freee未完成のまま先行公開:課金機能を欠いた会計ソフトの投入と、その空白を「無料期間」と呼ぶ選択
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- 概要
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2013年3月、CFO株式会社(現・フリー株式会社)が全自動クラウド型会計ソフト"freee"をリリースした。この時点で製品に課金機能はなく、6月までを無料の期間として告知しながら、裏側で課金機能を作り進めた。
- 背景
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佐々木大輔社長はALBERTで経理担当執行役員を務めた際に紙を回す経理処理の煩わしさに直面し、経理自動化の着想を得た。請求・入金・レジ・支払いをこなせば自動的に帳簿がつく"統合型"を日本で初めて投入する構想で、開発の難易度は高かった。
- 内容
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無料は6月までとし、7月以降は青色申告に対応する個人事業主プランが月額980円、会社法に対応する法人プランが月額1,980円とした。従来の代表的な同種クラウドサービスの半額である。会計を扱う会社が、自社の課金の仕組みを持たないまま製品を先に出した。
- 含意
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リリースから2か月で3,300事業所が登録し、2013年5月下旬のIVSローンチパッドでは出場12社のうち優勝を果たした。同年7月、有料プランの開始に合わせて商号をCFO株式会社からフリー株式会社へ改め、製品名を社名に据えている。
順番を先に決めるということ
会計ソフトを売る会社が、自社が代金を受け取る仕組みを最後に回した。2013年3月に出たfreeeには課金機能がなく、6月までを無料の期間として告知しながら、裏で課金機能を作っていた。統合型という設計は、請求も入金もレジも支払いも一本につなぐことを前提としており、作り込みに時間がかかる。中核を先に仕上げ、代金の回収を後ろへ置く。この順番は、製品が受け入れられるかどうかを価格より先に確かめる選択だった。
2か月で3,300事業所という登録は、無料の期間に積まれた。7月から月980円と1,980円を払い続けた事業者がどれだけ残ったかは、当時の誌面からは辿れない。無料で集めてから課金へ移す売り方は、移した先で人が減れば何も残らない。それでも会社は2014年10月に給与計算、2015年6月に会社設立へと対象業務を広げた。開発の難度が高い統合型を、絞るのではなく広げる側で通した。
Yutaka Sugiura, 2026年7月
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