会計ソフトを売る会社が、自社が代金を受け取る仕組みを最後に回した。2013年3月に出たfreeeには課金機能がなく、6月までを無料の期間として告知しながら、裏で課金機能を作っていた。統合型という設計は、請求も入金もレジも支払いも一本につなぐことを前提としており、作り込みに時間がかかる。中核を先に仕上げ、代金の回収を後ろへ置く。この順番は、製品が受け入れられるかどうかを価格より先に確かめる選択だった。
2か月で3,300事業所という登録は、無料の期間に積まれた。7月から月980円と1,980円を払い続けた事業者がどれだけ残ったかは、当時の誌面からは辿れない。無料で集めてから課金へ移す売り方は、移した先で人が減れば何も残らない。それでも会社は2014年10月に給与計算、2015年6月に会社設立へと対象業務を広げた。開発の難度が高い統合型を、絞るのではなく広げる側で通した。