月期の国内技術者採用数は3,830人(うち2022年4月入社新卒技術者851人、M&Aによる技術者獲得18人)
    • [51]2022年6月期末の国内技術者数は22,048人(前連結会計年度比1,718人増加)、平均稼働率は95.3%(同0.7pt増加)、月次平均売上単価は月額658千円(同24千円増加)

2019年〜2022年の業績

決算期 区分 売上高 営業利益純利益 主な投資
億円 YoY 億円 利益率 億円
2019年06月期 連結 1,442 n/a 137 9.5% 97 n/a
2020年06月期 連結 1,584 +9.8% 158 10.0% 108 n/a
2021年06月期 連結 1,613 +1.8% 195 12.1% 132 n/a
2022年06月期 連結 1,788 +10.8% 206 11.5% 154 n/a

出典・参考

8件
出典・参考
  • テクノプロ・ホールディングス アニュアルレポート2017
  • テクノプロ・ホールディングス 有価証券報告書【経営成績等の状況の概要】(2019年6月期)
  • テクノプロ・ホールディングス 2019年6月期通期決算説明会 質疑応答
  • テクノプロ・ホールディングス 有価証券報告書【経営成績等の状況の概要】(2020年6月期)
  • テクノプロ・グループ決算説明資料(2020年6月期)
  • テクノプロ・ホールディングス 2020年6月期通期決算説明会 質疑応答
  • テクノプロ・ホールディングス 2021年6月期通期決算説明会 質疑応答
  • テクノプロ・ホールディングス 有価証券報告書【経営成績等の状況の概要】(2022年6月期)

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